木造住宅は暑い?5つの理由と7つの暑さ対策を解説│よくある3つの疑問にも回答

木造住宅は暑い?5つの理由と7つの暑さ対策を解説

「木造住宅は暑い?」
このように指摘されることがありますが、本当なのでしょうか?

本記事では、木造住宅の断熱性が低いとされる5つの理由と、暑さを避けるための7つの方法を紹介します。
ヒートアイランド現象の進行などで都市部の暑さが深刻化する中で、夏でも涼しい家を建てるための方法を探りましょう。

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木造住宅が「暑い」と言われる5つのケース

はじめに、木造住宅が「暑い」と言われる5つの理由を確認しましょう。

  • 断熱性が不足している
  • 気密性が不足している
  • 断熱材が劣化している
  • 不適切な空調計画
  • 上階に熱が集まる

断熱性が不足している

1つ目は断熱性が不足しているケースです。
住宅は壁の中に断熱材を入れて、断熱効果の高い窓を取り付けることで、外の熱気が中に伝わらないようにしています。

夏は7割は窓から熱が侵入する

引用:YKK AP「樹脂窓で高性能な家づくりに取り組む地域工務店の会」

特に夏の熱気の74%は窓から侵入するとされていて、断熱効果の低い窓を使用することで窓を中心に外の熱気が室内に伝わります。

木造住宅は築年数が経過している住まいも多く、アルミサッシや単板ガラスなど、断熱性能の低い住まいが多いことから「暑い」イメージを持たれることがあります。

気密性が不足している

2つ目は、気密性が不足していることです。
家には目に見えないほどのわずかな隙間があり、隙間から少しずつ外気が室内に侵入します。

木は鉄骨や鉄筋コンクリートと比べて微妙な凹凸が多く、対策を取らなければ気密性が不足する場合があります。
特に老朽化した木造住宅は隙間が多いため、隙間風が問題になりやすいでしょう。

断熱材が劣化している

3つ目は断熱材の劣化です。

新築の段階で適切に断熱材が施工されていても、建築後に時間が経過して断熱材が劣化すれば断熱効果は低下します。

断熱・気密と同様に、古い木造住宅では断熱材が湿気によって劣化するケースが見られ、木造住宅が断熱性に劣るとされる要因になっています。

空調計画の不備

木造住宅で暑いと言われる理由:空調計画が不適切

4つ目の原因は、空調計画の不備です。

設計の段階で屋外から室内へ、さらに室内の空気の流れをシミュレーションすることを空調計画といいます。

綿密な計画・設計がされていなければ、室内の熱気・湿気を排出できませんので、暑さを感じる要因になるでしょう。

上階に熱が集まる

5つ目は上階に熱が集まることです。

空気には温かくなると上昇し冷たくなると下降する性質があります。
このため、夏場は対策を取らなければ上階に温かい空気が集まり、特に2階・3階で暑さを感じる可能性があります。

関連記事:3階建て・4階建ては最上階が暑い?理由と対策を解説

木造住宅で検討したい7つの暑さ対策

こうした場面で暑さを感じる木造住宅。主な対策は以下の7つです。

  • 断熱性の高い窓・ドアを採用する
  • 性能の高い断熱材を適切に使用する
  • 気密性の高い仕様にする
  • 直射日光が入りづらい間取りにする
  • 高効率な換気計画を立てる
  • シーリングファンやサーキュレーターで空気をかき混ぜる
  • 適切な容量の冷房器具を選ぶ

