【地震保険は入るべきか】戸建て・マンションで加入する必要性とは│地震保険以外の備え方も解説

【地震保険は入るべきか】戸建て・マンションで加入する必要性を解説│地震保険以外の備え方も解説

「地震保険は加入するべきか、本当に必要なのか」
住宅の購入や建築を検討する際に、多くの方が抱える疑問です。

地震保険について調べると、「全額は補償されない」という意見も目につき、加入をためらってしまいます。
本記事では、地震保険の必要性をケース別(戸建て・マンション・賃貸)にわかりやすく解説します。

割引制度の活用方法から保険以外の地震への備え方まで、家づくりを進めている方や地震に不安を感じている方はぜひ参考にしてください。

地震保険の必要性が高い理由と「未加入」のリスク

地震保険の必要性が高い理由、「入らない」場合のリスク

地震保険に加入しなかった場合、地震による被害を受けるとどういったリスクがあるのでしょうか。
はじめに主なリスクについてご紹介します。

①地震による火災や津波は「火災保険」の補償対象外

「火災保険に入っていれば、地震の被害や火災も対象となる」このように考える方もいらっしゃいます。

しかし地震や噴火、津波を原因とする損害は火災保険の補償対象外と定められており、どの保険会社でも同様の扱いです。

 

直近で発生した地震として記憶に新しい能登半島地震では、地震後の火災によって多くの家屋が焼失しました。
こうした「地震火災」が発生した場合、火災保険だけでは補償を受けられない可能性があります。

②被災後の「生活再建」への公的支援の限界

地震で被災し、たとえば自宅が全壊した場合、国の「被災者生活再建支援制度」から支援金が支払われます。

しかし、この支援金の上限は最大300万円(基礎支援金100万円+住宅を再建する場合の加算支援金、最大200万円)に留まります。

一方で、住宅金融支援機構が実施するフラット35利用者調査(2024年度)によると、注文住宅を建てる場合の建設費の全国平均は約3,932万円と、支援金では全額をまかなえないことが分かります。

また、住宅ローンが残っている場合は「ローンの返済」と「新居(新築・賃貸)の費用」が発生する、いわゆる「二重ローン」問題も発生します。

地震保険はこうした生活再建の「資金的な備え」として機能します。

地震保険の加入率が低い理由とは

地震保険の加入率が低い理由とは

損害保険料率算出機構の統計によると、2024年度の地震保険付帯率(火災保険契約に対する地震保険の付帯割合)は全国平均で約70.4%で、約3割の方が未加入である計算になります。

一般的に、地震保険への加入を避ける主な理由は以下のとおりです。

  • 保険料が高くて家計の負担になる
  • 全損でないと満額支払われないと聞いた
  • 新耐震基準の建物だから大丈夫だと思っている など

こうした理由は事実を捉えていることは確かですが、「だから不要」とはいえません。

地震保険は建物を完全に元の状態に戻すための保険ではなく、生活再建のための「被災後の当面の生活」を支えるための資金として位置づけられています。

「解約後に大きな地震が発生して経済的な負担を抱えてしまった」という声もありますので、加入を取りやめる判断は慎重に行うことをおすすめします。

関連記事:地震保険の加入率が低い理由とは?

【ケース別】地震保険の必要性をご紹介

【ケース別】地震保険の必要性をご紹介

住まいの種類によって、地震保険が補償する範囲と必要性は異なります。
まずは以下の比較表で全体像を確認しましょう。

項目 戸建て(持ち家) 分譲マンション 賃貸アパート(借主)
主な補償対象 建物 + 家財 専有部分 + 家財 家財のみ
必要性の高さ 高い 高い 中〜高(家財による)
被災時のリスク 建物全壊で住居と資産を同時に失う。再建費用は全額自己負担。 建物全体は管理組合が判断。自室が使えなくてもローンは残る。 住居を失うが、建物再建の義務はない。家財の買い直しが必要。

 

戸建て住宅│最も優先順位が高い

戸建て住宅は、建物と家財の両方について地震保険の補償対象となります。
また、地盤の状況によっては液状化のリスクもあり、建物が傾いたり沈下したりした場合も補償の対象です。

