ビルトインガレージの建ぺい率と容積率は?緩和措置・延べ床面積の計算・費用の抑え方も

ビルトインガレージの建ぺい率と容積率は?緩和措置・延べ床面積の計算・費用の抑え方も

建ぺい率と容積率は、ビルトインガレージに、どう影響するのでしょうか?

結論から言いますと、ビルトインガレージは建ぺい率の枠を消費する一方、 容積率には1/5までの緩和措置があるため、延べ床面積を一般住宅より広く取れる点が大きなメリットです。

本記事では、容積率の緩和措置建ぺい率・容積率の計算方法ビルトインガレージの費用を抑えるコツについて解説します。

 

ビルトインガレージが人気の理由|メリット

ビルトインガレージが人気の理由|メリット

▶ビルトインガレージの木造3階建て事例

ビルトインガレージは、1階部分が駐車スペースになっている建物をさし、インナーガレージとも呼ばれます。

都市部に多いコンパクトな土地でも、駐車スペースを確保できるため、常に一定の人気がある住宅です。

ビルトインガレージには、費用面生活の利便性でのメリットが多くあります。

費用面では、「土地代を安く抑えられる」「月極駐車料金がかからない」など、初期費用とランニングコストを抑えた家づくりが可能です。

利便性の面では、「レンタカーなどの予約が必要ないため、気軽に車を使える」「雨に濡れずに、たくさんの荷物を運べる」など、暮らしの満足度が向上します。

ビルトインガレージは、荷物が多くなりがちな子育て世帯移動による身体的な負担を軽減させたいシニア世帯に、人気があります。

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ビルトインガレージのデメリットと注意点

ビルトインガレージ デメリット

都市部で人気のビルトインガレージですが、デメリットもあるため事前の対策が大切です。

ビルトインガレージは、1階部分の出入り口が大開口になるため、建物を支える壁面積が少なくなり、耐震性が低くなる恐れがあります。

そのため、構造上の耐力を上げるために、柱や壁に厚さを持たせたり、鉄骨造や鉄筋コンクリート造で建築したりするケースが多く、建築費用が割高になる傾向です。

間取り面で注意したい点は、排気ガスエンジン音・シャッター音です。

車から出る排気ガスのニオイが充満するのを防ぐために、換気設備の導入が必要になります。

また、建物内部に駐車スペースがあるため、エンジン音やシャッター音が居室まで響く可能性があります。

騒音を防ぐために、防音材の使用寝室の配置を遠ざけるなど、設計段階での対策が効果的です。

 

関連記事:ビルトインガレージは危ないってホント?耐震性を高める方法や後悔しやすい事例と対策を解説

ビルトインガレージの容積率は延べ床面積に影響する

ビルトインガレージの容積率は延べ床面積に影響する

▶3階建てビルトインガレージの事例

容積率とは

容積率とは、延べ床面積の上限を示す割合です。

【計算方法の例】

・100㎡(敷地面積)×150%(容積率)=150㎡(延べ床面積の上限)

 

3階建て以上のビルトインガレージでは、容積率の高さが重要になります。

容積率が高いほど、縦に階層を増やして広い住宅を建てることができます。

ビルトインガレージは緩和措置で延べ床面積を広くできる

ビルトインガレージは延べ床面積を広くできる

▶ビルトインガレージ 敷地17.9坪|延床34坪の事例

ビルトインガレージは、「延べ床面積の1/5を限度として、容積率の計算から除外できる」という緩和措置が適用でき、一般的な住宅より、広い住宅を建てることが可能です。

例えば、敷地面積100㎡、指定容積率150%の土地に、車庫30㎡を含む延べ面積180㎡の住宅を計画する場合を考えます。

建築基準法施行令により、自動車車庫の床面積は「延べ面積の1/5を限度」に容積率算定面積から不算入とできます。延べ面積180㎡の1/5は36㎡なので、車庫30㎡は全額不算入が可能です。

