「ZEHで床暖房は不利」は本当?補助金や使い勝手、メリット・デメリットなどを解説
「ZEH住宅で床暖房は不利」という意見を見かけることがありますが、これは本当でしょうか。
本記事では、ZEHの補助金を申請する際に暖房の方法として床暖房を選んだ場合、ZEHの審査・計算時に不利になるのか解説します。
床暖房は寒さを感じやすい、足元から室内を温めてくれる快適な住環境を作るために有効なツールです。
ZEHの認定を受けるために床暖房を諦めなくても済むように、ZEHと床暖房の関係を確かめましょう。
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ZEHの補助金申請で床暖房は不利なのか?
結論からいうと、設計・設備の条件によって変動するため、一概に不利になるわけではありません。
居室の床面積や設備の性能によって有利にも不利にもなるため、詳細はハウスメーカーに相談することをおすすめします。
具体的に、不利になるケースについて詳しく解説します。
ZEHは「家庭内のエネルギー収支がゼロになる」住まい
ZEHとは、住まいの断熱性を高めて冷暖房機器の使用頻度を抑えたり高いエネルギー効率の機器を導入して消費エネルギー量を削減。太陽光発電など再生可能エネルギーを利用して、住まいのエネルギー収支ゼロを目指す取り組みです。
ZEHの認定で補助金の給付を受けられる
ZEHに認定されることで、国や自治体から補助金が交付される制度があります。
例えば、国土交通省では、「ZEH化等支援事業」が令和6年度も行われる予定で、家の性能や設備によって以下の金額の補助金を受けられます。
- ZEHの交付要件の家を新築:55万円/戸
- ZEHを上回る性能の家を新築:100万円/戸
- 断熱等性能等級6以上の外皮強化:25万円/戸の追加補助
- 蓄電池の導入:2万円/kWh など
ZEHの認定を受けるにはエネルギー消費の計算が必要
補助金の交付を受けるためには、ZEHの申請を行い第三者機関からの認定を受ける必要があります。
ZEHの認定を受けるには、下図のように断熱性能を高めるとともに、各種高効率な設備を利用することで宅内でのエネルギー消費を減らすことが求められます。
エネルギー消費の削減は、省エネサポートセンターが提供する「住宅に関する省エネルギー基準に準拠したプログラム」を利用して算定できます。
計算をする際に様々な条件設定をしますが、その中に主に使用する暖房設備機器を設定する箇所があります。
引用:省エネサポートセンター「エネルギー消費性能計算プログラム」
暖房機器によって省エネルギー性能が変わりますので、使用する暖房機器の選択によってはZEHの基準に満たない可能性があるのです。
床暖房の加温方法によっては不利になる場合も
ここで選択できる暖房機器は、以下の表の8つです。
引用:国立研究開発法人建築研究所「エネルギー消費性能の評価に関する技術情報」
表の下になるほど暖房機器の省エネ性能は高くなります。
この中で床暖房が該当するのは、優先順位2の「電気ヒーター床暖房」、優先順位4の「ルームエアコンディショナー付温水床暖房」、優先順位5の「温水床暖房」です。
主に使用する暖房機器に床暖房を選択する場合、エアコンを選択する場合と比べてZEHの計算上は評価が低くなります。
また、床暖房の中でも、電気ヒーター式・エアコン付温水床暖房・温水床暖房と省エネ性能の評価が異なりますので、ZEHの認定を受けるには、お住まいの地域や家の断熱性能、他の設備機器と合わせて暖房機器を検討する必要があります。
「都内で家を建てる予定。床暖房を使用しつつZEHの補助金を使いたい」と思う方は、ハウスメーカーの担当者に相談しましょう。
細かな条件設定をしなければ、ZEH基準を満たしながら床暖房を利用できるか分からないからです。
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ZEHで床暖房を利用する5つのメリット
ZEH基準の計算上、不利になるケースもある床暖房。ZEH基準の家で利用するメリットは以下の5つです。
温かい空気が足元から伝わり暖かい
床暖房は足元からじんわりと体を温めます。
冬場に冷えがちな足先から温かくなる点は大きなメリットです。
断熱性能の高いZEH基準の家では床暖房の設置範囲にもよりますが、床暖房だけでも家全体を温めることも可能です。
特に都市部で3階建て・4階建ての家を選んだり、吹き抜けのある間取りにする場合は、下の方から温める床暖房の温かみを感じられるでしょう。
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温度ムラが少なく快適な空間になる
居室全体に床暖房を設置した場合、温度ムラが少なくなり快適な空間になる点もメリットです。
エアコンで部屋を温める場合、暖房し始めた当初はエアコンの周辺から温まることになります。
床暖房であれば、設置している範囲全体が一度に暖かくなり、部屋全体の温度ムラをなくして快適な住環境を実現できます。
日々の掃除が不要でお手入れが楽
床暖房は、掃除など日々のメンテナンスが不要である点もメリットです。
電気ヒーター式でも温水式でも、床の下に設置することから空気と触れる機会がありませんので、エアコンなどの空調機器と異なりフィルターの掃除などは不要です。
乾燥した風を肌やのどに受けずに済む
エアコンを利用する場合、温度ムラをなくすために強い風を送る必要があります。
温まり乾燥した空気を受けることで、肌やのどの乾燥に悩まされることも。
床暖房であれば強い風を起こす必要もありませんので、肌やのどの乾燥を防げます。
アレルギー性鼻炎持ちの方に優しい
肌・のどに加えて、床暖房はアレルギー性鼻炎に悩む方にメリットがあります。
花粉症以外にも、アレルギー性鼻炎にはダニやカビなどを原因とするものがあり、エアコンの手入れができていない場合には、エアコンからの風によりアレルギー症状が出ることも。
床暖房であれば風が起きないことから、アレルギー性鼻炎を軽減できます。
ZEHで床暖房を利用する2つのデメリット
床暖房を選択する場合、メリットだけでなくデメリットもあります。
床暖房を設置する費用が気になる
床暖房は、床下に電気ヒーターや温水パイプを這わせることで床を温めます。
設置する範囲にもよりますが、50万円から100万円を超える費用が必要になる場合もあります。
エアコンは大型のものでも20万円前後で設置可能で、初期費用についてはエアコンの方が安く済みます。
床暖房を選択する場合は予算管理に気をつけることをおすすめします。
床暖房が故障した場合の修理費用が高い
初期費用に加えて、床暖房は故障した場合や交換の費用が高いこともデメリットに挙げられます。
一度床板を全て剥がしてから修理する必要がありますので、施工費用は高くなりがちです。
なお、床暖房の機種によって、初期費用も修理・交換の費用も大きく変わりますので、具体的な金額はハウスメーカーの担当者に聞くことをおすすめします。
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まとめ│ZEH住宅+床暖房で暖かな住まいに
【敷地20.09坪】2階の床暖房で3階まで温まる住まいの事例>>>
「ZEHを目指す場合に床暖房は不利」といわれる理由や、ZEHで床暖房を利用するメリット・デメリットを解説しました。
床暖房は足元からじんわりと体中が温まる優れた暖房器具ですが、ZEHの計算をする際にはエアコンなどの暖房器具より熱効率が下回るのか、基準値との比較で評価する点に注意する必要があります。
床暖房は下から上に熱が移動することから、3階建て・4階建てや吹き抜けのある家など、縦方向に大きな家の暖房器具として効果的です。
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