【2023年】木造3階建て共同住宅「木三共」メリットや注意点、建築基準法改正による規制緩和について

【2023年】木造3階建て共同住宅「木三共」メリットや注意点、建築基準法改正による規制緩和について

木造3階建て共同住宅(賃貸住宅)は、建築基準法改正により、建築コストを抑えた「準耐火構造」でも建築が可能になりました。

本記事では、木造3階建て共同住宅を準耐火構造にする条件木造を選ぶメリット・デメリットなどをご紹介します。

 

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木造3階建て共同住宅「木三共」ってどんな住宅?

木造3階建て共同住宅(賃貸住宅)のことを「木三共」と呼びます。

基本的に3階建て共同住宅は、「耐火建築物」にする必要があります。

しかし、建築基準法改正により条件を満たすことで、「準耐火建築物」の木造3階建て共同住宅の建築が可能になりました。

耐火建築物と比べて、建築費用を安く抑えることが可能です。

木三共を準耐火にするための条件を確認してみましょう。

準耐火「木三共」の条件

木造3階建て共同住宅を準耐火建築物にする条件は、下記の通りです。

  • 防火地域以外の区域
  • 1時間準耐火構造にする
  • 防火設備を設置する
  • 避難に有効なバルコニーの設置
  • 敷地内通路を設ける(幅3mの通路)

防火地域以外の区域

防火地域とは、おもにターミナル駅周辺の住宅密集地などのエリアが指定されます。

準耐火にするためには、防火地域以外を選択する必要があります。

ただし、防火地域内でも耐火構造にすることで建築は可能です。

関連記事:【新築住宅】木造4階建て・3階建て・2階建て|木造は何階まで建てられる?

1時間準耐火構造にする

1時間の準耐火構造とは、火災時に避難する時間の確保や延焼を防ぐために、準耐火性能のある被覆を柱や壁などの主要構造部にほどこした建物です。

準耐火構造の耐火時間は45分が基本ですが、共同住宅など特殊建築物は、1時間の耐火性能が求められます。

防火設備を設置する

建築予定地が準防火地域内であれば、3階の各居室の外壁開口部に、遮炎性のある防火設備を設ける必要があります。

避難に有効なバルコニーの設置

火災時に、バルコニーと部屋の出入口から避難できることで、2方向の避難経路を確保し、入居者の安全性を高めます。

ただし、2019年の建築基準法改正により、下記を満たすことで設置が必須ではなくなります。

 

【バルコニーの緩和条件】

  • 各住戸から地上に通ずる廊下、階段が直接外気に開放されていること
  • 各住戸の廊下、階段に面する窓・扉が防火設備であること

敷地内通路を設ける(幅3mの通路)

道に接する部分を除いて、建物の周囲に幅3mの通路を確保する必要があります。

隣地から3m離して建築することで、建物の面積が狭くなり、部屋数が減少する可能性があります。

ですが、建築基準法改正により「幅3mの通路」の規制緩和が適用できるようになりました。

 

【幅3m通路の緩和条件】

  • 各住戸に避難に有効なバルコニーを設けていること
  • 各住戸から地上に通ずる廊下や階段、その他通路が直接外気に開放されていること
  • 各住戸の通路に面する開口部に防火設備を設けていること
  • 上下階の開口部との間に遮炎性能のある庇などが設けていること

 

上記すべてを満たすことで、幅3mの避難通路が緩和されます。

幅3mの避難通路の緩和を求める場合「避難に有効なバルコニー」を設置する必要があることに注意が必要です。

 

 

【2023年】木造3階建ての建築基準法改正

木造

木造3階建てに関する建築基準法は、時代に合わせて部分的に改正されています。

令和4年には「中規模建築物の木造化を促進する防火規定の合理化」が施行されたことにより、従来と比べて木造での建築がしやすくなりました。

 

【建築基準法 改正前】

  • 1000㎡ごとに防火壁を設置
  • 部分的な木造化は、建物全体の規定に適用される
  • 大規模建築物の主要構造部は耐火構造とする

 

【建築基準法 改正後】

  • ほかと防火壁で区画された1000㎡越えの耐火・準耐火構造部分には、防火壁の設置が必要ではない
  • 高層部と低層部を防火規定上の別棟として扱うことで、低層部の木造化を容易におこなえる
  • 木造の大規模建築物でも、防火上・避難上支障がない範囲内で木造化が可能

参照サイト:国土交通省 住宅:部分的な木造化を促進する防火規定の合理化

関連記事:なぜ木造耐火構造が今、おすすめなのか|東京の防火地域での建ぺい率緩和とは
関連記事:【木造3階建てアパートを建てる】建築費やメリット・デメリット、押さえておきたい注意点

 

木造4階建て共同住宅で収益UP

木造3階建て共同住宅ではなく、木造4階建て共同住宅という選択肢があります。

4階建て以上になると、鉄筋コンクリート造をイメージされる方が多いですが、木造3階建て・4階建て以上の豊富な実績のある施工会社であれば、木造での賃貸住宅を建てることができます。

3階建てより部屋数を増やすことができ、より収益性を高めることが可能になります。

木造3階建てでは容積率の上限まで満たさない場合には、木造4階建てを検討してみてはいかがでしょうか?

