垂直避難とは?水平避難との違い、事前にしておきたい6つの備えも紹介

垂直避難とは?水平避難との違い、事前にしておきたい6つの備えも紹介

「自宅で水害に遭遇したらどうしよう」
こうした不安を抱えている方におすすめの避難方法は、垂直避難です。

本記事では、垂直避難とはどういった避難方法なのか、また類似した言葉である水平避難(立ち退き避難)についても解説します。

垂直避難することを想定した事前の備えなどについても紹介しますので、水害のほか地震や火災などへの不安を抱えている方はぜひ参考にしてください。

住宅に加えて、アパートや事業者にとっても有益な情報をお伝えしますので、事業を営んでいる方もぜひご覧ください。

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垂直避難とは?

はじめに、そもそも垂直避難とはどういった避難方法を指すのか紹介します。

垂直避難:屋上や上層階への避難

垂直避難とは、避難する前に浸水が生じてしまった場合などに、建物の上層階に避難(屋内安全確保)することを指します。

住宅の場合は、2階や3階、屋上といった場所への避難を指していて、万が一自宅が浸水した場合でも上階に逃げることで身体や財産を守ることができます。

関連記事:【水害に強い家】実現する6つの方法

水平避難:近隣の高台などへの避難

垂直避難と似た言葉に、水平避難があります。
水平避難は、浸水想定区域にある場所から近隣の高台に避難する方法を指します。

「避難準備」や「高齢者等避難準備」といった発令が出された段階で水平方向に逃げることで、水害による人的な被害を避けることが可能です。

垂直避難が求められる状況

具体的に、どういった状況下で垂直避難は求められるのでしょうか。
次の4つの場面が該当しますので、参考にしてください。

  • 災害発生時(津波・洪水・内水氾濫など)
  • 夜間や荒天時など水平避難が危険な状況
  • 水平避難するタイミングを逃した
  • 避難に人手や時間がかかる場合

災害発生時(津波・洪水・内水氾濫など)

1つ目は、津波や洪水、内水氾濫といった災害が発生した場合です。

こうした水害の発生時、1階や地下などにいる場合、気づいたときには浸水が始まっている可能性があります。

ケガや貴重品の流出といった損害を被る危険性がありますので、災害の危険性が迫った時点で垂直避難がおすすめです。

関連記事:都市型水害とは?5つの対策を解説

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夜間や荒天時など水平避難が危険な状況

2つ目は、夜間や荒天時など、外を移動する水平避難が危険な状況です。

夜間は足元が見えにくく転倒する危険性があり、また台風などの荒天時は飛来物による損傷や道路冠水といった危険性が考えられます。

こうした状況下では、無理に水平避難するより垂直避難する方が生存率が高まります。

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水平避難するタイミングを逃した

3つ目は、水平避難するタイミングを逃した場合です。

津波や洪水が発生する危険性がある場合は先んじて水平避難することが勧められますが、就寝時など避難するタイミングを逃した場合は、垂直避難がおすすめです。

  • 津波や洪水の発生ですでに水位が上昇してしまっている
  • 道路の冠水により足元の状態が不明瞭になった
  • 近隣の斜面で土砂崩れが起きる可能性がある

こうした危険性が考えられますので、外での移動が危険な状況下では垂直避難を検討しましょう。

避難に人手や時間がかかる場合

4つ目は、避難する際に人手や時間を要する場合です。

  • 小さな子どもがいる場合
  • 障がいがあり歩行が困難な場合
  • 高齢で介助が必要な方がいる場合

このように、迅速に水平避難することが困難なケースでは、無理に避難所に移動するよりも自宅で待機する方が賢明です。

垂直避難が成立する条件とは?

