賃貸併用住宅の成功例|間取りと収支の成功ポイントや失敗させない対策、ローンの注意点
賃貸併用住宅で後悔しないために、間取りや収支の成功例を参考に、成功のポイントを学ぶことは大切です。
そこで本記事では、賃貸併用住宅の間取り成功例や収支の成功例、失敗例とその対策などを解説します。
賃貸併用住宅でローンを組む際の注意点についてもご紹介するため、賃貸併用住宅の建築をご検討の方は、ぜひ記事を参考にしてくださいね。
賃貸併用住宅の成功例|間取り・ローン別
賃貸併用住宅の間取り別メリット・デメリット
賃貸併用住宅には、大きくわけて3つの間取りタイプがあります。
【間取りタイプ】
- 上下タイプ・・・・・1階が賃貸、2階が自宅など、フロアでわける
- 左右タイプ・・・・・左側が自宅、右側が賃貸など、建物を左右にわける
- マンションタイプ・・マンションの1室が自宅
まずは、それぞれのメリット・デメリットを確認してみましょう。
メリット | デメリット | |
上下タイプ | ・フロアが異なるため、プライバシーが守られやすい | ・上下階の足音がストレスになる恐れがある |
左右タイプ | ・上下階の足音を気にせず生活できる | ・ワンフロアが狭くなり、間取りによっては窮屈に感じられる |
マンションタイプ | ・部屋数を増やして、高収益を見込める | ・自宅部分がコンパクトになりやすい ・住宅ローンが利用できない |
上下タイプのローンと間取りの成功例
上下タイプの賃貸併用住宅の場合、防音対策を十分にすることで、快適な暮らしを実現した成功例があります。
防音対策は、空気を通して伝わる音には「遮音対策」、振動を通して伝わる音には「防振対策」など、目的によって、適切な対策方法が異なります。
上下階の足音には、「防振対策」が効果的です。
また、自宅部分の床面積が50%以上の賃貸併用住宅の場合、アパートローンと比べて、金利が低い住宅ローンを利用できます。
住宅ローンを利用することで、経済的な負担を軽減し、借入期間も長期に設定できるため、余裕のある返済計画を立てることが可能です。
クレバリーホーム東京では、足音による振動を吸収する防振吊木を標準で採用し、2階の足音を軽減します。
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左右タイプの間取りの成功例
左右タイプの賃貸併用住宅の場合、プライバシーが守られる間取りにすることで、成功している例があります。
- 静かに過ごしたい寝室は、賃貸側とは離した配置
- 階段や収納スペースは、賃貸側にくっつけた配置
- 自宅部分の庭に、視線を遮れる目隠しフェンスの設置
マンションタイプのローンと間取りの成功例
マンションタイプの賃貸併用住宅の場合、賃貸部分が多くなるため、アパートローンを利用します。
アパートローンは、住宅ローンと比べて金利が高くなるため、収益性を高めることがポイントです。
土地代の高い都市部では、コンパクトな土地でも、部屋数を増やせる4階建て・5階建てにして、収益性を高めた成功例があります。
また、マンションタイプの間取りでは、自宅と賃貸のスペースの割合が、重要です。
収益性を高めようとして賃貸部分を増やせば、自宅部分がコンパクトになり、マイホームとしての快適性が低くなる恐れがあります。
自宅部分と賃貸部分のどちらも十分確保したい場合、縦に階層を増やして、土地を最大限に活用する建築が、おすすめです。
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賃貸併用住宅の成功例|収支の成功パターン
続いて、収支においての賃貸併用住宅の成功例をご紹介します。
本記事では、「ローンなどの支出を上回る家賃収入」を成功と考え、シミュレーションした例をご紹介します。
こちらは、単身者向けのワンルームの間取りを採用した賃貸併用住宅です。
【設定条件】
家族構成 | 夫婦2人 |
世帯年収 | 1,000万円 |
建築費用 | 8,500万円 |
投資した自己資金 | 2,000万円 |
ローンの融資額 | 6,500万円 |
月々の返済額 | 18.3万円 |
ワンルーム | 4戸:家賃8万円 |
家賃収入 | 32万円/月 |
ローン金利 | 1.0% |
借入期間 | 35年間 |
諸経費率 | 20% |
【キャッシュフロー】
- 家賃収入:8万円×4戸×12カ月=384万円/年間
- 諸経費:384万円×20%=76.8万円/年間
- ローンの返済額:18.3万円×12カ月=219.6万円/年間
- 384万円(家賃収入)-76.8万円(諸経費)-219.6万円(ローン)=87.6万円
年間87.6万円が利益となるため、住宅ローンの返済にゆとりを持たせることが可能です。
成功のポイントは、初期の収支と10年後・20年後の収支をシミュレーションし、繰り上げ返済やリフォーム費用を貯めるタイミングなどを間違えないことです。
