『創エネ』とは?蓄エネ・再エネとの違いや事例、戸建てやアパートに導入するメリットやデメリットも解説
「エコな暮らしがしたい、日々の電気代を抑えて暮らしたい」
こうした希望を持つ方は、創エネ設備のある家がおすすめです。
創エネとは、文字通りエネルギーを創り出す技術を指しますが、具体的にどのような設備が「創エネ」に当たるのか、分かりづらいものです。
そこで本記事では、創エネとはどういった意味を指すのか解説した上で、省エネ、蓄エネ、再エネといった似た言葉の意味、戸建て住宅やアパートに取り入れることに対する特徴などについてお伝えします。
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Contents
創エネとは?
創エネについて、中小企業基盤整備機構では次のとおり定義がされています。
「創エネ」とは、(主として)電気を自ら創る取り組み
つまり、太陽光発電システムに代表されるように、電気事業者などからエネルギーを購入しなくても、所有する土地や建物内の設備で電気などのエネルギーを創り出せる状態を指します。
省エネ・蓄エネ・再エネとの違い
創エネには似た言葉がいくつかありますが、違いを明確にするためにそれぞれの言葉の定義を確認しましょう。
省エネ | エネルギーの無駄を省いて効率的に使う取り組み |
蓄エネ | 電気を蓄える取り組み |
再エネ | 繰り返し利用することのできるエネルギー ※創エネと同様の意味で使用される |
参考:中小企業基盤整備機構 省エネ・創エネ・蓄エネの違いについて教えてください。
このように、似た言葉でも異なる意味を持ちますので、言葉の意味を捉えて適切な使い方をすることが重要です。
創エネの事例を紹介
より具体的に、創エネとはどういった種類のエネルギーを指すのか、事例とともに紹介します。
大規模な創エネの実例
創エネ設備には、個人で実施するもののほか、以下の例のとおり公共事業として実施するものや企業が運営するものもあります。
- 太陽光発電(メガソーラーのように大規模なもの)
- 水力発電
- 風力発電
- 地熱発電
- バイオマス発電 など
小規模な創エネの実例
一方で、個人の土地や建物内でエネルギーを創り出す例としては、以下のようなものがあります。
- 太陽光発電
- エネファーム(ガスを燃料に電気と水を生成)
- エコウィル(ガスの余剰な熱を利用して発電する)
また、発電した電気を貯めておく蓄電池や、車に搭載した電池を家庭用電力として利用するV2Hといった技術も関係します。
関連記事:【太陽光はつけるべきか?】新築で必要か迷う方へ特徴を紹介
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個人(戸建て・アパート)で創エネを取り入れるメリット
紹介した例で利用される創エネ設備、戸建て住宅やアパートといった個人向けの建物に導入する場合のメリットを紹介します。
- 光熱費を節約できる
- インフレ対策になる
- 災害に強い家になる
- 資産価値が高まる
- 補助金を利用できる
- CO2の排出量を削減できる
光熱費を節約できる
1つ目は、光熱費を節約できることです。
自宅でエネルギーを創り出せる創エネ設備のある家では、電気事業者から購入する電力量を削減することが可能です。
このため、毎月発生する電気代など、光熱費を安く抑えられる点はメリットといえます。
関連記事:太陽光発電で電気代が安くならない!を防ぐ6つの対策
インフレ対策になる
2つ目は、電気代の高騰に備えるなど、インフレ対策になることです。
2020年を境に、電気代は上昇傾向にあり、今後も続く可能性があります。
自宅で電気を創り出して自給自足できれば、燃料費の高騰、また電気代の高騰にも耐えることが可能です。
災害に強い家になる
3つ目は、災害に強い家になることです。
首都直下型地震や南海トラフ巨大地震など、日本では大きな地震が発生する危険性があります。
このとき、たとえば東京都では電力の再供給が始まるまで1週間程度を要すると想定されています。
参考:内閣府 首都直下地震の国の復興対策に関する検討の視点について
太陽光発電設備など、創エネ設備があることで送電設備の復旧を待たずに家電を使用し続けられます。
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資産価値が高まる
4つ目は、自宅の資産価値が高まることです。
創エネ設備のある家、特に後ほど解説する、東京ゼロエミ住宅やZEHといった高い断熱性能への適合が認定された住まいであれば、優れた温熱環境や安価な光熱費、災害への対応など様々な点で高い市場価値を有することとなります。
このため、売却をする場合に資産価値が高く評価されます。
補助金を利用できる
5つ目は、補助金を利用できることです。
創エネ設備を取り入れた家は、次のとおり一定の基準を満たすことで補助金の交付を受けられます。
創エネ設備の導入で利用できる補助金の例
- 子育てグリーン住宅支援事業
- ZEH補助金
- 東京ゼロエミ住宅補助金
各種補助金については、以下のコラムを参照ください。
関連記事:ZEH住宅とは?わかりやすく解説
CO2の排出量を削減できる
6つ目は、CO2の排出量を削減でき、エコな暮らしを実現できることです。
太陽光発電設備などの創エネ設備は、各種補助金の交付を受けるための条件となっています。
