【2025年】住宅ローン控除は子育て世帯が優遇|控除額や条件、シミュレーション方法を解説
2025年度の税制改正において、住宅ローン控除の子育て世帯への優遇措置が、延長されることが閣議決定されましたが、最大控除額は住宅の種類によって異なります。
そこで本記事では、2025年に適用される住宅の種類ごとの子育て世帯の住宅ローン控除額や条件について、わかりやすく解説します。
控除額のシミュレーション方法や年収ごとに使い切れる控除額の目安などもわかるため、ぜひ参考にしてくださいね。
【2025年】住宅ローン控除の子育て世帯の内容
住宅ローン控除とは、「年末の住宅ローン残高×0.7%」が、新築なら13年間、中古なら10年間、所得税や住民税から控除される制度です。
2025年の住宅ローン控除は「子育て・若者夫婦世帯」と「その他一般世帯」とで、「借入限度額」と「最大控除額」が異なります。
子育て世帯は「19歳未満の子を有する世帯」、若者夫婦世帯は「夫婦のいずれかが40歳未満の世帯」が定義です。
【2025年入居の住宅ローン控除】
住宅の種類
| 子育て・若者夫婦世帯 借入限度額 (最大控除額) | その他一般世帯 借入限度額 (最大控除額) | |
新築住宅 | 長期優良住宅 低炭素住宅 | 5000万 (455万) | 4500万 (409.5万) |
ZEH住宅 | 4500万 (409.5万) | 3500万 (318.5万) | |
省エネ住宅 | 4000万 (364万) | 3000万 (273万) | |
その他の 住宅 | 0円 | 0円 | |
中古住宅 | 長期優良住宅 低炭素住宅 | 3000万 (210万) | 3000万 (210万) |
その他の 住宅 | 2000万 (140万) | 2000万 (140万) |
新築住宅の場合、子育て・若者夫婦世帯のほうが、その他一般世帯と比べて借入限度額が「500万円~1000万円」高く、優遇措置が適用されています。
「借入限度額」とは、住宅ローン控除の対象となる借入金のことであり、借入限度額が3000万円の場合、4000万円の住宅ローンを組んでも、控除の対象となるのは3000万円までとなります。
そのため、借入限度額が高く設定されている子育て・若者夫婦世帯のほうが、住宅ローン控除の恩恵を受けやすくなっています。
参照サイト:国土交通省 令和7年度税制改正における住宅関係税制
関連記事:【2025年以降】住宅ローン控除はどうなる?変更点や控除額、省エネ基準や子育て世帯の優遇について
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子育て世帯に関わる住宅ローン控除の条件とは?
子育て世帯に関わる住宅ローン控除の条件について、解説します。
【住宅ローン控除の基本条件】
- 延床面積が「50㎡以上」
- 合計所得が「2000万円以下」
- 借入期間が「10年以上」
- 新築の場合「省エネ基準適合住宅以上の住宅」
- 中古の場合「新耐震基準適合住宅」
- 延床面積が「40㎡以上50㎡未満」の場合は、「合計所得1000万円以下及び新築」
【子育て・若者夫婦世帯の優遇措置の条件】
- 19歳未満の子を有する世帯、又は、夫婦のいずれかが40歳未満の世帯
住宅ローン控除のポイントは、新築の場合、省エネ基準未満では、住宅ローン控除が0円になる点です。
子育て世帯だったとしても、住宅ローン控除の基本条件をクリアしていなければ、住宅ローン控除が適用されないため、注意しましょう。
参照サイト:国税庁 住宅借入金等特別控除
住宅ローン控除額のシミュレーション方法
住宅ローン控除額がいくらになるのか、例を参考にシミュレーション方法を確認してみましょう。
【例】
3000万円(年末の住宅ローン残高)×0.7%=21万円(控除額/1年間)
21万×13年間=273万円(最大控除額)
上記の場合、1年間で21万円、13年間で最大273万円が、所得税や住民税から控除されます。
ただし、納税している所得税や住民税が、控除額を下回る場合、住宅ローン控除を使い切れないため、実際に適用される控除額は少なくなります。
次章で、年収ごとに活用できる住宅ローン控除額を確認してみましょう。
住宅ローン控除を使い切れる年収はいくら?
