防火地域と用途地域とは?新築時に確認しておきたい規制の内容を解説

新築を建てるとき、「防火地域」「用途地域」といった制度の理解は欠かせません。
そこで本記事では、防火地域、用途地域の定義を確認した上で、規制の内容や調べ方などについて解説します。
特に東京23区内のような都市部では、防火地域や用途地域の規制内容によって、建物の高さや外観デザイン、敷地周囲の住環境が変わりますので、建築予定地がどのような規制を受けるのか確認しましょう。
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Contents
防火地域とは?
はじめに「防火地域」について、言葉の定義や指定される理由、具体的な規制の内容を紹介します。
防火地域の定義
防火地域は、都市計画法において以下のように定められています。
防火地域又は準防火地域は、市街地における火災の危険を防除するため定める地域とする。
条文のとおり、防火地域は市街地での火災による危険性を抑えるために定められる地域です。
防火地域が指定される理由

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防火地域が定められる主な理由は、都市部における火災および延焼などのリスクを軽減して、人命や財産を守ることです。
都市部の繁華街や密集した住宅地では建物同士の間隔が狭く、火災の発生による延焼で被害が拡大しやすい傾向にあります。
特に形成されて年数が経過した地域では、十分な耐火対策が取られていない木造建築も多く、火災が大規模化しやすい点が指摘されています。
例として1923年に発生した関東大震災では、死者・行方不明者は10万5,000人に及びますが、このうち火災による死者数は9万2,000人にもなります。
火災のあった当日は風が強かったことも主な原因ですが、木造家屋の密集も原因のひとつと指摘されています。
このように、規制を設けることで火災に強い仕様、建て方の家を増やして延焼による被害の拡大を防ぐことが防火地域を定める理由です。
防火地域で受ける規制の内容
防火地域に定められた地域では、次の図のとおり新たに建築する建物を耐火建築物、または準耐火建築物として建てなければいけません。

引用:豊島区「準防火地域・新たな防火規制区域・防火地域について」
耐火建築物は、柱や梁など定められた箇所(主要構造部)を耐火構造(一定時間倒壊・延焼を防ぐ性能を持つ)の仕様で建てた建物を指します。
また、準耐火建築物は一定時間、延焼を防ぐ性能を持つ建物を指しています。
こうした仕様を満たすために、建物の屋根や外壁、柱や梁などの構造部には、不燃材料(火災による火熱を加えられたとき、一定時間発火しないことが認められる建材)が利用されたり、炎や煙が吹き出す可能性のある窓などの開口部に防火設備を設置することなどが義務付けられます。
このようにして、万が一火災が発生した場合でも周囲の建物に延焼しづらく、また延焼を受けづらい建物になり、火災に対して安心の住まいを建てることが可能です。
防火地域に関連する地域や制度
防火地域には、次のとおり関連する地域や制度があります。
- 準防火地域:防火地域より規制の緩い地域
- 新たな防火規制区域:住宅が密集するなど、延焼が起こりやすいと指摘される地域。準防火地域より規制が厳しい。東京都独自の制度。
- 法22条区域:屋根や外壁に使用する建材が制限を受ける。準防火地域より緩い規制の区域。
- 省令準耐火構造:延焼・類焼(もらい火)対策を施した住まい。住宅金融支援機構独自の制度。
こうした地域や制度について、より詳しく確認したい方は以下の記事をご覧ください。
関連記事:新たな防火規制区域とは?分かりやすく解説
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用途地域とは?
続いて、用途地域とはどういった特徴を持つ地域なのか解説します。
用途地域の定義
用途地域は、都市計画法において次のように定められています。
「都市計画区域については、都市計画に、次に掲げる地域、地区又は街区を定めることができる。
一 第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、田園住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域又は工業専用地域(以下「用途地域」と総称する。)」引用:都市計画法「第八条 1」
つまり、都市計画区域に定められた地域を対象に、第一種低層住居専用地域をはじめとする、上記13の地域を指定し規制をかけられる、ということです。
用途地域が指定される理由
都市計画区域内を13の地域に分類する理由は、効率的な土地利用をするためです。
たとえば、工場と住宅が隣接すると、騒音やばい煙の問題で住環境が悪化します。
一方で工場は工業地域に、住宅は住居専用地域に土地利用を制限することで、業務の効率化や生活環境の向上に役立ちます。
用途地域で受ける規制の内容
具体的に用途地域に定められると、次の表のとおり地域によって建築できる建物の種類が細かく定められます。

引用:東京都「用途地域による建築物の用途制限の概要について」
たとえば、住宅の良好な環境を保つことを目的とする「第一種低層住居専用地域」では、150m2以下の小規模なものでも店舗を建てることができず、事務所も建築不可です。
防火地域と用途地域の関係とは?
このように、防火地域と用途地域は定められる目的が異なることから、直接的な関係はないと考えましょう。
ただし、防火地域は火災の延焼を防ぐことを主な目的としていますので、建物が密集しやすい商業地域や、事務所や店舗と住居が混在しやすい第二種住居地域といったエリアは、防火地域が重なりやすい傾向にあります。
防火地域・用途地域の調べ方
土地を探す際、防火地域に含まれているか、どの用途地域に該当するのか確認することは重要です。
そこで、防火地域や含まれる用途地域を確認する方法を紹介します。
防火地域の調べ方

防火地域について調べる場合、検討中の市区町村のホームページから都市計画図を参照しましょう。
防火地域や準防火地域に含まれるエリアの判例が記載されています。
自治体によっては、地図の上に防火地域・準防火地域などの情報を重ねられるアプリケーションを用意していますので活用しましょう。
より確実に確認するためには、自治体の担当課に対象地番を伝えて確認してもらうと安心です。
「新たな防火規制区域」のように、自治体が独自に規制を定めている場合もありますので、防火地域・準防火地域に加えて他の規制も確認することがおすすめです。
関連記事:「防火地域・準防火地域の調べ方」東京都を事例にして解説
用途地域の調べ方

用途地域について調べる場合も、防火地域と同様に都市計画図を参照します。
こちらも地図の上に重ねられるアプリケーションが用意されている場合があり、また確実に確認したい場合は自治体の担当課への質問がおすすめです。
まとめ│防火地域での新築はクレバリーホーム東京へ
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防火地域や用途地域といった、土地選びや注文住宅の建築時に見かけることの多い用語について解説しました。
防火地域は火災の発生時に延焼被害を最小限に抑えるべく、建物を火災に強い仕様に規制する制限です。
また、用途地域は都市計画区域内で、地域を13の区分に分類し建てられる建物の種類を制限する制度です。
両制度は直接関係はないものの、家づくりに大きく影響を及ぼす制度ですので、土地探しや設計の段階で確認することをおすすめします。
東京23区内での土地探しや家づくりで疑問に感じた点がある場合は、豊富な施工実績のあるクレバリーホーム東京まで、お気軽にご相談ください。















