【木造建築・住宅の火災対策10選】実は火災に強い?よくある疑問にも回答

【木造建築・住宅の火災対策10選】実は火災に強い?疑問にも回答

「木造建築、木造住宅の火災対策について知りたい」
延焼・類焼の被害が拡大する可能性のある都市部(住宅密集地)で家を建てるには火災対策が必須です。

また、間取りの自由度が高いことから、変形敷地や狭小地が多い都市部では、木造建築、木造住宅に対する需要が高まります。

そこで本記事では、木造建築、木造住宅で検討するべき火災対策について解説します。

そもそも木造建築は火災に弱いのか、といった質問にもお答えしますので、都市部で木造の新築を検討している方はぜひ参考にしてください。

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木造建築・住宅は実は火災に強い?

実は、木造建築・住宅は火災に強いことをご存知でしょうか。
主な理由は、次の2つです。

  • 表面が炭化して燃焼しづらくなる
  • 高温になっても変形しづらい

それぞれ、詳しく理由を解説します。

表面が炭化して燃焼しづらくなる

木造建築・住宅は実は火災に強い理由:表面が炭化して燃焼しづらくなる

引用:埼玉県「木材に関する誤解」

1つ目の理由は、木材は火災時に表面に炭化層を形成して燃焼しづらくなることです。

木材は表面から徐々に燃焼していきますが、表面に炭化層ができることで木材内部への酸素の供給が止められますので、炭化層より先の燃焼を防ぐ効果があります。

火事による建物の倒壊を防ぐ「燃えしろ」について

引用:クレバリーホーム「木造VS鉄骨 火災に強いのはどっち?」

さらに万が一火災が発生した場合でも、強度を保つために「燃えしろ」を確保することで建物の強度を保ち、避難するために十分な時間を確保する工夫などによって火災への強度を高められます。

高温になっても変形しづらい

2つ目の理由は、火災が発生して高温になった場合でも木材は強度が低下しづらいことが挙げられます。

一般的に、建材は高温にさらされると強度が低下します。
たとえば主要な材料である鉄は、200度を超えると強度が大幅に低下します。
一方で、木材は加熱により温度が上昇しても長時間強度を保つ性質があります。

高温になっても変形を起こしづらい木材の特徴について

引用:クレバリーホーム「木造VS鉄骨 火災に強いのはどっち?」

これは鉄などの鋼材と比較したとき、木材は熱伝導率が低く(約500分の1)、火熱を受けても高温になりづらい性質があるからです。

このように、炭化層を形成して燃焼を防ぐこと、高温にさらされても変形しづらいこと、といった性質がありますので、実は木造は火災に強い建材といえます

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木造建築・住宅の火災対策10選

元々、火災に対して一定の強度を保ち続ける木造建築・住宅ですが、密集した住宅地での火災などでは延焼被害を受けることがあります。

木造建築・住宅で火災を防ぐには、具体的にどのような対策を取ればよいのか解説します。

防火性の高い屋根材を利用する

1つ目は、防火性の高い屋根材を利用することです。

瓦屋根やガルバリウム鋼板屋根といった建材は不燃材料に指定されています。

参考:国土交通省「不燃材料を定める件」

不燃材料とは、建築基準法で定められた建材で、火災時に燃焼せず(加熱開始から20分間)また有害な煙やガスが発生しない素材を指します。

こうした建材を屋根に利用することで、屋根から類焼(もらい火)を受けることを避けられます。

関連記事:【不燃材料とは】耐火構造の違い、建築基準法での認定一覧も紹介

防火性の高い外壁材を利用する

2つ目は、防火性の高い外壁材を利用することです。

外壁に使用する建材には複数の種類があり、建材によって防火性能は異なります。

たとえば、屋根と同様にガルバリウム鋼板や、国土交通大臣認定を受けている窯業系サイディング、不燃材料に認定されているタイルといった外壁材を使用することで防火性を高められます。

木造建築・住宅の火災対策:防火性の高い外壁材を利用する

引用:クレバリーホーム「火事をくい止める」

仕上げ材に加えて、下地についても燃焼に強い建材を選ぶことが重要です。
表面が燃焼しなくても、下地材が炭化、および燃焼する可能性があるからです。

クレバリーホーム東京では、表面にタイル、下地に窯業系タイルベースを活用し、タイルが破損した場合でも類焼被害を食い止められる構造に仕上げています。

関連記事:タイルの耐火性・耐熱性とは?特徴や外観の事例も紹介

防火性の高い軒裏材を利用する

3つ目は、防火性の高い軒裏材を利用することです。
軒裏とは、外壁と屋根の接合部を指しています。

木造建築・住宅の火災対策:防火性の高い軒裏材を利用する

引用:クレバリーホーム「火事をくい止める」

上昇する性質のある火熱によって軒裏から類焼被害を受ける可能性があるため、軒裏に使用する建材も重要です。

たとえば、石灰とケイ石を主原料とする「ケイカル板」など、不燃材料として認定されている製品を利用することで、類焼被害を受ける確率を減らせます。

関連記事:防火地域の「外壁・屋根・軒天」への規制とは?

