3階建て住宅の価格相場は?費用面のメリット・デメリット、安くするアイデアも紹介

3階建て住宅の価格相場はいくら?費用面のメリット・デメリット、割高になる理由や安くするアイデアも紹介

都市部で家を建てる場合、土地がコンパクトになる場合もあり、床面積を確保するために3階建て住宅を選択するケースが多くなります。

3階建ての住まいで気になるのは、住宅の価格です。

建築事例の多い2階建て住宅は価格の相場をつかみやすいのですが、3階建て住宅の価格は予想がつきづらいのではないでしょうか。

 

そこで本記事では、3階建ての住宅を建てる場合の価格の相場を紹介します。

注文住宅に3階建てを選択する際の費用面でのメリット・デメリットや、建築費用を抑えるためのアイデアも紹介しますので、これから都市部で家の購入・建築を計画している方は、ぜひ参考にしてください。

 

 

 

3階建ての建築価格 相場はいくら?

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はじめに、3階建ての住宅を建てる場合、どのくらいの費用を要するのか確認しましょう。

東京の注文住宅の平均坪単価は96.6万円

住宅金融支援機構が住宅ローンのフラット35を利用した人を対象にした調査によると、東京都における注文住宅の建築費用の平均額は2,960万円、延べ床面積の平均値は101.3m2(30.65坪)です。

建築費用を延べ床面積(坪数)で割ると、求められる坪単価は96.6万円になります。

坪単価に単純に坪数を掛けると、以下の金額が算出されます。

  • 20坪の場合:1,932万円
  • 30坪の場合:2,898万円
  • 40坪の場合:3,864万円

こちらの金額には2階建ての家も3階建ての家も含まれますが、都内で家を建てる際の建築費用のひとつの目安になりそうです。

参考:住宅金融支援機構「フラット35利用者調査」

3階建ては38坪で3,600万円が相場の目安

弊社の事例として紹介している東京23区内に建てた3階建て住宅の平均床面積は37.9坪(20.8坪~63.4坪です。

参考までにフラット35を利用した世帯の平均坪単価96.6万円を掛けると、約3,611万円(約2,000万円~6,000万円)といった金額になります。

あくまでもフラット35の調査結果をもとに算出した相場ですので、立地条件や構造・内装等の仕様、一世帯か二世帯かといった間取りなどの諸条件により実際の費用は大きく異なりますが、ひとつの目安として参考にしてください。

国土交通省が公表している住生活基本計画の中では、家族のいる世帯では20坪以上の床面積で予算を考える必要があります。

参考:国土交通省「誘導居住面積水準」

求めるべき床面積の広さは、家族の人数やライフスタイルによって大きく変わります。

3階建ての家づくりには、都市型注文住宅のクレバリーホーム東京まで、お気軽にご相談ください。

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3階建ての建築価格わかりにくい理由は?

3階建ての家でも、建築に必要な工程は大きくは変わりませんので、おおむね平均的な一戸建ての坪単価を目安に考えられます。

一方で建築費用が割高になる要素もあり、2階建ての住まいと比べて一定度の増額は避けられません。

3階建ての家の価格のわかりにくさは、どのように計算されるからなのでしょうか。

詳細な構造計算が必要になる

3階建ての家は詳細な構造計算が必要になるため建築価格が高くなる

1つ目の理由は、詳細な構造計算が必要になることです。

建築基準法では、基本的には全ての建物で構造計算を行う必要があると記載されていますが、実は一定の規模までの平屋や2階建ての家は、「4号建物」と呼ばれ、構造計算書の添付を求められません。

 

一方で、3階建ての家は構造計算書を添付する必要があります。

構造計算書を作成し基準に適合することを確認する一式の作業、および確認機関での審査には20万円前後の費用を要するため、2階建ての家と比べると、構造計算書作成の分だけ設計に必要な費用が高くなります。

(※2025年4月からは2階建ての家でも構造計算書が求められます。)

国土交通省:構造計算書の添付省略に関して

参考:国土交通省「4号特例の変更について」

建物が重いため地盤改良が必要になることがある

2つ目の理由は、2階建てと比べて3階建ては土地に対する荷重が重くなるため、地盤改良が求められる場合があることです。

建物は重量が重くなるほどに安定した地盤が必要になります。

地盤調査の結果、建物の支える力が不足していることが判明すると、地盤が耐えられるように、地盤を改良したり強固な層まで杭を伸ばす工事が追加で必要になります。

 

