【免震構造】5つのデメリットとは?対策やメリットなど特徴も紹介

【免震構造】5つのデメリットとは?対策やメリットなど特徴も紹介

「免震構造にはどのようなデメリットがありますか?」
本記事では、こうした質問にお答えします。

大きな地震がニュースで取り上げられる昨今、安心できる家を建てるために地震対策を盛り込むことが求められます。

複数ある地震対策のうち、免震構造は効果が高いもののひとつです。
優れた地震対策である免震が、どうしてデメリットを指摘されるのか解説します。
また地震対策として、ほかにどのような選択肢があるのか合わせて紹介します。

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免震構造「5つのデメリット」

免震構造には、次の5つのデメリットがありますので、採用する前に特徴を把握する必要があります。

  • 免震構造の導入費用が高い
  • 定期的にメンテナンスが必要
  • 免震構造に対応している業者が少ない
  • 製品によっては縦揺れに弱い
  • 地下室を作れない可能性がある

免震構造の導入費用が高い

免震構造のデメリット:免震構造の導入費用が高い

1つ目は、免震構造を導入する費用が高いことです。
主な地震対策の費用目安は以下のとおりです。

  • 耐震:100~200万円
  • 制震:50~100万円
  • 免震:300~500万円

免震構造は、積層ゴムやベアリングなど特殊な装置を利用することから、導入費用が高くなりがちです。

耐震や制震といった地震対策と比較すると、倍以上の費用がかかるケースは少なくありません。

定期的にメンテナンスが必要

2つ目は、定期的にメンテナンスが必要である点です。

製品によって間隔は異なりますが、一般的に免震装置は5年、10年など定期的なメンテナンスを行う必要があります。
また、大きな地震があった場合には臨時的な点検も必要です。

点検自体に数万円の費用がかかることに加え、部品の交換などを伴う場合はジャッキアップする必要もありますので、数十万円ほどの費用を要する場合もあります。

免震構造に対応している業者が少ない

3つ目は、免震構造に対応している業者が少ないことです。

免震構造は建物本体と基礎の間に免震装置を組み込み揺れを軽減しますが、設置するためには十分な設計・建築ノウハウが必要です。

好みのデザインや住宅性能を実現できる工務店・ハウスメーカーがあった場合でも、免震構造に対応していないケースがありますので注意しましょう。

関連記事:地震に強いハウスメーカー11のチェックポイント

製品によっては縦揺れに弱い

4つ目は、製品によっては縦揺れに弱いことです。

免震装置は横方向に揺れる場合に大きな効果を発揮しますが、突き上げる縦方向の揺れの場合、十分な効果を発揮できない恐れがあります。

たとえば首都直下型地震では、都市の真下から突き上げるように縦揺れが起きると予想されるため、免震構造の効果を十分に発揮できない恐れがあります。

関連記事:東京で地震に強い地域はどこ?23区地震危険度ランキングを確認

地下室を作れない可能性がある

関連記事:地下室の7つの使い道と建築実例

5つ目は、地下室を作れないケースがあることです。

免震装置は建物本体と基礎の間に設置されますので、基礎形状に制限が出る場合があり地下室を作れない可能性があります。
都市部など狭小地で家を建てる場合、床面積を増やす目的で地下室は有力な仕様ですので注意しましょう。

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免震構造のデメリットへの対策

免震構造にはデメリットがありますが、設計段階であれば対策を立てることは可能です。

免震のデメリットを避けるために、次の対策を検討しましょう。

入念な資金計画で費用を捻出する

建築費用の増加については、入念な資金計画で費用を捻出しましょう。

免震装置を取り付けるための費用が不足する場合でも、建物の床面積をコンパクトにする、シンプルな間取りを心がけるといった対策で捻出は可能です。

免震の導入を希望する場合は、建築計画初期から盛り込んで資金計画に加えましょう。

関連記事:【注文住宅の費用】みんなの平均額は?

