東京ゼロエミ住宅『水準A・B・C』とは?【最大240万円】基準と制度の概要・メリットも紹介
「東京ゼロエミ住宅の水準A・B・Cとは、具体的にどのような仕様ですか?」
断熱性など、住宅の温熱環境を気にされる方から、こうした質問を頂くことがあります。
東京都で高性能な住宅を建てる場合に一定の補助金が交付される東京ゼロエミ住宅、令和6年10月に内容が更新され、令和7年も同じ基準(水準A・B・C)で運用される方針です。
そこで本記事では、東京ゼロエミ住宅を利用する場合に確認しておきたい、新制度の水準について解説します。
Contents
東京ゼロエミ住宅とは?
東京ゼロエミ住宅とは、東京都が独自に設定した高性能な基準を満たす住まいです。
- 高い断熱性を持つ窓や断熱材を利用する
- 省エネ性能の高い冷暖房機器や照明を利用する
こうした施策によりゼロエミッション、つまりCO2などの排出量ゼロを達成する住宅を増やす施策を指します。
東京ゼロエミ住宅で満たすべき水準
東京ゼロエミ住宅は、令和7年度の基準では「水準A・B・C」の3つの種類があります。
それぞれ、どういった数値基準を指すのか確認しましょう。
水準A(断熱性能等級6を超える)
水準Aは、東京ゼロエミ住宅で規定される基準の中で最も厳しい水準を指します。
東京ゼロエミ住宅では、主に断熱性能と設備の省エネ性能について規定されますが、水準Aでは、以下のとおり数値基準が設けられています。
- 断熱性能(外皮平均熱貫流率):0.35以下
- 設備の省エネ性能:45%以上
このうち断熱性能は、国が断熱性を規定する際に使用することの多い断熱性能等級においては6~7ほどと高い水準に設定されています。
引用:国土交通省 戸建て住宅の断熱仕様の例(6地域・東京等)
国土交通省が例示している断熱仕様の例を確認すると、断熱等級6、7は次のような仕様の住まいとされています。
【断熱等級6】
- 窓:樹脂サッシ+Low-E複層ガラス
- 断熱材:グラスウール+ポリスチレンフォームのダブル断熱
【断熱等級7】
- 窓:樹脂サッシ+Low-E三層複層ガラス
- 断熱材:グラスウール+フェノールフォームのダブル断熱
樹脂サッシや内外ダブル断熱は高い断熱性の住まいですので、水準Aを満たす家は非常に高性能な住まいであることが分かります。
水準B
水準Bは、東京ゼロエミ住宅で規定される基準の中で中程度の性能で、以下のとおり数値基準が該当します。
- 断熱性能(外皮平均熱貫流率):0.46以下
- 設備の省エネ性能:40%以上
水準C
水準Cは、東京ゼロエミ住宅で規定される基準の中では低い基準にあたり、以下のとおり数値基準が該当します。
- 断熱性能(外皮平均熱貫流率):0.60以下
- 設備の省エネ性能:30%以上
引用:国土交通省 戸建て住宅の断熱仕様の例(6地域・東京等)
断熱仕様の例で確認するとおおむね等級5に当たり、次のような仕様の住まいとされています。
- 窓:アルミ樹脂複合サッシ+Low-E複層ガラス
- 断熱材:グラスウール
このように、東京ゼロエミ住宅の基準に適合する家を建てるためには、十分な断熱性を持つ建材を使う必要があります。
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集合住宅も制度の対象になる
本制度はアパートなどの集合住宅も対象となります。
集合住宅の場合は、断熱性能で求められる水準は変わらず、設備の省エネ性能のみ戸建て住宅より低い水準が求められます。
【断熱性能】
- 水準A:0.35以下
- 水準B:0.46以下
- 水準C:0.60以下
【設備の省エネ性能】
- 水準A:40%以上(戸建ての場合45%)
- 水準B:35%以上(戸建ての場合40%)
- 水準C:30%以上(戸建ての場合30%)
集合住宅は1戸ごとに補助金の対象となりますので、部屋数が増えるほど補助金額が大きくなります。
アパートなどの集合住宅を建てる場合は、本制度を利用することで建築費用を大幅に削減できる可能性があります。
