『耐火・準耐火の違い』を解説│調べ方や確認方法など疑問へも回答

耐火建築物は「倒壊・延焼を防止すること」を、準耐火建築物は「延焼を抑制すること」を目的としている点が耐火・準耐火の違いです。
耐火建築物は「倒壊と延焼を防ぐこと」を、準耐火建築物は「延焼を抑えること」を目的としている点が、耐火・準耐火の違いです。
クレバリーホーム城東店・新宿店には、防火地域や新たな防火規制区域にかかる敷地でのご相談が多く寄せられます。耐火・準耐火のどちらになるかで、外壁や窓に使える建材、そして建築コストが変わります。
この記事では、混同されやすい次の6つの用語を、実際の設計・確認申請でどう判断しているのかを踏まえて整理します。
・耐火建築物 ・準耐火建築物 ・耐火構造 ・準耐火構造 ・防火構造 ・省令準耐火構造
耐火建築物・準耐火建築物の違いとは?
はじめに、耐火建築物と準耐火建築物の違いなど、関係する言葉の意味を確認します。
耐火建築物・耐火構造:火災時に一定時間倒壊しない
耐火建築物は建築基準法では、以下の2つの要素を満たす建築物と記載されています。
- 主要構造部を耐火構造とする、または定められた技術的基準に適合すること
- 延焼のおそれのある部分(延焼ライン)に、防火戸・防火設備を設置すること
耐火構造とは、壁や床、柱やはりといった建物を支える役割や避難を助ける役割を持つ箇所を、一定時間倒壊・延焼を防ぐ性能を持つ仕様を指します。
具体的な時間は、部位と階数によって次のように決まっています。
【耐火構造に求められる時間】
| 部位 | 要求される時間 |
| 壁(耐力壁)・柱・床・はり | ・最上階から数えて2〜4階以内の階は1時間 ・5〜14階以内の階は2時間 ・15階以上の階は3時間 |
| 屋根・階段 | 30分 |
出典:建築基準法施行令 第107条 耐火性能に関する技術的基準
都内で建てられることの多い2〜4階建ての住宅であれば、壁・柱・床・はりは1時間、屋根と階段は30分です。
つまり木造4階建て(もくよん®)の場合も、主要構造部は1時間耐火構造が求められます。
隣家に火災が延焼することを防いだり、隣家から延焼を受けることを防ぐために、外壁や開口部(窓や玄関ドアなど)の建材を指定する延焼ラインについては、以下の記事をご覧ください。
準耐火建築物・準耐火構造:火災時に周囲に延焼しない
準耐火建築物は、建築基準法では、以下の2つの要素を満たす建築物と記載されています。
- 主要構造部を準耐火構造とする、または定められた技術的基準に適合すること
- 延焼のおそれのある部分(延焼ライン)に、防火戸・防火設備を設置すること
準耐火構造にも、45分間は変形・溶融・破壊などの損傷を生じないこと(非損傷性)が求められていて、その違いは目的です。
耐火構造は火災が終了した後も建物が倒れず、燃え広がらないことを求めます。
一方の準耐火構造は、一定時間、延焼を抑えることを目的としています。
つまり「倒壊しない」ではなく「一定時間もちこたえる」構造だと理解すると分かりやすいでしょう。
出典:建築基準法施行令 第107条の2 準耐火性能に関する技術的基準
耐火建築物・構造と準耐火建築物・構造の違い
ここまでの解説から、耐火建築物・耐火構造は「定められた時間の火災が終了するまで、建物の倒壊と延焼を防ぐ建物」、準耐火建築物・準耐火構造は「定められた時間の火災が終了するまで、建物の延焼を防ぐ建物」といえます。
本記事は、耐火・準耐火という言葉の違いと、ご自宅がどれに当たるかの調べ方を扱っています。
「木造で耐火建築物にするための具体的な基準や工法」を知りたい方は、次の記事をご覧ください。
関連記事:木造で耐火建築物にする基準とメリット
防火構造・省令準耐火構造との違いは?