通常地盤で表層部のみの改良であれば50万円ほどで済みますが、軟弱地盤などで柱状改良や鋼管杭で深い層まで到達する改良を行う場合は200~300万円を要するケースもあります。

外壁施工用の足場の面積が大きくなる

3階建ての家は外壁施工用の足場の面積が大きくなる

3つ目の理由は、外壁を施工するために高い足場が必要になることです。

外壁を施工するためには、外壁の施工業者が作業するための足場が必要です。

2階建てであれば、2階から屋上に達するまでの高さの足場があればよいですが、3階建ての場合はより高い位置まで足場を立てる必要があります。

足場の面積や施工単価が上がるため、足場工事の総額が増えることになります。

重量を支えるため基礎・構造材が高くなる

4つ目の理由は、3階建ての建物を支えるために、太い基礎や構造材が必要になる可能性があることです。

2階建ての家と3階建ての家とでは、ワンフロアだけ柱や壁の量が多くなるため、建物は単純に1.5倍の重量になります。

重くなった分の荷重を支えるための基礎や構造材が必要になるので、材料費が増加することがあります。

1階を駐車場・ガレージにする場合もある

2台分のおしゃれなガレージのある家

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都市部では駐車場を確保するために、1階部分をビルトインガレージにするケースもあるでしょう。

車が出入りする方向に大きな開口を設けるために、他の箇所の部材を大きくすることが求められるなど、費用が増加する要因になります。

シャッターの有無など仕様によって費用は異なりますが、1台あたり200万円~の費用をみておくとよいでしょう。

関連記事:ビルトインガレージのある3階建て住宅

 

こうした理由で、2階建ての家よりも3階建ての家の方が、一般的には建築価格は高額になりがちです。

ただし、工夫次第で建築価格は抑えられますので、続いて紹介する3階建ての費用を抑えるアイデアをご覧ください。

3階建ての費用を抑える10のアイデア

シックな内装がおしゃれな3階建て

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3階建ての注文住宅を建てる場合に、建築費用を抑えるコツとして、次の10のアイデアを参考にしてください。

  • 購入する土地の面積をコンパクトにする
  • 建物の床面積をコンパクトにする
  • 軟弱地盤を避けて土地を購入する
  • RC・鉄骨を使わず、構造は木造で
  • 外観は凹凸のないシンプルな形に
  • 間取りもワンフロアでシンプルに
  • 水回りは1箇所にまとめる
  • リーズナブルな仕上材を利用する
  • 資材を搬入しやすい土地を購入する
  • 床下や小屋裏も有効に活用する

都内で家を建てる場合に、総額を減らすために最も効果が高い対策はコンパクトな土地を選択することです。

東京23区内で土地を取得する場合、比較的安価なエリアでも坪単価は200万円を超えます。

土地をコンパクトにして建物を上に伸ばす方が、坪単価が抑えられますので価格面でのメリットは大きいと言えるでしょう。

 

たとえば、土地をコンパクトにして3階建て、4階建てや地下、屋上を利用することで、より空間を有効活用することができます。

都内で家を建てる場合は、空間の可能性を最大限に活用するアイディアが鍵となります。

空間を有効に活用できる木造4階建ての家についてはこちらから

費用面から見た3階建てのメリット

2階リビングに光が差し込む明るい3階建て

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「建築費用が割高になる」と言われる3階建ての家ですが、実は建ててみると想定していた予算よりも安価に済む場合もあります。

どうして安く済むのか、費用面から3階建ての家のメリットを確認しましょう。

土地+建物 総額では割安になる場合も

3階建ての家は、コンパクトな土地を選択した場合でも十分な床面積を確保できる点が魅力のひとつです。

土地の単価が高めな都市部では、必要な床面積を確保するために横方向に建物を広げるよりも、縦方向に建物を広げて、その分コンパクトな土地を購入する方が、土地と建物の費用を合算した金額が安価になるケースもあります。

