【木造3階建てアパートを建てる】建築費やメリット・デメリット、押さえておきたい注意点
木造3階建てアパートは、「建築費を抑えやすい」「都市部でも建築しやすい」などの理由から、個人投資家からの注目が高まっています。
そこで本記事では、木造3階建てアパートの建築費やメリット・デメリット、土地選びや施工会社選びの注意点をご紹介します。
木造アパートとは
まず、木造3階建てアパートとは、どのような建物なのか確認するために、マンションとの違いや特徴をご紹介します。
アパートとマンションの違い
アパートとマンションの違いに明確な定義はありませんが、一般的に「構造」や「建物の規模」によって分けられることが多いです。
【アパート:木造・鉄骨造(S造)の比較的小規模な建物】
【マンション:鉄筋コンクリート造(RC造)の3階建て以上の建物】
近年の木造アパートは、高級感のあるマンションのような外観が増えてきており、外から見ただけでは、構造を判断しにくくなってきています。
木造3階建てアパートの特徴、2階建てとの違い
木造3階建てアパートは、木造2階建てには必須ではない「構造計算」と「耐火性能」が義務付けられています。
建物の安定性を確認する構造計算と柱や外壁など主要構造部を耐火構造することによって、建築コストが割高になります。
しかし、収益性を含めて検討した際に、木造3階建てアパートを選ぶ方は少なくありません。
木造3階建てアパートの建築費
木造3階建てアパートの建築費はいくらになるのでしょうか?
選ぶ施工会社の坪単価や仕様によっても異なりますが、目安となる国税庁の構造別建築費用をご紹介します。
【東京都の構造別、工事費用】
構造 | ㎡ | 坪 |
木造 | 177,000円 | 約58万 |
鉄骨造(S造) | 321,000円 | 約106万 |
鉄筋コンクリート造(RC造) | 341,000円 | 約112万 |
※上記の数値は参考程度にして頂き、必ず施工会社ごとの見積もりをご確認ください。
建物の構造のなかで、一番木造の建築費が安いことがわかりますね。
初期費用を抑えることができるため、高い利回りを期待できます。
参照サイト:国税庁 地域別・構造別の工事費用表(1m当たり)【令和5年分用】
木造3階建てアパートのメリット
木造3階建てアパートのメリットをご紹介します。
- 建築費と地盤改良費を抑えやすい
- 部屋数を増やして収益性UP
- 狭小地や変形地でも建てやすい
- マンションのような高級感を出せる
- エレベーターが必須ではない
建築費と地盤改良費を抑えやすい
木造はほかの構造と比べて「建築費」と「地盤改良費」を抑えやすいメリットがあります。
木造は建物重量が軽いため、地盤への負担を軽減できます。
同じ大きさのアパートでも、数百万円と地盤改良費を安く抑えられるケースもあります。
建築費と合わせて総合的に初期費用を抑えられるのは、大きな魅力の1つですね。
関連記事:【新築はなぜ木造が多い?】みんなが選ぶ理由やメリット・デメリット、鉄骨造との違いや寿命
部屋数を増やして収益性UP
木造3階建てアパートは、部屋数を増やして高い収益性を望むことが可能です。
縦に階層を増やすため、利便性の高い人気エリアの土地を有効活用しやすく、安定した入居率を維持しやすくなります。
もちろん3階建てではなく、4階建て・5階建てと、さらに階層を増やすことも十分検討できます。
しかし、建築費を抑えられる木造での4階建て・5階建てが施工できる会社は限られるため、実績のある安心の施工会社を選ぶことが重要です。
狭小地や変形地でも建てやすい
都市部の狭小地や変形地では、アパートを建てるのは難しいと感じる方もいらっしゃるかと思います。
しかし、木造は加工がしやすく、間取りの自由度が高いため、敷地を無駄にしない施工が可能です。
広い土地を確保するのが難しい場合でも、検討しやすいメリットがあります。
マンションのような高級感を出せる
木造3階建てアパートは、マンションのような高級感を演出することが可能です。
構造は木造でも、ひと目ではRC造に見える外観は意外と多く存在します。
外観や内装をおしゃれにすることで、集客率UPを見込むことができます。
エレベーターが必須ではない
高層マンションではエレベーターが必須設備ですが、3階建てアパートであれば、階段だけでも十分暮らすことが可能です。