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以前の水準(1・2・3)との違い
東京ゼロエミ住宅で求められる性能や補助金額は、2024年10月に変更が加わり、2025年4月以降も同じ基準で補助金が運用されます。
どういった点が変更となったのか、改めて確認しましょう。
助成金額の増加
1つ目の変更点は、補助金額の増加です。
こちらの表のとおり、2025年10月より前は、水準1~3に対して30万・50万・210万(戸建て住宅の場合)の補助金額でしたが、2025年10月以降は、水準C~Aになり40万・160万・240万と補助金額が高くなりました。
求められる性能が高くなった
2つ目の変更点は、求められる性能が高まったことです。
こちらの表のとおり、水準1および2は水準3に統合され、水準3は水準Bに、また新たに水準Aが新設されています。
補助金額は高くなったものの、合わせて求められる性能も高まっていますので、性能アップにどの程度の費用がかかるのか、検討中のハウスメーカーで確認する必要があります。
再生可能エネルギーの導入が必須に
3つ目の変更点は、再生可能エネルギーの導入が必須となったことです。
令和6年9月30日までは、太陽光発電設備など、再生可能エネルギー設備の導入は任意でしたが、令和6年10月以降、令和7年4月以降についても原則設置が求められます。
なお、屋根が狭小である場合や、屋根の向きが太陽光発電システムの導入に適していない場合など、太陽光発電の設置が困難な住宅では導入を求められないケースもありますので、設計の段階で確認が必要です。
東京ゼロエミ住宅を利用する場合のメリット
改めて、東京ゼロエミ住宅を利用する場合、どういった特徴があるのか紹介します。
快適な温熱環境の住まいになる
東京ゼロエミ住宅は、従来高性能とされていたZEHなどと比較してさらに高性能な住宅です。
たとえば最も低い基準である水準CでもZEH水準からHEAT20G1クラスの断熱性能を持ち、冬場の無暖房室でも概ね10℃を下回らず結露が発生することを防げる水準です。
水準B、Aと断熱性を高めるに従い部屋間の温度差も小さくなり、体感的にも快適に過ごせるようになります。
冷暖房効率が高まり光熱費が安くなる
温熱環境が改善されることは、住宅の光熱費を下げることにもつながります。
東京都の試算では、従来型の住宅と比較して水準Cの住宅でも年13万円の光熱費削減効果があるとしています。
東京ゼロエミ住宅ほか補助金の活用
本記事で紹介したとおり、東京ゼロエミ住宅に適合することで一定の補助金が交付されます。
本制度は都独自の制度であることから、子育てグリーン住宅支援事業など国の補助金を併用して利用することが可能です。
加えて、太陽光発電システムや蓄電池、V2Hといった機器類の設置に対して追加の補助金交付を受けることもできます。
CO2の排出量などが減りエコな生活を送れる
東京ゼロエミ住宅に適合する住宅を選ぶことは、こちらの図のとおり家の各所に省エネ性の高い設備を導入し、また断熱性の高い窓や玄関ドア、断熱材を使用することとなります。
冷暖房設備の稼働効率が上がり、また節水性の高い水栓の使用によって使用するエネルギー量が減り宅内からの実質的なCO2の排出量を削減できます。
地球環境に優しい暮らしを実現できますので、精神的にも充足した暮らしを送ることができます。
まとめ│東京ゼロエミ住宅はクレバリーホーム東京へ
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高性能な住宅を建てることで補助金の交付を受けられる東京ゼロエミ住宅は、令和6年10月以降「水準A・B・C」の新しい基準に変更されました。
求められる性能が高くなったものの、交付される補助金額も増えました。
積極的に高い性能の住宅を選び、多くの補助金をもらいつつ、快適な住環境を実現しましょう。
首都圏で高性能な家をご希望の方は、クレバリーホーム東京まで、お気軽にご相談ください。