耐火構造や準耐火構造と似た言葉に、防火構造や省令準耐火構造といった言葉があります。
このうち防火構造は、準耐火構造よりも緩やかな基準です。
建物の周囲で起きた火災が燃え移ることを防ぐための構造で、周囲で火災が発生してから30分間は建物の変形や破壊が起きないことが規定されています。
具体的には、外壁や軒裏に使用する建材に規定が定められていて、防火構造認定を受けているなど特定の建材の使用が求められます。
出典:建築基準法施行令 第108条 防火性能に関する技術的基準
省令準耐火構造は、建築基準法上の区分ではありません。
勤労者財産形成促進法施行令にもとづく省令を根拠とし、具体的な仕様は住宅金融支援機構が定めています。
特徴は次の3つです。
- 隣家などから火をもらわない(外部からの延焼防止)
- 火災が発生しても一定時間、部屋から火を出さない(各室防火)
- 万が一部屋から火が出ても、ほかの部屋への燃え広がりを遅らせる(他室への延焼遅延)
なお2024年(令和6年)10月以降に設計検査を申請する場合、壁や天井の防火被覆を貫通して設備器具を取り付けるときの措置が、検査で確認されるようになりました(基準そのものに変更はありません)。
出典:住宅金融支援機構【フラット35】 省令準耐火構造の住宅とは
省令準耐火構造は、建築基準法の準耐火構造には届かないものの、防火構造より高い防火性能をもつ位置づけです。
火災保険では、一般的な木造住宅がH構造(非耐火)に区分されるのに対し、省令準耐火構造の住宅はT構造(耐火)に区分され、火災保険料が抑えられます。
地震保険でも、省令準耐火構造の住宅は鉄骨・コンクリート造と同じ扱いになり、通常の木造より保険料が安くなります。
選択する耐火性能によって建築コストや外観デザインなどが変わります。また、建築予定地の地域指定によっては、住宅に一定の耐火性能が義務づけられる場合もあります。
省令準耐火構造の費用や、証明書の取り方まで詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
関連記事:省令準耐火構造のメリットは?費用・証明・確認方法も紹介
耐火構造にした場合、費用がどれくらい変わるのかを知りたい方はこちらをご覧ください。
関連記事:木造を耐火構造にするコストは?費用相場や坪単価を解説
耐火・準耐火・防火・省令準耐火の違い(早見表)
ここまでご紹介した4つの区分について、特徴を比較するために早見表を作成しました。
| 区分 | 根拠 | 目的 | 要求される時間の目安 |
| 耐火構造 | 建築基準法施行令第107条 | 火災終了後も倒壊せず、燃え広がらない | 壁・柱・床・はり 1〜3時間、屋根・階段 30分 |
| 準耐火構造 | 建築基準法施行令第107条の2 | 一定時間、延焼を抑制する | 壁・柱・床・はり 45分、屋根・階段 30分 |
| 防火構造 | 建築基準法施行令第108条 | 周囲の火災が燃え移るのを防ぐ | 外壁・軒裏 30分 |
| 省令準耐火構造 | 住宅金融支援機構が定める基準 | 外部からの延焼防止・各室防火・他室への延焼遅延 | 室内に面する天井・壁 15分以上 |
※耐火構造・準耐火構造・防火構造は建物の部位に対する基準です。これらを満たしたうえで、延焼のおそれのある部分に防火設備を設けた建物が、耐火建築物・準耐火建築物と呼ばれます。
2019年の法改正で加わった「延焼防止建築物」とは?
2019年(令和元年)6月25日に施行された建築基準法の改正で、防火地域・準防火地域のルールが変わりました。
それまで防火地域は第61条、準防火地域は第62条、外壁の開口部は第64条と分かれていた条文が、すべて第61条に統合されています。
このとき新しく加わったのが、延焼防止建築物と準延焼防止建築物です。
耐火建築物・準耐火建築物と同じだけの延焼防止性能があると認められれば、建物の内部まで一律に耐火構造にしなくてもよくなりました。
外壁や窓の防火性能を高めることで、内部の柱や梁に木材を使える設計の幅が広がっています。
さらに、延焼防止性能の高い建築物は、防火地域だけでなく準防火地域でも建蔽率が10%緩和されます。
狭小地では、この10%が居住面積に直結します。
出典:国土交通省 建築基準法の一部を改正する法律(平成30年法律第67号)」の概要
※延焼防止建築物:耐火建築物と同等以上の延焼防止性能をもつ建築物として、建築基準法施行令第136条の2に定められた基準に適合する建物
どの耐火性能の家を建てるべきなのか悩む場合は、耐火建築物の設計・施工実績が豊富な弊社クレバリーホーム城東店・新宿店まで、お気軽にご相談ください。
▶都内トップクラスの施工実績|クレバリーホーム城東店・新宿店の「木造耐火住宅」
耐火・準耐火についての疑問点
耐火・準耐火の違いについては、基準が複雑であることから多くの疑問が寄せられます。
よくある質問についてまとめましたので、参考にしてください。
耐火・準耐火建築物の調べ方・確認方法を教えて?
