【2024年】住宅ローン控除を連帯債務・ペアローンでフル活用する方法|メリットや注意点、控除額について
2024年3月作成記事
共働き世帯の増加とともに、夫婦それぞれが住宅ローン控除を適用できる「連帯債務」や「ペアローン」を検討する方が、増えています。
ですが、借入額や年収、ローンの組み方によっては、住宅ローン控除をフル活用できない場合があります。
そこで本記事では、連帯債務・ペアローンのメリットや注意点、フル活用する方法や実際の控除額について解説します。
住宅ローン「連帯債務」「連帯保証」「ペアローン」とは
共働き世帯が、協力して住宅ローンを組む方法は、3通りあります。
住宅ローンの組み方 | 住宅ローン控除の適用 |
収入合算(連帯債務型) | 夫婦で適用 |
収入合算(連帯保証型) | 契約者のみ適用 |
ペアローン | 夫婦で適用 |
住宅ローン控除を夫婦で利用できるのは、収入合算(連帯債務型)とペアローンの2つです。
まずは、それぞれのメリット・デメリットや特徴を確認してみましょう。
連帯債務型
連帯債務型とは、1つの住宅ローンに対して、「主債務者」と「連帯債務者」となり、夫婦どちらも借入金の全額に対して返済義務を負います。
【例】
4000万円 夫(主債務者)妻(連帯債務者)
収入を合算させるため、借入額を増やしつつ、持ち分の割合に応じて、夫婦で住宅ローン控除を利用できます。
内容はペアローンと似ていますが、契約が1本になるため、諸費用を抑えられるメリットがあります。
デメリットは、連帯債務型を選べる金融商品が少ない点と、基本的に団体信用保険に加入できるのは主債務者のみという点です。
連帯保証型
連帯保証型は、契約者のみが「債務者」となり返済義務を単独で負います。
もう片方は「連帯保証人」となり、債務者の返済が滞った場合にのみ、金融機関から返済請求を受ける形になります。
【例】
4000万円 夫(債務者)妻(連帯保証人)
住宅ローン控除は契約者のみ適用され、連帯保証人の持ち分はありません。
ペアローン
ペアローンとは、夫婦が別々に住宅ローンを組む方法です。
それぞれが「債務者」となり、お互いの「連帯保証人」になります。
【例】
3000万円 夫(債務者) 妻(連帯保証人)
1000万円 妻(債務者) 夫(連帯保証人)
夫婦で住宅ローン控除を利用できますが、契約が2本になるため、諸費用が2本分かかるデメリットがあります。
ですが、金融機関や借入期間、金利タイプなど、夫婦が別々に選べるため、より条件にあった返済プランを立てやすいメリットがあります。
団体信用保険にも夫婦で加入できるため、万が一のときにも安心です。
住宅ローン控除を夫婦で利用できる連帯債務とペアローンは、どちらがより優れているということはありません。
団体信用保険への加入や契約内容など、ご家庭にあった住宅ローンを選択してみましょう。
関連記事:「ZEH補助金が間に合わない?」3つの対処法│2024年の補助金情報もチェック!
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「連帯債務・ペアローン」で住宅ローン控除をフル活用するには?
連帯債務とペアローンは単独ローンと比べて、効果的な節税ができ、お得になる場合があります。
フル活用する方法を確認してみましょう。
住宅ローン控除をフル活用する方法
まずは、連帯債務とペアローンで住宅ローン控除をフル活用するには、下記条件を確認する必要があります。
- 住宅の種類ごとの借入限度額
- 住宅ローンの借入額
- 夫婦の年収(納めている税金)
借入限度額とは、住宅ローン控除の対象となる借入額です。
たとえば、5,000万円の住宅ローンを組んでも、借入限度額3,500万円の住宅であれば、1,500万円は住宅ローン控除の対象外になります。
また、住宅ローン控除は納めてる「所得税」+「住民税:上限9.75万円」から控除されます。
そのため、夫婦が納めている税金が、控除額を上回ることで、住宅ローン控除をフル活用できる状態になります。
ご家庭ごとの控除額を正しく確認するために、2024年に変更になった住宅ローン控除の内容を確認してみましょう。
住宅ローン控除の借入限度額
住宅ローン控除は、新築なら13年間、中古住宅なら10年間、控除を受けられる大変お得な制度です。
適用できる借入限度額は「住宅の種類」や「入居年」、「家族構成」で異なります。
【住宅ローン控除】
住宅の種類
| 子育て・若者夫婦世帯 2024年入居 借入限度額 (最大控除額) | その他一般世帯 2024年~2025年入居 借入限度額 (最大控除額) | |
新築住宅 | 長期優良住宅 低炭素住宅 | 5,000万 (455万) | 4,500万 (409.5万) |
ZEH住宅 | 4,500万 (409.5万) | 3,500万 (318.5万) | |
省エネ住宅 | 4,000万 (364万) | 3,000万 (273万) | |
その他の 住宅 | 0円 | 0円 | |
中古住宅 | 長期優良住宅 低炭素住宅 | 3,000万 (210万) | 3,000万 (210万) |
その他の 住宅 | 2,000万 (140万) | 2,000万 (140万) |
※上記表は、令和6年度税制改正大綱で閣議決定された内容に基づく数値です。
参照サイト:国土交通省 住宅ローン減税
高性能で省エネ性の高い住宅ほど、借入限度額が高く、住宅ローン控除の恩恵を受けやすくなっています。
関連記事:【2024年以降】住宅ローン変動金利の今後は?動向や上昇した場合の対策について
連帯債務・ペアローンの住宅ローン控除額はいくら?
