【不燃材料とは】耐火構造の違いや建築基準法での認定一覧も紹介
「不燃材料とは?」
「耐火構造との違いや実際どんな家になるのか知りたい」
防火地域・準防火地域など都市部の木造密集住宅地域で火災に強い耐火構造の家づくりをする際に不燃材料という言葉を目にすることがあります。
本記事では、不燃材料とはどういった建材で、耐火構造とどのような関係にあるのか、建築基準法で定められた認定素材一覧も紹介します。
災害に強い家づくりの参考にしてください。
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Contents
不燃材料とは?建築基準法で定義を確認
はじめに、不燃材料とはどういった建材なのか、建築基準法における定義を確認しましょう。
不燃材料
建築材料のうち、不燃性能(通常の火災時における火熱により燃焼しないことその他の政令で定める性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。
つまり、火災が発生した場合に火や熱に晒されたとき「燃焼しない・しづらい」ことが国土交通大臣に認められた建材といえます。
不燃材料は3つの防火材料のうちのひとつ
不燃材料は、法律で定められる3つの防火材料のうちのひとつです。
不燃材料、および類似する材料の定義を確認しましょう。
不燃材料:加熱開始後20分間燃焼しない
不燃材料は、火災による加熱が始まってから20分間は、以下の3つの状態の変化などが生じないことが求められます。
- 燃焼しないものであること。
- 防火上有害な変形、溶融、き裂その他の損傷を生じないものであること。
- 避難上有害な煙又はガスを発生しないものであること。
引用:建築基準法施行令「第百八条の二 不燃性能及びその技術的基準」
対象とする建材が火災によって加熱されても一定時間、燃焼せず、変形や融解を起こさず、有毒ガスが発生しなければ、避難するために十分な時間を確保できます。
また、周囲の建物への延焼を防いだり、初期消火を行うための時間も確保可能です。
準不燃材料:加熱開始後10分間燃焼しない
2つ目の防火材料は、不燃材料より耐火性能の低い準不燃材料です。
準不燃材料は、不燃材料に求められる3つの要件を、加熱開始後10分間満たすことが求められる建材を指します。
難燃材料:加熱開始後5分間燃焼しない
3つ目の防火材料は、準不燃材料よりさらに耐火性能の低い難燃材料です。
準不燃材料と同様に、不燃材料に求められる3つの要件を、加熱開始から5分間満たすことが求められます。
不燃材料は、3つの種類の防火材料のうちのひとつです。
建物に求められる耐火性能に応じて、適した建材を選択する必要があります。
不燃材料の種類を確認する方法
使用する予定の建材が防火材料なのか、さらに不燃・準不燃・難燃、いずれの材料にあたるのか種類を確認するためには、防火認定番号を確認します。
防火認定番号は、国土交通大臣から認定された防火材料に割り振られる番号を指します。
防火材料の種類によって、以下のとおり記載されます。
不燃:NM(Noncombustible Material 燃えにくい材料)
準不燃:QM(Quasi noncombustible Material 類似の燃えにくい材料)
難燃:RM(Fire Retardant Material 難燃性の材料)
不燃材料の認定方法
不燃材料は人命に関わる建材ですので、認定を受けるためには定められた認定基準を満たす必要があります。
具体的には、以下の2つの方法で不燃材料は定められます。
(1)国土交通大臣が定めたもの
1つ目は国土交通大臣が定めたものです。
国土交通省(当時の建設省)は不燃材料として、以下の17の建築材料を定めています。
一 コンクリート
二 れんが
三 瓦
四 陶磁器質タイル
五 繊維強化セメント板
六 厚さが三ミリメートル以上のガラス繊維混入セメント板
七 厚さが五ミリメートル以上の繊維混入ケイ酸カルシウム板
八 鉄鋼
九 アルミニウム
十 金属板
十一 ガラス
十二 モルタル
十三 しっくい
十四 石
十五 厚さが十二ミリメートル以上のせっこうボード(ボード用原紙の厚さが〇・六ミリメートル以下のものに限る。)
十六 ロックウール
十七 グラスウール板
こちらの素材は不燃材料として認められていますので、耐火構造・準耐火構造など火災に強い家づくりをする際に利用できます。
準不燃材料、難燃材料についても、同様に国土交通省が以下のとおり定めています。
(2)国土交通大臣の認定を受けたもの
2つ目は国土交通大臣から認定を受けた素材です。
国土交通省が直接指定した素材以外でも、一定の試験をクリアすることにより、不燃材料としての認定を受けられます。
具体的には、検査機関で発熱性試験を行います。
コーンカロリーメーターという機器を利用し対象となる材料を直接加熱して、求められる性能を満たすことが要件となります。
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不燃材料と耐火構造の関係
不燃材料と密接な関係にあるキーワードは耐火構造です。
耐火構造と不燃材料の関係について確認しておきましょう。
関連記事:『耐火・準耐火の違い』を解説
耐火構造の建物は不燃材料を利用して建築する
【台東区】耐火・耐久性の高いタイルを利用した防火地域の木造4階建て>>>
東京都など住宅が密集しているエリアでは、火災の発生や延焼による被害の拡大を防ぐために、防火地域として指定を受け、耐火建築物や準耐火建築物の基準に合うように設計・建築します。
使用できる建材は、不燃材料・準不燃材料・難燃材料など、基準を満たすものに限られます。
上記の写真は防火地域の耐火構造の木造4階建て住宅の事例です。耐火・耐久性の高いタイルを使用しています。
火災に強い建物を建てる場合は、不燃材料をはじめとする火災に強い建材の存在が重要になります。
アパートやマンション(特殊建築物)も「内装制限」で利用される
アパートやマンションなどの共同住宅(集合住宅)は法律上、特殊建築物に分類されます。
多くの人が利用することから、燃えやすい内装を使用することで早く燃え広がったり、有毒なガスが発生することを防ぐ必要があります。
ここで壁や天井などの仕上げを不燃材料などの防火材料で仕上げることで、火災時の被害の拡大を防げます。
このように、不燃材料を使用することで火災の延焼を防いだり、急激な火災の進行や有毒ガスの発生を防いだりできますので、適切な箇所に不燃材料を使用する必要があります。
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まとめ│不燃材料で耐火構造の火事に強い家を建てる
東京都など都市部で家を建てる場合に使用するケースの多い、不燃材料について定義や認定方法、耐火構造との関係を確認しました。
不燃材料は単体でも、火災などの加熱時に20分間(準不燃材料は10分間、難燃材料は5分間)は燃えないことが求められます。
万が一、自宅や周囲の建物で火災が発生した場合に、初期消火を可能にしたり避難の時間を稼いだりといった効果を期待できますので、法令で定められる通り適切に利用することが重要です。
防火地域・準防火地域・木造密集地域等での不燃材料を利用した耐火構造の家づくりは、法令・建材・技術などの設計・施工の幅広い知見が求められます。
東京で建築費用を抑えながらデザイン性と機能性を兼ね備えた災害に強い家を建てるなら、都内トップクラスの施工実績のあるクレバリーホーム東京までお気軽にご相談ください。