東京湾の津波はどこまで届く?23区のシミュレーションを確認│国や自治体、個人でできる対策も紹介
「東京湾で津波が発生した場合、どこまで到達しますか?」
地震によって発生する津波に対して、こうした不安を感じる方に向けて、本記事では南海トラフ巨大地震が発生した場合の東京湾における被害予測についてお伝えします。
また、被害の状況を把握した上で、具体的な対策を取ることも重要です。
公的機関が行う対策のほか、個人で取れる対策も含めてお伝えしますので、地震や津波への十分な備えを行いましょう。
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Contents
過去の地震を確認:関東大震災や元禄地震の津波被害
はじめに、過去に発生した地震について、東京湾ではどの程度の津波が発生したのか確認します。
東京23区に関連して発生した大きな地震として知られているのは、1923年に発生した関東大震災や1703年に発生した元禄地震です。
実は、どちらの地震も相模湾岸などでは大きな津波が記録されているものの、東京湾内では1~2mほどであることが知られています。
東京湾は外洋からの入口が狭く、逆に湾内に向かって広がる形状になっていますので、湾内で津波の勢いが弱まりやすい形状になっています。
このため、東京湾の奥に進むに従い津波の波高が弱くなる点が特徴的です。
南海トラフ巨大地震、東京23区のシミュレーションを確認
直近で津波が発生する可能性が指摘されている南海トラフ巨大地震では、東京23区内でどのような津波被害が予想されているのでしょうか。
津波被害の想定は最大「2.48m」
引用:国土交通省 南海トラフ巨大地震等による東京の被害想定について
南海トラフ巨大地震の発生時、東京湾内では江東区において2.48mの津波が発生することが予想されています。
また、他の湾においても最大で2m前後の波高で、津波による大きな被害は予想されていません。
南海トラフ巨大地震以外にもある地震の可能性
南海トラフ巨大地震のほか、発生が予想されている巨大地震には、次のようなものがあります。
- 首都直下地震
- 大正関東地震
- 元禄関東地震
- 最大クラスの地震
- 大正関東地震の割れ残り地震
- 延宝房総沖地震 など
このうち津波も含めた検討が加えられている地震は、首都直下地震や相模トラフ沿いの大規模地震(大正関東地震・元禄関東地震・最大クラスの地震)ですが東京湾内において、首都直下地震では1m以下、相模トラフ沿いの大規模地震でも3m程度以下と想定されています。
なお、こうした予想を超える大きさの地震が発生する危険性もありますので、事前の準備を怠ることはできません。
関連記事:首都直下型地震で助かるには?いつ来る・どう備える?
国や自治体が実施する地震津波対策
引用:気象庁 津波について
大規模な地震が発生したとき、2m前後の波高と聞くと被害が小さく感じるかもしれません。
しかし2mの波高でも、木造家屋が全面破壊したり、漁船が被災するといった被害が生じる可能性があります。
こうした津波被害を軽減するために、国や地方自治体では様々な対策に取り組んでいますので紹介します。
防潮堤 |
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河川堤防 |
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水門 |
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陸こう |
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排水機場 |
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江東区の津波への対策
東京23区内で最も高い波高が予想されている区は江東区です。
江東区も東京湾に面して、想定されるあらゆる津波の高さを上回るよう設計された防潮堤を設けています。
また、荒川・隅田川やその他河川でも、津波が遡上した場合でも超えられないよう堤防を設けるとともに、水門などの施設を適切に整備しています。
このように、複数の対策で陸地が浸水しないよう対策が取られていることを確認した上で、土地の検討や住まいの仕様を決めましょう。
なお、江東区のホームページでは、「3階以上の可能な限り上階へ避難するようお願いします」と記載があります。
江東区の中でも津波の影響が想定されるエリアに家を建てる場合は、万が一に備えて自主避難できる3階建て、4階建てといった高さのある住宅がおすすめです。
個人でできる津波への対策
公的機関が十分な対策を取っていても、何らかの要因で津波が陸地に侵入する可能性はあります。
このとき、個人として取れる対策を紹介します。
高台に避難する
地震の発生後、津波が到来する危険性がある場合は、高台に避難することが重要です。
感じた揺れが小さい場合でも、南海トラフ巨大地震のように離れた場所で生じた地震で津波が発生する可能性があります。
お住まいの地域で地形的に高い場所に避難して、津波の到来に備えましょう。
避難ビル、タワーに移動する
津波からの避難は、避難ビルや避難タワーを利用することも必要です。
避難ビルとは、高台までの避難に時間を要する地域で一次的に避難する場所として活用できる施設です。
また、避難タワーは津波の発生時に緊急的に高所に避難できるよう設けられた施設です。
高台に到着するまで時間を要する場合は、こうした施設の利用を検討しましょう。
ハザードマップの確認など情報収集
お住まいの地域のハザードマップを確認するなど、地震や津波に対する情報を収集することも重要です。
ハザードマップは各自治体が作成する、津波などで被災する可能性のある範囲を図示したマップです。
被災範囲のほか、次のような情報が掲載されています。
- 自然災害の発生時に想定される危険性のある場所
- 指定避難所や指定緊急避難場所の位置
- 避難所に向かうための避難経路
- 情報を収集する方法
- 災害時に最低限知っておきたい防災知識 など
地震や津波が発生する前に確認することで緊急時に迅速に行動できるようになり、ご自身やご家族の命を守ることにつながります。
関連記事:『ハザードマップを気にしすぎ?』予想浸水地域に家を建てる
また、ハザードマップで津波や高潮被害が想定されているエリアでは、避難が遅れた場合など自宅で安全を確保できる3階建て、4階建てといった仕様で家を建てることをおすすめします。
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耐震・制震によって地震時の被害を抑える
住宅の耐震性を高める対策も重要です。
津波が発生したとき、高台などに逃げることが重要ですが、建物の倒壊や家具の下敷きになっては逃げることができません。
住宅が地震によって倒壊しないよう、耐震対策を施しましょう。
また、揺れのエネルギーを吸収して、室内における揺れの軽減や建物へのダメージを防ぐ手段もあります。
具体的には、制震技術の導入が該当します。
設計段階であれば耐震・制震ともに容易に導入できますので、地震への不安を感じている方は家づくりの初期段階で担当者に希望を伝えましょう。
1階駐車場など間取りの工夫を検討する
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津波対策として、間取りを工夫することも重要です。
ビルトインガレージなど、1階が駐車場の間取りでは、津波の到来時に主要な間取りの浸水を避けられます。
また、ビルトインガレージでない場合でも、2階や3階にリビングやダイニングなど、主要な間取りを配置することも効果的です。
関連記事:災害に強い家を実現する3つの工夫
まとめ│東京湾の津波対策は事前の備える
「東京湾で津波が発生した場合、どこまで到達しますか?」
こうした疑問にお答えしました。
実は東京湾は地形の関係から津波の被害に遭遇しづらく、最も津波の波高が高くなると予想される江東区においても防潮堤などの対策で津波を防げると想定されています。
それでも、想定外に大きな津波が発生することや水門が不具合を起こすなど、被害を受ける可能性はありますので、お住まいの建物に対して地震、津波対策を施したり、十分な情報を収集するといった対策が重要です。
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