地震が起きたらどこに逃げる?場所別の避難行動と住宅の備え

地震が起きたらどこに逃げる?場所別の避難行動と住宅の備え

2026年7月28日、熊本県熊本地方を震源とするM7.1の「令和8年熊本地震」が発生し、最大震度7を観測しました。このたびの地震で被害を受けられた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
改めて、地震への備えについて考える機会となっています。

大きな地震は、いつ、どこで発生するか分かりません。

地震が起きたとき、「家の中のどこにいれば安全なのか」「外へ逃げるべきなのか」「津波の可能性がある場合はどうするのか」を、あらかじめ知っておくことが重要です。

本記事では、主に都市部の住環境を想定し、地震発生直後の行動、場所別の避難方法、日頃からできる備えについて解説します。

地震発生直後にとるべき行動

地震発生直後にとるべき行動

大きな揺れを感じたとき、最初の数秒間の行動が命やケガの有無を左右します。
パニックにならず、落ち着いて正しい行動をとることが命を守るための分かれ道になります。

揺れを感じたら身を守る行動

地震発生直後に優先するべきことは、「ご自身の身を守ること」です。

大きな揺れが起きている最中に慌てて移動すると、転倒したり、家具や物の落下によってケガをしたりする危険があります。
まずはその場で身を守ることを最優先にしましょう。

  • 頭を守る:クッションやバッグなどで頭部を守ります。丈夫なテーブルなどが近くにあり、安全に入れる場合は、その下に入り、揺れが収まるまで身を守ります。
  • 揺れが収まるまで無理に動かない:揺れている最中に移動すると、転倒や落下物による被害を受けるリスクが高まります。
  • 無理に出口へ向かわない:揺れている最中にドアを開けに行ったり、外へ飛び出したりするのは危険です。まずは身の安全を確保しましょう。

揺れが収まったら安全を確認する

揺れが収まったら、周囲の状況を確認し、安全を確保しながら次の行動を判断します。

  • 火の始末:揺れが収まり、安全を確認できる場合にガスコンロなどの火を消します。火元へ移動すること自体が危険な場合は、無理をしないことが大切です。
  • ガス漏れへの注意:ガス臭がする場合は、引火を防ぐため、火気を使用したり、電気のスイッチや換気扇を操作したりしないようにします。安全を確保したうえで、ガス会社などの案内に従いましょう。
  • 出口や避難経路の確認:扉が開くか、廊下や階段に落下物がないかなどを確認します。建物に損傷がある場合は、無理に自宅にとどまらず、安全な場所への避難を検討します。
  • 情報収集:緊急地震速報、震度情報、津波警報・注意報、避難指示などについて、気象庁や自治体、防災無線などの公式情報を確認します。

関連記事:【地震火災】原因と対策を徹底解説│起こさない方法、万が一の逃げ方

【場所別】地震が起きたらどこに逃げる?

【場所別】地震が起きたらどこに逃げる?

地震発生時にどこにいるかによって、とるべき行動は異なります。
「地震が起きたら必ず外へ逃げる」というわけではありません。

まずはその場で身を守り、揺れが収まった後に建物や周囲の状況を確認し、必要に応じて避難することが基本です。

家にいる時はどこに避難する?

地震発生時、住宅の中で最優先するのは、落下物や転倒物から身を守ることです。

「家の中で一番安全な場所」は、住宅の構造、間取り、家具の配置などによって異なります。
そのため、「玄関なら必ず安全」「トイレなら必ず安全」と一律に判断するのではなく、落下物・転倒物・ガラスなどから身を守れる場所を選ぶことが重要です。

比較的安全を確保しやすい場所として、次のような空間が考えられます。

  • 玄関:柱や壁が配置されている場合がありますが、住宅の構造によって安全性は異なります。揺れが収まった後には、避難経路として利用できるか確認しましょう。
  • トイレ・浴室:壁に囲まれた比較的小さな空間ですが、鏡やタイル、ガラスなどが破損する危険や、ドアが歪んで閉じ込められる可能性があります。揺れの最中は無理に移動せず、頭部を守ることを優先しましょう。
  • 家具の少ない場所:大型家具や窓ガラスから離れた場所は、落下物や転倒物による被害を避けやすくなります。