住宅ローン控除を使い切れるのか確認するために、年収ごとの所得税と住民税の目安をご紹介します。
ただし、住民税の住宅ローン控除対象の上限は「9.75万円」です。
年収 | 所得税 | 住民税 (上限9.75万) | 住宅ローン控除を 利用できる合計/年 |
400万 | 6万 | 13万 | 15.75万円 |
500万 | 9万 | 19万 | 18.75万円 |
600万 | 15万 | 26万 | 24.75万円 |
700万 | 22万 | 33万 | 31.75万円 |
800万 | 37万 | 40万 | 35万円 |
900万 | 51万 | 48万 | 35万円 |
※上記表の金額は、配偶者控除ありの場合で計算していますが、お子様の有無や医療費控除などによって異なります。
たとえば、4000万円の住宅ローンの場合、「4000万円×0.7%=28万円/年」になるため、住宅ローン控除を使い切るためには、年収700万円程度が必要です。
住宅ローン控除額を1人では使い切れない場合、夫婦で住宅ローン控除を利用できるペアローンを組むことも、選択肢の1つとして検討できます。
また、住宅ローン控除額の上限は「35万円/年間」になるため、年収が一定以上になった場合、控除額が変わらなくなります。
関連記事:【2024年以降】住宅ローン控除に年収制限はある?適用条件や控除額、2000万円の制限はいつから
【2025年】子育てグリーン住宅支援事業による補助金
2025年は、新築購入や注文住宅の建築による経済的負担を軽減するために、「子育てグリーン住宅支援事業」による補助金を利用できます。
【対象の住宅】
- GX志向型住宅
- 長期優良住宅
- ZEH水準住宅
補助額や住宅の性能について、順番に解説します。
GX志向型住宅「最大160万円」
GX志向型住宅とは、長期優良住宅やZEH水準住宅を上回る性能を有している住宅です。
おもな基準は下記の通りです。
- 断熱性能等級「6以上」
- 再エネを除く、一時エネルギー消費量の削減率「35%以上」
- 再エネを含む、一時エネルギー消費量の削減率「100%以上」
【補助金の内容】
- 補助額:160万円/戸
- 対象:すべての世帯
長期優良住宅「最大100万円」
長期優良住宅とは、「長く・快適に・安心して」住める優良な住宅です。
長期優良住宅として認定を受けるためには、「劣化対策」「耐震性」「省エネルギー性」「維持管理・更新の容易性」などの項目で、基準を満たす必要があります。
対象 | 対象の住宅 | 補助額 |
子育て・若者夫婦世帯 | 新築にあわせて、立替前住宅等を除去する場合 | 100万円/戸 |
上記以外の場合 | 80万円/戸 |
ZEH水準住宅「最大60万円」
ZEH水準住宅とは、一般的に「太陽光発電システム」を搭載した高断熱・高気密の住宅です。
太陽光発電システムによって、自宅で消費するエネルギーを実質0以下にすることを目指した設計となっています。
対象 | 対象の住宅 | 補助額 |
子育て・若者夫婦世帯 | 新築にあわせて、立替前住宅等を除去する場合 | 60万円/戸 |
上記以外の場合 | 40万円/戸 |
補助金の内容は、変更する可能性があるため、必ず最新の情報を確認することが大切です。
参照サイト:国土交通省 住宅:子育てグリーン住宅支援事業について
住宅ローン控除の子育て優遇措置はいつ終わる?
2025年の住宅ローン控除の子育て優遇措置は、2025年12月31日までが期限です。
2026年以降は、現時点では何も決まっておらず、子育て優遇措置に関わらず、住宅ローン控除の制度自体が、2025年末までとなっています。
このまま、住宅ローン控除の制度が、終了するとは考えにくいですが、控除額が1%から0.7%に縮小したケースもあることから、優遇措置の廃止または改悪する可能性は、十分あります。
そのため、お得な優遇制度や補助金を利用できるタイミングを逃さないことが、大切です。
まとめ
2025年の住宅ローン控除の子育て・若者夫婦世帯の内容や条件、控除額のシミュレーション方法などについて、解説しました。
子育て・若者夫婦世帯の優遇措置を利用することで、長期優良住宅やZEH住宅など、高性能な住宅をお得に購入することが可能です。
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