【木造5階建てを東京に建てる】価格やメリット・デメリット、多層階住宅や賃貸アパート事例
木造5階建て・4階建ては、土地を有効活用できるため、東京などの都心部でニーズが高まっています。
そこで本記事では、木造5階建ての価格の目安や鉄骨造や鉄筋コンクリート造との違い、メリット・デメリットなどについて解説します。
記事のおわりに、多層階住宅や賃貸アパートの事例をご紹介しますので、5階建ての家を建てる際の参考にしてくださいね。
木造5階建てとは
5階建ての建築物の構造は、一般的に「鉄骨造(S造)」や「鉄筋コンクリート造(RC造)」で建てられます。
木造5階建てなどの中規模木造建築物は、建築基準法上の「耐火性能」や「耐震性能」を満たすために、高い技術力と割高な建築費用が必要になるため、敬遠されてきました。
しかし、令和元年6月の建築基準法の改正によって、木造5階建てや木造4階建てを施工しやすくなりました。
どのような改正がされたのか、確認してみましょう。
木造の建築基準法の改正
引用リンク:国土交通省 建築基準法改正による木造建築物
建築基準法の改正により、「中大規模建築物の木造化を促進する防火規定の合理化」がおこなわれました。
大きく変更した部分は下記になります。
【改正前】
- すべての壁や柱などは耐火構造
【改正後】
- 通常より厚い木材を使用+消火措置によって、耐火構造以外を可能
- 高さ16m超え、又は4階建て以上の木造建築物は、木材をそのまま見せる「あらわし」が可能
建物全体の性能を総合的に評価する改正によって、木造5階建て・4階建てを実現しやすくなりました。
施工できる会社は少ないですが、木造を選択肢の1つに入れることで、価格や住宅性能など、より自身の条件にあった5階建てを建築できます。
木造5階建ての価格
木造5階建ての価格は、いくらになるのでしょうか?
鉄骨造や鉄筋コンクリート造と建築費用を比較してみましょう。
【東京都の構造別、工事費用】
構造 | ㎡ | 坪 |
木造 | 177,000円 | 約58万 |
鉄骨造(S造) | 321,000円 | 約106万 |
鉄筋コンクリート造(RC造) | 341,000円 | 約112万 |
国税庁の構造別の建築費用を比較してみると、木造が一番安く、価格を大幅に抑えて建築できることがわかります。
初期費用を抑えつつ、土地を有効活用できますね。
しかし、木造5階建ては「耐震性能」「耐火性能」など、一般的な木造2階建てと比べて、特別な構造を必要とするため、木造の平均費用よりは高くなります。
施工会社や仕様によっても異なるため、こちらの価格は目安として頂き、必ず施工会社の見積もりをご確認ください。
参考サイト:国税庁 地域別・構造別の工事費用表【令和5年分用】
木造5階建てのメリット
木造5階建てのメリットについて、順番にご紹介します。
- 都市部の土地を有効活用できる
- 賃貸住宅で高い利回りを期待できる
- 建築コストや地盤改良費を抑えやすい
都市部の土地を有効活用できる
木造5階建ては、縦に階層を増やすため、限られた土地でも床面積を広く確保できます。
東京など土地代が高いエリアでは、広い土地を購入するより、縦に階層を増やすほうが、総合的に考えてお得になるケースが少なくありません。
5階建てが建築できるかは、土地ごとの「建ぺい率」「容積率」「高さ制限」などを確認しましょう。
容積率が高く、高さ制限などの建築制限をクリアできれば、木造5階建ての検討が可能です。
賃貸住宅で高い利回りを期待できる
木造5階建てを賃貸住宅とし、不動産投資を検討することが可能です。
木造5階建ては、初期費用を抑えつつ、部屋数を増やして収益性UPを見込むことができます。
利便性の良い土地を活用しながら、高い利回りを期待できます。
建築コストや地盤改良費を抑えやすい
木造は、ほかの構造と比べて建築コストを安く抑えることができます。
また、5階建てなど高さのある建築物は、建物を安定して支えるために、地盤の強度を高める地盤改良工事をおこなうことが多くなります。
建物重量が重いほど、地盤への負担が高くなるため、地盤改良費が高くなる傾向です。
