【木造ビル】7つのメリット・2つのデメリット解説│注目される理由も紹介

「近年注目されている木造ビルについて、メリット・デメリットを知りたい」
本記事では、こうした要望にお答えして、木造ビルの特徴をお伝えします。
テナントビル、賃貸住宅、賃貸併用住宅を建てる方にも役に立つ情報をお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
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木造ビルとは?
木造ビルは、建物を支える主要構造部に木材を使用したビルを指します。
一般的に4階建て以上の建物を建てる場合、構造部分には鉄骨や鉄筋コンクリートを利用するケースが多く、木材が使われる機会は少ないです。
一方で近年は、木造建築物の技術革新や規制の緩和を受けて、大型の建築物にも木材が使われるケースが増えてきています。
環境への配慮などSDGsへの対応が企業に求められる昨今、木造ビルに対する需要は増え続けることが予想されています。
木造ビル7つのメリット
木造ビルを検討している方に向けて、建物の特徴を紹介します。
まずは以下、7つのメリットを確認しましょう。
- 建築費用が安価になる
- 木材を利用した心地よい空間になる
- 地震発生時の揺れが少なくなる
- 熱伝導率が低く断熱性が高い
- 環境配慮型の建物でSDGsをアピールできる
- RCと比較して工期を短くできる
- 短い期間で減価償却できる
建築費用が安価になる
1つ目は、木造にすることで建築費用が安価になることです。
一般的に木造は鉄骨造や鉄筋コンクリート造と比較して軽量ですので、建物全体の重量を減らすことができます。
重量が軽ければ建物が地盤に与える影響を軽減できますので、求められる地盤の耐力も小さくて済み、安価で小規模な地盤改良で対応しやすくなります。
基礎の規模も小さくでき各種地震対策にかかる費用を抑えられますので、総じて建築費用が安価になります。
木材を利用した心地よい空間になる

2つ目は、木材を使うことによって心地よい空間になることです。
構造部分に木材を使用する建物では、仕上げにも木を使う機会が増えます。
木材が多用される空間では視覚的にリラックスできますので、心理的に安心できる点もメリットです。
調湿効果や断熱効果もありますので、空気の過乾燥や湿潤を防ぐとともに、足元からの冷えの伝わりを防ぐ効果も期待できます。
地震発生時の揺れが少なくなる
3つ目は、地震発生時に起こる揺れを軽減できることです。
地震時に建物に生じる揺れのエネルギーは、建物の重量が重くなるほど大きくなります。
逆に軽くなるほど揺れを抑えられますので、木造ビルの方が建物に加わる地震のエネルギーを小さくでき、建物本体のダメージや家財への被害を軽減できます。
熱伝導率が低く断熱性が高い
4つ目は、木材の熱伝導率が低く断熱性が高くなることです。
| 建材 | 熱伝導率(W/(m・k)) |
| スギ | 0.087 |
| コンクリート | 1.6 |
| 鉄 | 53 |
こちらの表のとおり、木材は他の建材と比較して熱伝導率が低く、外部の冷気や熱気が伝わりづらい性質を持っています。
ビルを木造として建てることで、商業・賃貸いずれの利用目的でも快適な温熱環境の建物になることが期待できます。
対策を取っていない鉄骨・鉄筋コンクリートの建物で発生しがちな壁体内の結露、および鉄筋の腐食といった現象も起こりづらく、耐久性が高まる効果も得られるでしょう。
環境配慮型の建物でSDGsをアピールできる

5つ目は、木材の利用で環境に配慮した建物となり、SDGsをアピールできる点です。
木材を建材として利用することは、大気中のCO2を木材の形で固定することになります。
賃貸住宅として活用する際もエコな住まいとしてアピールできますし、企業が木造ビルを建てる場合もCSR(企業の社会的責任)を果たしている企業としてのアピールが可能です。
RCと比較して工期を短くできる
6つ目は、鉄筋コンクリート造の家と比較した場合に、工期を短縮できる点です。
木造ビルで利用するCLT(繊維方向が直交するよう積層接着した木質パネル)やLVL(薄く切削した木材を平行になるよう積層接着した木質パネル)といった建材は、工場で生産し現場での加工が少ない特徴を持っています。
鉄骨造と比較した場合も、木造ビルで使用される建材は軽量で運搬の手間が少ないことから作業性が高く、工期の短縮が期待できます。
工期が短くなれば仮設工事やリース料金の軽減につながりますので、建築費用のさらなる軽減を図れるでしょう。
短い期間で減価償却できる
7つ目は、短い期間で減価償却できることです。
- 木造:24年
- 鉄骨:38年
- 鉄筋コンクリート:50年
(いずれも事務所用のもの)
このように、木造建築物は税務上の耐用年数が短く、単年あたりの減価償却費用を高く計上できます。
減価償却費として経費計上しやすいため、投資効率を高めることが可能です。
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木造ビル2つのデメリット
一方で木造ビルにはデメリットもありますので紹介します。
- 構造部分でコスト増となる場合がある
- CLT利用の場合、現場での加工ができない
構造部分でコスト増となる場合がある
1つ目は、構造部分に木材を使用することで、鉄骨や鉄筋コンクリートより建築費用が高くなる可能性があることです。
4階建てを超える多層階の建物を建てる場合、強度を確保するためにCLTやLVLなど強度が高い一方で単価の高い木材を使う必要があります。
基礎工事費や現場作業員数など、鉄骨や鉄筋コンクリートより安価になる要素もありますので、構造材の費用だけ、基礎工事の費用だけ単体で検討せず、総額で検討しましょう。
CLT利用の場合、現場での加工ができない
2つ目は、CLTを利用する場合に、現場の状況に合わせて加工できない点です。
CLTパネルは現場搬入前に、配管用の穴あけなど形状の加工を済ませます。
現場の状況に合わせて柔軟に木材を切る、木造ならではの運用方法ができませんので、設計の段階での入念な検討が必要になります。
近年木造ビルが注目されている理由
記事の終わりに、近年どうして木造ビルが注目され始めているのか、その理由について確認します。
構造用集成材の技術力向上(CLT・LVLの普及)

木造ビルが注目され始めている理由のひとつは、構造用集成材の性能が向上したことです。
従来の集成材と比較して近年の集成材は、CLTやLVLの開発など、新たな木造技術の開発によって建築の裾屋を広げています。
2016年にはCLTに関連する法改正も行われ、広く利用されるための基盤が整った点も理由のひとつです。
参考:国土交通省「CLTを用いた建築物の一般的な設計法等の策定について」
建築基準法改正で耐火性の基準が緩和

木造ビル建築の事例が多くなる2つ目の理由は、木造建築物に対する高さ制限の緩和です。
従来、4階建てを超えるビルを支える構造部分は鉄骨、または鉄筋コンクリート造とする必要がありました。
2000年に法改正が行われ、耐火性能を満たすことで木造を選択することも可能となりました。
参考:国土交通省「令和4年度建築基準法改正(防火関係)について」
このように、法改正によって、多層階の木造耐火住宅を建てられるようになった点も、木造ビル建築の追い風になっているといえるでしょう。
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まとめ│これからのビル建築は木造耐火も選択肢
近年建築される事例の多い木造ビルについて、どういった特徴があるのかメリット・デメリットの視点から確認しました。
主要構造部の木造化によって建物全体を軽量化でき、また施工中の作業効率を高めることも可能です。
一方でCLTのような信頼性の高い集成材の利用は、建築費用のコントロールが重要です。
建築予定地や建物に求められる性能やデザインなど、複数の観点から最適な工法を選びましょう。