断熱性の高い窓・ドアを採用する

木造住宅の暑さ対策として最も効果的な対策は、断熱性の高い窓や玄関ドアを利用することです。

具体的には、旧来のアルミサッシと単板ガラスの窓ではなく、樹脂サッシと複層ガラスの利用です。

単板ガラスと複層ガラスの紫外線のカット率の違い

引用:LIXIL「猛暑・厳しい寒さ対策には窓の断熱が大切!」

単板ガラスから複層ガラスに変更することで、日射熱や紫外線の遮蔽率を高める、もしくは透過率を減らすことができ、室内に熱が伝わることを避けられます。

ガラスに加えて窓枠も断熱効果の高い製品にすることで、より熱を伝えづらい住まいになります。

性能の高い断熱材を適切に使用する

窓やドアなどの開口部とともに、壁の中に使用する断熱材にもこだわりましょう。

地域・目指す断熱等級によって変わる断熱性能

引用:クレバリーホーム「高気密・高断熱・高遮熱で夏涼しく冬暖かい室内環境に」

日本は南北に長いことから、1~7までの地域に区分されて断熱性能の基準が定められています。
お住まいの地域に応じた窓・断熱を選択する必要があります(東京23区は6地域)。

また、RC(鉄筋コンクリート)や鉄骨住宅は木造より熱を伝えやすい素材であることから、構造に応じた仕様にすることも大切です。

クレバリーホームの断熱・遮熱仕様

引用:クレバリーホーム「高気密・高断熱・高遮熱で夏涼しく冬暖かい室内環境に」

また、同じ木造住宅であっても、断熱・遮熱仕様はハウスメーカーによって異なります。

外壁での断熱したり、壁の中に遮熱シートを配置することで、断熱層に届く前に遮熱してしまう工夫も効果的です。

断熱性能は素材の性能(熱伝導率)と厚みで決まる

引用:岐阜県立森林文化アカデミー「断熱性能は 性能✕厚みで決まる」

加えて、断熱性能は素材の性能(熱伝導率)と断熱材の厚みで決まることも重要なポイントです。

夏に涼しい家を建てるためには、検討しているハウスメーカーが使用している断熱材の性能と厚みについて聞いてみましょう。

気密性の高い仕様にする

屋外と室内の間にある隙間を少なくする(気密性を高める)ことも重要です。

たとえば発泡ウレタン系の断熱材を使用し、壁と柱やコンセントボックスなどの間に生まれる細かな隙間を塞ぎながら施工することで高い気密性を得られます。

住宅の気密性を高めるペーパーバリアシート

引用:クレバリーホーム「高気密・高断熱・高遮熱で夏涼しく冬暖かい室内環境に」

ほかにもペーパーバリアシート(外からの水は通さず、室内からの湿気を透過するシート)を施工することも効果があります。

こうした対策で風が入り込む隙間がなくなりますので、外からの熱の侵入を大幅に抑えられるでしょう。

直射日光が入りづらい間取りにする

日光の入り方を調節できる可動式のルーバー

【北区】日差しを調節できるルーバー付き3階建て住宅の事例>>>

暑さを避けるためには、外部で熱を遮断する工夫も効果的です。

上の写真の事例では、目隠し部分のルーバーを可動式にしていて、日差しを取り込みたい冬場は開放し、日差しを遮りたい夏場は閉じる対策を取っています。

太陽からの日射熱は室内に入ってから防ぐより、外部で遮断する方が効果が高まります。

高効率な換気計画を立てる

各部屋を風が通り抜けるように換気計画を立てることも効果的です。

窓を開けたとき風が抜けるよう、南北・東西に適切に窓を配置すれば、外気温が高くなる真夏の時期を除いて窓を開けるだけでも涼しく暮らせます。
また、吹き抜け上部に窓を設けるなど、高低差を利用した自然対流を意識することも重要です。

カビやダニの原因となる湿気を排出できますので、衛生的な室内環境になることも期待できます。

関連記事:小さい家に吹き抜けをつける理由とは?