木造は、ほかの構造と比べて建物重量が軽いため、地盤改良費を大幅に抑えられる可能性があります。
木造5階建てのデメリット
木造5階建てのデメリットを確認してみましょう。
- 対応できる施工会社が少ない
- 耐用年数が低い
対応できる施工会社が少ない
木造5階建てに対応できる施工会社は、圧倒的に数が少ないのが実情です。
そのため、木造5階建てを希望していても、選ぶ施工会社によっては、断られてしまう可能性があります。
外観を見ただけでは、木造なのか鉄筋コンクリート造なのか判断しにくいため、木造5階建てが対応可能なのか、事前に施工会社に確認することが大切です。
耐用年数が短い
木造は価格を抑えて建築できますが、ほかの構造と比べて法定耐用年数が短いデメリットがあります。
しかし、法定耐用年数は減価償却などに必要な税制上の数値であり、建物の寿命ではありません。
実際の物理的な建物寿命は、メンテナンスや住環境によって大きく異なります。
法定耐用年数を超えても、安心して使用するために、定期的なメンテナンスを心掛けましょう。
構造 | 法定耐用年数 |
木造 | 22年 |
軽量鉄骨造(厚さ3㎜以下) | 19年 |
軽量鉄骨造(厚さ3㎜超え~4㎜以下) | 27年 |
鉄筋コンクリート造 | 47年 |
参考サイト:国税庁 法定耐用年数
多層階住宅や賃貸アパートの事例
5階建ての建築物をイメージするために、多層階住宅や賃貸アパートの事例をご紹介します。
「6層住宅」地下と屋上付き
木造4階建てに、地下と屋上をプラスすることで実現した6層の多層階住宅です。
地上5階建てに限定せずに、「地下1階+地上4階+屋上」にすることで、都市部の厳しい建築制限のなかでも、必要なフロアを確保できます。
「5階建て」全7部屋
スカイツリーを眺められる5階建てのレジデンシャルホテルです。
上品さを感じられるおしゃれな外観に仕上がっています。
屋上の洗練された木目調のデザインは、リゾートライクな空間をつくり、リラックスしながら夜景を楽しむことができます。
「4階建て」木造の半地下付き賃貸住宅
こちらの物件は、地上10mの高さ制限をクリアするために、1階を半地下にした木造の賃貸住宅です。
都市部のさまざまな建築制限のなかでも、柔軟な設計をおこなうことで、希望の部屋数を確保し、高い収益性を可能にします。
外観はクールに、内装は木の温もりを感じられるナチュラルなデザインに仕上がっています。
明るい内装デザインは、実際の床面積より広く見せる効果があり、開放的なお部屋づくりに成功しています。
「4階建て」防火地域内の木造耐火構造
耐火構造の木造4階建て住宅です。
防火地域内でも耐火構造にすることで、木造の多層階住宅を建築することが可能です。
10cmも無駄にしない施工によって、デットスペースを最小限に抑え、機能的な間取りを実現しています。
狭小地の土地でも、多層階住宅であれば、必要な居室スペースを確保できます。
関連記事:【新築住宅】木造4階建て・3階建て・2階建て|木造は何階まで建てられる?
「賃貸レジデンス」
スタイリッシュな外観のおしゃれな賃貸レジデンスです。
マンションのような高級感を演出し、集客力UPを見込めます。
まとめ
木造5階建てのメリット・デメリット、多層階住宅や賃貸アパートの事例をご紹介しました。
木造5階建てや4階建てなどの多層階住宅は、耐火性能や耐震性能を高めるため、高い技術力が必要です。
とくに、東京都内の場合、厳しい建築制限のなかで建てるケースが多くなります。
そのため、木造の多層階住宅を得意とする経験豊富な施工会社に依頼することが大切です。
高さ制限や狭小地の特性を活かした、柔軟な設計や豊富な経験によるアイデアが期待できます。
クレバリーホーム東京は、お客様のご希望やライフスタイルに合わせた住まいづくりを提供しています。
- 3階建て住宅・4階建て・5階建てなどの多層階住宅
- 木造耐火住宅
- 狭小住宅
- 地下室付き住宅・屋上付き住宅
- 二世帯住宅
- 賃貸住宅
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