特に東京23区内の軟弱地盤エリアや木造住宅密集地域においては、地盤沈下や火災延焼のリスクが高いことから保険による備えが被災時の経済的な支えとなります。

関連記事:新築も地震で倒壊する?危険性と対策を解説

分譲マンション│共用部と専有部の考え方に注意

分譲マンションの場合、建物全体(共用部分)の補償は管理組合が加入する火災保険や地震保険でカバーされることが一般的です。
ただし、専有部分(室内の床・壁・天井・設備)や個人の家財については、管理組合の保険では補償されません。

自室の内装が損傷した場合や、家具・家電が被害を受けた場合に備えるため、個人でも地震保険に加入することは有用な選択肢です。

賃貸住宅│家財保険としての地震保険

賃貸住宅の場合、建物を修繕する義務は基本的に家主側にあるため、建物への地震保険は不要です。
しかし、室内の家財(家具・家電・衣類など)の被害は借主が自分で対応する必要があります。

地震による家財の損害は一般的な火災保険(家財保険)だけでは補償されませんので、賃貸向けの火災保険に「地震保険」をあわせて付帯することで、家財への地震被害に備えることができます。

新築戸建てに地震保険は「いらない」は本当か

新築戸建てに地震保険は「いらない」は本当か

「最新の耐震基準で建てているから地震保険は不要」という考え方があります。
確かに2000年以降、また直近では2025年4月に施行された「4号特例」の見直しなど耐震基準はより厳格化され、新築住宅の倒壊リスクは以前と比べて低下しています。

しかし、地震保険が補償するリスクは「倒壊」だけではありません。

  • 地震火災(隣家からのもらい火を含む延焼)
  • 液状化による地盤沈下・建物の傾き
  • 津波による浸水被害
  • 内装や家財の損傷

関連記事:地震による二次被害・災害とは?

耐震等級3を取得した高性能な建物であっても、周辺から発生した地震火災が延焼するリスクや、地盤に由来するリスクまで完全に排除することはできません。
新築であっても地震に起因する災害に遭遇する可能性もあります。

お住まいの地域や設計中の家について、詳しく検討を重ねて加入の要否を決めることが重要です。

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地震保険料を安く抑える「割引制度」

地震保険料を安く抑える「割引制度」

地震保険への加入を保険料の面でためらっている方は、割引制度を活用することをおすすめします。

割引名称 割引率 主な適用条件
免震建築物割引 50% 法律(品確法)に基づき「免震建築物」と認められた建物。
耐震等級割引 10〜50% 耐震等級に応じて段階的に割引。

  • 等級3:50%
  • 等級2:30%
  • 等級1:10%
耐震診断割引 10% 耐震診断や改修の結果、現行の耐震基準(昭和56年施行)に適合することが確認された建物。
建築年割引 10% 昭和56年(1981年)6月1日以降に新築された建物。

※4つの割引制度は重複して適用することはできません。適用できる割引のうち、最も割引率の高いものが1つ適用されます。

たとえば耐震等級3を取得している新築戸建ての場合、地震保険料が最大50%割引になります。
仮に年間保険料が4万円であれば2万円に抑えることが可能です。

さらに、地震保険料は年末調整や確定申告での「地震保険料控除」の対象となり、所得税で最大5万円、住民税で最大2.5万円が控除されます。
「保険料が高い」という理由で加入をためらっている方は、まず耐震等級の取得状況と割引適用の可否を確認することをおすすめします。

地震に強い家+地震保険で暮らしを守る

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地震保険は被災後の「資金的な備え」です。
しかし、地震への根本的な備えは、そもそも地震で壊れにくく、被害が最小限に抑えられる家を建てることです。

以下のような技術・仕様によって地震への備えを建物そのものに組み込むことを検討しましょう。

  • 耐震等級3の標準取得:最高基準の耐震性能を標準仕様として採用
  • 制震・免震構造:地震の揺れを吸収する技術を導入する
  • 外壁タイル・耐火性・耐候性に優れ、地震後の火災延焼リスクを軽減する
  • 強固な基礎:地盤の良し悪しの確認に加え、最適な地盤改良工事を実施する など

一般的に、建物の耐震性能が高いほど地震保険料の割引率も上がります。
「地震に強い家を建てる」ことと「地震保険を賢く活用する」ことは、相互に好影響を与える要素です。