シーリングファンやサーキュレーターで空気をかき混ぜる

シーリングファンや高窓などで住環境を整える3階建ての家

【港区】空気をかき混ぜる際に効果的なシーリングファンのある住宅の事例>>>

換気計画を立てる際、シーリングファンやサーキュレーターの利用も検討しましょう。

天井に取り付けるシーリングファンや遠くまで風を届けられるサーキュレーターは、利用することで上部に溜まった熱気をかき混ぜることができます。

また、高い位置に窓がある間取りであれば、「煙突効果」のように効率的に熱気を排出できますので活用をおすすめします。

適切な容量の冷房器具を選ぶ

木造住宅の暑さを防ぐためには、適切な容量の冷房を選択することも大切です。

断熱・気密効果が高くても、冷房の容量が不足すれば侵入する熱気の方が勝り、暑さを感じることになります。
横方向の広さはもちろん、勾配天井や吹き抜けがある場合は、上下方向も含めて冷房器具の容量計算をしましょう。

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木造住宅の暑さや特徴についてよくある質問・回答

記事の終わりに、木造住宅の暑さや特徴について聞かれることの多い質問に対して回答します。

木造・RC(鉄筋コンクリート)・鉄骨はどれが一番暑いの?

木材と他の建築材料との熱伝導率の比較

引用:道南スギ産地形成推進協議会「木ならではの暖かさ」

A.熱は「鉄>鉄筋コンクリート>木造」の順番で伝わりやすくなります。

スギなどの天然木には多くの空隙が含まれていて、外部から熱の供給があっても熱くなりづらい性質を持っています。

逆に鉄やコンクリートは熱伝導率が高いことから、住宅に採用する場合は適切な対策を立てる必要があります。

木造はRCや鉄骨より安く家を建てられますか?

A.木造はRCや鉄骨造と比較して大幅に安価です出典:国税庁「建物の構造別費用表」)。

節約できた費用は断熱・気密性能を向上させる対策に回すことも可能ですので、住宅の性能を高めたい方にも木造住宅はおすすめです。

【東京都の構造別の工事費用】

構造
木造約58万
鉄骨造(S造)約106万
鉄筋コンクリート造(RC造)約112万

木造住宅でも3・4階建てを建てられますか?

クレバリーホーム東京の木造4階建て(もくよん)

▶【希望の広さを叶える4階建て】クレバリーホーム東京の木造4階建て(もくよん)

A.木造住宅でも、3・4階建て住宅は建てられます。

都内で家を建てる場合、予算や土地の都合上コンパクトな敷地になる場合があります。

3階建て・4階建てであれば、土地がコンパクトでも必要十分な床面積を確保できますので、特に都内など狭小地で家づくりする場合は木造3・4階建てがおすすめです。

まとめ│木造住宅で涼しく暮らせるクレバリーホームの家

木造住宅ならではのぬくもりに包まれる3階建て二世帯住宅

【世田谷区】木のぬくもりに包まれる3階建て二世帯の木造住宅の事例>>>

「木造住宅は暑い」という指摘について、暑さを感じる原因と対策、よくある疑問について解説しました。

木造住宅は古い建物が多いことから断熱性や気密性が低いイメージが先行し、暑いのでは?という印象を持つ方もいらっしゃるかもしれません。

しかし適切な断熱性・気密性を確保することで、RCや鉄骨など他の工法と変わらない性能を期待できます。

 

東京都内の場合、建築予定地や周辺環境など諸条件から、木造・RC・鉄骨住宅など最適なプランは異なります。

敷地や予算に合わせた柔軟な家づくりができるハウスメーカーであればワンストップで相談ができます。

クレバリーホーム東京は、「東京だからできる最高の家づくり」を目指し、お客様のご希望やライフスタイルに合わせた住まいを提供しています。

▶3階建て4階建て住宅
▶木造耐火住宅高耐久・耐震住宅
▶鉄骨・RC住宅
▶ZEH住宅  ・ 太陽光発電・蓄電池付き住宅
▶地下室屋上付き住宅
▶狭小住宅二世帯住宅  etc…

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都内でトップクラスの施工実績がある私たちだからこそ、あなたにとって最適なプランをアドバイスできます。お気軽にご相談ください。

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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