「太陽光を北側につけて良かった」理由とは?発電効率や利回りを高める方法、注意点も紹介
「太陽光発電システムを北側につけて良かった」
こうした体験談を知りたい方は多いものです。
新築で太陽光発電システムを取り付けたいと思うものの、間取りや法規制の関係から北側にしかパネルを取り付けられないケースはあります。
「発電量が少なくなるのでは」「設置費用の元を取れないのでは」このような不安にもつながりますが、実は「つけて良かった」と感じられる理由や対策もあります。
北側に向けて太陽光発電システムを取り付けるべきか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
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Contents
太陽光パネルを北側につけて良かった理由を紹介
はじめに、北側であっても太陽光パネルをつけて良かったと感じられる主な理由・場面を紹介します。
- 想像よりも発電量が多い
- 電気代の高騰が気にならない
- 夏場に最上階の室温を抑えられる
- 蓄電池を合わせて導入して防災面でも安心
想像よりも発電量が多い
北側でも太陽光発電システムを取り付けて良かったと感じる場面は、想像よりも発電量が多いと思ったときです。
北側は太陽光が当たらないイメージがありますが、実は夏場を中心に北側にも十分な日光が届くケースがあります。
特に北側の屋根の勾配が緩い場合は、十分に発電して家計の助けになります。
電気代の高騰が気にならない
電気代の高騰が気にならなくなる点も、北側でも太陽光発電システムを取り付けて良かったと思える理由です。
2010年にはkWhあたり21.39円であった電気代は、2022年には34.00円と上昇を続けています。
電力会社から電気を購入するだけであれば、電気代の高まりが気になりエアコンなどを十分に使えません。
太陽光発電システムを導入すれば、南側ほど充電できず売電によって利益を得られない場合でも、自家消費で使用する分の電力を確保することは可能です。
電気代の単価が上がり続ける不安を解消することもできます。
関連記事:太陽光発電で電気代が安くならない!を防ぐ6つの対策
夏場に最上階の室温を抑えられる
小屋裏に部屋やロフトを設けた住まいの場合、屋根に当たる日光によって最上階で暑さを感じる場合があります。
太陽光パネルを取り付けることで屋根に直接当たる日差しを遮る役割を果たし、屋根の温度上昇を防ぐことが可能です。
北側の屋根であっても、夏場は太陽高度が高くなることから直射日光が屋根に届きます。
太陽光パネルがあることで、室温の上昇を防いで冷房の設定温度を下げながら同時に発電する、エコな態勢を確立できます。
関連記事:【3階建て・4階建ての最上階が暑い?】4つの理由と13の暑さ対策
蓄電池を合わせて導入して防災面でも安心
▶太陽光発電とセットで設置できる、クレバリーホームの蓄電池設備
太陽光発電システムを蓄電池とセットで設置することで、各種災害に対する安心感を高めることも可能です。
北側でも自家発電ほどの発電量は期待でき、地震などで停電しても電気を使用し続けられます。
また、蓄電池を設置することで夜間の電力消費を賄うことができますので、昼夜を問わず電気を使用可能です。
首都直下地震など大規模な災害時は停電が長期化することも想定されていますが、太陽光と蓄電池のセットがあれば不安を解消できます。
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北側設置で発電効率、利回りを高める方法
北側に太陽光パネルを設置する場合でも、発電効率や利回りを高める方法はあります。
次の5つの方法を検討して、効率的に発電しましょう。
- 新築の場合は建物と同時に設計、施工する
- 緩勾配の屋根、または陸屋根への設置を検討する
- 架台を利用して勾配を調整する
- 補助金を活用して設置費用を軽減する
- 太陽光発電の設置実績の多い業者に依頼する
新築の場合は建物と同時に設計、施工する
1つ目は、新築の場合は建物と太陽光発電システムを同時に設計、施工することです。
土地に対する法規制の関係などで北側屋根にする場合でも、建物と同時に太陽光発電を考慮することで、最適な位置にパネルを設置できます。
