延べ床面積35坪は狭い?感じる理由、感じさせない7つの設計の工夫も解説

延べ床面積35坪は狭い?感じる理由、感じさせない7つの設計の工夫も解説

「延べ床面積35坪」と聞いて、広いと感じる方もいれば、逆に狭いと感じる方もいます。

しかし実際の暮らしやすさは広さの数値だけでは分からず、動線や収納、採光といった設計の工夫によって、35坪でも広々と感じる家を実現できることもあります。

本記事では、延べ床面積35坪が「狭い」と感じられる理由を紹介しつつ、限られた空間を最大限に活かすための7つの工夫についてご紹介します。

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延べ床面積35坪はどれくらいの広さ?

延べ床面積35坪は、換算するとおよそ115.7m2の広さです。

家族4人で住む場合でも、間取り次第で快適に暮らせる規模の住まいです。

住宅金融支援機構が公表しているアンケート調査によると、2023年の住宅面積の全国平均は111.2m2(33.6坪)ですので、平均値と比べても広めの住まいといえます。

なお、家を建てる土地がコンパクトになる傾向のある東京都においては、住宅面積の平均は103.3m2(31.3坪)ですので、東京都においては35坪の住まいは広めの家になります。

参考:住宅金融支援機構 フラット35利用者調査

家族構成によって変わる「広い」「狭い」の感覚

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延べ床面積35坪が「広い」と感じるか「狭い」と感じるかは、家族の人数やライフスタイルによって異なります

たとえば、夫婦2人であれば35坪は十分ゆとりのある広さですが、子どもが3人以上の5人家族となると、個室や収納が足りず「やや手狭」と感じる可能性があります。

また、在宅ワークをするご家庭ではワークスペースの確保が必要であり、その分リビングなどの共有空間が圧迫されることもあります。

このように、家族構成や家での過ごし方によって広さに対する感覚は変わりますので、具体的な暮らし方を想像することが重要です。

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35坪で「狭い」と感じる理由

延べ床面積35坪は、家族4人が暮らすには一般的な広さとされますが、設計や暮らし方によっては「思ったより狭い」と感じることがあります。

その主な理由は以下のとおりです。

理由原因
間取りが細かく区切られている部屋数や廊下が多いと、一つひとつの空間が狭く感じられる。
収納スペースが不足する物があふれやすく、生活感が出ることで空間が狭く見える。
ライフスタイルの変化に対応しづらい子育て・在宅ワークなどの変化に合わせた使い方が難しくなる。
家事の中で狭さを感じる(例:部屋干し)洗濯物を干す場所や家事動線が悪いと、日常的にストレスを感じやすい。

 

このように、面積だけでなく空間の使い方次第で、体感的に狭く感じてしまうことがあります。

逆に、設計次第で広く感じやすくもなりますので、空間の活用方法に長けた設計者に依頼することも重要です。

35坪でも狭く感じさせない設計の工夫を紹介

具体的に、35坪でも狭さを感じさせない設計について、以下のとおり一例を解説します。

  • 1階に水回り、2階にリビングの間取りにする
  • 廊下など移動のためのスペースを節約する
  • 動線計画を十分に検討する
  • 視線の抜けを意識して窓を配置する
  • 屋根を屋上として活用する
  • 十分な収納を設けて整理整頓する
  • 3、4階建てで床面積を増やす

1階に水回り、2階にリビングの間取りにする

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1階に水回りや個室、2階にLDKを配置するプランは、35坪の住宅でも広さと快適さを両立させる方法のひとつです。

2階リビングにすることで日当たりや風通しが良くなりますし、天井を高くとったり、勾配天井や吹き抜けと組み合わせたりすることで、より開放的な空間を演出できます。

また、周囲の建物や塀に遮られず、視線が抜けることで実際以上の広さを感じさせる効果もあります。

限られた面積を縦方向に活かすことで、居住性と開放感のバランスが取れた住まいを実現することが可能です。

関連記事:【2階リビングにすればよかった】と思う7つの瞬間

廊下など移動のためのスペースを節約する

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35坪の限られた延べ床面積では、廊下やホールなど「通るだけ」の空間を極力減らすことで、居住スペースを広く確保できます。

