変動金利5年ルールと125%ルールを解説|2026年以降の住宅ローン未払利息の可能性も

住宅ローンの変動金利を利用している方や、これから変動金利で住宅ローンを借りようと考えている方にとって、気になるのが「5年ルール」と「125%ルール」です。
これらは、金利が上昇した場合でも毎月の返済額が急激に増えることを抑えるための仕組みです。
一方で、5年ルールや125%ルールがあるからといって、金利上昇による負担そのものがなくなるわけではありません。
金利上昇が大きくなると、元金の減り方が遅くなったり、場合によっては「未払利息」が発生したりする可能性があります。
そこで本記事では、5年ルールと125%ルールの仕組みやメリット・デメリット、未払利息が発生する条件についてわかりやすく解説します。
また、2026年8月時点の日銀の金融政策を踏まえ、今後の変動金利上昇にどのように備えるべきかについても紹介します。
変動金利の人気の理由や利用者割合

変動金利型は、住宅ローンのなかでも多く利用されている金利タイプです。
国土交通省の「令和7年度 民間住宅ローンの実態に関する調査」によると、個人向け住宅ローンの新規貸出における変動金利型の割合は「83.5%」でした。
前年度より0.8ポイント減少したものの、最も高い割合を占めています。
変動金利が選ばれている主な理由は、次の3つです。
- 固定金利より低い金利水準で借りられるケースが多い
- 毎月の返済額を抑えやすい
- 余裕資金ができた場合に繰り上げ返済を活用しやすい
ただし、変動金利は市場金利や金融機関の基準金利などの影響を受けるため、借入後に金利が上昇する可能性があります。
低い金利だけを見るのではなく、金利上昇時にも無理なく返済できるかを確認したうえで選ぶことが重要です。
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住宅ローン変動金利の5年ルールと125%ルールとは?

変動金利型の住宅ローンでは、金利が一定期間ごとに見直されます。
その際、一部の金融機関では、返済額の急激な増加を抑えるために「5年ルール」と「125%ルール」を採用しています。
5年ルールとは、金利が上昇しても、一定期間は毎月の返済額を据え置く仕組みです。
125%ルールとは、返済額を見直す際に、5年ルールによる見直し前の返済額の125%を超えないようにする仕組みです。
例えば、現在の毎月の返済額が10万円で、125%ルールが適用されている場合、返済額の見直し後は原則として12.5万円が上限となります。
ただし、これは金利の上昇幅を125%以内に抑える仕組みではありません。
また、5年ルール・125%ルールはすべての変動金利型住宅ローンに適用されるわけではありません。
金融機関や商品、返済方法によって取り扱いが異なるため、契約前に確認する必要があります。
変動金利5年ルール・125%ルールのメリット

5年ルール・125%ルールの大きなメリットは、金利が上昇した場合でも毎月の返済額が急激に増えることを抑えられることです。
金利が上昇すると本来は利息負担が増加しますが、5年ルールが適用されている場合、一定期間は毎月の返済額が据え置かれます。
また、125%ルールが適用されている場合、返済額を見直す際にも、直前の返済額からの増加幅に上限が設けられます。
そのため、金利が急上昇した場合でも、家計への影響を一度に受けにくくなる点がメリットです。
ただし、返済額の増加が抑えられているだけで、金利上昇による利息負担そのものがなくなるわけではありません。
変動金利5年ルール・125%ルールのデメリット

5年ルール・125%ルールには、注意しておきたいデメリットがあります。
それは、毎月の返済額が変わらなくても、金利上昇によって返済額に占める利息の割合が増える可能性があることです。
例えば、毎月10万円を返済している場合、金利上昇前は「元金8万円・利息2万円」だったものが、金利上昇後には「元金7万円・利息3万円」のように、同じ10万円でも元金の返済に充てられる金額が減る可能性があります。
その結果、返済額が変わっていないにもかかわらず、元金の減少ペースが遅くなることがあります。
さらに、金利上昇が大きくなると、返済額だけでは利息を払い切れず、未払利息が発生する可能性もあります。
5年ルール・125%ルールは、金利上昇による負担をなくす制度ではなく、毎月の返済額の急激な増加を抑えるための仕組みであることを理解しておきましょう。
【2026年以降】住宅ローンの未払利息が発生する可能性