連帯債務やペアローンで、実際に住宅ローン控除額がいくらになるのか、年収ごとに納めている税金を確認してみましょう。
年収 | 所得税 | 住民税 (上限9.75万) | 住宅ローン控除の利用できる税金の合計/年 |
300万 | 6万 | 12万 | 15.75万 |
400万 | 9万 | 18万 | 18.75万 |
500万 | 14万 | 24万 | 23.75万 |
600万 | 18万 | 31万 | 27.75万 |
700万 | 32万 | 38万 | 41.75万 |
※上記表の金額は、配偶者やお子様の有無などによって異なります。
たとえば、4,000万円の住宅ローンを年収「夫:400万円」「妻:300万円」で組んだ場合、控除に利用できる税金の合計は「約34.5万円」になります。
住宅ローン控除額は、「4,000万円(年末の住宅ローン残高)×0.7%=28万円」になるため、住宅ローン控除を使い切ることができ、控除額は28万円です。
逆に、年収500万円の方が、4,000万円の単独ローンを組んだ場合、「28万円(控除額)-23.75万円(税金)」となり、4.25万円が使い切れず、控除額は23.75万円になります。
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連帯債務で住宅ローン控除を利用する注意点
連帯債務で住宅ローン控除を利用する際の注意点は、下記の通りです。
- 持ち分割合が異なると「贈与税がかかる」
- 持ち分割合が異なると「住宅ローン控除額が減る」
- 連帯債務者が病気になっても「返済が免除されない」
順番に、わかりやすく解説します。
「借入額の負担」と「持ち分の割合」が違うと贈与税がかかる
連帯債務では、「借入額の負担」と「持ち分の割合」が異なると、差額分が贈与とみなされ贈与税がかかる可能性があります。
そのため、持ち分の割合を2分の1ずつにする場合は、借入額も1500万円:1500万円など、同じにすることをおすすめします。
持ち分割合が異なると住宅ローン控除が減る
「借入額の負担」と「持ち分の割合」が異なると、贈与税がかかる以外にも、住宅ローン控除額が減るデメリットがあります。
たとえば、4,000万円の借入額の負担が「夫6:妻4」、持ち分割合が2分の1ずつの場合で、シミュレーションしてみましょう。
夫の実際の負担は、4,000万円×60%なので2,400万円ですが、持ち分割合が2分の1なので、住宅ローン控除の対象となる金額は、2,000万円です
つぎに、妻の負担は、4,000万円×40%なので1,600万円ですが、持ち分は2,000万円分あります。
差額の400万円は、夫からの贈与という形になるため、住宅ローン控除の対象額は1,600万円になり、差額分が控除の対象外となります。
参照サイト:国税庁 共有の家屋を連帯債務により取得した場合の借入金の額の計算
連帯債務者が病気になっても返済が免除されない
連帯債務の場合、基本的に団体信用保険に加入できるのは、主債務者のみです。
そのため、連帯債務者が万が一、死亡または高度障害になった場合でも、残りの住宅ローン返済の免除を受けることができません。
団体信用保険の代わりになるような生命保険や医療保険に加入し、万が一に備える準備を検討する必要があるでしょう。
まとめ
夫婦で住宅ローンを組む「連帯債務」や「ペアローン」の住宅ローン控除について解説しました。
どちらも夫婦が住宅ローン控除を適用できるため、借入額や年収などによっては、効果的な節税を見込むことができます。
共働き夫婦に人気の利便性の高い東京都内で注文住宅をご検討中の方は、23区内での施工実績が豊富なクレバリーホーム東京までお気軽にご相談ください。
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