メンテナンス費用を建築前から検討する

メンテナンス費用についても、建築前から費用の目安をつけておきましょう

十分な性能を発揮するためには、定期的なメンテナンスや地震後の臨時点検は欠かせません。
必要になってから用意することを避け、建築の段階でメンテナンス費用を積み立てる計画を立てましょう。

耐震等級3で縦揺れにも強い住まいに

免震構造を検討されているのであれば、耐震等級3の取得も検討されていることと思います。

関連記事:耐震等級とは?1・2・3の違いも分かりやすく解説

耐震等級3は、耐震性を確認するための指標である耐震等級での最高等級です。
縦揺れにも横揺れにも強い住まいになりますので、免震を導入する場合でも耐震等級3の併用を検討しましょう。

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ホームページで免震構造の可否を確認する

免震構造の施工の可否について確認することも重要です。
候補の業者がある場合は、ホームページの閲覧や問い合わせで調べてみましょう。

なお、好みのデザインや仕様の業者が免震構造に対応していない場合でも、耐震、制震といった他の地震対策でも十分な地震への備えになる場合が多いため、免震にこだわらず広く地震対策を検討することをおすすめします。

関連記事:地震に強い家の特徴を解説

免震構造以外の工法も同時に検討する

地震対策は免震以外にも、耐震、制震といった対策があります。

  • 耐震:大きな地震に耐えられる構造
  • 制震:地震の揺れを吸収する装置を取り付ける

耐震+制震、耐震+免震など、組み合わせることによってさらに耐震性を高めることもできますので、免震以外の耐震対策も検討しましょう。

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免震構造特有のメリット3選

記事の終わりに、免震構造ならではのメリットについて紹介します。

建物に加わる揺れを大幅に軽減できる

免震構造は、建物に加わる揺れを大幅に軽減できる点が最大のメリットです。

建物本体と基礎の間に設置する免震装置が地震の揺れを受け流しますので、特に横揺れに対しては高い効果を発揮する工法です。

地震発生後の修復費用を軽減できる

地震の揺れを軽減できると、地震後の修繕費用を軽減することにもつながります。

地震によって柱や梁といった構造部分に損傷を受けた場合、修復には数百万円の費用がかかることは珍しくありません。

一方で免震構造の住まいでは、構造部分や屋根、外壁といった箇所へのダメージも少なくなりますので、地震後にかかる費用も軽減可能です。

家具など室内の被害を抑えられる

建物の構造部分に加えて、家具など室内の被害を抑えられる点もメリットです。

建物に対する揺れを抑える免震装置の導入によって、家具などの転倒を避けられます。
家具などの再購入費用を抑えること、また復旧にかかる手間を小さくすることにもつながります。

 

このようなメリットがありますが、首都直下型地震など縦揺れの地震に効果を発揮しづらい、導入やメンテナンスの費用が比較的高額になる、といったデメリットもあるため慎重に検討する必要があります。

まとめ│免震構造は特徴を把握してから

免震構造に対して指摘されるデメリットについて紹介した上で、対策やメリットなど特徴も解説しました。

揺れを大幅に抑えられる免震構造は、地震対策のひとつとして効果的です。
一方で紹介したようにメリット、デメリットがありますので、以下のように他の対策も含めて検討することをおすすめします。

耐震
  • 柱や梁、接合部などを強化し地震に耐えられるよう強化する。
  • 比較的費用は安価で広く採用される工法。
  • 複数回発生する地震で建物に歪みが蓄積することも。
制震
  • 地震の揺れを吸収する装置を取り付ける。
  • 建物の損傷を軽減する効果を持つ。
  • 耐震より安価に設置できる。
  • 余震など複数回発生する地震に対しても効果を発揮する。
免震
  • 建物本体と基礎の間に揺れの伝達を防ぐ装置を設置する。
  • 揺れを伝えにくくするため、揺れや損傷の程度を大幅に軽減できる。
  • 設置、メンテナンスコストが高い。

 

どの地震対策が適しているのか、土地や建物、予算によっておすすめは変わりますので、気になる方はクレバリーホーム東京まで、お気軽にご相談ください。

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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