「太陽光を北側につけて良かった」理由とは?発電効率や利回りを高める方法、注意点も紹介

「太陽光を北側につけて良かった」理由とは?発電効率や利回りを高める方法、注意点も紹介

「太陽光発電システムを北側につけて良かった」
こうした体験談を知りたい方は多いものです。

新築で太陽光発電システムを取り付けたいと思うものの、間取りの都合や、北側斜線制限・高度地区などの高さ制限がある地域では屋根が北向きの片流れになりやすく、北側にしかパネルを取り付けられないケースはあります。

「発電量が少なくなるのでは」「設置費用の元を取れないのでは」このような不安にもつながりますが、実は「つけて良かった」と感じられる理由や対策もあります。

北側に向けて太陽光発電システムを取り付けるべきか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

このコラムで分かること

  • 北面の年間発電量は南面の約62%(東京・傾斜角30度の計算例)。屋根の勾配が緩いほど差は縮まる
  • 東京都は新築住宅への設置に、3.6kW以下で1kWあたり12万円(上限36万円)を助成(令和8年度)
  • 反射光・コケ・積雪への備えは必要。新築なら設計段階で屋根形状と勾配を調整できる

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太陽光パネルを北側につけて良かった理由を紹介

はじめに、北側であっても太陽光パネルをつけて良かったと感じられる主な理由・場面を紹介します。

  • 想像よりも発電量が多い
  • 電気代の高騰が気にならない
  • 夏場に最上階の室温を抑えられる
  • 蓄電池を合わせて導入して防災面でも安心

想像よりも発電量が多い

北側でも太陽光発電システムを取り付けて良かったと感じる場面は、想像よりも発電量が多いと思ったときです。

北側は太陽光が当たらないイメージがありますが、実は夏場を中心に北側にも十分な日光が届くケースがあります。

太陽光発電協会の計算例(東京・傾斜角30度)では、北面の年間発電量は南面を100%とした場合の約62%です。
ゼロに近くなるわけではありませんが、実際の発電量は地域、屋根の勾配、周辺の日陰、機器の性能によって変わります。

特に北側の屋根の勾配が緩い場合は、南向きとの差が小さくなります。
設置前に、方位と勾配を反映した発電量シミュレーションを確認しましょう。

出典:太陽光発電協会 設置方位や設置角度の影響はありますか?

電気代の高騰が気にならない

電気代の高騰が気にならなくなる点も、北側でも太陽光発電システムを取り付けて良かったと思える理由です。

電気料金平均単価の推移

出典:経済産業省・資源エネルギー庁 日本のエネルギー2025(3.経済性)

家庭向けの電気料金(電灯平均単価)は、2010年度の21.39円/kWhから2024年度は32.80円/kWhへ上昇しました。
2022年度の34.00円/kWhからはいったん下がったものの、2010年度と比べて2割以上高い水準が続いています。

電力会社から購入する電力量が多いほど、電気料金の上昇による家計への影響を受けやすくなります。

太陽光発電システムを導入すれば、南向きより発電量が少ない場合でも、発電した電気を自家消費に回すことで、電力会社から購入する電力量を抑えられます。
電気料金の変動による家計への影響を抑えやすくなります。

関連記事:太陽光発電で電気代が安くならない!を防ぐ6つの対策

夏場に最上階の室温を抑えられる

小屋裏に部屋やロフトを設けた住まいの場合、屋根に当たる日光によって最上階で暑さを感じる場合があります。

太陽光パネルを取り付けることで屋根に直接当たる日差しを遮り、屋根の温度上昇を抑える効果が期待できます。

北側の屋根であっても、夏場は太陽高度が高くなることから直射日光が屋根に届く場合があります。
太陽光パネルが日射を遮ることで、屋根から室内に伝わる熱を抑え、最上階の冷房負荷の軽減につながる場合があります。

関連記事:【3階建て・4階建ての最上階が暑い?】4つの理由と13の暑さ対策

蓄電池を合わせて導入して防災面でも安心

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太陽光発電システムを蓄電池とセットで設置することで、各種災害に対する安心感を高めることも可能です。

北側でも発電量は見込めますが、停電時に通常どおり電気を使い続けられるとは限りません。
太陽光発電システムと蓄電池を組み合わせれば、自立運転機能を使って、発電中または蓄電池に電気が残っている範囲で電気を利用できます。