つまり容積率算定面積は「180㎡−30㎡=150㎡」となり、これは指定容積率の上限150㎡(=100㎡×150%)以下なので適合します。

結果として、ビルトインガレージを設けることで、一般住宅であれば150㎡が上限になる延べ床面積を、180㎡まで広げられることになります。

狭小地でも土地を最大限に活用して、ご家族に必要な部屋数や居住スペースを確保しやすくなりますね。

参照サイト:建築基準法 | e-Gov法令検索

関連記事:ビルトインガレージが得意なハウスメーカーは?30坪~40坪の間取り実例や費用相場を解説

ビルトインガレージは建ぺい率には影響するが、延べ床面積には影響しない

ビルトインガレージは建ぺい率には影響するが、延べ床面積には影響しない

▶ビルトインガレージ 敷地12.9坪|延床20.64坪の事例

建ぺい率とは

建ぺい率とは、敷地面積に対する「建築面積(建物を真上から見たときの面積)」の割合のことで、土地ごとに上限が定められています。

【計算方法の例】

100㎡(敷地面積)×50%(建ぺい率)=50㎡(建築面積の上限)

一般的な住宅では、1階部分の床面積の上限とほぼ同じになります(※2階がせり出している場合などを除く)。

建ぺい率が高いほど、敷地いっぱいに住宅を建てることができます。

ビルトインガレージは建ぺい率の枠内に収める必要がある

ビルトインガレージは建物の1階に組み込まれており、外壁で囲まれた空間です。そのため、建築面積(建物を真上から見たときの水平投影面積)に含まれ、建ぺい率の枠を消費します。

建ぺい率には、容積率のような1/5緩和措置はありません。

一方、屋外の独立カーポート(柱と屋根のみのもの)は、条件を満たすことで建築面積の一部が建築面積から除外され、結果として建ぺい率の枠を一部緩和できます。

カーポートの建築面積緩和措置が適用できる条件は、下記の4点をすべて満たすことです。

  • 柱の間隔が2m以上
  • 天井の高さが2.1m以上
  • 外壁のない部分が4m以上連続している
  • 地階を除く階数が1階である

 

なお、東京23区の住宅地では、用途地域によって建ぺい率30〜80%、容積率50〜500%と幅があります。

例えば、第一種低層住居専用地域は建ぺい率30〜60%・容積率50〜200%の範囲で都市計画により定められ(東京23区では多くが容積率80〜150%)、ビルトインガレージで容積率緩和を活用するメリットが大きいエリアです。

一方、第一種・第二種住居地域や近隣商業地域では容積率200〜400%と高めで、4階建て以上のビルトインガレージ住宅も検討可能となります。

 

クレバリーホーム城東店・新宿店を運営するou2株式会社の木造4階建て・木造賃貸住宅

▶希望の広さを叶えるクレバリーホーム城東店・新宿店の木造4階建て(もくよん)

ビルトインガレージに必要な広さ

▶ビルトインガレージ 敷地36.25坪|延床82.81坪の事例

車1台・2台分に必要な広さ

ビルトインガレージに必要な広さは、車種によっても異なりますが、目安は下記の通りです。

【ビルトインガレージの広さの目安】

  • 車1台分   :幅3.0m×長さ6.0m  延床4坪~5坪
  • 車2台分 並列:幅6.0m×長さ6.0m  延床8坪~10坪
  • 車2台分 縦列:幅3.0m×長さ12.0m 延床8坪~10坪

 

国土交通省『駐車場設計・施工指針について』では、普通乗用車の標準駐車ます寸法を『幅2.5m×長さ6.0m』としていますがビルトインガレージの場合、やや大きめのサイズが良いでしょう。

3面が壁で囲まれているため、基準サイズだと、駐車しにくくなる恐れがあるためです。

ビルトインガレージは、簡単にリフォームして広げることができないため、「前面道路の幅員」「車のサイズ」、「ドアをどれだけ開閉したいか」も含めて検討することが大切です。

参照サイト:国土交通省「駐車場設計・施工指針について」

ビルトインガレージを建てるために必要な敷地の広さ

ビルトインガレージは、15坪以下の狭小地でも建てることができます。

例えば、こちらは敷地13.47坪、延床28.13坪の3階建てビルトインガレージ付き狭小住宅です。

▶ビルトインガレージ 3階建て狭小住宅

車2台分を確保したい場合には、敷地20坪前後あれば、建築できます。

ただし、土地ごとに定められている法令上の制限によって異なるため、事前に住宅会社に相談することが大切です。

ビルトインガレージの費用を安く抑える方法

ビルトインガレージの費用を安く抑える方法

木造で建てる

1階部分が大開口のビルトインガレージは、建物の強度を高めるために、木造ではなく頑丈な鉄骨造鉄筋コンクリート造(RC造)で建てるケースも多く、コストが高くなりがちです。

