木造アパートは新築でも音漏れが気になる?理由と対策、木造ならではのメリットも解説

「アパートの新築を検討しています。木造は音漏れなどの問題が心配ですが、どのような対策がありますか?」
不動産オーナーや投資家の方から、このような質問を頂くことがあります。
結論から言えば、現行基準の遮音構造と設計上の工夫を用いれば、木造アパートの音問題は設計段階で十分に抑えられます。
本コラムでは、東京23区で木造耐火の3階建て・4階建て(もくよん®)を多数手がけるクレバリーホーム城東店・新宿店が、退去率を下げるための防音設計を、施工現場の視点で解説します。
この記事のポイント
・木造アパートの音漏れの多くは「古い建材・旧基準の施工」が原因。現行基準の新築なら、設計段階の対策で生活音レベルまで抑えられます。
・隣室との界壁は建築基準法(第30条)で遮音性能が義務。壁の遮音の目安はD値で、木造D-35〜40・鉄骨D-45〜50・RC D-50〜60。構造差は設計・施工で詰められます。
・建てる側でできる対策は「間取り・配置」「構造・建材」「外部環境」の3系統。角部屋を増やす/界壁の遮音強化/高遮音サッシ/排水管の配置などを組み合わせます。
・都内の狭小地では木造(特にもくよん®=木造4階建て)が、コストと間取りの自由度で賃貸経営に有利。クレバリーホーム城東店・新宿店が施工事例をもとに解説します。
Contents
▶コンパクトな敷地で高い利回りを実現する【木造4階建て賃貸住宅】
木造アパートが「音漏れする」と言われる理由
木造アパートが「音漏れする」と言われる主な理由は、次の5つです。
- 築年数が古い旧来の仕様(窓・断熱材など)の建物が多いから
- 気密性が低く音が伝わりやすい
- 部屋間の壁や床が薄い
- 排水音が伝わりやすい間取りになっている
- 重量鉄骨やRC住宅と比べて壁が薄いから
- 木材が膨張収縮するなど隙間ができやすいから
このように、実は木造アパートが「音漏れする」とされる理由の多くは、築年数が経過したことによる(古い基準や建材で建てられている)ことによります。
また、壁や床の薄さ、排水音が伝わりやすい間取りといった理由についても、設計の段階で工夫を凝らすことで対策を取ることは可能です。
音漏れは「空気を伝わる音(話し声・テレビ)」と「床や壁の振動で伝わる音(足音・物の落下)」の2種類に分かれます。
壁の遮音性能はD値という数値で表され、目安は木造でD-35〜40、鉄骨でD-45〜50、RCでD-50〜60です(仕様により変動)。
木造でも、界壁や床の仕様を高めれば、この差は設計で詰められます。
※D値:壁が音をどれだけ小さくするかを示す値。大きいほど音を通しにくい。
なお、音漏れ以外にも、アパートを建てる場合、居住する場合に「木造はやめとけ」と指摘される理由はあります。
詳しくは、関連コラム「アパートは木造はやめとけ」理由は?実は高性能な木造アパートの特徴も解説をご覧ください。
加えて築年数の経過による限界の可能性もありますので、建て替えの検討も含めて、関連コラム「【アパート築年数の限界】基準や対策を解説│寿命超え経営の5つのデメリットも解説」もおすすめです。
▶都内トップクラスの施工実績|クレバリーホーム城東店・新宿店の「木造耐火住宅」
木造アパートの建築で検討したい音漏れ対策12選
入居者が長く住みたいと感じる、音漏れのしないアパートを建てるための対策を紹介しますので、入居率を高めるために工夫を取り入れてみましょう。
外部からの騒音、内部で発生する音を特定する

1つ目は、外部からの騒音、内部で発生する音を特定することです。
木造アパートにおける騒音源は複数あり、対象を把握することで適切な対策につなげることが可能となります。
たとえば、近隣に幹線道路が通っている場合は外部から発生する音への防音対策が必要ですし、ファミリー向けアパートの場合は子どもの泣き声など室内で発生する音への防音対策が必要です。
1フロアを1~2室にして角部屋を増やす
2つ目は、1つのフロアに1~2室の間取りにするなど、角部屋を増やすことです。
アパートの音の問題は隣家との間で生じるケースが多いですので、角部屋を増やすことで騒音トラブルを避けられます。
都内の狭小地を土地活用して賃貸アパートを建てるケースでは、特に有効な対策です。
防音ルーム(防音室)仕様の部屋を設ける