その理由は、太陽光発電設備を導入することでCO2の排出量を削減し、2050年にはカーボンニュートラル(CO2の創出量と排出量の総和をゼロ以下にする取り組み)を目指す、国の大きな目標があるからです。
私たち個人の視点で見た場合でも、環境への影響が少ない暮らしを送ることで、地球に優しい暮らしができることに対して満足度の高い暮らしになります。
関連記事:『環境に優しい家』とは?6つのメリット2つのデメリット
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個人で創エネ設備を取り入れるデメリットと対策
戸建てやアパートなど、個人の家に創エネ設備を取り入れることにはデメリットもありますので、対策も含めて紹介します。
- 導入コストが高い
- メンテナンスの手間がかかる
- 設置場所を確保する必要がある
導入コストが高い
1つ目は、創エネ設備の導入コストが高いことです。
太陽光発電設備などの創エネ設備を導入する場合、太陽光発電用のパネルや変換用のパワーコンディショナー、架台や設備の設置費用が必要で建築費用が高くなります。
ただし、創エネ設備を導入した場合には補助金を利用できるケースが多く、また光熱費も削減できることから、建築費用のほか住み始めてから継続的にかかる費用も抑えられますので、実質的には費用を抑えられる可能性もあります。
関連記事:「太陽光発電・蓄電池は元が取れない」はホント?原因と対策を解説
メンテナンスの手間がかかる
2つ目は、メンテナンスの手間がかかることです。
太陽光発電用のパネルは、3年経過で20%ほども発電効率が落ちる例もあります。
その理由は、パネル自体の劣化も関係しますが、パネルに堆積するホコリも主な要因に挙げられます。
このため、期待した発電効率を維持するためには、定期的なパネルの洗浄など、一定のメンテナンスが必要です。
- 屋上を平屋根にして手入れが容易になるよう配慮する
- パネルの洗浄費用も含めて収支計画を立てる
- 影にならないよう周囲の樹木などを剪定する
こうした対策を講じて、創エネ設備の発電効率を維持できるように設置計画を立てましょう。
関連記事:太陽光パネルの掃除・洗浄、効果は?
設置場所を確保する必要がある
3つ目は、設置場所を確保する必要があることです。
太陽光発電設備などの創エネ設備は、パネルやパワーコンディショナー、また蓄電池など設備を設置するために一定のスペースが必要です。
特に東京都などの都市部では、十分な設備を確保することが困難な場合があります。
こうした場合も、屋上を平らにして利用できる平屋根の利用がおすすめです。
なお、太陽光パネルを設置しつつ屋上防水を適切に働かせるためには、設計・建築の段階で建物と一体で創エネ設備の設置計画を立てることが重要です。
こうした、創エネ設備と建物が一体となった家を建てられるハウスメーカーを探すこともおすすめです。
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創エネ設備について、よくある質問と回答を紹介
記事の終わりに、創エネ設備について質問されることの多い事柄について、回答とともに紹介します。
創エネ設備の導入費用はどの程度かかりますか?
A.設備によって異なりますが、たとえば太陽光発電設備の場合は、1kWあたり25万円前後、一般家庭で導入されることの多い4kWの場合は100万円前後の費用が目安です。
ZEHや東京ゼロエミ住宅などの補助金を利用することで、実質的な負担を軽減できます。
太陽光発電設備とともに蓄電池を導入するべきですか?
A.予算に収まれば、蓄電池も導入することをおすすめします。
昼間に発電した電力を夜間や雨天時も使用できることから、より効率的に発電した電気を利用できます。
停電時も使用し続けられることから、防災対策としても効果的です。
関連記事:【蓄電池は必要か?】メリット・デメリットなど特徴を解説
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太陽光発電は北向きの屋根でも設置できますか?
A.設置、発電自体は可能ですが、南向きと比べて発電効率が下がることは確かです。
新築の段階であれば、南向き屋根や陸屋根(平らな屋根)、東西方向など、より効率的に発電できるよう調節することをおすすめします。
そのほか、北向きの太陽光発電パネル設置の特徴は、以下のコラムをご確認ください。
創エネ設備の耐用年数の目安を教えてください。
A.税制上の耐用年数は9年、または17年ですが、実際は20年を超えて利用し続けることも可能です。
大切な点は、太陽光パネルやパワーコンディショナーなど、各所をメンテナンスしやすい体制を作り状態を維持することです。
参考:太陽光発電協会 「法定耐用年数17年」の根拠は何ですか。
まとめ│創エネ設備のある家はクレバリーホーム東京へ
【港区】太陽光・蓄電池を導入した都内のZEH住宅の事例>>>
「創エネ設備とは?どういった特徴があるの?」
こうした疑問にお答えしました。
創エネ設備は太陽光発電設備のように、エネルギーを宅内で創出する設備を指します。
利用することで、光熱費の削減や災害対策など、様々な点でメリットがありますので、家を建てる際は導入を検討することをおすすめします。
特に東京都など、太陽光発電設備への手厚い補助が実施されている地域では、実質的な設置費用を大幅に抑えられますので設置を検討してみましょう。