詳しくは、こちらのコラムや「もくよん賃貸住宅」のページをご参照ください。

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木造3階建て共同住宅のメリット

木造3階建て共同住宅のメリットを順番にご紹介します。

 

  • 建築コストや地盤改良費を抑えられる
  • 建築費用の早期回収が期待できる
  • 変形地や狭小地でも施工しやすい
  • エレベーターが必須ではない
  • 1年の減価償却費が大きいため、節税効果が高い

建築コストや地盤改良費を抑えられる

木造は鉄骨造や鉄筋コンクリート造と比べて、材料費など建築コストを安く抑えることが可能です。

また、3階建ての場合、建物を安定させるために地盤改良をおこなうケースが多くなりますが、木造は建物重量が軽いため、地盤への負担を軽減できます。

同じ大きさの共同住宅でも木造を選択することで、地盤改良費を大幅に抑えることが可能です。

初期費用をなるべく安く抑えて賃貸経営をスタートさせたい方に、木造3階建ての共同住宅は向いています。

建築費用の早期回収が期待できる

損益分岐点

木造3階建て共同住宅は、建築費用を安く抑えつつ、部屋数を増やして高い収益性を見込めます。

初期費用の早期回収が期待できるため、支出と収益がプラスマイナス0になる損益分岐点をクリアしやすくなります。

家賃収入が下がっても、売却することで売却益を得ることが可能です。

変形地や狭小地でも施工しやすい

変形地や狭小地でも施工しやすいクレバリーホーム東京の賃貸住宅

東京都などの都市部では、正方形の土地だけではなく、狭小地や変形地を利用した賃貸経営も数多くあります。

細かな加工が難しい鉄筋コンクリート造と比べて、木造は土地に合わせた柔軟な施工が可能です。

一般的に正方形の土地と比べて、変形地の価格は安いため、土地購入費用を抑えつつ、土地の有効活用ができます。

エレベーターが必須ではない

3階建てであれば、必ずしもエレベーターは必要ではありません。

エレベーターを設けないことで、設備費用や定期的なメンテナンス費用を削減できます。

また、エレベーターに必要な面積を居室スペースにできるため、部屋を広くすることが可能です。

1年の減価償却費が大きいため、節税効果が高い

木造は、鉄骨造や鉄筋コンクリート造と比べて、法定耐用年数が「22年」と短いため、毎年減価償却できる金額が多くなります。

【法定耐用年数】

木造22年
鉄骨造(厚さ3~4mm以下)27年
鉄筋コンクリート造47年

参照サイト:国税庁 法定耐用年数

1年間に経費として計上できる金額が増えるため、 高い節税効果が期待できます。

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木造3階建て共同住宅のデメリット

木造3階建て共同住宅のデメリットをご紹介します。

  • 対応できる施工会社が限られる
  • 部屋数が少なくなる可能性がある

対応できる施工会社が限られる

木造3階建て共同住宅は、高度な技術力が必要になるため、対応できる施工会社は限られます。

施工会社によっては、木造ではなく鉄筋コンクリート造を強く提案されてしまう可能性があります。

そのため、木造・鉄骨造・混構造など、土地や間取りに合わせて柔軟な施工ができる会社を選ぶことが重要です。

予算や部屋数などの希望に合わせたプランの提案が期待できます。

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部屋数が少なくなる可能性がある

木造3階建て共同住宅では、建物の周囲に幅3m以上の通路を確保する必要があります。

規制緩和を適用せずに、3m以上の通路を確保した場合、建築できる面積が少なくなります。

建ぺい率と容積率を最大限に活用できなくなり、部屋数が少なくなってしまうケースがあります。

こちらの記事は、2023年10月に作成した記事です。

まとめ

木造3階建て共同住宅は、準耐火建築物にすることで、建築コストを抑えることが可能です。

建築費用と家賃収入のバランスが悪い場合には、耐火建築物の木造4階建てにして部屋数を増やすことも検討できます。

都内で土地を有効活用するには、立地に応じた最適な収益物件の事業計画や工法・構造を選べる施工会社がおすすめです。

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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