3つ目は、防音ルーム(防音室)仕様の部屋を作ることです。
防音ルームは、壁や床、天井などに防音材を使用することで、室内で発生する音が外部に漏れることを防ぐ仕様の部屋です。
楽器の演奏や音楽、映画の鑑賞など大きな音量の出る趣味を持つ方に訴求できますので、競合する他のアパートと差別化を図り賃料アップや入居率の向上につながることも期待できます。
建具で仕切ることのできる間取りにする
4つ目は、室内ドアなどの建具で仕切ることのできる間取りにすることです。
各室がつながった開放的な間取りも魅力的ですが、ドアによって仕切ることのできる間取りであれば、隣室や外部からの音の侵入を防げます。
視線を遮ることもできますので、プライバシー性を高めたい方にも有効です。
1階を駐車場にして路面からの騒音を避ける

【中央区】1階を賃貸併用店舗、倉庫スペース併用にした二世帯住宅の事例>>>
5つ目は、1階を駐車場にすることです。
外部からの騒音が気になる場合は、アパートの一階部分を駐車場にすることも有効です。
交通量の多い道路が敷地に接する場合、道路を走る車の騒音や振動が気になるケースがあります。
1階をピロティ(柱で支える開放空間)にして駐車場として活用すると、車の騒音や振動が居室に伝わりにくくなります。
ただし1階は壁が減るため、地震の力が1階に集中しないよう、上下階で耐力壁の位置をそろえる設計と構造計算が前提です。
首都圏でよく見られる、1階部分をビルトインガレージとする仕様については、関連コラム「ビルトインガレージの上に部屋は後悔する?寒さ対策やメリット・デメリット、間取りのポイント」の記事でも解説していますので合わせてご覧ください。
隣家との間に収納を設ける
6つ目は、間取りを工夫して隣室との間に収納スペースを設けることです。
隣室との間に設けられた収納がクッションとしての役割を果たし、音の緩和が期待できます。
また、収納が多くなることから居住者の快適性と満足度向上にもつながります。
排水管を適切な位置に配置して流水音に配慮する
7つ目は、排水管の音を気にせずに住めるよう間取りを配慮することです。
トイレやお風呂などの排水に伴う音は、特に夜間を中心に気になりやすい特徴があります。
寝室や居室の直下、または近くから排水管を離すなど、排水に対する配慮で住環境を高めましょう。
性能の高い断熱材を利用する
8つ目は、高性能な断熱材を利用することです。
断熱材は熱を遮断することが主な目的ですが、隙間に多量の空気が入ることから、音を遮断する効果も期待されます。
また、断熱材を丁寧に施工することで隙間がなくなり音を遮断できますので、気密性を高めることも重要です。
性能の高いサッシ・窓ガラスを利用する
9つ目は、高い性能のサッシや窓ガラスを利用することです。
窓は音の侵入、または外部への漏れが生じる原因となりますので、ペアガラスやトリプルガラスなど遮音性能に優れた製品を使用することで断熱に加えて音に対する居住環境を高めることが可能です。
ファイヤーストップ構造で空気の流れを遮断する
10個目は、省令準耐火構造でも利用される、ファイヤーストップ構造を利用することです。
ファイヤーストップ構造とは、建材と建材の間に流れる空気の流れを遮断する構造で、万が一火災が発生したとき火災の拡大を防ぐための対策です。
空気の流れを遮断することで音漏れ防止にも効果を期待できます。
※省令準耐火構造:火災に強い構造の基準のひとつ。一般の木造より火災保険料が抑えられる場合があります。
省令準耐火構造は、耐火性向上や防音のほかにもメリットがありますので、関連コラム「省令準耐火構造のメリットは?わかりやすく解説│費用・証明・確認方法も紹介」も合わせてご確認ください。
床の遮音と下地材を工夫する
11個目は、床の遮音と下地材を工夫することです。
上階の足音や物を落とした音(重量床衝撃音)は、下の階へ伝わりやすい音です。
合板の上に床用ALC板(厚さ35mm程度)を重ねた遮音床や、乾式二重床・遮音マットの採用なども有効です。
