注文住宅の住宅ローンの流れ・3つの組み方|つなぎ融資や支払い時期、平均借入額について
2024年2月作成記事
注文住宅の住宅ローンの組み方は、「つなぎ融資」「土地先行融資」「分割融資」から選ぶことができます。
本記事では、住宅ローンそれぞれの特徴やメリット・デメリット、支払いタイミングや流れについてご紹介します。
令和に入って、注文住宅を購入した世帯の平均借入額や年収などもわかるため、実際のデータを参考に、ご自身の住宅ローンを検討したい方は、ぜひ参考にしてくださいね。
注文住宅の住宅ローン利用状況
まずは、注文住宅を購入した世帯の平均データや住宅ローンの利用状況を確認してみましょう。
下記は、国土交通省の「住宅市場動向調査(令和4年度)」に基づくデータです。
【注文住宅を取得した世帯】
・土地を含む注文住宅の平均購入価格は「4,713万円」
・自己資金の比率は「20%」
・世帯年収の平均は「全国:731万円」「三大都市圏:784万円」
・平均年齢は「39.5歳」
・選んだ金利タイプは「変動金利が78.6%」
無理なく返済できる住宅ローンの借入額は「年収の6倍~7倍」といわれています。
注文住宅を購入した世帯は、年収の7倍程度を予算とし、金利の低い変動金利を選択して、無理のない返済計画を立てていることがわかります。
関連記事:【2024年以降】住宅ローン変動金利の今後は?動向や上昇した場合の対策について
注文住宅の住宅ローンの組み方
注文住宅の住宅ローンの組み方は、建売住宅とは異なり少し複雑です。
住宅ローンの融資は、原則、建物が完成し「決済=引き渡し日」に実行されます。
しかし、注文住宅では建物完成前に「土地購入代金」「着工金」「上棟金」などがかかり、住宅ローンの実行前に支払う費用があります。
そのため、建物完成前に支払う費用の融資を受けるために、注文住宅はローンの組み方を3つ中から選ぶ必要があります。
【注文住宅のローンの組み方】
- つなぎ融資
- 土地先行融資
- 分割融資
それぞれの特徴やメリット・デメリットを確認してみましょう。
つなぎ融資
つなぎ融資とは、住宅ローンが実行されるまでに必要となる「土地購入代金」や「着工金」などに利用できる無担保ローンです。
担保にできる建物がないため、金利は「2%~4%」と住宅ローンに比べて割高に設定されています。
【メリット】
- 自己資金が少なくても注文住宅を購入できる
【デメリット】
- 金利が高い
- 住宅ローン控除の対象外
- 注文住宅の完成が遅れると支払う利息が増える
土地先行融資
土地先行融資とは、住宅ローンに先行して実行する融資方法です。
土地を担保にできるため、つなぎ融資と比べて金利が低いメリットがあります。
ただし、土地先行融資を取り扱っている金融機関は少ないため、事前に確認しておくとよいでしょう。
【メリット】
- 金利が低い
- 住宅ローン控除が適用される
【デメリット】
- 取り扱いの金融機関が少ない
- 土地先行融資と住宅ローンを別々に組むため、手続きや諸費用が2回分かかる
分割融資
分割融資とは、住宅ローンを数回に分けて融資してもらう方法です。
建物完成前までに必要な支払いタイミングで融資を受けることが可能です。
つなぎ融資と似ていますが、「つなぎ融資は無担保ローン」になり、「分割融資は住宅ローン」になります。
【メリット】
- 住宅ローンと金利は同じ
- 住宅ローン控除が適用される
【デメリット】
- 土地と建物それぞれに抵当権設定登記が必要
- 取り扱いの金融機関が少ない
住宅ローンの組み方を3つご紹介しましたが、どれが一番優れているということはありません。
建物完成までの融資期間や金利の状況によって、最適な融資方法は異なるため、ご自身の条件で金融機関に相談してみましょう。
関連記事:2024年の住宅ローン控除はペアローンがお得?夫婦の控除額をシミュレーション
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注文住宅の支払いタイミング
注文住宅の支払いタイミングは、主に下記の通りです。
【土地購入の支払いタイミング】
- 売買契約時:手付金
- 決済までに:仲介手数料
- 引き渡し時:土地購入の代金
【注文住宅の支払いタイミング】
- 工事請負契約:手付金
- 着工:着工金
- 上棟:上棟金
- 引き渡し時:住宅の建築代金
このなかで、必ず現金で支払うお金は、「手付金」と「仲介手数料」です。
ローンを利用できないため、自己資金を準備しておきましょう。
また、注文住宅の支払いタイミングは、施工会社によって多少異なるため、支払い時に焦らないために「いつ・いくら支払う」のか、事前確認が重要です。
注文住宅の住宅ローンの流れ【土地なし】
注文住宅の住宅ローンを組む、おおまかな流れを確認しましょう。
土地なしの場合、土地購入代金のローンの組み方で流れが異なります。
