木造アパートの耐用年数や建物寿命は何年?減価償却による節税や耐用年数が過ぎた場合のデメリット

木造アパートの耐用年数や建物寿命は何年?減価償却による節税効果や耐用年数が過ぎた場合のデメリット

木造アパート経営では、「法定耐用年数」が減価償却期間やローンの借入期間に大きく関わってくるため、「実際の建物寿命」も含めて、しっかり確認することが大切です。

そこで本記事では、構造ごとの耐用年数減価償却による節税効果耐用年数が過ぎた場合のデメリット対処法について解説します。

 

 

木造アパートの「耐用年数」と「建物寿命」とは?

アパート

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アパートの耐用年数とは、一般的に税制上の基準となる「法定耐用年数」のことをさします。

構造ごとに法定耐用年数は異なり、木造は「22年間」です。

ただし、法定耐用年数は、あくまで国税庁が課税のために定めた数値であり、実際の建物の耐久性を示す「建物寿命」と同じではありません。

 

【構造ごとの法定耐用年数】

構造法定耐用年数
木造22年
軽量鉄骨造(厚さ3㎜以下)19年
軽量鉄骨造(厚さ3㎜超え~4㎜以下)27年
鉄筋コンクリート造47年

参照サイト:国税庁 法定耐用年数表

アパート経営で「法定耐用年数」が影響する項目

法定耐用年数が、アパート経営で影響する項目は、下記の通りです。

  • 不動産投資ローンの借入期間
  • 減価償却できる期間

 

まず、不動産投資ローンを組める期間は、多くの金融機関で耐用年数までと定められています。

木造アパートの場合、耐用年数が22年になるため、ローンの借入期間も22年までが上限になります。

また、建物の減価償却できる期間も耐用年数までです。

減価償却とは、固定資産を取得した費用を、一定の年数で分割しながら経費に計上できる制度です。

実際にかかった経費以上に計上できるため、減価償却期間中は節税効果が高くなります。

「建物寿命」は何年?

実際にアパートを利用できる建物寿命は、何年なのでしょうか?

建物寿命は、公的なデータで何年までという数値は、公表されていません。

ですが一般的には、「木造は30年~50年」「鉄骨造は40年~60年」「鉄筋コンクリート造は60年~100年」といわれています。

建物の寿命は、定期的なメンテナンスリフォームが大きく影響するため、経年劣化による不具合を対処することで、長く利用することが可能です。

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木造アパートは初期費用を抑えて高い利回りを見込める

アパートの部屋

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木造アパート経営は、購入費用や建築費用がほかの構造と比べて安く抑えられるため、高い利回りを見込むことができます。

 

【100坪アパートの建築費】

構造費用の目安/坪単価延床100坪
木造70万円~100万円1億円~1億4,000万円
鉄骨造80万円~120万円1億1,000万円~1億7,000万円
RC造(鉄筋コンクリート)90万円~125万円1億3,000万円~1億8,000万円

※坪単価×延床面積÷0.7での概算の数値

 

法定耐用年数は22年ですが、メンテナンスやリフォームをすることで50年程度、アパート経営をおこなえるケースもあります。

木造アパートは、初期費用を抑えて、早めにローン返済をし、老後の安定した収入源を確保したい方におすすめです。

 

関連記事:【2024年】アパートの建築費|30坪・50坪・100坪の費用や事例、ローンの目安や必要な自己資金 

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木造アパートの耐用年数が過ぎた場合のデメリットと対処法

中古アパート

木造アパートの耐用年数が過ぎた場合、どうなるのでしょうか?

出口戦略にも関係してくるため、事前に知っておきたいデメリットと対処法をご紹介します。

 

【デメリット】

  • 売却しにくくなる
  • 減価償却できないため税金が高くなる
  • 新規での融資が受けられない
  • 修繕費が高くなる

売却しにくくなる

耐用年数が過ぎた木造アパートは、売却しにくいデメリットがあります。

多くの金融機関では、耐用年数までしかローンを組むことができないため、現金一括購入できる投資家のみが対象になります。

買い手が限定されるため、購入希望者を見つけるのが難しくなります。

そのため、建て替え解体して土地としての売却を検討するのが良いでしょう。

建て替えした場合、アパート経営を継続することも、ローンを組んでアパートを購入したい投資家へ売却することも可能です。

関連記事:【令和のアパート経営の失敗例】回避方法や成功率、経営の現実について

減価償却できないため税金が高くなる

耐用年数=減価償却期間になるため、耐用年数が過ぎることで、アパートの取得費を経費として計上できなくなります。

たとえば、1億円で取得した木造アパートは、年間460万円を22年間、経費に計上できます。

年間の家賃収入が1,000万円の場合、460万円を引いて、帳簿上の収入を540万円にできるため、所得税の大幅な節税が可能です。

耐用年数が終わる23年目から、収入に応じて所得税を納める必要があるため、税金の負担が大きくなります。

新規での融資が受けられない

リフォーム工事

耐用年数が過ぎた場合、修繕のためのリフォームローンなども組むことができません。

耐用年数を過ぎても、アパート経営の継続を希望している方は、メンテナンス費を現金で準備する必要があります。

そのため、経年劣化によりメンテナンス費用の増加を考慮し、余裕のある収支計画を立てることが大切です。

修繕費が高くなる

木造にかかわらず、築年数が古いアパートは、経年劣化による不具合が発生します。

屋根や外観の塗装など、比較的修繕費が高くなるリフォームが必要になるケースもでてきます。

修繕費を抑えるために、メンテナンスフリーの外観など、将来かかるコスト面も考えて、アパート建築や購入を検討することが大切です。

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木造アパートの減価償却の計算方法は?

木造アパート

木造アパートの減価償却の計算方法をご紹介します。

減価償却の計算方法には、「定額法」「定率法」があり、新築アパートを計算する場合は「定額法」を用いて計算します。

「定額法」の計算式

定額法とは、アパートの耐用年数の期間、毎年同じ経費を計上できる方法です。

 

【定額法の計算式】

減価償却費=取得費用×定額法の償却率

 

【木造アパートの取得費8,000万円の場合

8,000万円×0.046=368万円

減価償却費は368万円/年になり、毎年364万円を経費として計上できます。

参照サイト:国税庁 定額法と定率法による減価償却

構造・耐用年数ごとの償却率

償却率は、構造・耐用年数ごとに異なります。

 

【償却率】

構造法定耐用年数償却率
木造22年0.046
軽量鉄骨造(厚さ3㎜以下)19年0.053
軽量鉄骨造(厚さ3㎜超え~4㎜以下)27年0.038
鉄筋コンクリート造47年0.022

参照サイト:国税庁 減価償却の償却率表

償却率が高いほど、同じ取得費だったとしても、経費として計上できる費用が高くなります。

 

【例 8,000万円の取得費の場合】

構造計算式減価償却費
木造8,000万円×0.046368万円
鉄骨造3mm超え8,000万円×0.038304万円
鉄筋コンクリート造8,000万円×0.022176万円

 

木造アパートは、経費計上できる減価償却費を多くできるため、ほかの構造と比べて、短期の節税効果が高くなります。

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まとめ

木造アパートの耐用年数や減価償却の計算方法、耐用年数が過ぎた場合のデメリットや対処法について解説しました。

木造アパートは、耐用年数が22年間と短いですが、償却率が高いため、短期間に高い節税が見込める投資方法です。

東京都でアパート建築をご希望の方は、23区内での施工実績が豊富なクレバリーホーム東京までお気軽にご相談ください。

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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