安全に避難できる可能性が高まる垂直避難ですが、成立させるためには以下の条件を満たす必要がありますので注意しましょう。

建物が倒壊しないこと

地震による津波や堤防の破堤が原因で浸水する場合は、建物が倒壊しないことが垂直避難の第一条件です。

建物が倒壊、または深刻な損傷を負った場合、浸水による二次被害を受ける可能性がありますので、素早く避難所に身を寄せる必要があります。

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想定浸水深より高い場所があること

垂直避難を想定する場合は、浸水の影響を受けない階層に居住空間を確保する必要があります。

避難を予定している部屋の高さまで水が侵入すれば、当然垂直避難はできません。
自宅における想定浸水深を確認することに加えて、より高い階にご自身ご家族や貴重品を移動させる必要があります。

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垂直避難を見据えた事前の備え

実際に災害に遭遇し垂直避難する場合を想定して、事前に備えるべき事柄がありますので紹介します。

ハザードマップを確認する

1つ目は、ハザードマップの確認です。
ハザードマップとは、対象とする各種災害が発生する範囲や浸水深を落とし込んだ地図を指します。

ハザードマップで予想浸水地域を確認する際の目安

引用:水害ハザードマップ作成の手引き

たとえば津波や洪水、内水被害などを対象としたハザードマップがある場合、ご自宅や建築予定地における浸水深を確認可能です。

浸水深を確認できれば垂直避難に必要な高さが分かりますので、2階建て、3階建て、屋上利用など適切な仕様を選べます。

また、自宅以外にも避難可能な建物や、避難ルート検討の際に参考になる被災範囲も確認可能です。

関連記事:『ハザードマップを気にしすぎ?』3mの予想浸水地域に家を建てる

防災セットを準備する

垂直避難を見据えた事前の備え:防災セット

参考:東京都 東京防災

2つ目は、防災セットを用意することです。

就寝時などを中心に、気付いたときには自宅周囲が水に囲まれている危険性があります。
このため垂直避難する際は迅速な行動が重要となります。

食料や飲料など、一定期間生活できる物品を準備するとともに、浸水による流出で資産を失わないように、持ち出しする貴重品なども取りまとめておきましょう。

耐震性の高い家にする

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3つ目は、耐震性の高い家にすることです。

垂直避難するための準備ができている場合でも、自宅が倒壊、または大規模に損傷した場合は垂直避難することは困難です。
このため、震災が想定される地域では、自宅を「耐震等級3」レベルの地震や災害に強い家にする必要があります。

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浸水に備えた間取りや仕様にする

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4つ目は、家を建てる段階であれば、浸水を受けても被害が少なくなる間取りや仕様にすることです。

1階を駐車場としてピロティ構造にする、2階リビングにして主要な間取りの被災を避ける、垂直避難できるよう3階建て・4階建てにしたり、屋上を設けるといった対策によって浸水被害は軽減できます。

また、浸水被害による停電に備えて、太陽光発電システムや蓄電池を導入する対策も検討しましょう。

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複数の拠点を用意する

5つ目は、複数の拠点を用意することです。

垂直避難によって自宅の被害を軽減できた場合でも、被災後の復旧工事は必要になります。
こうした場合に備えて複数の拠点があると、一時的に避難できて便利です。

特に事業者の場合は、もう一方の拠点で事業を継続することができますので、復旧工事中に収入が途絶えるなど経済面のリスクも抑えられます。

関連記事:デュアルライフとは?二拠点生活の特徴解説

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BCPや防災マニュアルを策定する

6つ目は、事業やアパート経営において、事前にBCP(事業継続計画)や防災マニュアルを策定することです。

事業所やアパートで緊急時の動き方を従業員や入居者に周知することで、災害発生時にスムーズに水平避難、垂直避難に移ることができますので人的、物的被害を抑えられ、災害発生後の事業の復旧を早めることにもつながります。

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まとめ│多層階住宅や屋上のある家はクレバリーホーム東京へ

水害による被害を不安視する方に向けて、高い場所に避難する垂直避難について解説しました。

いくら入念に水害への対策を講じていても、急激な水位の上昇や就寝中の大雨によって水平避難が困難になるケースはあります。

建物に工夫を凝らして垂直避難にも対応できる家が気になる方は、3、4階建てや屋上のある家の建築実績が豊富なクレバリーホーム東京までお気軽にご相談ください。

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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