利便性の高いエリアに家を建てられる

利便性の高いエリアに住むことができる点もメリットに挙げられます。

都市部に住む目的のひとつは、通勤通学や買い物など、日々の生活の利便性を高めることにあります。

しかし予算が限られている場合、希望する土地の広さが広いと郊外のエリアを選択せざるを得ません。

3階建て・4階建て+コンパクトな土地であれば、限られた予算でも利便性の高いエリアで土地を購入しやすくなるメリットがあります。

水害リスクのある土地も選択肢に入れられる

ハザードマップ等で水害のリスクが想定されるエリアは、比較的土地の値段が抑えられる傾向にあります。

居住空間への浸水リスクを避けるには、3階建てで1階部分を駐車場にしたり、多層階や屋上を有効活用することで、万が一被災した場合でも、被害を最小限に抑えられます。

あらかじめ想定されるリスクを踏まえた設計・施工の工夫を加えることで、より家を建てられる対象エリアが広がり、比較的リーズナブルな土地を手に入れることも可能になります。

関連記事:水害に強い家実現する6つの方法

土地の固定資産税が安くなる

コンパクトな土地を取得することで、土地の固定資産税が安くなる点もメリットに挙げられます。

縦方向に建物が伸びる分、建物にかかる固定資産税額は高くなりますが、それ以上に土地の固定資産税が安くなるケースもあり、長期的に支払う税金を安くできる点は魅力的です。

 

費用面での様々なメリットがある3階建ての家。
採光・通風への配慮など、建てる上で気をつけておきたい点もあります。

3階建ての家づくりは、都内でトップクラスの実績があるクレバリーホーム東京に、お気軽にご相談ください。

自宅で家づくりの相談ができるクレバリーホーム東京のオンライン相談はこちらから

費用面から見た3階建てのデメリット

費用面から見た3階建てのデメリット

一方で、3階建ての家を選択した場合には、費用面でのデメリットも存在します。

家を建てる前にデメリットを把握して、対策を講じることで後悔を避けましょう。

建築費が高額になりやすい

記事の前半でも説明したように、3階建ての家は一般的には建築費用が高くなります。

構造材が多くなること、構造計算が必要になったり地盤改良が必要になる可能性があったり、建築価格が高くなる要素を正しく認識して見積もることが大切です。

ただし、コンパクトな土地を選択することで、土地と建物、総額で比較するとリーズナブルになる可能性もあります。

維持費が高額になりやすい

外壁や窓に汚れが目立ち始めたときの清掃や、雨漏りを防止するための再塗装など、一戸建ての維持には費用がかかります。

2階建てと比べると、3階建てのメンテナンスには高さのある足場などの費用がかかります。このように3階建ては、メンテナンスにかかる費用が高くなる可能性があります。

 

できるだけ費用が抑えられるように、陶器瓦やタイル外壁など、メンテナンスに必要な間隔を長く取れる素材を選択するなど、メンテナンス費用を削減できる工夫を行うことが維持費の削減に効果的です。

長持ちする家に利用されるタイル外壁。メンテナンスの費用削減にも効果的

関連記事:三大メンテナンスでお金がかからない住宅の特徴

家具家電の搬入が割高になる可能性も

3階建てで階段部分の寸法をコンパクトに抑えている場合は、家具・家電の搬入ができずにクレーンを利用して割高な費用がかかることもあります。

特に、2階にリビングやキッチンを設けた間取りでは、ソファや冷蔵庫といった、パーツを分割できない家具・家電の搬入に工夫が必要になるケースがあります。
設計の段階で、家具・家電の搬入経路を確認しておきましょう。

まとめ|3階建ての価格は38坪で3,600万円が相場

タイル外壁に高級感を感じる3階建て

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注文住宅で3階建てを選択する場合に気になる価格について、2階建てより坪当たり単価や割高になる場合がある理由を解説しました。

同じ床面積で2階建ての家を建てる場合と、3階建ての家を建てる場合を比較すると、構造計算の有無などの理由で3階建てのほうが建築費用が高くなる場合があります。

一方で、3階建てのほうが、コンパクトな土地でも十分な床面積を確保できることから、土地と建物の総額で比較すると3階建ての家のほうががリーズナブルになるケースもあります。

 

実際には、現場の条件や建物の仕様、土地の広さや坪単価など、諸条件によって総額は変わります。

具体的にどの程度の予算を想定しておくべきかシミュレーションしたい方は、東京23区内で3階建て・4階建ての建築実績が豊富なクレバリーホーム東京まで、お気軽にご相談ください。

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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