【アパート築年数の限界】基準や対策を解説│寿命超え経営の5つのデメリットも解説
法定耐用年数・修繕タイミング・耐震性といった基準から導き出される、アパート築年数の限界の目安は「30年」です。
本記事ではどうして30年が限界の目安となるのか、その理由を解説します。
アパートは築年数の限界や寿命を超えて経営を続けると、賃料収入によるメリットをデメリットが上回る可能性があります。
どういったデメリットがあり、どのように対策するべきなのか確認しましょう。
Contents
アパートの築年数の限界とは?3つの基準を解説
アパートの築年数の限界について考えるとき、参考となるのは以下の3つの基準です。
- 基準1:法定耐用年数
- 基準2:設備や外壁の修繕タイミング
- 基準3:アパートの耐震性
それぞれの基準を見て、アパート建て替えのタイミングの目安を確認しましょう。
関連記事:【アパート建て替えFAQ】建て替えの特徴を徹底解説
基準1:法定耐用年数
1つ目の基準は、税金の計算で利用される法定耐用年数を利用することです。
法定耐用年数は、「通常の維持補修を加える場合に予定される効果をあげることができる年数」とされていて、建物の構造によって減価償却できる年数が定められています。
- 木造:22年
- 軽量鉄骨:27年
- 重量鉄骨:34年
- 鉄筋コンクリート:47年
実際は法定耐用年数よりも長い期間、使用し続けるケースが多いですが、減価償却期間は築年数の限界を考える際の1つの目安となります。
基準2:設備や外壁の修繕タイミング
2つ目の基準は、設備や外壁などの修繕タイミングです。
法定耐用年数には建物本体に加えて電気設備や給排水設備など、建物に付属する各種設備についての記載があります。
- 電気設備(照明設備を含む):15年
- 給排水・衛生設備・ガス設備:15年
法定耐用年数のとおりに劣化し設備の維持・修繕を行った場合、30年で2回目の更新を迎えることとなります。
このときは設備の大規模な更新が必要になるケースも多く、設備改修の視点から築年数の限界の目安となります。
基準3:アパートの耐震性
3つ目の基準は、アパートの耐震性です。
耐震性を考える上で、日本の住宅は建築年によって以下の3つに分けられます。
- 1981年5月まで:旧耐震基準の住宅
- 1981年6月から2000年5月まで:新耐震基準の住宅
- 2000年6月から:現行耐震基準の住宅
参考:リフォーム推進協議会「リフォーム前に知っておきたい6つのこと」
このうち特に旧耐震基準の住宅では、対象とする揺れが震度5強程度とされています。
30年以内に70%の確率で発生するとされる首都直下地震で最も大きな被害が想定される都心南部直下地震では、震度6強の揺れが都区部の6割に及ぶとの想定があります。
この場合1981年5月以前に建てられたアパートは倒壊する危険性が高まることから、築年数の限界のひとつと考えられます。
関連記事:「東京で地震に強い地域は?」地震危険度ランキングを解説
アパート築年数の限界、結局いつ?
