狭小住宅を建築すると、実は価格が高くなる?
※2019年2月現在
都心部で人気を得ている狭小住宅ですが、メリットは多く存在しています。
土地が高いことで、その中でも建てることができる狭小住宅が人気を得ていますが、実は、その狭小住宅でも、建築にかかる費用が割高になってしまうということがあります。
そこで、今回は、狭小住宅でも価格が高くなってしまうことについて見ていきましょう。
・狭小住宅とは
狭小住宅は、日本の住宅の類型で、狭小な土地に建てられた狭小な住宅のことです。
明確な定義はありませんが、一般に約15坪以下の土地に建てられる住宅が狭小住宅と呼ばれます。
狭小な土地に建てられた建売住宅につけられた蔑視的な呼称としてミニ戸建てと呼ばれることもあります。
狭小な土地は、そもそも面積が小さく価格が安い上に、用途が限定されるために同じ地域の通常の土地に比べて地価も安くなります。
変形地も多いため、さらに地価が安くなる場合も多くあります。
このため、特に地価が高い都心部において、安価に住宅を取得する手段として、狭小地に建てられる狭小住宅が近年脚光を浴びるようになっているので、大手住宅メーカーが参入するなど、一種のブームともいえます。
狭小住宅は、延べ床面積を確保するために、3階建て以上にしたり、地下室を設けることもあります。
また、ガラスやアクリル板の透明や半透明な間仕切りを使って開放感を得るなど、狭い面積を有効に活用するためさまざまな工夫もあります。
狭小住宅の施主は、概して建築に対して関心が高いことが多く、狭い面積を活用するための工夫がなされることと相まって、本来、低価格が最大のメリットであるにもかかわらず、狭小住宅の建築コストは一般住宅に比べて割高になることも多くあります。
・狭小住宅が高くなってしまう理由
それでは、なぜ狭小住宅は、高くなってしまうのでしょうか?
そもそも、狭小住宅を検討する理由としては、都心の賃貸マンションに住んでいるが、次の家も通勤に便利な都心で新築を建てたい、駅に近い場所を考えているが、土地の坪単価が高すぎて大きな敷地はいやだ、など都心から離れた郊外に広めの家を建てるか、都心に狭小住宅を建てるか、という選択を迫られている方も多いのではないでしょうか。
しかし、せっかく夢のマイホームを建てるのであれば、仕方なく狭小住宅ではなく、狭小住宅の特性やメリット、デメリットを十分理解したうえで、納得のいくマイホームを建てることが大切です。
それでは、普通の住宅とそう変わらなく見える狭小住宅のどこが割高になってしまうのでしょうか?
それは、土地面積、隣との近さ、駐車場の確保の3つが主な原因となります。
それでは、これらを順番に見ていきましょう。
・土地面積が狭いことで、縦方向を利用すること
まず1つ目は、狭小住宅の場合、居住面積を確保するためには、どうしても縦方向に高くしていくしかない、ということです。
具体的には、中2階がある設計にしたり地下室を設けたり、狭小住宅の中には3階建ての住宅も多いです。
こういった設計や建築時に工数がかかってしまうケースは、どうしても2階建ての住宅よりどうしても高くなってしまいます。
ゆとりのある居住空間を確保するため、3階建てにしなければならない場合、2階建では、免除されている構造計算が必要なことや、階段の数がもうひとつ増えるなどが建築費が高くなる要素となります。
また、階数が増えると住宅が重くなってしまうので、場合によっては地盤改良費もアップしてしまうか可能性があります。
・隣との距離が近いことで、細かい費用がかかる
2つ目の理由は、狭小住宅が隣地との間に、充分なスペースがとれない場合に起こります。
基礎工事時の柱の組上げや、外壁の工事を行う場合、足場が必要となってきますが、これは足場を組むスペースと職人さんが作業するだけのスペースが必要で狭小住宅の場合は、充分なスペースが取れない場合が多いのです。
通常の足場より幅が狭くても作業をしてくれる職人さんもいますが、この場合、別途特殊作業工賃などが上乗せされることもあります。
また、通常、お庭になる予定のスペースに資材を置いたりすることが多いですが、このスペースが無い場合もあるため、近所で別に資材置き場を確保したり、その資材を運ぶための運送費や、運ぶ時間も考慮にいれないといけないため作業日数や人件費が余計にかかってしまう場合もあります。
隣との近さには、もうひとつ注意することがあります。
狭小住宅は、隣の住宅との距離も近い場合が多いため、お互いの生活音など気になってしまうこともあります。
この防音対策のため壁の中に防音や遮音性の高い素材を通常より多めに設置したり、外に置くエアコンの室外機なども静音性の高いものにする場合がでてきます。
また、排水管などの配置や開口部の位置にも気をつけなければなりません。
こういった細かい防音や遮音対策の費用も積み重ねるとけっこう大きな金額になってしまいます。
・駐車場の確保の費用がかかる
3つ目は駐車場の確保です。
狭い土地に住宅を建てるため、絶対1階に確保する必要がある駐車場スペースをどう考えるか、ということがこれまた難しいのです。
充分な駐車スペースをとるためには、通常2.5m×5m前後のスペースが必要で、1台で4坪程度の敷地を使います。
都心では1坪分の土地でも大きな金額となってしまいます。
玄関の位置を優先するか、車がちゃんと出られる位置に駐車場の出入り口をとるか、また、前面道路の交通量が多い場合は迷惑にならないかどうか、などもしっかりと考えて設計しないと、完成後何度も切り返しをしないと駐車場に入れられなかった、なんてことになってしまう場合もあります。
建物の居住スペースに駐車場が入り込むような設計にするビルドインガレージもおしゃれで良いのですが、これも通常は費用が高くなる場合も多いです。
・もちろん悪いことばかりではない
ここまでは、コストがかかるということを見ていきましたが、もちろん悪いことばかりではありません。
狭小住宅の注文住宅は、そういった問題をクリアして、自分だけの住宅を建てて住む、ということ自体が一つの醍醐味になっています。
郊外に庭付き住宅を持つというのでも良いですが、都心に住宅を持っているという利便性も大切なものでもあります。
そして、狭小住宅には、メリットも実はけっこう多いのです。
建築費は割高になるケースが多いのですが、そもそも土地の取得金額が抑えられるので、土地と建物をトータルでみたら、2階建ての住宅に比べて、総額は安くすむという場合もあります。
つまり、狭小住宅は、都心に安く住むというライフスタイルの選択肢にもなりますよね。
また、狭小住宅の場合は、建坪面積と敷地面積が小さいので固定資産税が抑えられるという嬉しい側面があるので、最近では、狭小住宅の需要が増えてきているので、狭小住宅をローコストで建てることが得意ハウスビルダーもでてきています。
・まとめ
今回は、狭小住宅の建築費用が高くなってしまう理由について見ていきました。
狭小住宅が割高になってしまうことも多々あるということがわかったかと思いますが、その分、狭小住宅のメリットというものは大きいものなので、建築費用がかかるから、狭小住宅はダメだ、というわけではないので、自分の家族構成などを踏まえて、狭小住宅を選びましょう。
何か悩みや興味のある方は、ぜひ一度クレバリーホームにご相談してみてはいかがでしょうか?
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