防火設備とは?防火戸・防火扉との違いは?必要になる地域や住宅の特徴も解説

「防火設備・防火戸・防火扉とは?違いは何?」
防火地域や準防火地域で家を建てるとき、こうした疑問を持つ方もいるでしょう。
本記事では、防火設備や防火戸、防火扉といった言葉の意味について解説します。
東京23区内など、耐火性が求められるエリアで感じやすい疑問を解消しましょう。
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Contents
防火設備とは?防火戸・防火扉との違いは?
はじめに、3つのキーワードを解説する際、最も重要になる「防火設備」について紹介したあと、防火戸・防火扉の言葉の意味についても解説します。
防火設備:一定の遮炎性能を持つ設備
防火設備は、火災が発生したときに炎が拡散することを防ぐために設置される設備です。
隣家などへの延焼被害を防ぐこと、火災のあった建物内で火がまわることを防ぎ避難経路を確保すること、といった効果を発揮します。
なお、防火設備は建築基準法の中で、次のように記載されています。
防火設備(その構造が遮炎性能(通常の火災時における火炎を有効に遮るために防火設備に必要とされる性能をいう。第二十七条第一項において同じ。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものに限る。)
防火戸・防火扉:防火設備と同じ意味

続いて、防火設備と似た言葉である防火戸・防火扉について確認します。
実は防火戸、および防火扉は、防火設備と同じ意味、または防火設備に意味が含まれる言葉です。
防火設備は、設備の性能(主に炎を遮ることができる時間)によって防火設備と特定防火設備に分類されますが、2000年(平成12年)の法律改正以前は、それぞれ「甲種防火戸」「乙種防火戸」と記載されていました。
参考:総務省消防庁「危険物の規制に関する政令等の一部改正について」
現在の基準では、防火設備、または特定防火設備の中に、以下のように具体的な設備のひとつとして、防火戸が入っています。
【防火設備の例】
- 防火戸
- 防火シャッター
- 防火スクリーン
- 網入りガラス など
なお、防火扉や防火ドアといった言葉は、防火戸と同じ意味で使用されます。
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防火設備は「防火設備」と「特定防火設備」に分かれる
防火設備は、「防火設備」と「特定防火設備」に分類されます。
それぞれの違いは以下のとおりです。
- 防火設備:加熱開始後20分間加熱面以外の面に火炎を出さない
- 特定防火設備:加熱開始後1時間加熱面以外の面に火炎を出さない
特定防火設備は、建築基準法施行令の「防火区画」の項に記載されています。
防火区画は主に床面積や高さのある大規模な建築物が対象となりますので、一般住宅で適用されるケースは少ないといえます。
一方で防火設備は、耐火建築物や準耐火建築物において、外壁の開口部で延焼の恐れのある部分について設置することが義務付けられますので、都市部で家を建てる際に利用する機会が多い設備といえるでしょう。
なお、防火設備として認定を受ける場合、仕様規定と性能規定、いずれかの規定に適合する構造とする必要があります。
【仕様規定】
- 鉄製で鉄板の厚さが0.8ミリメートル以上1.5ミリメートル未満のもの
- 鉄骨コンクリート製又は鉄筋コンクリート製で厚さが3.5センチメートル未満のもの
- 土蔵造の戸で厚さが15センチメートル未満のもの
- 鉄及び網入ガラスで造られたもの
- 骨組を防火塗料を塗布した木材製とし、屋内面に厚さが1.2センチメートル以上の木毛セメント板又は厚さが0.9センチメートル以上のせっこうボードを張り、屋外面に亜鉛鉄板を張ったもの
【性能規定】
- 仕様規定の構造外のもので、性能評価機関による試験を受けて審査に合格した設備
防火設備が必要な「防火地域」「準防火地域」
防火設備の設置が義務付けられる地域は、建物が密集していて延焼によって被害が拡大しやすいエリア、または幹線道路沿いなど火災によって交通などへの影響が大きいエリアです。
こうした地域は、「防火地域」「準防火地域」として指定されていて様々な規制が加わっており、その中に防火設備の設置が義務付けられています。
防火地域、および準防火地域内で家を建てる場合、外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に防火設備を設置します。
延焼のおそれのある部分は延焼ラインと呼ばれ、以下の範囲が指定を受けます。
- 隣地境界線から、1階は3mまで、2階は5mまでの範囲
- 道路中心線から、1階は3mまで、2階は5mまでの範囲
- 同じ敷地内に2つ以上の建物がある場合は、建物同士の外壁の中心線から、1階は3mまで、2階は5mまでの範囲(全ての建物の延べ面積合計が500㎡以内の場合は1つの建物とみなす)

この範囲に入る場合、玄関ドアや窓、換気扇のフードなど、火災が発生した場合に他の建物へ延焼を及ぼす恐れのある箇所について、防火設備を設置しなければいけません。
防火設備を利用した住宅の特徴
記事の終わりに、防火設備を設置した住宅を建てる場合、どのような特徴があるのか確認します。
耐火性が高くなり延焼を起こしづらくなる
防火設備を設置した家は、延焼被害を起こしづらくなります。
万が一火災が発生したときには、窓や換気扇といった開口部から火が外に出づらくなるからです。
また、外壁や屋根へ火災が到達するまでの時間を確保できますので、居住している方にとっても外に逃げるまでの時間を確保できるメリットがあります。
関連記事:木造の耐火住宅にする5つのメリット
利便性が高い地域に家を建てられる

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防火設備を取り付けることのほか、柱や梁、床など主要構造部を耐火性のある建材にすることなど一定の基準を達成することで、耐火建築物や準耐火建築物として認定を受けられます。
その結果、防火地域や準防火地域など、高い耐火性が求められる利便性の高い地域に家を建てられます。
東京23区内など都市部では多くの地域が防火地域・準防火地域に指定されていますので、防火設備を利用する機会は多くなるでしょう。
防火地域、準防火地域については以下の記事で詳しく解説していますので、合わせて参考にしてください。
関連記事:防火地域・準防火地域(耐火建築物・準耐火建築物)とは? 種類や違いを一覧比較
建築費用を捻出するべく工夫が必要
防火設備のある耐火建築物では、以下のとおり建築費用が上がる要素が複数あります。
- 網入りガラスや耐熱ガラスなど特殊な建材を利用する
- 防火設備に認定されている換気フードなどを利用する
- 耐火性のある玄関ドアやシャッターを利用する
一般的に防火地域で耐火建築物を建てる場合、1~2割ほど建築費用が高くなるとされています。
火災保険料の割引など、新築にかかる費用を下げる対策もありますので、こうした制度を利用しながら費用を捻出しましょう。
認定設備の利用でデザインが限られる
防火設備を利用する場合は、開口部を中心とする外観デザインが限られる点も特徴的です。
耐火建築物や準耐火建築物に対応した製品の使用が義務づけられますので、理想とする外観デザインを利用できない可能性も。
建築を予定しているハウスメーカーに相談して、防火設備を利用しながら理想とするデザインが実現できるのか確認しましょう。
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まとめ│防火設備の利用で火災に強い家に
防火設備や防火戸、防火扉といった、防火地域や準防火地域での新築で聞かれることの多い言葉の意味や、耐火性の高い建物を建てる場合の特徴などについて確認しました。
防火設備は利用することで延焼被害を防げるほか、自宅で火災が発生した場合に避難する時間を確保するといった効果も発揮します。
効果的に導入して、火災や地震など各種災害に強い家を目指しましょう。