また、賃貸併用住宅の家賃収入や建築費などは、立地や選ぶ住宅会社によって異なるため、必ず専門家に収支計画をシミュレーションしてもらうことが大切です。
関連記事:賃貸併用住宅の罠とは?10年後の後悔を避ける対策も解説
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賃貸併用住宅の失敗例と対策
賃貸併用住宅の失敗例と失敗しないための対策について、順番にご紹介します。
- ニーズに合った間取り・家賃ではなかった
- 収支計画が現実的ではなかった
- 防音性が低く、自宅の快適性が下がった
ニーズに合った間取り・家賃ではなかった
賃貸需要のある立地でも、ニーズにあった間取りや家賃設定でなければ、空室リスクが高まり、失敗に繋がります。
単身者向けやファミリー向けなど、周辺の競合物件の間取りや家賃を分析し、ターゲット層に合わせてプランニングしましょう。
収支計画が現実的ではなかった
賃貸併用住宅では、将来の家賃収入や支出について、現実的な数値でシミュレーションしないことも、失敗の原因となります。
築年数がたった際に「家賃を下げる」「リフォームする」なども含めて、収支計画書を作成することが大切です。
防音性が低く、自宅の快適性が下がった
賃貸併用住宅の間取りでは、防音性とプライバシー確保が、自宅の快適性に大きな影響を与えます。
そのため、費用を抑えることを重視し、防音対策を十分にしなかった場合、失敗するリスクが高まります。
居心地の良い自宅にするためにも、用途に合わせた防音対策を検討してみましょう。
賃貸併用住宅でローンを組む注意点
賃貸併用住宅では、「住宅ローン」または「アパートローン」を利用することになります。
ローンを組む際に、事前に知っておきたい注意点を順番に確認してみましょう。
- 住宅ローンの利用は自宅部分が50%以上必要
- 住宅ローンの融資額の上限は低い
- アパートローンは借入期間が短い
- 金融機関によってはサブリース契約が条件になる
住宅ローンの利用は自宅部分が50%以上必要
住宅ローンを利用するためには、「自宅部分が50%以上」が条件です。
賃貸の部屋数を増やしすぎることで、住宅ローンが利用できなくなるため、注意しましょう。
住宅ローンとアパートローンでは、返済額がどれくらい違うのか確認してみましょう。
【借入額8,000万円 借入期間30年間の場合】
毎月の返済額 | 総返済額 | |
住宅ローン 金利0.7% | 24.6万円 | 8,870万円 |
アパートローン 金利4.0% | 38.2万円 | 1億3,750万円 |
2025年5月時点で、住宅ローンの変動金利は「0.7%未満」の金融商品が多く、アパートローンは「2%~6%」が相場です。
同じ8,000万円の借入額でも、月々の返済額は「13.6万円」、総返済額は「4,880万円」も異なります。
関連記事:【2025年以降】住宅ローン控除はなくなる?改正点や年収ごとの控除額、いくら戻るかについて
住宅ローンの融資額の上限は低い
住宅ローンは、アパートローンと比べて、借入限度額が低く設定されており、賃貸併用住宅の規模によっては、借入額が不足する可能性があるため注意しましょう。
例えば、民間の金融機関では1億円程度、フラット35では、8,000万円が上限です。
参照サイト:フラット35 建設費・購入価額の9割まで:長期固定金利住宅ローン
アパートローンは融資期間が短い
アパートローンの融資期間は、物件の耐用年数が上限であり、構造によっては、住宅ローンより融資期間が短くなります。
構造別の法定耐用年数を下記表で確認してみましょう。
【構造ごとの法定耐用年数】
構造 | 法定耐用年数 |
木造 | 22年 |
軽量鉄骨造(厚さ3㎜以下) | 19年 |
軽量鉄骨造(厚さ3㎜超え~4㎜以下) | 27年 |
鉄筋コンクリート造 | 47年 |
参照サイト:国税庁 法令耐用年数
木造で賃貸併用住宅を建築した場合、住宅ローンなら35年間の住宅ローンを組めますが、アパートローンであれば、「22年間」が上限です。
金融機関によってはサブリース契約が条件になる
ローンを組む金融機関によっては、サブリース契約が条件になるケースがあります。
サブリース契約は、空室があっても家賃が保証されるメリットがありますが、不動産会社が間に入るため、一般的に、家賃の10%~20%程度差し引かれます。
収益性が下がり、解約による違約金が発生する場合もあるため、内容を十分に理解し、慎重に検討することが重要です。
まとめ
賃貸併用住宅の間取りと収支の成功例や失敗例とその対策、ローンを組む際の注意点について解説しました。
賃貸併用住宅は、一般的な戸建てとは異なり、収益性の高さを維持しつつ、防音性やプライバシーに配慮したプランニングが重要になります。
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