注文住宅なら木造と鉄骨造のどちらがおすすめ?メリット・デメリットや費用の相場、選ぶ基準
注文住宅を建てる際に、木造住宅と鉄骨住宅のどちらにするかで、迷われている方もいるかと思います。
そこで本記事では、木造住宅と鉄骨住宅のそれぞれの特徴やメリット・デメリット、かかる費用の目安をご紹介します。
ご家庭にとってどちらの構造が最適なのか判断するために、ぜひ参考にしてくださいね。
注文住宅の選べる構造と建築費
注文住宅で選べるおもな構造は、下記の通りです。
- 木造(W造)
- 鉄骨造(S造)
- 鉄筋コンクリート造(RC造)
- 鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)
- 混構造(木造+鉄骨造や木造+鉄筋コンクリート造)
日本の住宅の場合、1階~3階の低層住宅では、約8割が木造住宅です。
木造は構造のなかで一番コストを抑えて建築できるなど、費用面でのメリットが大きいため、選ばれやすい構造になっています。
木造と鉄骨造の費用の違い
構造別にいくら費用が違うのか、令和6年度の国税庁による構造別建築費用をご紹介します。
【構造別、工事費用】
構造 | 全国平均の 坪単価 | 延床30坪の注文住宅 本体価格の目安 |
木造 | 約68万 | 2,040万円 |
鉄骨造 | 約97万 | 2,910万円 |
鉄筋コンクリート造 | 約100万 | 3,000万円 |
参照サイト:国税庁 地域別・構造別の工事費用表【令和6年分用】
延床30坪の建築費用は、木造と鉄骨造では、900万円程度違うことがわかります。
ですが、耐久性や間取りなど、ご家庭の条件によっては、木造ではなく「鉄骨造」が、おすすめの場合があります。
どちらが良いのか判断するために、木造住宅と鉄骨住宅のメリット・デメリットを次章で確認してみましょう。
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木造住宅の特徴
木造住宅でおもに採用される工法は、下記の2通りです。
- 在来工法(木造軸組工法)
- 2×4工法(ツーバイフォー工法)
工法による特徴の違いを確認してみましょう。
在来工法(木造軸組工法)
在来工法とは、昔からある日本の伝統的な工法で、柱と梁(はり)を組み合わせて建物の骨組みをつくる工法です。
間取りや窓などの開口部の自由度が高く、日本では在来工法を採用している割合が、多くなります。
2×4工法(ツーバイフォー工法)
2×4工法とは、壁や床などの面で建物を支える工法です。
工場でカットされた2インチ×4インチのパネルを現場で組み立てる作業が多くなるため、工期を短くできます。
間取りの自由度は低めですが、地震による負担を面全体で受けるため、耐震性に優れています。
関連記事:【木造3階建ては危ない?】耐震等級3が難しい理由やビルトインガレージ付きの耐震性について
注文住宅で木造にするメリット
注文住宅で木造住宅にするメリットを順番にご紹介します。
- コストを抑えられる
- 耐震性を強化しやすい
- 調湿効果で日本の気候に適している
- 防火地域でも建てられる
コストを抑えられる
まず、木造住宅の大きな魅力は、コストを抑えられる点です。
【コスト削減ポイント】
- 材料費
- 地盤改良費
材料費以外にも、建物自体が軽いため、地盤に与える負担を軽減でき、地盤改良費を抑えることが可能です。
コストパフォーマンスでは、木造住宅が圧倒的に有利です。
耐震性を強化しやすい
木造住宅は、頑丈な鉄骨造と比べて耐震性が低いイメージをお持ちの方も、多いかと思います。
しかし、木造は、曲がる力に強く、しなやかさもあるため、地震による揺れを小さくできます。
耐震性の強さは、構造による部分ではなく、設計や工法による部分が大きくなります。
木造の場合、建物重量が軽いため、比較的コストを抑えて地震に強い家づくりが可能です。
調湿効果で日本の気候に適している
木材は、調湿効果があるため、湿気の多い日本の気候に適しています。
ジメジメした梅雨の時期には、湿気を吸収し、冬の乾燥した時期には、貯めていた水分を放出します。
室内の湿度を一定に保ち、快適な住空間を実現します。
防火地域でも建てられる
東京都などの都市部や駅チカでは、防火地域や準防火地域に指定されているエリアが、珍しくありません。
その場合、耐火性を上げるために、鉄骨造や鉄筋コンクリート造を選ぶ方が、多くなります。
しかし、近年では、国土交通省が認定した耐火性能に適合させることで、コストを抑えた木造でも防火地域や準防火地域で建築が可能です。
ただし、木造を耐火建築物できる住宅会社は、数が限られるため、施工実績や得意な施工方法など、事前に確認して検討することが大切です。
▶【都内トップクラスの施工実績】防火・準防火地域で建てる「木造耐火住宅」
注文住宅で木造にするデメリット