一般的な工務店では「木造ビルトインは難しい」とRC造を勧められるケースが多いですが、耐震性の強さは、構造ではなく設計による部分が大きいため、構造設計の経験値が豊富な会社であれば、RC造の半額〜2/3程度のコストで同等の耐震性を実現できます。

建築コストを抑えたい方は、木造も含めて、検討するのがおすすめです。

最新の公的データとクレバリーホーム城東店・新宿店を運営するou2株式会社の独自調査をもとに、東京都内のビルトインガレージ付き注文住宅の費用相場を確認してみましょう。

 

【公的データ:国税庁「地域別・構造別の工事費用表【令和7年分用】」(東京都・1㎡あたり)】

構造 ㎡単価 坪単価換算(×3.30579)
木造 23.0万円 約76万円
鉄骨造 38.4万円 約127万円
鉄筋コンクリート造 43.1万円 約142万円

参照サイト:国税庁「地域別・構造別の工事費用表(1㎡当たり)【令和7年分用】

ただし、上記は譲渡所得計算用の建築統計平均値で、東京都の狭小地・多層階のビルトインガレージのような特殊条件下での実勢価格とは乖離します。

実際の都内施工実績ベースの相場感は次の通りです。

【ou2株式会社調べ:東京都・狭小地(土地20坪以下)・多層階(延床30〜50坪・3~4階建て)の実勢価格/2026年3月時点】

構造 坪単価 ㎡単価
木造準耐火 約80~90万円 約24~27万円
木造耐火 約90~110万円 約27~33万円
鉄骨造(S造) 約180~220万円 約54~66万円
鉄筋コンクリート造(RC造) 約170~220万円 約51~66万円

※出典:ou2株式会社調べ(2026年3月時点、東京都)

同じ延床30坪でも、東京都の狭小多層階の実勢で見ると、木造準耐火とRC造では坪単価で約80〜140万円、本体価格に換算すると約2,400〜4,200万円もの差が生じます。

木造で建てられる住宅会社を選ぶことは、東京の狭小地においてはコスト面で極めて大きなインパクトがあるのです。

混構造で建てる

間取りプランによっては、木造だと難しいケースもあります。

その際におすすめなのが、1階が鉄骨造、2階・3階が木造などの混構造のビルトインガレージです。

材料費だけではなく、木造を取り入れることで、建物重量を軽くして、高額になりやすい地盤改良費を抑えることが可能です。

下記は、混構造(1階:鉄骨造/2・3階:木造)で建てた3階建てビルトインガレージの事例です。

ビルトインガレージの事例

ビルトインガレージの固定資産税は安くなるが『非課税』ではない

ビルトインガレージは、容積率の緩和措置が適用できることで固定資産税も安くなる、と紹介する記事を見かけた方もいるかもしれません。しかしこれは半分誤解です。

固定資産税は、建築基準法上の延べ面積(容積率算定面積)ではなく、税法上の「課税床面積」をもとに評価されます。

そのため、容積率の計算から除外された面積分が、固定資産税の計算からも除外されて非課税になるわけではありません

ただし、ガレージ内部は通常の居室のような内装仕上げ(壁紙やフローリングなど)がないことが多く、居室部分と比較すると1平方メートルあたりの評価額(税額)は低く算出される傾向にあります。

「容積率緩和=節税」という単純な構図ではなく、「ガレージ部分は居室より評価が低くなりやすい」という理解が正しい捉え方です。

まとめ

建ぺい率と容積率が、ビルトインガレージにどう影響するかについて解説しました。

延べ床面積は、容積率の緩和措置によって、一般的な住宅より広い住宅を建てやすくなります。

東京でビルトインガレージをご検討の方は、23区内での施工実績が豊富なクレバリーホーム城東店・新宿店まで、お気軽にご相談ください。

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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