以上のことから、アパートの築年数の限界はいつなのか考えると、1つの目安は築30年です。
築年数30年を経過すると木造・軽量鉄骨造りのアパートでは耐用年数を迎え、重量鉄骨造りのアパートでも徐々に耐用年数を迎えます。
また、設備の2回目の更新を迎えることも理由に挙げられます。
なお、劣化の進行具合や定期的な修繕の有無、空室率や賃料の変動状況など、様々な要素で建て替えるべきタイミングは変わりますので、築年数の限界を意識したらアパート建築の専門家に相談してみましょう。
築年数の限界を超えて賃貸経営を続けるデメリット
こうした視点で考えることのできるアパートの築年数の限界ですが、限界を超えてアパートの経営を続けた場合、どのようなデメリットがあるのか確認しましょう。
空室率上昇・家賃下落で収入が減る
築年数の限界を迎えたアパートでは、外観・内装が老朽化し建物の魅力が損なわれます。
結果、空室率が上昇するとともに家賃が下落し、家賃収入が減ることが予想されます。
関連記事:令和のアパート経営の失敗例
修繕費用が増えて支出が増える
屋根や外壁のほか、給水・排水設備や空調機器など、様々な箇所で修繕のタイミングを迎えます。
細々とした修繕に手間がかかるとともに、修繕費用の増加で支出が増えてしまいます。
減価償却期間を超えて節税できなくなる
アパートは法定耐用年数の期間内であれば、建物の経年劣化分を経費として算入でき、支払う税金を抑えることができます。
耐用年数を超えたアパートでは減価償却費として計上できませんので、節税メリットがなくなります。
関連記事:木造アパートで耐用年数が過ぎた場合のデメリットとは
地震・火災で被害を受ける
築年数の限界を迎えたアパートの中には、旧耐震基準を基準にした住まいや、現行の耐震基準を満たしていない住まいもあります。
こうしたアパートでは、大規模な地震が発生した場合に大きな被害を受ける可能性があります。
また、特に都内など住宅が密集している地域にある古いアパートでは、耐火性能を満たしていないものもあり、付近で火災があった場合には延焼被害を受ける可能性もあります。
関連記事:木造密集地域とは?新築・建て替えの防耐火対策を解説
売りたくても売却できなくなる
このように様々なデメリットのある築年数の限界を迎えたアパートでは、売りたいと思った時に買い手が見つからない可能性もあります。
家賃収入が減少し修繕費が増える中で買い手が見つからない場合、何らかの対策を取らなければ状況は悪化してしまうでしょう。
アパートの築年数が限界を迎えた場合の3つの対策
「所有するアパートが築年数の限界を迎えた」このように判断したとき、どのような対策を取ればよいのか、3つの手段を紹介します。
- 対策1:リフォーム・リノベーション
- 対策2:売却する(現状のまま・更地にして)
- 対策3:新築アパートに建て替える
対策1:リフォーム・リノベーション
1つ目の手段は、部分的なリフォームや部屋ごとのリノベーションによって、限界を迎えた箇所から順次更新する方法です。
現状維持に近い方法であることから、3つの手段の中で最も手間が少なく、かかるコストも抑えられる方法です。
ただし、建物を構造部分などから根本的に更新するのは難しく、耐震性や耐火性を改善しづらい点がデメリットです。
また、1箇所を修繕しても他の箇所の修繕が必要になるなど、次々に修繕のタイミングが到来しメンテナンス費が高くなる可能性にも注意が必要です。
対策2:売却する(現状のまま・更地にして)
2つ目の手段は、アパートを売却する方法です。
売却できればまとまったお金を受け取れる可能性がありますが、築年数の限界を迎え、賃料が安く空室率が高くなったアパートは買い手がいない可能性があります。
また、更地にして売却する場合でも、取り壊し費用はまとまった予算が必要になりますので、一定の資金が必要になる点に注意が必要です。
対策3:新築アパートに建て替える
最後に、築年数の限界が到来したアパートを新築に建て替える方法もあります。
建て替えは現在住んでいる住人への立ち退き交渉が必要であったり、建て替えのためのまとまった資金が必要であったりと、手間や費用が必要です。
一方で賃料アップ・空室率上昇・耐震性耐火性の向上など、築年数の限界を迎えたアパートのデメリットを一挙に解決できます。
また、比較的低金利で融資を受けられたり、減価償却を利用して税金を安く抑えられるメリットもありますので、築年数の限界を迎えたアパートではじめに考えたい対策です。
まとめ│築年数の限界を迎える前に専門家に相談を
アパート経営で気になる「築年数の限界」について、減価償却や耐震性など複数の観点から確認しました。
築年数の限界を迎えたアパートでは、空室率の上昇や家賃の低下など、収入の減少に加えて修繕費用の増加など支出が増えることが予想されます。
また、家賃収入が低く修繕費が高いアパートは買い手がつかないケースもあり、早急に何らかの対応を求められます。
建物の状態や収支状況により方針が変わってきますので、早めに専門家に相談して今後の対応方針を決めましょう。
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