【2024年以降の住宅ローン金利】固定・変動は今後どうなる?金利が上がる可能性や10年後の予想
2024年6月に、固定金利に影響する長期国債の減額の方針が決定し、2024年3月には、変動金利に影響する日銀のマイナス金利が解除されました。
住宅ローンの金利に影響する政策が次々と発表され、今後の金利上昇を懸念される声も、増えてきています。
そこで本記事では、住宅ローンの固定金利・変動金利が今後どうなるのか?政策による住宅ローンへの影響も含めて、わかりやすく解説します。
住宅ローン金利の推移と現在までの動き
住宅ローンは、変動金利が10年以上も超低金利を維持しており、民間ローンの利用者のうち、7割を超える方が、変動金利を選んでいます。
一方で、固定金利は近年、上昇傾向にあり、変動金利との金利差が拡大している状況です。
固定金利 フラット35 | 変動金利 大手銀行 | 金利差 | |
2021年 | 1.3%前後 | 0.5%前後 | 0.8% |
2022年 | 1.5%前後 | 0.4%前後 | 1.1% |
2023年 | 1.7%前後 | 0.4%前後 | 1.3% |
2024年 | 1.8%前後 | 0.4%前後 | 1.56% |
参照サイト:長期固定金利住宅ローン 【フラット35】
ですが、2024年以降、十数年ぶりに、住宅ローン金利に影響する政策が、次々と投下されています。
今後、固定金利・変動金利がどうなるのか、次章で詳しく解説します。
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【2024年以降】住宅ローンの固定金利は今後どうなる
固定金利の今後は、上昇の可能性が高い
住宅ローンの固定金利が影響を受けるのは、日銀の長期金利(10年国債利回り)です。
日銀は、これまで大規模な金融緩和によって、長期金利を低い水準でコントロールするYCC政策を実施していましたが、2024年3月に撤廃。
この影響を受けて2024年6月時点で、ほとんどの金融機関が固定金利を引き上げました。
また、2024年6月の金融政策決定会合で「長期国債の買い入れを減額する方針」を発表しました。
長期国債の減額は、長期金利の上昇につながるため、今後、さらなる固定金利の上昇が予想されます。
住宅ローンへの影響
固定金利が上昇した場合、住宅ローンへの影響はどうなるのでしょうか?
固定金利の現在までの推移とともに、金利によって変わる住宅ローン返済額を確認してみましょう。
【住宅ローン金利の推移と返済額】
2004年 | 2016年 | 2024年6月 | 今後の予想 | |
固定金利 (フラット35) | 3.0%前後 | 1.1%前後 | 1.96% | 2.3% |
借入額3500万の 住宅ローン返済額 | 5,660万円 | 4,220万円 | 4,840万円 | 5,100万円 |
※返済期間35年間 元利均等返済の場合
関連記事:【住宅ローン4000万はきつい?】後悔しないための世帯年収や月々のローン、負担を減らす方法について
変動金利との金利差がポイント
固定金利が今後上昇した場合、契約時の金利が35年間適用されるため、早い段階で住宅ローンを組んだほうがお得です。
ですが現在、固定金利と変動金利の金利差が大きく、固定金利を選ぶ場合、毎月の住宅ローン返済額は、大幅に増えます。
そのため、固定金利が今後上昇する可能性ではなく、変動金利が今後、どの程度上昇する可能性があるかを基準に判断するのが良いでしょう。
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【2024年以降】住宅ローンの変動金利は今後どうなる
変動金利の今後は、緩やかに上昇
住宅ローンの変動金利が影響を受けるのは、日銀の短期金利です。
短期金利は、2016年に日銀で歴史上はじめて、マイナス金利政策を実施し、変動金利を大幅に低下させました。
しかし、2024年3月に「マイナス金利の解除」が決定。
マイナス金利の解除の影響を受けて、変動金利の上昇が懸念されましたが、2024年6月時点では、ほとんどの金融機関が低金利を維持しています。
変動金利は、住宅ローン利用者の7割以上が選ぶ人気の金融商品であり、金融機関にとって大きな収益の柱です。
競合他社がいる状況下で、変動金利を簡単には引き上げられず、顧客獲得のために、独自の金利優遇幅を拡大させています。
ですが、日銀のマイナス金利解除によって、10年以上続いた超低金利時代の流れは、大きく変わろうとしています。
変動金利の今後は、緩やかに上昇すると予想されます。
住宅ローンへの影響
変動金利が上昇した場合の住宅ローン返済額への影響を確認してみましょう。
変動金利の現在までの金利推移と今後上昇した場合の住宅ローン返済額は、下記の通りです。
【住宅ローン金利の推移】
2004年 | 2016年 | 2024年6月 | 今後の予想 | |
変動金利 (大手銀行) | 1.4%前後 | 0.6%前後 | 0.4%前後 | 0.9% |
借入額3500万円 住宅ローン返済額 | 4,430万円 | 3,880万円 | 3,750万円 | 4,080万円 |
2024年6月時点の場合、変動金利の「総返済額3,750万円」となり、固定金利の「総返済額4,840万円」と比べて、「1,090万円」も差が生じます。
そのため、今後、緩やかに上昇する可能性はあるとしても、変わらず変動金利を選ぶ方が、多いと考えられます。
金利上昇へのリスク対策がポイント
今後金利が上昇した場合、毎月の住宅ローン返済額が上がり、ダイレクトに家計に影響を与えます。
変動金利を選ぶ方は、金利上昇した場合のリスク対策が、重要になります。
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住宅ローン固定金利・変動金利の10年後は?