住宅の構造や家具の配置によって安全な場所は異なるため、普段から自宅の中で「揺れたときに身を守れる場所」を確認しておくことが大切です。

関連記事:【地震のとき家の中で一番安全な場所ランキング】地震発生時の行動、事前にしておきたい対策も解説

知っておきたい「危険性の高い場所」

地震の発生時には、次のような場所に注意しましょう。

  • 大型家具・家電の近く:冷蔵庫、本棚、タンスなどが転倒・移動する可能性があります。
  • 窓ガラス・鏡の近く:ガラスが割れて飛散し、ケガにつながる可能性があります。
  • キッチン:食器や調理器具、刃物などが落下するほか、火災につながる可能性があります。

こうした危険を減らすには、地震が起きてから行動するだけでなく、家具の固定やガラスの飛散防止などを日頃から行うことが重要です。

外にいる時はどこに避難する?

屋外では、建物や工作物からの落下物、倒壊、転倒などから身を守ることを最優先に考えます。
避難に適した場所としては、次のような場所があります。

  • 公園・広場など、建物や電線などから離れた開けた場所
  • 自治体が指定する避難場所
  • 周囲の安全が確認できる建物や施設

一方、次のような場所には注意が必要です。

  • 看板や窓ガラス、外壁材などの落下リスクがある繁華街
  • 倒壊や転倒に巻き込まれる可能性があるブロック塀・自動販売機の近く
  • 土砂災害の危険がある崖や斜面の近く
  • 液状化などのリスクが想定される地域
  • 河川沿いなど、地域のハザードマップで危険性が示されている場所

屋外では「大きくて頑丈そうな建物に入れば安全」と一律に考えるのではなく、建物の損傷状況や周囲の危険性を確認し、自治体などの指示に従って行動しましょう。

津波の危険がある時はどこに逃げる?

海岸や河口付近で強い揺れを感じた場合は、津波警報・注意報を待ってから避難するのではなく、直ちに海岸から離れ、高台や津波避難施設など、安全な場所へ避難することが重要です。

津波は地震発生から短時間で到達する場合があります。
津波の危険が想定される地域では、日頃から自治体のハザードマップを確認し、避難場所や避難経路を把握しておきましょう。

東京23区では、東京湾沿岸を中心に高潮浸水想定区域が指定されており、各区が津波などの災害リスクに関する情報を公表しています。
特に河川や海に近い地域では、地震だけでなく、津波や高潮、河川の氾濫など複数の災害リスクを想定しておくことが重要です。

江東区では、堤防や防潮堤を越えるほどの大きな津波に襲われる可能性は極めて低いとされています。
ただし、強い揺れや弱くても長い揺れを感じた場合、または東京湾内湾に大津波警報・津波警報が発表された場合は、沿岸部や河川から離れ、内陸部や堅牢な建物(公共施設や一時避難施設)の3階以上のできる限り上階へ避難するよう案内されています。

出典:江東区 江東区における津波の影響について

関連記事:東京湾の津波はどこまで届く?23区のシミュレーションを確認│国や自治体、個人でできる対策も紹介

地震が起きたらやってはいけないこと

地震が発生すると、焦って普段とは異なる行動を取ってしまうことがあります。
ケガや二次災害を防ぐため、次の点を覚えておきましょう。

慌てて外へ飛び出さない

揺れている最中に外へ飛び出すと、看板、瓦、外壁材、ガラスなどの落下物に当たったり、足元の段差で転倒したりする危険があります。

まずは揺れが収まるまで、その場で身を守りましょう。

エレベーターを使わない

地震や停電によってエレベーターが停止し、閉じ込められる可能性があります。

エレベーター内にいる場合は、行先階のボタンをすべて押し、最初に停止した階で降りましょう。
万一閉じ込められた場合は、無理に脱出せず、非常用呼び出しボタンやインターホンで通報します。

建物から避難する必要がある場合は、エレベーターではなく階段を使用します。

出典:東京都 外出時の行動マニュアル(地震発生時)

