「太陽光発電は災害時に使えない」は誤解?「役に立たない」を防ぐ対策、設計時のポイントをご紹介

「太陽光発電は災害時に使えない」は誤解?「役に立たない」を防ぐ対策、設計時のポイントをご紹介

「災害対策として太陽光発電システムを導入したいが、『災害時に使えない』という噂を聞いて不安に感じている」
家づくりを検討されている方で、こうした疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

太陽光発電は、ただ屋根に載せているだけでは、地震や台風など万が一の際に期待通りの働きをしないことがあります。
しかし、正しい知識と適切な対策を講じれば、災害時に役に立つ設備となります。

本記事では、太陽光発電システムが災害時に「使えない」と言われてしまう原因と、災害時に電気を確保するための対策について解説します。

このコラムで分かること

  • 「太陽光発電システムがあるのに停電時に電気を使えなかった」という声が上がる理由は、自立運転への切り替え方を知らない、夜間や悪天候で必要な電力を確保できない、使える電力の上限を超える、地震や浸水で壊れるの4つです。
  • 停電時に太陽光発電の電気を使うには、切り替え方を家族で確かめておくことと、夜間や悪天候に備えて蓄電池やV2Hを組み合わせることが要になります。
  • 在宅避難を前提にするなら、停電時に電気を回す範囲と、蓄電池などの設置場所を設計の段階で決めておきます。

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なぜ「太陽光発電は災害時に使えない」と言われるのか?

なぜ「太陽光発電は災害時に使えない」と言われるのか?

「太陽光発電システムがあるのに停電時に電気を使えなかった」災害の後にこうした声が上がることには理由があります。

原因は設備の欠陥ではなく、使い方や天候、災害による被害にあります。

まずはどうして「使えない」という事態に陥ってしまうのか、主な4つの理由を解説します。

  • 理由1:「自立運転モード」への切り替え方法を知らない
  • 理由2:夜間は発電できず、悪天候では発電量が下がる
  • 理由3:非常用コンセントの上限(1500W)を超えてしまう
  • 理由4:地震、浸水により破損してしまった

理由1:「自立運転モード」への切り替え方法を知らない

1つ目の理由は、停電時に必要な操作方法を知らなかったことです。

通常、太陽光発電システムは、電力会社とつながる連系運転モードで動いていますが、停電が発生した際、この接続は安全のために自動で遮断されます。

この時、システムを手動で自立運転モードに切り替えなければ、発電した電気を家庭内で使えません。(機器によっては自動切替設定もあります)

理由2:夜間は発電できず、悪天候では発電量が下がる

太陽光発電は、夜間は発電できず、悪天候では発電量が下がります。

災害が夜間に発生した場合はリアルタイムでの発電量がゼロになり、台風や豪雨の最中であれば雲に遮られて発電量は低下します。

理由3:非常用コンセントの上限(1500W)を超えてしまう

自立運転モードに切り替えた場合でも、無制限に電気が使えるわけではありません。

パワーコンディショナー(発電した電気を家庭用に変える機器)の自立運転で使える電力は機種で異なり、1500W程度までの機種が一般的です。

合計の使用量が上限を超えたり、曇りで発電量が足りなかったりすると、給電が止まってしまいます。

  • 使える例: スマホ充電(約15W)、LED照明(約10W)、テレビ(約100W)、冷蔵庫(約150W〜)
  • 使えない例(同時使用): 電子レンジ(約1000W〜)+ドライヤー(約1200W)など

※冷蔵庫などモーターを使う家電は、動き始めに大きな電力が必要で、太陽光のみの自立運転では止まることがあります。

パワーコンディショナーの自立運転機能と機種ごとの給電方法の違いは、以下の記事で解説しています。

関連記事:太陽光発電のパワコンとは?設置場所・寿命・交換費用

理由4:地震、浸水により破損してしまった

物理的な破損によってシステム自体が停止する可能性もあります。

たとえば、今後30年以内に70%の確率で発生すると言われている首都直下地震では、地域によっては最大震度7の揺れが想定されています。

関連記事:【首都直下型地震で助かるには?】いつ来る・どう備える

設置したパネルが落下したり、配線が寸断されたりすると、発電した電気を家庭で使えなくなります。
ただし、破損したパネルも光が当たれば発電するため、触れずに施工会社やメーカーへご連絡ください。

台風でパネルが飛ぶリスクと対策は、「太陽光パネルは台風で飛ぶ?」で解説しています。

水害が発生した場合は、パワーコンディショナーなどの設備が地面に近い位置に設置されていると、床下・床上浸水によって水没し、故障する可能性があるので注意が必要です。

関連記事:太陽光発電の『やばい・やめとけ・やらなきゃよかった』は本当?