床用ALC板による遮音床は省令準耐火構造の仕様にもでき、木造アパートでも採用実績があります。
あわせて、床や壁の下地に使う石膏ボードにも遮音性・吸音性を高めた製品があり、組み合わせることで室内の音トラブルをさらに抑えられます。
※重量床衝撃音:人が歩く「ドスン」という低く重い音。床の構造で軽減できます。
隣室との界壁の遮音性能を高める
12個目は、隣室との境(界壁)の遮音性能を高めることです。
隣り合う住戸を仕切る界壁は、建築基準法(第30条)で一定の遮音性能が義務づけられています。
グラスウールやロックウールなどの吸音材を界壁内にすき間なく充填し、石膏ボードを二重張り・千鳥張りにすることで、この法的な基準を満たしつつ、防音性をさらに高められます。
※界壁:共同住宅で隣り合う住戸を仕切る壁。法律で遮音性能が求められます。
※千鳥張り:ボードの継ぎ目を上下・左右でずらして張る方法。音の通り道になる継ぎ目を減らせます。
出典:建築基準法施行令 第22条の3 長屋又は共同住宅の界壁の遮音構造等
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木造アパートを建てるメリット
このように、「音漏れしやすい」とされる木造アパートも、最新の基準に基づいて施工し、各種対策を施すことで、音や振動の問題を軽減することは可能です。
記事の終わりに、費用をかけて対策を施しても「木造」でアパートを建築する利点を紹介します。
- 重量鉄骨やRC住宅と比べて安価に建てられる
- 細かな間取りの要望に対応しやすい
- 木材の断熱性能が高い
- リフォーム・メンテナンスが容易
- 適切な耐火・準耐火構造とすれば、無被覆の鉄骨より火災時に強度を保ちやすい
(木は表面が炭化して燃え進みを遅らせる「燃えしろ設計」が可能)
鉄骨やRC住宅と比べたとき大きな利点は、建築費用が安価になることや、間取りの柔軟性が高いことです。
特に首都圏などコンパクトな土地にアパートを建築し収益を目指す場合は、限られた土地を最大限活用することが求められます。
この場合は、木造の有効性を最大限に活用できますので、都内で不動産経営を検討中の方は、投資回収のしやすい木造賃貸住宅が選択肢になるでしょう。
※燃えしろ設計:木材が燃えて炭になる厚みをあらかじめ見込み、内部の強度を残す設計手法。
アパートを建てる場合、専用住宅として建てるほか、ご自身が居住する「併用住宅」として建てることも可能です。
詳しくはこちらのコラム「併用住宅とは|固定資産税は店舗・賃貸と一般住宅ではどう違う?税額の確認方法や軽減の条件」をご覧ください。
また、アパートを「木造で建ててよかった」という声も多くありますので、合わせてこちらの記事「「木造アパートでよかった」感じる9つのポイントとは?建てる場合の注意点も解説」もおすすめです。
まとめ│木造アパートの音漏れ対策ならクレバリーホーム城東店・新宿店

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「木造アパートは新築でも音漏れしやすい」
こうした指摘に対して、現行の基準・仕様で建築することで、木造アパートの音問題は気にする必要がない点、また工夫を加えることでさらに防音性を高められる点などについて解説しました。
間取りや仕様への柔軟性が高い木造アパートは、多様化する居住者のニーズに応えられる建物です。
木造アパートの音漏れは、構造そのものより「壁や床の仕様」と「音源の配置」で差がつきます。
1フロアの戸数を抑えて角部屋を増やし界壁の遮音を高めれば、生活音レベルまで抑えられます。
もくよん®(木造4階建て)なら、狭小地でも戸数と利回りを両立することも可能です。
ou2(オーツー)が運営するクレバリーホーム城東店・新宿店は、都内の狭小地における『木造耐火3階建て・4階建て』の施工実績が豊富です。
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