SNS・口コミの未確認情報を拡散しない

大規模災害時には、SNSなどを通じて真偽が確認されていない情報が広がることがあります。

避難や安全確保に関わる情報は、気象庁、自治体、防災無線、NHKなどの公的・信頼できる情報を優先しましょう。

情報を発信する場合も、事実確認ができていない内容を拡散しないよう注意が必要です。

本震後も繰り返す揺れに注意する

大きな地震の後には、再び強い揺れが発生する可能性があります。

建物やブロック塀などに損傷が見られる場合は近づかず、自宅の安全が確認できない場合は無理に戻らないようにしましょう。

避難先や避難経路についても、自治体などからの最新情報を確認しながら行動することが大切です。

日ごろからできる地震への備えと住まいの地震対策

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地震が発生したときの行動を知っておくことに加えて、日頃から住まいの安全性を高めておくことも重要です。

家具の固定と避難経路の確保

日常的に取り組みやすい対策として、次のようなものがあります。

  • 大型家具の転倒防止:冷蔵庫、本棚、タンスなどを適切な方法で固定する
  • 避難経路の整備:玄関や窓の前に荷物を置かず、避難の妨げにならない状態を保つ
  • ガラスの飛散防止:必要に応じて飛散防止フィルムなどを活用する
  • 防災用品の備蓄:飲料水、非常食、懐中電灯、モバイルバッテリー、救急用品などを家庭の状況に応じて備える

家具の固定や避難経路の確保は、地震発生時のケガを減らし、避難をスムーズにするためにも重要です。

住宅の耐震性能を確認する

地震への備えでは、発災時の行動だけでなく、住宅そのものの耐震性能について考えることも重要です。

日本の住宅は、建築された年代や設計、構造などによって耐震性能に違いがあります。

1981年(昭和56年)に導入された新耐震基準より前の旧耐震基準の住宅については、耐震診断や必要な改修を検討することが重要です。

また、これから住宅を建てる場合は、住宅性能表示制度における耐震等級などを確認し、どの程度の耐震性能を目指すのかを事前に検討しておくことができます。

耐震等級3とは?

耐震等級は、住宅性能表示制度において、建物の地震に対する強さを評価する指標の一つです。

耐震等級3は住宅性能表示制度における最高等級で、建築基準法の耐震基準で想定される地震力の1.5倍に対して倒壊・崩壊しない程度の性能が求められます。

ただし、耐震等級だけで建物のすべての災害リスクが決まるわけではありません。

地盤、建物の形状、構造、家具の配置、周辺環境などを含めて、総合的に地震への備えを考えることが大切です。

住まいの地震対策で検討したいポイント

ご紹介した事柄を踏まえて、住まいの地震対策で事前に検討しておきたいポイントは次のとおりです。

検討したいポイント 内容
耐震等級3への適合 ・住宅性能表示制度における最高等級です。

・高い耐震性能を確保することで、地震による建物の倒壊・崩壊リスクの低減につながります。

・住宅を新築する際には、目標とする耐震性能を事前に確認することが重要です。

制震技術の導入 ・地震の揺れによるエネルギーを吸収し、建物の揺れを低減する技術です。

・建物の構造部材への負担を抑えることが期待できます。

・繰り返し発生する揺れへの備えとして、耐震とあわせて検討する方法があります。

※効果は採用する制震装置や建物の構造、設計条件などによって異なります。

造作家具の利用 ・壁や床などと一体化した造作家具を採用することで、置き家具の転倒・移動リスクを低減できます。

・家具の配置を計画段階から考えることで、安全な避難経路の確保にもつながります。

適切な地盤調査と地盤対策 ・地盤調査を行い、土地の状態を把握する。

・必要に応じて地盤改良などの対策を検討する。

・液状化など、地域ごとの災害リスクをハザードマップなどで確認する。

クレバリーホーム城東店・新宿店の住まいづくり

まとめ│地震時の正しい避難行動と耐震対策はクレバリーホーム東京へ

【江東区】敷地17.9坪の土地、木造3階建てで34坪の広さを実現した注文住宅の事例>>>

クレバリーホーム城東店・新宿店では、都市部の限られた敷地を活かしながら、地震発生時の安全性や避難のしやすさを考慮した住まいづくりをご提案しています。

たとえば、江東区での施工事例では、敷地17.9坪・木造3階建て・延床34坪の住宅において、上階への避難動線を確保した設計を行っています。

江東区は東京湾や河川に近いエリアでもあるため、地域の災害リスクを踏まえ、上階への避難を考えた住まいの設計が重要になります。

また、クレバリーホーム城東店・新宿店では、耐震性能だけでなく、太陽光発電、蓄電池、給電、貯水機能など、停電・断水時の暮らしを支える設備についてもご提案しています。