A.建築確認申請書の第四面に記載されています。
こちらはすでに家を建てた人から聞かれる疑問です。
火災保険の更新時など、お住まいの住宅がここまで紹介した耐火性能のいずれに該当するのかを知りたい場合に聞かれます。
家を建てた後は様々な書類をハウスメーカーから受け取りますが、必ず受け取るもののひとつに建築確認申請書があります。
家を建てる際は、自治体または指定確認検査機関に建築確認を申請し、確認済証の交付を受ける必要があります。
このとき提出し、手元に返ってくる書類が建築確認申請書です。

出典:東京都都市整備局 「建築基準法施行規則様式」を弊社で加工して作成
第四面を見てください。ただし、建てた時期によって欄の名前が変わります。
- 第四面の5番が「耐火建築物等」の場合:耐火建築物/準耐火建築物/延焼防止建築物/準延焼防止建築物/その他 のいずれかにチェックが入っています
- 第四面の5番が「主要構造部」の場合:あわせて7番「建築基準法第61条の規定の適用」の欄も確認してください
2019年6月の法改正、および2024年4月の法改正にともなって様式が改訂されているため、古い書類ほど欄の位置が異なります。
判別がつかない場合は、建てたハウスメーカーに問い合わせるのが確実です。
耐火・準耐火建築物に指定される地域とは?
A.一定の地域で家を建てる場合に住宅は耐火性能を求められます。具体的には、以下の4つの地域が対象となります。
- 防火地域
- 準防火地域
- 法22条区域(屋根不燃区域とも呼ばれます)
- 新たな防火規制区域(東京都建築安全条例にもとづき、東京都が独自に指定する区域)
以下の防火地域に関する図のように、防火地域の中でも建物の階数や床面積によって建物に求められる耐火性能は異なります。

検討している土地がどの地域に該当するかは、各自治体が公開している「都市計画図(Web上のハザードマップやマップシステム)」で調べられます。
「防火地域」「準防火地域」などの色分けを確認したうえで、希望する階数や延べ面積をハウスメーカーへ伝えると、必要な耐火性能の設計をスムーズに判断してもらえます。
土地探しの段階で、事前に防火地域・準防火地域の調べ方や見方を知っておきたい方は、こちらの解説コラムもあわせて参考にしてください。
関連記事:「防火地域・準防火地域の調べ方」
※法22条区域:都市計画区域内で、防火地域・準防火地域以外に特定行政庁が指定する区域。屋根や外壁に一定の防火性能が求められます
耐火・準耐火建築物を建てるハウスメーカーの探し方は?
A.対象エリアで耐火・準耐火建築物の実績が豊富なハウスメーカーを探しましょう。
複雑な制限が絡む耐火・準耐火構造の設計は、該当エリアでの確かな実績を持つハウスメーカーをパートナーに選ぶことが成功への近道です。
依頼先を見極める際は、各社のホームページにある「施工事例」を確認してください。
単に「おしゃれな事例」を見るだけでなく、「木造耐火」「防火地域」といったキーワードで絞り込みができるか、また事例の中に「敷地面積」「延床面積」が併記されているかをチェックします。
都心の狭小地で実際に建てられた耐火住宅の実例が何棟も掲載されているメーカーであれば、技術力やノウハウ、行政との確認申請のやり取りにも慣れていると判断できます。
▶都内の防火・準防火地域の「火災に強い家づくり」がわかるクレバリーホームのカタログはこちら
まとめ│耐火・準耐火建築なら都内トップクラスの施工実績のクレバリーホーム城東店・新宿店へ

【敷地12.16坪】狭小敷地に建てた木造耐火建築の事例>>>
耐火か準耐火かは、敷地の地域指定と、建てたい階数・延べ面積が決まればおのずと定まります。
問題はその先です。防火地域で耐火建築物が求められるとき、鉄骨造やRC造しか選べないと考えて、コストや設計の自由度をあきらめてしまう方が少なくありません。
木造でも、1時間耐火構造の仕様なら4階建てまで建てられます。
もくよん®(木造耐火4階建て)は、鉄骨造より抑えたコストで4階建てや賃貸併用を実現する工法です。
重機やクレーンが入らない狭い道路でも、木造なら大工の手作業による手上棟で施工できます。
鉄骨造・RC造では建てられない狭小地こそ、木造耐火が必須となります。
▶「木造4階建て」で『耐震等級3』も可能 クレバリーホームの木造4階建て(もくよん®)
ou2(オーツー)が運営するクレバリーホーム城東店・新宿店は、都内の狭小地における『木造耐火3階建て・4階建て』の施工実績が豊富です。
価格高騰が続く中でも、省エネ性能を備え、敷地を最大限に活かす多層階住宅など、都市ならではのコストを抑えた家づくりはお任せください。
資金計画から土地探し、間取りのご提案まで、トータルでサポートいたします。