家づくりの初期段階から、ハウスメーカー担当者に地震について耐震等級の取得を前提とすることで、保険料を抑えながら万全の備えを整えましょう。

なお、「外壁タイル」は、地震の揺れによる剥離に強いだけでなく、耐火性にも優れています。
住宅密集地である東京23区において、耐震性・耐火性の高い建材を選ぶことは地震火災(隣家からの延焼)のリスクを低減することにつながります。

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地震保険に関するよくある質問Q&A

地震保険に関するよくある質問Q&A

記事の終わりに、地震保険に関連して聞かれることの多い疑問にお答えします。

Q:戸建てで地震保険をやめると後悔しますか?

A:解約後に大きな地震が発生し家財や建物に損害が出た場合、補償を受けられないため後悔するケースがあります。

特に、南海トラフ地震や首都直下地震のリスクが内閣府によって具体的に示されている現在、解約は慎重に判断することをおすすめします。

「保険料が高い」と感じる場合は、解約の前に耐震等級割引の活用や長期契約による割引を検討してみてください。

Q:地震が起きたらどこまで補償される?

A:地震保険は以下のとおり損害の程度に応じて支払われる保険料が変わります。

なお、地震保険の保険金額は火災保険金額の30〜50%の範囲内で、建物は最大5,000万円、家財は最大1,000万円が上限となります。

損害認定の区分 損害の程度(建物の主要構造部など) 支払われる保険金
全損 損害額が時価の50%以上 保険金額の100%
大半損 損害額が時価の40%以上 50%未満 保険金額の 60%
小半損 損害額が時価の20%以上 40%未満 保険金額の30%
一部損 損害額が時価の3%以上 20%未満 保険金額の5%

 

Q:地震保険料控除とは何ですか?

A:年間に支払った地震保険料を所得から差し引くことができる税制上の優遇制度です。

控除額の上限は所得税で年間5万円、住民税で年間2.5万円で、年末調整の際に「地震保険料控除証明書」を提出することで適用されます。
家計への負担を軽減できる制度ですので、ぜひ活用してください。

まとめ│「地震に強い家」と「地震保険」で万全の備えを

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地震保険の必要性は、住まいの種別(戸建て・マンション・賃貸)や建物の耐震性能、家計の状況によって判断が変わります。
しかし、日本に住む以上、地震リスクから完全に逃れることはできません。

ご自身の住まいの耐震性能を確認し、どの程度のリスクを保険でカバーするかを考えることが基本的な考え方です。
耐震性が高い家ほど保険料の割引率も大きくなるため、「地震に強い家づくり」と「地震保険の活用」はセットで考えることをおすすめします。

新築の注文住宅を検討している方は、設計段階から耐震等級3の取得を前提とすることで保険料を抑えながら万全の備えを整えることができます。

首都圏での家づくりをご検討中の方は、3・4階建てでも耐震等級3を取得できる「クレバリーホーム城東店・新宿店」へお気軽にご相談ください。

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参考:財務省 地震保険制度の概要

参考:内閣府 被災者生活再建支援法

参考:住宅金融支援機構 フラット35利用者調査

参考:損害保険料率算出機構 グラフで見る!地震保険統計速報

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社(オーツー株式会社) 専務取締役 / 一級建築士

早稲田大学商学部卒業後、「完全な文系人間」から建築の世界へ飛び込み、一級建築士として活躍。10年にわたる商業建築で培ったシビアな空間設計ノウハウと、25年の戸建住宅の設計実績を併せ持つ。特に東京都内の木造密集地域や防火地域において、施工性と設計の柔軟性を活かした木造耐火4階建て住宅(もくよん®等)や、天災時には避難場所となる地下室・屋上を備えた災害住宅の提唱・実践を続けている。

プライベートでは子育てを終え、現在は登山やキャンプ、スキーなど活動的な休日を過ごしている。また、「空き家レスキュー」や「こども食堂」、シェアハウスの運営を通じた地域活動の場を提供するなど、地域社会支援にも精力的に取り組んできた。スペックだけでなく、住まう人の「暮らしの温かさ」に深く寄り添う提案を得意としている。

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