エレベーターがないことで、居室スペースを広げたり、部屋数を増やしたりと選択肢が増えます。
エレベーターの設置費用やメンテナンス費用もかからないメリットがあります。
木造3階建てアパートのデメリット
木造3階建てアパートのデメリットについてご紹介します。
- 防音性が低いため対策が必要
- エリアごとの高さ制限・容積率で建てられないケースも
防音性が低いため対策が必要
木造3階建てアパートのデメリットは、「防音性の低さ」です。
厚みのある鉄筋コンクリート造(RC造)と比べて、音漏れしやすいため、騒音トラブルになるリスクが高くなります。
そのため、木造3階建てアパートでは、防音性や遮音性を高める対策が重要です。
エリアごとの高さ制限・容積率で建てられないケースも
エリアごとの法令上の制限に従って、木造3階建てアパートを建てる必要があります。
北側斜線や高さ制限、建ぺい率や容積率など、制限のなかで建築するため、敷地によっては木造3階建てアパートを建築できない可能性があります。
そこで次章では、木造3階建てアパートを建築する際の土地の条件や施工会社選びの注意点をご紹介します。
希望通りのアパートを建築できないと後悔しないために、一緒に確認してみましょう。
木造3階建てアパートの押さえておきたい注意点
木造3階建てアパートは、2階建てと比べて事前にクリアしておきたいポイントが2点あります。
それは「購入する土地の条件」と「対応できる施工会社選び」です。
詳しく順番に解説します。
土地の条件「建ぺい率・容積率」
まずは、木造3階建てアパートを建築できる土地を購入する必要があります。
欠かせない確認ポイントは下記項目です。
建築制限 | 内容 |
建ぺい率 | 敷地に対する1階部分の床面積 「敷地面積×建ぺい率(〇%)」 |
容積率 | 敷地に対する建物全体の延床面積 「敷地面積×容積率(〇%)」 |
木造3階建てアパートを建築する場合、「建ぺい率60%、容積率150%」以上あると安心です。
土地の広さに対して、無理なく3階建てを建てやすくなります。
【50坪の土地の場合】
建ぺい率/容積率 | 1階 | 延床面積の上限 |
50%/100% | 約25坪 | 約50坪 |
60%/150% | 約30坪 | 約75坪 |
70%/200% | 約35坪 | 約100坪 |
建ぺい率が高ければ1階フロアを広くでき、容積率が高ければ、建物全体の延床面積を広くできます。
部屋数を増やして収益性を高めるためにも、建ぺい率と容積率の高い土地を選ぶことがポイントです。
土地の条件「高さ制限、斜線制限」
木造3階建てアパートは、当然ながら2階建てより建物の高さが高くなります。
選ぶ土地の「高さ制限」や「斜線制限」によっては、3階建てが建てられない、または、3階部分の天井に傾斜を設ける場合があります。
建築制限 | 内容 |
高さ制限 | 用途地域によって10mや12mの高さ制限 |
斜線制限 | 「道路斜線」「隣地斜線」「北側斜線」など高さの上限 |
ご紹介した項目以外にも、エリアごとに細かく建築制限が設けられていることがあるため、条件の良い土地を見つけた場合、プロの専門家に相談することをおすすめします。
木造3階建てが得意な施工会社を選ぶ
木造3階建てアパートは、「構造計算」や「耐火性能」など、高度な設計力と技術力が必要になります。
木造の3階建てや4階建ての施工実績が少ないと、「土地を有効活用できない」「希望の間取りを断られる」などの恐れがあります。
とくに、都市部の「狭小地・変形地・防火地域内」など、厳しい条件下の場合、そもそも木造3階建てアパートを施工できない会社も少なくありません。
そのため、土地を最大限に有効活用した木造3階建てアパートを建築するために、木造の3階建て・4階建ての実績が豊富な施工会社で比較検討することが大切です。
豊富な経験から適切なアドバイスや高品質な施工が期待できます。
まとめ
木造3階建てアパートの建築費やメリット・デメリット、土地の条件や施工会社の選び方についてご紹介しました。
木造3階建てアパートは、ほかの構造と比べて、建築費を抑えつつ、収益性のUPが見込めます。
アパート経営は、選ぶ土地や施工会社が成功の大きなカギになるため、十分比較検討して判断することが重要です。
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