「使えない」を防ぐ、太陽光発電を中心とした災害対策

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災害時の太陽光発電システムは、こうした使えない理由がある一方で、理由を把握し事前に対策を講じることで解決することも可能です。

具体的にどういった対策を取ればよいのか、太陽光発電システムを安定して使うための対策をご紹介します。

災害に備えて基本的な使い方を学習する

最も大切なことは、設備の操作方法を家族全員で共有することです。

自立運転モードへの切り替え手順はメーカーによって異なり、室内のモニターのほか、パワーコンディショナー本体やブレーカーを操作する機種もあります。

  • マニュアルを確認する:手順書を分電盤やモニターの近くに貼っておく
  • 切り替え訓練を行う:手順書を基に実際に操作してみる
  • 非常用コンセントの位置把握: どこから電気が取れるのか(専用コンセントか、特定の壁コンセントか)を確認する

こうしたポイントを把握するだけで、災害発生時に電気が使えなくなるリスクを減らせます。

非常用コンセントは1か所のことが多いため、離れた場所で使う延長コードも備えておくと安心です。

蓄電池とセットで導入して「夜や悪天候」に備える

夜や荒天時も電気を使いたいという場合は、蓄電池の導入がおすすめです。

日中に太陽光で発電した余剰電力を蓄電池に貯めておけば、日没後や悪天候時でも電気を使用できます。

太陽光発電と蓄電池で「発電」「蓄える」を連携することは、災害時のエネルギー確保のカギとなります。

関連記事:【蓄電池は必要か?】メリット・デメリットなど特徴解説
関連記事:蓄電池で停電時に使える家電は?エアコンは動くか・何時間もつか|使えない家電や設備・蓄電池の選び方

V2H(電気自動車連携)で大容量電源を確保する

より安心感を高めたい場合は、V2H(Vehicle to Home)の導入も検討しましょう。

V2Hは、電気自動車(EV)に搭載された大容量バッテリーを家庭用電源として活用できる仕組みです。

一般的な家庭用蓄電池の容量は5kWhから10kWh程度ですが、電気自動車に搭載されているバッテリーは50kWh前後と大きな容量を持っています。

満充電であれば、車種や電気の使い方にもよりますが、使う家電を絞れば数日間しのげる場合もあります。

関連記事:V2Hとは?メリット・デメリットなどわかりやすく解説

耐震、制震によって建物や設備へのダメージを軽減する

太陽光パネルを守るためには、パネルを支える家そのものの耐震性を高める必要があります。

設備が新しく耐震性を備えていても、家が損傷を受けてしまっては配線が切れるなどしてシステムは働かなくなってしまいます。

クレバリーホーム城東店・新宿店では、大地震の揺れを受け止める「耐震等級3」を標準仕様とし、揺れを吸収する制震構造にも対応しています。

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定期点検で災害直後の故障リスクを減らす

太陽光発電システムを設置した後のメンテナンスも重要です。

パネルの汚れや配線の腐食、ボルトの緩みといった問題は放置すると発電効率を下げるだけでなく、地震が発生した際の落下や破損といった問題の原因となります。

定期的な点検を行うことで、災害が発生した際に自立運転に切り替わらない、想定通りの出力が出ないといったトラブルを防ぐことができます。

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確認したい太陽光発電設置によるメリット

確認したい太陽光発電設置によるメリット

備えをしておけば災害時にも電気を使える太陽光発電システムですが、被災時以外にも様々なメリットがありますので確認しておきましょう。

  • 電気代の節約に効果を発揮する
  • 売電収入を得られる
  • 最上階への断熱効果を期待できる
  • 環境に優しい暮らしを体現できる
  • 各種補助金を利用できる
  • 住宅の資産価値向上につながる

電気代が高騰する昨今、発電した電気を自宅で使えることは家計の助けになります。

加えて、余った電気を電力会社に売電して収入を得ることもできます。

新築で太陽光発電を載せるかどうかの判断材料は、「太陽光はつけるべきか?」で解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。

国や東京都などの自治体では、太陽光発電の設置を要件や加算の対象とする、新築住宅向けの補助事業が実施されています。

こうした補助制度を活用すれば、太陽光発電システムの導入による経済的負担を軽減できます。

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都内でも実現できるエネルギー収支ゼロの家「ZEH」について