木造住宅にするデメリットも正確に把握しておきましょう。
- シロアリ対策が必須
- 耐用年数が短い
- 職人によって品質にムラが出やすい
シロアリ対策が必須
木造住宅の場合、シロアリ対策は必須です。
床下や柱など、新築時に防蟻処理をおこないますが、薬剤の効果は5年ほどで薄れるケースが多く、定期的に防蟻処理をおこなう必要があります。
耐用年数が短い
木造住宅の法定耐用年数は「22年」と、ほかの構造と比べて短くなります。
構造 | 法定耐用年数 |
木造 | 22年 |
軽量鉄骨造(厚さ3㎜以下) | 19年 |
軽量鉄骨造(厚さ3㎜超え~4㎜以下) | 27年 |
鉄筋コンクリート造 | 47年 |
参照サイト:国税庁 法定耐用年数
ただし「法定耐用年数=建物の寿命」ではなく、税制上の数値になります。
メンテナンス次第では、100年住み続けられる木造住宅もありますが、一つの目安として把握しておきましょう。
品質にムラが出やすい
木造住宅は、現場で加工する作業が多くなるため、職人のウデによる影響が大きくなります。
また、木材は、鉄骨と違い自然素材なため、材料自体が1本1本異なります。
素材の良し悪しを見極められる高度な技術力のある住宅会社に依頼することが大切です。
東京都で木造・鉄骨造の注文住宅をご検討中の方は、23区内での施工実績が豊富なクレバリーホーム東京まで、お気軽にご相談ください。
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鉄骨住宅の特徴
鉄骨住宅は、おもに「軽量鉄骨造」と「重量鉄骨造」の2つに分かれています。
- 重量鉄骨造:鋼材の厚さが6mm以上
- 軽量鉄骨造:鋼材の厚さが6mm未満
重量鉄骨造は、大型マンションやビルで採用されることがメインであり、住宅としては軽量鉄骨造の採用が、ほとんどです。
軽量鉄骨造は、建物の骨組み部分に「鋼材」を使用しており「S造」とも呼ばれます。
主要部材をあらかじめ工場でカットし、現地で組み立てる「プレハブ工法」が一般的です。
注文住宅で鉄骨造にするメリット
鉄骨住宅のメリットは、下記の通りです。
- 耐久性が高い
- 品質の安定性
耐久性が高い
鉄骨住宅は、鉄骨の厚さにもよりますが、木造住宅と比べて、耐久性の高い住宅にできます。
法定耐用年数も木造と比べて長いことから、住宅の資産価値を維持しやすいといえます。
品質の安定性
主要部材を工場でカットして、現場で組み立てるため、職人よるばらつきが生じにくく、安定した住宅を供給できます。
住宅の当たり外れのリスクを最小限にし、頑丈な住宅を建てられます。
注文住宅で鉄骨造にするデメリット
鉄骨住宅のデメリットを確認してみましょう。
- トータルコストが高くなる
- 間取りの自由度が低い
トータルコストが高くなる
鉄骨造の坪単価の相場は、木造と比べて割高です。
建物本体の建築費が高くなりやすく、建物重量も重くなるため、地盤改良工事の費用もかかる可能性が高くなります。
木造と比べて大型重機の搬入が必要になるなど、手間もかかることから、トータル費用が高くなる傾向です。
間取りの自由度が低い
鉄骨住宅は、工場で部材をカットしていることで、住宅の品質に安定性を持たせられる反面、設計の自由度が木造住宅と比べて低くなります。
こだわりを追求する場合、オーダーメイドで受注する部材が多くなることから、建築費用が高額になります。
注文住宅なら木造と鉄骨造どちらがおすすめ?
注文住宅を建てるなら、木造と鉄骨造のどちらがいいのでしょうか?
おすすめの人の特徴を確認し、構造を選ぶ参考にしてくださいね。
木造住宅がおすすめの人
木造住宅は、鉄骨造と比べて耐火性や耐震性に不安がある人もいるかと思います。
しかし、木造でも、耐火性と耐震性の強い家づくりは可能です。
木造住宅が主流な日本では、ほとんどの住宅会社で建てることができ、デザインや設備など、選べるバリエーションが豊富です。
建築コストを抑えて、柔軟な設計やこだわりの間取りを実現したいご家庭は、木造住宅がおすすめです。
鉄骨住宅がおすすめの人
鉄骨住宅は、ビルや住宅に囲まれた都市部の狭小地でも、5階建て・6階建てなど、土地を有効活用した多層階住宅を建てることができます。
耐用年数も長く、頑丈な住宅になるため「将来、売却を検討している」「資産価値を重視したい」方におすすめです。
まとめ
注文住宅で建てる鉄骨住宅と木造住宅のメリット・デメリットやかかる費用、構造ごとのおすすめの人について、ご紹介しました。
複数の構造に対応できる住宅会社を選ぶことで、ご家庭にあったプランの提案や具体的なアドバイスが期待できます。
東京都で木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造など、自由に構造を選べる住宅会社「クレバリーホーム東京」にお気軽にご相談ください。