災害への備えは、建物の強さだけでなく、「避難できること」「在宅時の生活を維持できること」「地域の災害リスクを踏まえて住まいを計画すること」など、複数の視点から考えることが大切です。

都市部の狭小地・多層階住宅においても、敷地条件やご家族の暮らし方に合わせて、耐震性能、避難動線、災害時の生活継続性まで含めた住まいをご提案します。

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まとめ│2026年、これからの地震対策

「地震が起きたら、どこに逃げればいいのか」という疑問について、地震発生直後から日頃の備えまで解説しました。
地震が起きた際に意識したいポイントは、次のとおりです。

  • 地震発生直後は、まずその場で頭を守り、揺れが収まるまで無理に移動しない
  • 揺れが収まった後は、火元、建物、避難経路などの安全を確認する
  • 家、屋外、海岸付近など、場所によって取るべき行動は異なる
  • 海岸や河口付近で強い揺れを感じた場合は、津波を想定して直ちに避難する
  • 大きな地震の後も繰り返す揺れに注意し、損傷した建物や構造物には近づかない
  • SNSなどの未確認情報ではなく、気象庁や自治体などの公式情報を確認する
  • 家具の固定、避難経路の確保、備蓄などを日頃から行う
  • 住宅を新築する場合は、耐震性能、地盤、間取り、家具配置、災害時の生活継続性などを総合的に検討する

2026年7月に発生した令和8年熊本地震をはじめ、地震はいつ発生するか分かりません。
だからこそ、発災時の行動を知っておくだけでなく、普段から自宅周辺のハザードマップを確認し、避難先や避難経路を家族で話し合っておくことが大切です。

これから家を建てる方は、住宅の耐震性能だけでなく、避難動線や停電・断水への備えなど、災害時の暮らしまで含めて住まいを考えることができます。

クレバリーホーム城東店・新宿店では、都市部の狭小地や木造3階建て・4階建て住宅を含め、敷地条件やご家族の暮らし方に合わせた住まいをご提案しています。

耐震性能、上階への避難動線、太陽光発電・蓄電池・給電・貯水など、災害への備えについても、住まいづくりの段階からご相談いただけます。

災害への備えを、特別なものとしてではなく、日々の暮らしを守る住まいづくりの一部として考えてみてはいかがでしょうか。

参考情報

参考:気象庁 地震・津波に関する情報一覧

参考:国土交通省 令和8年熊本地震における被害と対応について

参考:東京消防庁 地震に対する10の備え

参考:東京都 高潮浸水想定区域図

参考:国土交通省 住宅の品質確保の促進等に関する法律

※地震発生後の被害状況や避難情報、防災上の注意事項は更新される場合があります。実際の災害時には、気象庁や自治体などの最新の公式情報をご確認ください。

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社(オーツー株式会社) 専務取締役 / 一級建築士

早稲田大学商学部卒業後、「完全な文系人間」から建築の世界へ飛び込み、一級建築士として活躍。10年にわたる商業建築で培ったシビアな空間設計ノウハウと、25年の戸建住宅の設計実績を併せ持つ。特に東京都内の木造密集地域や防火地域において、施工性と設計の柔軟性を活かした木造耐火4階建て住宅(もくよん®等)や、天災時には避難場所となる地下室・屋上を備えた災害住宅の提唱・実践を続けている。

プライベートでは子育てを終え、現在は登山やキャンプ、スキーなど活動的な休日を過ごしている。また、「空き家レスキュー」や「こども食堂」、シェアハウスの運営を通じた地域活動の場を提供するなど、地域社会支援にも精力的に取り組んできた。スペックだけでなく、住まう人の「暮らしの温かさ」に深く寄り添う提案を得意としている。

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