また、配線や設備機器の設置場所やメンテナンスも考慮した配置にすることもできますので、太陽光発電システムは建物との同時設置をおすすめします。
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緩勾配の屋根、または陸屋根への設置を検討する
2つ目は、可能であれば緩勾配の屋根や陸屋根への変更を検討することです。
北側にパネルを設置する場合でも、設計段階であれば勾配を緩くするよう調整することで発電効率を高められます。
また、陸屋根にすることができれば、南側と遜色ない発電効率を期待できますし、将来的なパネルの増設や清掃・メンテナンスにも対応可能です。
関連記事:【陸屋根の木造住宅は後悔する?】特徴や失敗例、対策を解説
架台を利用して勾配を調整する
3つ目は、架台を利用して勾配を調整することです。
架台とは、太陽光パネルの角度を調節するために設置される金属製の台を指します。
屋根勾配が北向きであっても、南側に向かって角度を変更できますので、発電効率の向上を図れます。
補助金を活用して設置費用を軽減する
4つ目は、補助金を活用して設置費用を軽減することです。
自治体では太陽光発電システムや蓄電池の設置を対象に各種補助金を用意しています。
補助金を活用すれば実質的な設置費用を抑えることができ、発電効率が低くなりがちな北側設置の太陽光発電システムでも十分な利回りを見込めます。
たとえば、東京都では1kWあたり12万円の補助金を用意していて、利用することで経済的な負担を減らすことが可能です。
関連記事:【東京都の太陽光補助金】2事業を解説
太陽光発電の設置実績の多い業者に依頼する
5つ目は、太陽光発電の設置実績が多い業者に依頼することです。
実績の豊富な業者は、北側への太陽光パネルの取り付けも経験していますので、建築条件に合わせた屋根形状やパネルの設置方法を提案してくれます。
発電量や設置費用に対する利回りなどについても相談できますので、経験豊富な業者を選びましょう。
太陽光パネルを北側に設置する場合の注意点
太陽光発電システムを北側に設置する場合、注意するべき事柄もありますので紹介します。
北向き設置が断られる場合も
太陽光パネルを販売しているメーカーはいくつかありますが、メーカによっては北向きの設置を断るケースがあります。
北向きは南向きと比べて期待される発電量が少なく、また反射光のトラブルにつながる可能性があるからです。
複数の業者に依頼するとともに、万が一依頼できる業者が見つからない場合でも家計が回るよう資金計画を立てましょう。
コケの付着や積雪に注意
北側に太陽光パネルを設置する場合、コケの付着や積雪、霜などにも注意が必要です。
雨が降ったあとなど屋根が濡れた場合、南向きの屋根であれば太陽光によって水分が蒸発し、コケが生えることはありません。
一方で、北向きの屋根は長時間濡れた状態が続きますので、コケが付着して発電効率が下がる恐れがあります。
太陽高度が低くなり温度が上がりづらい冬季は、コケに加えて積雪、霜が溶けづらいことも発電効率を下げる原因となります。
陸屋根部分に設置する、または手の届く範囲に太陽光パネルを設置して、コケや雪、霜が付着したときお手入れできるよう配慮が必要です。
関連記事:太陽光パネルの掃除・洗浄、効果は?
反射光での光害に注意
北側に向かって太陽光パネルを取り付ける場合は、反射光による光害にも注意が必要です。
参考:国土交通省「太陽光発電における光害検討の簡易化手法について 」
南向きに太陽光パネルを設置する場合、太陽光パネルに当たる日光は、空に向かって反射し光害になるケースは少なくなります。
北向きに設置する場合は、斜めや横方向に反射する場合がありますので、季節ごとの日光の反射先を確認して光害トラブルを避けましょう。
まとめ│太陽光パネルの北側設置は専門家に相談を
太陽光発電システムを北側に取り付ける場合について、「良かった」と感じられる理由や、北側設置でも発電効率や利回りを高める方法を紹介しました。
一般的に避けられる傾向にある太陽光パネルの北向きへの設置ですが、設置方法を工夫することで効率を高めて発電することは可能です。
工夫の幅を増やすためにも、太陽光発電システムを取り付けるなら新築のとき建物と一緒に、また太陽光発電システムの施工実績が豊富な工務店・ハウスメーカーに依頼することをおすすめします。