また、日中に発電した電気を蓄電池にためておけば、夜間や日射のない時間帯にも、蓄電残量と機器の出力の範囲内で使用できます。

首都直下地震など大規模な災害時は停電が長期化することも想定されています。
停電時に使いたい機器と必要な電力量を確認し、平常時のうちに自立運転の操作方法を取扱説明書で確かめておきましょう。

関連記事:【首都直下型地震で助かるには?】いつ来る・どう備える

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北側設置で発電効率、利回りを高める方法

北側に太陽光パネルを設置する場合でも、発電効率や利回りを高める方法はあります。

次の5つの方法を検討して、効率的に発電しましょう。

  • 新築の場合は建物と同時に設計、施工する
  • 緩勾配の屋根、または陸屋根への設置を検討する
  • 架台を利用して勾配を調整する
  • 補助金を活用して設置費用を軽減する
  • 太陽光発電の設置実績の多い業者に依頼する

新築の場合は建物と同時に設計、施工する

1つ目は、新築の場合は建物と太陽光発電システムを同時に設計、施工することです。

土地に対する法規制の関係などで北側屋根にする場合でも、建物と同時に太陽光発電を考慮することで、最適な位置にパネルを設置できます。

また、配線や設備機器の設置場所やメンテナンスも考慮した配置にすることもできますので、太陽光発電システムは建物との同時設置をおすすめします。

関連記事:【太陽光はつけるべきか?】新築で必要か迷う方へ6つのメリット・2つのデメリットを紹介

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緩勾配の屋根、または陸屋根への設置を検討する

2つ目は、可能であれば緩勾配の屋根や陸屋根への変更を検討することです。

北側にパネルを設置する場合でも、設計段階であれば勾配を緩くするよう調整することで発電効率を高められます。

また、陸屋根であれば架台でパネルの方位や角度を調整できるため、勾配のある北向き屋根にそのまま載せる場合より発電量を確保しやすくなります。

実際の発電量は架台の角度やパネル同士の間隔、周辺の日陰によって変わり、風荷重や防水の検討も必要ですが、平らな屋根面は将来的なパネルの増設や清掃・メンテナンスにも対応しやすい形状です。

関連記事:【陸屋根の木造住宅は後悔する?】特徴や失敗例、対策を解説

架台を利用して勾配を調整する

北側設置で発電効率・利回りを高める方法:架台を利用して勾配を調整する

3つ目は、架台を利用して勾配を調整することです。
架台とは、太陽光パネルの角度を調節するために設置される金属製の台を指します。

屋根勾配が北向きであっても、南側に向かって角度を変更できますので、発電効率の向上を図れます。

ただし逆勾配の架台は風の影響を受けやすく、屋根への固定方法や防水、メーカーの施工基準・保証条件を個別に確認する必要があります。
構造上の安全性と現地条件を確認できる施工業者に相談しましょう。

補助金を活用して設置費用を軽減する

4つ目は、補助金を活用して設置費用を軽減することです。

自治体では太陽光発電システムや蓄電池の設置を対象に各種補助金を用意しています。
補助金を活用すれば初期費用を抑えられます。
ただし採算性は、発電量、自家消費率、売電単価、維持管理費まで含めて確認する必要があります。

たとえば東京都の「令和8年度 家庭における太陽光発電導入促進事業」では、新築住宅に設置する太陽光発電システムについて、3.6kW以下は1kWあたり12万円(上限36万円)、3.6kWを超える場合は1kWあたり10万円が助成されます。

助成対象経費が上限となるほか、機器や申請時期にも要件があるため、申請前に最新の手引きを確認しましょう。

関連記事:【東京都の太陽光補助金】2事業を解説

出典:クール・ネット東京 令和8年度 家庭における太陽光発電導入促進事業

太陽光発電の設置実績の多い業者に依頼する

5つ目は、太陽光発電の設置実績が多い業者に依頼することです。

北側への設置実績がある業者であれば、建築条件に合わせた屋根形状やパネルの設置方法を提案してくれます。

発電量のシミュレーション、反射光への配慮、メーカーの施工基準・保証条件、維持管理費まで説明できるかを確認し、経験豊富な業者を選びましょう。

太陽光パネルを北側に設置する場合の注意点

太陽光発電システムを北側に設置する場合、注意すべき事柄もありますので紹介します。

北向き設置が断られる場合も

太陽光パネルを販売しているメーカーはいくつかありますが、メーカーや製品によっては、北向きへの設置を認めていない、または保証の対象外としているケースがあります。

北向きは南向きと比べて期待される発電量が少なく、また反射光のトラブルにつながる可能性があるからです。

北向き屋根への設置可否、予測される発電量、施工基準、保証条件を複数の業者に確認するとともに、万が一依頼できる業者が見つからない場合でも家計が回るよう資金計画を立てましょう。