未払利息とは
未払利息とは、金利上昇によって、その時点の毎月の返済額だけでは利息を払い切れなくなった場合に、支払い切れなかった利息が繰り延べられるものです。
ここで注意したいのは、「金利が125%を超えて上昇したら未払利息が発生する」という意味ではないことです。
125%ルールは、あくまで返済額の増加幅に上限を設ける仕組みです。
例えば、毎月の返済額が10万円で、125%ルールによって返済額が12.5万円に抑えられているとします。
金利上昇によって、その12.5万円を超える返済額が必要になったとしても、その差額が必ずそのまま「未払利息」になるわけではありません。
未払利息が発生するかどうかは、その時点で発生する利息額が毎月の返済額を上回るかどうかによって決まります。
未払利息が発生した場合、その利息が消滅するわけではなく、金融機関の定める方法により将来の返済に繰り延べられることがあります。
そのため、金利上昇が続いた場合には、元金の返済が進みにくくなったり、ローン完済時に残った金額への対応が必要になったりする可能性があります。
2026年以降未払利息が発生する可能性は
2026年以降、変動金利型住宅ローンで未払利息が発生する可能性については、「発生する」「発生しない」と一律に判断することはできません。
未払利息が発生するかどうかは、日銀の政策金利だけで決まるものではなく、金融機関の基準金利、借入時の金利、借入残高、残存期間、毎月の返済額、5年ルール・125%ルールの有無などによって異なります。
日銀は2024年にマイナス金利政策を解除した後、金融政策の正常化を進め、2025年12月には政策金利を0.75%程度としました。さらに2026年6月17日以降は、無担保コールレートを1.0%程度で推移するよう促しています。
2026年7月30日・31日の金融政策決定会合でも、この金融市場調節方針が維持されています。
このように、住宅ローンを取り巻く金利環境は、低金利が続いていた時期から変化しています。
ただし、日銀の政策金利が1.0%程度になったことだけをもって、住宅ローンで未払利息が発生するとはいえません。
重要なのは、現在借りている住宅ローンについて、金利がどの程度上昇すると毎月の利息負担が返済額を上回る可能性があるのかを確認しておくことです。
また、5年ルール・125%ルールがある住宅ローンでも、返済額の増加が抑えられる一方で、元金の返済が遅れる可能性があります。
そのため、変動金利を利用している場合は、現在の返済額だけを見るのではなく、金利が1%、2%と上昇した場合にも返済を継続できるかを事前にシミュレーションしておくことが大切です。
出典:日本銀行 金融政策 : 日本銀行、金融政策決定会合の運営 : 日本銀行
変動金利でも5年ルールと125%ルールがないケースもある?

変動金利型の住宅ローンでも、5年ルール・125%ルールが適用されないケースがあります。
これらのルールは、すべての住宅ローンに共通する法律上の一律の仕組みではありません。
金融機関や商品、返済方法によって取り扱いが異なるため、「変動金利だから5年ルールと125%ルールがある」と考えるのは避けましょう。
特に確認しておきたいのが、次の3点です。
- 元利均等返済か元金均等返済か
- 5年ルール・125%ルールが適用される商品か
- 金利変更後の返済額がいつ、どのように見直されるか
住宅ローンを契約する際は、金利だけでなく返済額の見直しルールまで確認することが重要です。
元利均等返済
元利均等返済とは、毎月の返済額に含まれる元金と利息の合計額を原則として一定にする返済方法です。
返済開始当初は利息の割合が大きく、返済が進むにつれて元金の割合が大きくなるのが一般的です。
毎月の返済額を把握しやすいため、住宅ローンの返済計画を立てやすいというメリットがあります。
一方、変動金利で金利が上昇すると、同じ返済額のなかで利息の占める割合が増え、元金の返済に充てられる金額が減る可能性があります。
また、5年ルール・125%ルールを採用している住宅ローンでは、一定期間の返済額が据え置かれたり、返済額の増加幅に上限が設けられたりします。
ただし、5年ルール・125%ルールの有無や具体的な取り扱いは金融機関・商品によって異なります。
元金均等返済
元金均等返済とは、毎月一定額の元金を返済し、それに加えて残っている元金に応じた利息を支払う返済方法です。
返済開始時は借入残高が大きいため利息も多く、毎月の返済額は比較的大きくなります。
その後、元金の返済が進むにつれて利息が減少するため、毎月の返済額も徐々に減少していきます。
元利均等返済と比べて元金を早く減らせるため、同じ条件で比較すると総返済額を抑えられる場合があります。
一方、元金均等返済では5年ルール・125%ルールが適用されない商品があるため、変動金利が上昇すると返済額に影響が出やすい点には注意が必要です。
なお、具体的な取り扱いは金融機関や商品によって異なります。
ネット銀行
ネット銀行を含め、金融機関によっては、変動金利型住宅ローンに5年ルール・125%ルールを採用していない商品があります。
この場合、金利が上昇すると、5年ルールを採用している住宅ローンと比べて、返済額に早く反映される可能性があります。
そのため、変動金利を選ぶ際は「金利が何%か」だけではなく、
- 金利の見直し時期
- 返済額の見直し時期
- 5年ルールの有無
- 125%ルールの有無
- 金利上昇時の返済額の計算方法
- 未払利息が発生した場合の取り扱い
まで確認することが重要です。
5年ルール・125%ルールがないことは必ずしもデメリットとは限りません。
金利上昇が返済額に反映されることで、家計への影響を早く把握し、返済計画を見直しやすいという側面もあります。
住宅ローン変動金利のよくある質問