ローンの組み方は、2通りあります。
・土地購入代金と建築費を一本化して住宅ローンを組む
・土地購入代金と建築費を別々にしてローンを組む
一本化する場合には、「つなぎ融資」または「分割融資」を選ぶことになります。
別々にローンを組む場合は、「土地先行融資」です。
それぞれの申し込みや融資実行のタイミングをご紹介します。
「つなぎ融資」「分割融資」の流れ
土地購入代金を住宅ローンと一本化するため、土地探しと施工会社探しを同時におこなう必要があります。
【一本化した住宅ローンの流れ】
契約の流れ | お金の流れ |
1.気に入った土地に仮プランを入れる | 住宅ローンとつなぎ融資または分割融資のローン審査に申し込む |
2.土地の売買契約 | 住宅ローンの審査通過後 |
3.土地の引き渡し | つなぎ融資・分割融資が実行。土地の代金を支払う |
4.注文住宅の請負契約 | 手付金は自己資金で支払う |
5.注文住宅の着工 | 着工金・上棟金は融資を利用 |
6.注文住宅の引き渡し | 住宅ローンが実行。建築費の代金を支払う |
住宅ローンの一本化は、土地の引き渡しから注文住宅のプランニングまで、慌ただしくなってしまう恐れがあります。
そのため、先に施工会社を確定し、注文住宅のプランニングをじっくりおこなってから、土地購入がおすすめです。
「土地先行融資」の流れ
土地購入代金と注文住宅の建築費を別々にして、住宅ローンを組む流れをご紹介します。
【土地先行融資の住宅ローンの流れ】
契約の流れ | お金の流れ |
1.気に入った土地に仮プランを入れる | 住宅ローンと土地先行融資のローン審査に申し込む |
2.土地の売買契約 | 住宅ローンの事前審査通過後 |
3.土地の引き渡し | 土地先行融資が実行。土地の代金を支払う |
4.注文住宅の請負契約 | 手付金は自己資金で支払う。住宅ローンの本審査に申し込む |
5.注文住宅の着工 | 着工金や上棟金は融資を利用 |
6.注文住宅の引き渡し | 住宅ローンが実行。建築費の代金を支払う |
土地先行融資は、土地代金だけに限らず、注文住宅完成前に支払う着工金や上棟金でも融資を受けられるのが一般的です。
土地先行融資は、注文住宅のプランを決める前に、早めに土地を購入したい方に向いている融資方法です。
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注文住宅の住宅ローンの流れ【土地あり】
すでに相続などで土地を所有している方は、注文住宅の建築費に対して住宅ローンを組むだけなので、手続きの流れはシンプルです。
【注文住宅の建物のみの住宅ローンの流れ】
契約の流れ | お金の流れ |
1.所有している土地に仮プランを入れる | 住宅ローンの事前審査に申し込む |
2.注文住宅の請負契約 | 住宅ローンの本審査に申し込む |
5.注文住宅の着工 | 着工金や上棟金は自己資金 |
6.注文住宅の引き渡し | 住宅ローンが実行。建築費の代金を支払う |
土地あり注文住宅の住宅ローンの注意点は、着工金や上棟金は自己資金で支払う必要がある点です。
住宅ローンは、建物完成後に実行されるため、それまでにかかる費用は事前に準備しておく必要があります。
住宅ローン借入額を年収別にシミュレーション
注文住宅の住宅ローン返済が、家計を圧迫することがないように、年収別に無理のない住宅ローンの借入額を確認してみましょう。
【借入期間35年間 元利均等返済の場合】
世帯年収 | 年収倍率7倍の 借入額 | 月々の返済額 金利0.5%の場合 | 総支払額 |
500万円 | 3,500万円 | 9万円 | 3,800万円 |
600万円 | 4,200万円 | 10.9万円 | 4,600万円 |
700万円 | 4,900万円 | 12.7万円 | 5,300万円 |
800万円 | 5,600万円 | 14.5万円 | 6,100万円 |
900万円 | 6,300万円 | 16.4万円 | 6,900万円 |
住宅ローンは、金融機関によっては年収の「8倍~9倍」まで借りることが可能です。
ですが、世帯年収の6倍~7倍の住宅ローンを1つの目安として、無理ない返済計画を立てることが大切です。
まとめ
注文住宅の住宅ローンを組む方法として「つなぎ融資」「土地先行融資」「分割融資」の特徴やメリット・デメリットについてご紹介しました。
それぞれが一長一短あるため、「土地を先に購入したいのか」「注文住宅のデザインをじっくり考えたいのか」など、ご自身の優先したい条件に合わせてローンを選びましょう。
東京都で注文住宅をご検討中の方は、23区内での施工実績が豊富なクレバリーホーム東京までお気軽にご相談ください。
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