2024年以降の住宅ローンは、固定金利・変動金利ともに、緩やかに上昇すると予想されます。
ですが、変動金利が、急激に上がることは考えられにくく、1%未満の超低金利時代が、しばらくの間、継続すると想定できます。
では、10年後、20年後の住宅ローン金利は、どうなるのでしょうか?
住宅ローン金利は、不動産市場だけではなく、物価や世界経済など、さまざまな要因を考慮して政策に反映していきます。
そのため、10年後、20年後と考えた場合、固定金利と変動金利がどうなるのか?どちらかがお得なのか?は、誰にもわかりません。
大切なことは、金利上昇が起きた場合に備えて、実現可能な住宅ローンの返済計画やリスク対策をおこなうことです。
関連記事:2024年の住宅ローン控除はペアローンがお得?夫婦の控除額をシミュレーション
【変動金利】今後金利が上昇した場合の影響
今後、住宅ローンの変動金利が上昇した場合、すぐに毎月の返済額が上がってしまうのではないか?と不安に感じる方も、大勢いらっしゃいます。
疑問や不安を解消するために、変動金利の仕組みについて、解説します。
住宅ローン返済額は一気に上がらない
多くの金融機関では、変動金利に「5年ルール」と「125%ルール」を設けており、すぐに住宅ローン返済額が上がることはありません。
では、住宅ローン返済額はいつ・いくら上がるのか、確認してみましょう。
5年ルール
変動金利は、半年に1回、金利の見直しが、おこなわれます。
しかし、半年に1回コロコロ金利が変わってしまうと、住宅ローンを借りている人は、毎月の家計管理がしにくくなります。
そのため、多くの金融機関で「5年ルール」を適用しています。
5年ルールとは、住宅ローンの返済額が変わるのは、5年に1回という仕組みです。
変動金利が上昇しても、すぐに返済額が上がらないため、返済額UPに備えて、家計を見直すことができます。
125%ルール
125%ルールとは、1回に上がる住宅ローン返済額は、125%が上限という仕組みです。
つまり、金利上昇が125%を超えていたとしても、5年に1回のタイミングでは、125%までしか返済額が上がりません。
月々10万円の返済額の上限は、12.5万円です。
ただし、金利上昇分が消滅したわけではないので、注意しましょう。
金利上昇によって、毎月の返済額の「元本」と「利息」の割合が変化し、利息が増えている可能性があります。
そのため、変動金利の選ぶ方は、住宅ローン残高と利息の割合を定期的に確認することが大切です。
住宅ローン金利が上昇した場合の対策
今後、住宅ローン金利が上昇した場合の対策について、解説します。
- 借り換えを検討する
- 金利上昇に備えて貯金する
借り換えを検討する
低い金利の住宅ローンに借り換えすることで、毎月の住宅ローン返済額を減らすことができます。
一般的な借り換えの目安は、下記の通りです。
- 住宅ローン残高1,000万円以上
- 返済期間10年以上
- 金利1%以上
ただし、借り換えには諸費用がかかるため、諸費用を支払っても、経済的な負担を軽減できるのか、事前にシミュレーションしてみましょう。
金利上昇に備えて貯金する
住宅ローンの繰り上げ返済をせずに、手元資金を残しておくことで、教育費の増加やライフステージの変化に対応しやすくなります。
毎月の住宅ローン返済額が上がったとしても、返済が困難になるリスクを軽減できます。
とくに、現在、超低金利の変動金利を選ぶ方は、繰り上げ返済のタイミングを十分に考慮することが大切です。
まとめ
住宅ローンの固定金利と変動金利が、今後どうなるかについて、解説しました。
どちらも一気に上昇する可能性は低いですが、2024年以降は、緩やかに上昇すると予想されます。
ご家庭にとって、無理のない住宅ローンを組むために、まずはプロに相談してはいかがでしょうか?
東京都で住宅資金や住宅ローン返済計画、間取りプランなど役立つ情報は、こちらをご参照ください。
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