たとえば、リビングを中心に各部屋へ直接アクセスできるような動線や、玄関からLDKへの短いアプローチなどを設計に取り入れることで、無駄な移動空間を削減可能です。

動線の短縮は面積の節約だけでなく、家事効率や暮らしやすさの向上にも直結しますので、廊下の扱い方を見直すことは有効です。

関連記事:廊下のない間取りに後悔しない家づくり│メリット・デメリットまとめ

動線計画を十分に検討する

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延べ床面積35坪の家で広さを有効に活かすには、生活動線の工夫が欠かせません。

たとえば、キッチンと洗面室を近づけて家事動線を短くしたり、玄関から直接ファミリークロークやパントリーへアクセスできるようにすることで、効率的な暮らしが実現します。

家族それぞれの「よく使う場所」を意識してゾーニングすれば、移動のストレスが減り、限られた空間でも快適に感じられます。

毎日の動きに寄り添った動線計画は、住まい全体の「使いやすさ」と「広がり感」を大きく左右する、設計上の重要なポイントです。

関連記事:【3階建ての部屋の使い方】家事楽動線をプロが徹底解説!

視線の抜けを意識して窓を配置する

大きな窓があるLDK

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限られた空間でも広く見せるためには、視線の抜けが重要です。

たとえば、リビングの先に大きな窓を設けて庭やバルコニーを視界に取り込むと室内がぐっと広く感じられます。

逆に、行き止まりや壁面ばかりが目に入る空間では、面積以上に圧迫感を覚えることも。

隣家との距離が近い都市部では、窓の配置やサイズを工夫することで、視線の抜けとプライバシーの両立が可能になります。

関連記事:プライバシーに配慮した家の建て方とは?

屋根を屋上として活用する

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延床面積35坪では、室内空間に余裕を持たせることが難しいケースもありますが、そこで注目したいことは「屋上」の活用です。

屋根を平らに設計し、屋上バルコニーやスカイテラスを設けることで、アウトドアリビングや物干しスペース、家庭菜園など、多目的な「第2のリビング」として使える空間が生まれます。

とくに都市部では庭を確保しにくいため、屋上を活用すればプライベートな外空間が確保でき、住まい全体の満足度が向上します。

関連記事:【住まいのプロが伝授】一軒家で屋上ライフを楽しむ方法8選

十分な収納を設けて整理整頓する

十分な収納を設けてコンパクトな住まいでも整頓された生活を送る

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35坪の家では、モノの散乱が空間を狭く感じさせる原因になります。

そこで重要なことは、十分な収納スペースを確保し、整理整頓をしやすくする工夫です。

各部屋に分散して収納を設けることに加えて、ウォークインクローゼットやファミリークローゼットなどをまとめて配置することで空間を有効活用できます。
また、階段下や壁の厚みを利用した“隠れ収納”も、見た目をすっきりさせるためにに効果的です。

収納計画を建築段階から詳しく検討することで、生活感を抑えて室内を広く美しく保つことができます。

3、4階建てで床面積を増やす

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都心や住宅密集地では、敷地面積の制約から35坪でも“狭い”と感じるケースがあります。

こうした場合は、垂直方向に空間を伸ばす「3階建て」や「4階建て」といった選択肢が有効です。
建ぺい率や容積率を踏まえて設計すれば、敷地を最大限に活かして延べ床面積を大きく確保できます。

例えば、1階にガレージや水回り、2階にLDK、3階に個室、4階をルーフバルコニーにするなど、空間を分散しながら立体的に暮らしを構築できますので、階層ごとに役割を持たせることで、生活動線も明快になります。

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まとめ│35坪の大きさの住まいはクレバリーホーム東京へ

「延べ床面積35坪の家は狭いですか?」
こうした疑問にお答えしました。

延べ床面積35坪は決して狭いわけではありませんが、間取りの細分化や収納不足、ライフスタイルの変化への対応が難しいと感じることがあります。

設計段階でこれらのポイントを押さえ、視線の抜けや動線、収納などに配慮すれば、快適で広く感じる住まいを実現可能です。

都内など狭小な土地での設計にはコツが必要ですので、コンパクトな土地で広々とした家を建てる、クレバリーホーム東京までお気軽にご相談ください。

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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