住宅の耐震について (2)
こんにちは。
今回は以前にアップした
耐震基準から見た安心住宅
1. 地盤調査が実施されていること
2. 壁量が十分に確保されていること
3. 各方角の壁のバランスがとれていること
4. 接合金物での固定がきちんとされていること
5. 検査済証が取得されていること
の2つ目の『壁量』について紹介したいと思います。
*今回の記事につきましては、あくまで一般的な知識になります。
実際の数値や規定などは、専門の技術者がお客様のお家それぞれに合わせて行うため、ご了承ください。
家にはその家の規模に応じた耐力壁*という壁が必要となります。
この、家の規模とは各階ごとの床の面積や使用される建材(重さ)を考慮したものになります。
家に対して、地震時に発生する横向きの負荷(水平力)に対応する壁量は以下のように算出されます。
各床面積(m^2) × 壁係数 (cm/m^2) **
** 壁係数は使われる建材の種類や、階層によって定められています。
上に階が多くなるほど下階にかかる重さの負荷が大きくなるためより多くの壁量が必要となります。
この式より算出された値の分だけ建物のx軸方向、y軸方向に壁が必要となります。
これを超える壁量を設けることでより安全な住宅を作ることができます。
この壁量とは壁の単なる長さで測るものではなく、壁の工法により計上される長さに補正がかかります。この補正というのが壁倍率になります。
壁倍率とは建材の種類や厚さなどにより定められています。
例えば、厚さ 30 mm×幅 90 mmの木材を使用した壁2種と厚み7.5 mmの合板の倍率は、
・片筋かい(1.5) ・たすき掛け(3.0) ・合板(2.5***)
となります。
***クレバリーで使用している合板(novopan)の最大壁倍率は5.0になります。
耐力壁の壁量は以下のように算出されます。
壁の長さ × 壁倍率
そのため、長さ910mmの壁の場合、壁ごとの壁量は、
・片筋かい(1.5)
0.91 m × 1.5 = 1.365 m
・たすき掛け(3.0)
0.91 m × 3.0 = 2.73 m
・合板(2.5)
0.91 m × 2.5 = 2.275 m
となり、壁倍率の高い壁ほど計上される壁量が多くなります。
壁倍率の高い壁を使えば、その分、配置する壁を減らすことができるため、より多くの空間を自由に使うことができるようになります。
また、この耐久壁は筋交いなどの工法のときは柱にダンパーなどの壁への負荷を減らす器具を付けることでより丈夫な壁にすることも可能です。
*壁には「耐力壁」と「非耐力壁」があります。耐力壁は地震、台風などの外力から家を支えるものを言います。この扱いではない壁を非耐力壁と言い、制震装置としての壁も含まれます。