関連記事:「太陽光発電・蓄電池は元が取れない」はホント?原因と対策を解説

コケの付着や積雪に注意

太陽光パネルの掃除・洗浄

北側に太陽光パネルを設置する場合、コケの付着や積雪、霜などにも注意が必要です。

雨が降ったあとなど屋根が濡れた場合、南向きの屋根は北向きより乾きやすい傾向がありますが、立地や屋根材によってはコケが生えることもあります。
一方で、北向きの屋根は乾きにくい場合があるため、コケの付着によって発電量が下がっていないか、定期点検で確認しましょう。

太陽高度が低くなる冬季は、積雪や霜が残り、発電量が一時的に低下する場合があります。

コケや雪、霜の付着が気になる場合でも、転落や感電の危険があるため、屋根に上がってご自身で手入れするのは避けてください。

太陽光発電協会も、安全面から屋根に登って日常的に掃除する必要はほとんどないとしています。
点検・清掃は設置業者や専門業者に相談しましょう。

関連記事:太陽光パネルの掃除・洗浄、効果は?

出典:太陽光発電協会 太陽電池モジュールの汚れによる発電量への影響はありますか?

反射光での光害に注意

北側に向かって太陽光パネルを取り付ける場合は、反射光による光害にも注意が必要です。

太陽光発電で気をつけるべき「光害」

出典:国土交通省 太陽光発電における光害検討の簡易化手法について

南向きに太陽光パネルを設置する場合、太陽光パネルに当たる日光は、空に向かって反射し光害になるケースは少なくなります。

北向きに設置する場合は、斜めや横方向に反射する場合がありますので、季節ごとの日光の反射先を確認して光害トラブルを避けましょう。

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まとめ│太陽光パネルの北側設置は専門家に相談を

太陽光発電システムを北側に取り付ける場合について、「良かった」と感じられる理由や、北側設置でも発電効率や利回りを高める方法を紹介しました。

一般的に避けられる傾向にある太陽光パネルの北向きへの設置ですが、設置方法を工夫することで効率を高めて発電することは可能です。

工夫の幅を増やすためにも、太陽光発電システムを取り付けるなら、新築時に建物と一緒に検討し、北向き屋根への設置条件を説明できる工務店・ハウスメーカーに相談することをおすすめします。

ou2株式会社(オーツー)が運営するクレバリーホーム城東店・新宿店は、都内23区の注文住宅の実績が豊富です。

屋根の形状や勾配、陸屋根の活用まで含めて太陽光発電・蓄電池の載せ方を検討し、価格高騰が続くなかでも敷地を最大限に活かす家づくりを、資金計画から土地探し、間取りのご提案までトータルでサポートします。

北向き屋根での発電量の見通しや補助金を含めた資金計画も、土地探しの段階からご相談いただけます。

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社(オーツー株式会社) 専務取締役 / 一級建築士

早稲田大学商学部卒業後、「完全な文系人間」から建築の世界へ飛び込み、一級建築士として活躍。10年にわたる商業建築で培ったシビアな空間設計ノウハウと、25年の戸建住宅の設計実績を併せ持つ。特に東京都内の木造密集地域や防火地域において、施工性と設計の柔軟性を活かした木造耐火4階建て住宅(もくよん®等)や、天災時には避難場所となる地下室・屋上を備えた災害住宅の提唱・実践を続けている。

プライベートでは子育てを終え、現在は登山やキャンプ、スキーなど活動的な休日を過ごしている。また、「空き家レスキュー」や「こども食堂」、シェアハウスの運営を通じた地域活動の場を提供するなど、地域社会支援にも精力的に取り組んできた。スペックだけでなく、住まう人の「暮らしの温かさ」に深く寄り添う提案を得意としている。

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