金利は何%まで上昇する可能性がある?
変動金利が今後何%まで上昇するかを正確に予測することはできません。
住宅ローンの変動金利には、日銀の金融政策だけでなく、市場金利や金融機関の基準金利、優遇幅などさまざまな要素が影響します。
日銀は2026年6月17日以降、無担保コールレートを1.0%程度で推移するよう促しており、2026年7月30日・31日の金融政策決定会合でも、この方針を維持しました。
ただし、今後の政策金利の変更時期や幅を現時点で確定的に予測することはできません。
そのため、変動金利を利用する場合は「金利が何%になるか」を当てることよりも、金利が上昇した場合にも返済を続けられる借入額に抑えることが重要です。
例えば、現在の適用金利だけでなく、金利が1%、2%上昇した場合の毎月の返済額や家計への影響を事前に確認しておきましょう。
1%金利上昇すると返済額はいくら増える?
金利が1.0%上昇すると、住宅ローンの返済額はどの程度変化するのでしょうか。
以下は、借入期間35年・元利均等返済・ボーナス返済なしで、金利1.0%と2.0%を比較した単純なシミュレーションです。
| 借入額 | 金利1.0% | 金利2.0% | 月々の差額 |
| 3,000万円 | 8.5万円 | 9.9万円 | 1.4万円 |
| 5,000万円 | 14.1万円 | 16.6万円 | 2.5万円 |
| 7,000万円 | 19.8万円 | 23.2万円 | 3.4万円 |
※借入期間35年間 元利均等返済 ボーナス返済なしで計算した場合の目安です。
このシミュレーションでは、金利が1.0%上昇すると、月々の返済額は約1.4万円~3.4万円増加します。
ただし、実際の変動金利型住宅ローンでは、5年ルール・125%ルールの有無や、金利・返済額の見直し時期によって実際の返済額は異なります。
また、金利が上昇した場合でも、5年ルールが適用されていれば、直ちに返済額がこの金額まで増えるとは限りません。
そのため、この表は「金利が1%上昇した場合の返済負担を考えるための目安」として利用し、実際の住宅ローンについては金融機関のシミュレーションを確認することをおすすめします。
まとめ
変動金利型住宅ローンの5年ルール・125%ルールは、金利が上昇した場合でも、毎月の返済額が急激に増えることを抑えるための仕組みです。
一方で、これらのルールによって金利上昇による利息負担がなくなるわけではありません。
金利が上昇すると、毎月の返済額が据え置かれていても、返済額に占める利息の割合が増え、元金の減少ペースが遅くなる可能性があります。
また、金利上昇が大きくなり、毎月の返済額だけでは利息を払い切れない状態になると、未払利息が発生する可能性があります。
さらに、5年ルール・125%ルールはすべての変動金利型住宅ローンに適用されるわけではありません。
2026年は、日銀の政策金利が1.0%程度となるなど、住宅ローンを取り巻く金利環境が変化しています。
そのため、変動金利を利用する場合は、現在の金利だけでなく、
- 5年ルールの有無
- 125%ルールの有無
- 金利の見直し時期
- 返済額の見直し時期
- 金利上昇時の返済額
- 未払利息が発生した場合の取り扱い
まで確認しておくことが重要です。
「今の返済額なら問題ない」と考えるのではなく、金利が1%、2%上昇した場合にも無理なく返済できるかを確認し、余裕を持った住宅ローン計画を立てましょう。