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災害対策の太陽光発電、設計の時のポイント

災害対策の太陽光発電、設計の時のポイント

これから注文住宅を建てるなら、後付けでは制約を受けやすい設備の置き場所や電気を送る範囲まで、設計の段階で決められます。

ハウスメーカーと打ち合わせをする際に、次のポイントを確認しましょう。

在宅避難前提なら「全負荷」型を選択

蓄電池やV2Hを導入する場合、停電時に電気を送る範囲を特定負荷型と全負荷型のどちらにするか選ぶ必要があります。

  • 特定負荷型:停電時はあらかじめ指定した一部の部屋のコンセントしか使えない
  • 全負荷型:停電時でも家中のコンセントに給電でき、200V対応ならIHクッキングヒーターやエアコンも稼働可能(同時に使える量は蓄電池などの出力・容量の範囲内)

災害時も避難所に行かず自宅で生活を続ける在宅避難を前提にするなら、全負荷型が選択肢になります。

ただし家中に電気を送れても、使える量は蓄電池の容量と出力の範囲内です。停電時に使う部屋と家電を先に決めておきましょう。

屋上利用のノウハウを持つ会社を選択

当社の施工事例でも、敷地25坪以下が約6割を占めます。限られた敷地で発電量を確保するには、屋上の活用や屋根形状の工夫が必要です。

また、パネルを置くための架台を固定する際は、建物内部に水が浸透しないよう適切な防水対策が欠かせません。

屋上は、紫外線で劣化しにくい金属防水にするなど、ノウハウと実績が豊富な会社に依頼しましょう。

屋上を庭やバルコニーとしても使うなら、パネルをどこまで載せるかを間取りの段階で決めておくと迷いません。

▶屋上のある暮らしで都内での暮らしを楽しむ【屋上付き住宅】

蓄電池など電気設備の設置場所に注意

水害に備えるためには、設備を設置する高さを設計段階で慎重に検討する必要があります。

ハザードマップで浸水リスクを確認し、必要に応じて以下の対策を検討します。

 

  • 基礎を高くする
  • 架台を設置して地面から距離を取る
  • 壁面に設置する
  • 2階以上のバルコニーに設置する

なお、蓄電池は100kgを超える製品も多く、機種によっては2階以上に設置できません。

バルコニーに置く場合は、メーカーの設置条件とあわせて、構造への影響と防水を設計段階で建築士に確認しておきましょう。

設備ごとにどの高さまで上げるかの決め方は、下記の記事で解説しています。

関連記事:【設備機器の浸水対策】分電盤・給湯器・エアコン室外機・蓄電池の高さはどう決める?

まとめ│災害に強い家はクレバリーホーム城東店・新宿店へ

太陽光と蓄電池を導入した木造3階建てZEH住宅の外観

太陽光・蓄電池を導入した都内のZEH住宅の事例>>>

太陽光発電システムは、備えがあれば災害時にも電気を使えます。

「使えない」と言われるのは、操作方法や天候、設備の被害で電気を使えない場合です。

正しい知識を持ち、蓄電池との連携や耐震性の高い家づくりと組み合わせれば、太陽光発電システムは停電中の暮らしを支えるライフラインとなります。

新築で決めておきたいのは、停電時にどの範囲へ電気を回すか、蓄電池やパワーコンディショナーをどの高さに置くか、屋上をどう使うかの3点です。

太陽光発電と蓄電池で電気をまかなうオフグリッド住宅の考え方は、こちらでご紹介しています。

ou2(オーツー)株式会社が運営するクレバリーホーム城東店・新宿店は、東京23区で太陽光発電や屋上を活かした注文住宅を数多く手がけています。

限られた敷地を最大限に活用し、ご予算に合わせてコストを最適化しながら、災害に備える住まいを資金計画から土地探し、間取りまでトータルにサポートします。

蓄電池の置き場所も含め、まずは間取りからお気軽にご相談ください。

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社(オーツー株式会社) 専務取締役 / 一級建築士

早稲田大学商学部卒業後、「完全な文系人間」から建築の世界へ飛び込み、一級建築士として活躍。10年にわたる商業建築で培ったシビアな空間設計ノウハウと、25年の戸建住宅の設計実績を併せ持つ。特に東京都内の木造密集地域や防火地域において、施工性と設計の柔軟性を活かした木造耐火4階建て住宅(もくよん®等)や、天災時には避難場所となる地下室・屋上を備えた災害住宅の提唱・実践を続けている。

プライベートでは子育てを終え、現在は登山やキャンプ、スキーなど活動的な休日を過ごしている。また、「空き家レスキュー」や「こども食堂」、シェアハウスの運営を通じた地域活動の場を提供するなど、地域社会支援にも精力的に取り組んできた。スペックだけでなく、住まう人の「暮らしの温かさ」に深く寄り添う提案を得意としている。

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