主要構造部を耐火・準耐火構造に

4つ目は、主要構造部を耐火構造や準耐火構造にすることです。
耐火構造、準耐火構造とは、次のような特徴を持つ住まいで、建築基準法に定められています。

  • 耐火構造:柱やはり、床や階段など、建物を支える、または避難する際に重要となる箇所が一定時間倒壊しない、または延焼しない構造
  • 準耐火構造:柱やはり、床や階段など、建物を支える、または避難する際に重要となる箇所について、一定時間延焼を防ぐ構造

こうした基準に適合するために、使用する建材や工法に一定の基準が設けられていますので、適合するよう設計・建築することで、延焼・類焼の被害を避けられます。

関連記事:『耐火・準耐火の違い』を解説

防火設備を利用する

5つ目は、防火設備を利用することです。
防火設備とは、火災の発生時に炎が拡散することを防ぐために設置される設備です。

  • 防火戸
  • 防火シャッター
  • 網入りガラス

こうした設備を採用することで、窓などの開口部から火災が拡大することを防ぎ、避難するための時間を確保できるようになります。

関連記事:防火設備とは?防火戸・防火扉との違いは?

石こうボードなど防火性の高い内装を利用する

6つ目は、石膏ボードなど防火性が高い内装を利用することです。

火災は外部からの類焼に加えて、室内からの発火や延焼にも気をつける必要があります。

一定の基準を満たす石膏ボードなど、不燃材料に認定された建材を内装に使用することで、万が一室内で火災が発生した場合に他の部屋に延焼する速度を抑えられますので、初期消火や避難をするための時間を確保できます。

関連記事:延焼・類焼の違いとは?どんなときに起こる?

ファイヤーストップ構造を導入する

木造建築・住宅の火災対策:ファイヤーストップ構造を導入する

引用:クレバリーホーム「火事をくい止める」

7つ目は、ファイヤーストップ構造の導入です。

ファイヤーストップ構造とは、部屋や部材の間に空気が移動することを防ぐ構造を採用することで、火災が発生した場合の火の流れを効果的に遮断し延焼被害を避ける構造です。

階下から階上、また壁内を通じた火災の拡大を防ぎ、避難するために必要な時間を確保できるようになります。

関連記事:省令準耐火構造のメリットは?わかりやすく解説

地震によって発生する火災を防ぐ

8つ目は、地震によって発生する火災を防ぐことです。

地震が発生した場合、ストーブなどの火気から引火したり、倒れた家具が電化製品に当たり通電火災を引き起こす恐れがあります。

耐震等級3の取得や家具の固定によって建物、家具の崩壊や転倒を防ぐとともに、制震装置を取り付けることで揺れを低減、地震によって起こる火災を防ぎましょう。

関連記事:地震による二次被害・災害とは?一覧表で解説

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火災報知器・消火器を設置する

9つ目は、火災報知器や消火器を設置することです。

火災報知器とは、火災が起きたとき発生する煙や熱を感知して警報音で伝える設備です。
定められた場所に取り付けることが義務付けられていますが、定期的な点検ができるか、また増設した方がよい場所はないか、検討が必要になります。

また、消火器についても、火災が発生したとき初期消火によって延焼を防げる可能性がありますので、火元になりやすいキッチンなどに常備すると安心です。

防炎カーテンなどを利用する

10個目は、防炎カーテンなどを利用することです。

木造住宅の壁面が燃えにくい素材で作られている場合でも、カーテンなどを伝い火災が拡大する場合があります。
一定の防炎性能を認められた製品を利用することで、火災の拡大を防ぎましょう。

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まとめ│火災に強い家はクレバリーホーム東京へ

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木造建築・住宅を建てる際に効果的な火災対策について解説しました。

木造建築・住宅は火災が発生したとき延焼被害を起こしやすいと思われがちですが、実は炭化層ができることや熱伝導率の低さなどから、火災に強い性質があります。

加えて、耐火構造など火災に強い住まいにする建材や建て方もありますので、都市部など建物が密集している地域で家を建てる際は、火災に強い家の建築実績が豊富な、クレバリーホーム東京までお気軽にご相談ください。

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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