【一生賃貸が賢い】は本当?賃貸のままのメリット・デメリット、判断基準も解説

【一生賃貸が賢い】は本当?賃貸のままのメリット・デメリット、判断基準も解説

注文住宅を建てようと情報を集めていると「一生賃貸が賢い」「ずっと賃貸が正解だ」といった意見を目にします。

戸建て住宅を建てる予定の方には無関係にも思えますが、正反対の意見を見て不安な気持ちにもなるのではないでしょうか。

そこで本記事では「一生賃貸が賢い」はどういった理由で主張されるのか理由を紹介します。

賃貸住宅に住み続けると感じられるメリット・デメリットや注意点も紹介するので、注文住宅を建てるか賃貸住宅に住むのか迷っている人は、ぜひ参考にしてください。

どうして一生賃貸?一生賃貸派と決めた人の意見とは

はじめに、どうして一生賃貸住宅に住むことを決めたのか、一生賃貸派と決めた人の意見を確認してみましょう。

「一生賃貸」の人の割合は?理由は?

そもそも一生賃貸と決めた人の割合はどの程度なのでしょうか。

総務省の調査によると、65歳以上で一戸建て・分譲マンションなどの持ち家に住む人の比率は87.4%と9割近くになっています。

一方で賃貸住宅に住む人の割合は10.4%と1割程度に留まります。
65歳以上で戸建て住宅を取得するケースは少ないと考えられることから、一生賃貸を選択する人の割合は1割ほどと考えられます。

65歳を超えて持ち家に住む人の割合は87.4%。賃貸に住む人の割合は10.4%

引用:内閣府「令和5年版高齢社会白書」

一生賃貸住宅に住むことを決めた人は、どういった理由で賃貸住宅を選択したのでしょうか。

株式会社AlbaLinkは、一生賃貸に住むと決めた人に理由を尋ねています。

一生賃貸に住むと決めた理由で最も回答者が多かったのは「引っ越しがしやすい」こと

引用:株式会社AlbaLink「一生賃貸に住むと決めた理由ランキング」

一生賃貸住宅に住むと決めた最も大きな理由は、引っ越ししやすいことです。
453人の回答者のうち204人が引っ越しがしやすいことを理由に挙げています。

転職や転勤など、ライフスタイルが大幅に変わるときに、容易に引っ越しができる点は魅力的です。

以下「メンテナンスの負担がない」「固定資産税の負担がない」といった、金銭面でのメリットが上位に入っていました。

一生賃貸を選択するメリット・満足する点

容易に引っ越しができる流動性の高さは、一生賃貸住宅に住む人にとって大きなメリットですが、ほかに一生を賃貸住宅で過ごすメリットはあるのでしょうか。

住宅ローンの負担を感じずに済む

住宅ローンの負担を感じずに済むのは賃貸住宅のメリット

流動性が高いことを除くメリットの1つ目は、住宅ローンの負担を感じずに済むことです。

住宅ローンは契約後に転職・転勤があっても、ローンの残債を支払い続ける義務が生じます。
一方で賃貸住宅では家賃負担が厳しくなった際に、住み替えで住居費を抑えることができるので、一生賃貸は経済面でも自由度の高い住まいだといえるでしょう。

なお、土地・建物への需要が高い都市部では、転職・転勤時に売却・賃貸化することで収入を得ることも可能です。
持ち家の流動性リスクを減らす方法は複数考えられるので、不動産を活用した資産運用などにも強いハウスメーカーを選択することをおすすめします。

関連記事:複数の用途に使える家づくり

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住居のメンテナンスは管理会社に任せられる

賃貸住宅では、住居や設備のメンテナンスを管理会社に任せられる点もメリットです。

持ち家では、屋根や外壁、設備といったものの塗装や修理を全て自分の責任で実施します。
一方で賃貸住宅なら、備品に対する必要な修理は管理会社が行ってくれます。

共用部分は管理会社が手入れをしてくれるので、部屋の中など専有部分だけをお手入れすれば問題になりません。

一生賃貸のデメリット・後悔する点

一方で、一生賃貸住宅に住み続けた場合に、デメリットや後悔を感じるケースもあるので紹介します。

老後も住居費を支払い続ける必要がある

賃貸住宅では、仕事を辞めたあとの老後も賃料を支払い続ける必要がある。

持ち家であれば、住宅ローンの完済後の支払いは修繕費や固定資産税に限られ、住居費の負担は大幅に削減できます。

賃貸住宅では、定年後に収入が少なくなってからも、住居費を支払い続ける必要がある点はデメリットです。

収入が年金に限られることの多い老後は、賃料の支払いが重くのしかかる場合があるでしょう。

一生賃貸を選択する場合は、預貯金としてまとまったお金を確保しておくか、定年を迎えた後も一定の収入を得られるよう働き続ける必要があります。

間取りや設備の変更ができない

賃貸住宅は自分の資産ではないので、間取りや設備に不満を持っても変更できない点もデメリットに数えられます。

注文住宅であれば、理想の間取り・設備の住まいが手に入り、不満を感じた際に自由に変更が効きます。

住居についてこだわりがある場合は、不満に感じる可能性もあるでしょう。

賃貸住宅であると人に言いづらい

一生賃貸と決めた人でも、賃貸住宅に住んでいることを伝えづらい場面も

職場や友人など身近な人の多くが持ち家であった場合に、賃貸住宅であると人に言いづらい場合もあります。

持ち家か賃貸かは選択肢のひとつでしかありませんが、持ち家を持ってこそ一人前という風潮もいまだ、地域によっては残っているので、親戚・友人との付き合いで賃貸住宅に住んでいることを言いづらい場面があるかもしれません。

家族向けの物件の選択肢が少ない・高額

賃貸住宅は一人暮らしや夫婦世帯用に建てられた物件が多く、子どもも含めた家族向けの物件は選択肢が少ない、または割高に設定されていることもデメリットです。

賃料の高さを目の当たりにすると、賃貸ではなく一戸建てを検討する気持ちにもなるでしょう。

ずっと賃貸で子育てするのが辛い

賃貸住宅では子育てで生じる騒音・振動がストレスになることも

賃貸住宅では、騒音などの隣人トラブルが起こりやすいものです。また、壁や床に傷をつけると退去の際に補修費用を請求されます。

子育て世帯の家庭にとっては賃貸住宅で子育てをすると、騒音や傷に気を使ってしまい、ストレスにつながることも多いようです。

高齢が理由で入居を断られる場合も

最後に、高齢であることが原因で入居を断られるケースがあることも気にしておきましょう。

高齢者に賃貸住宅を貸すことは、転倒などのトラブルや孤独死、収入が少ないことから支払いトラブルが心配されることから、入居を断られがちです。

自由に引越し先を決められることが一生賃貸派のメリットですが、高齢になると賃貸業者側から断られる可能性を認識しましょう。

一生賃貸が賢い?賃貸と持ち家 迷ったら

一生賃貸と戸建て住居を建てること、どちらにもメリット・デメリットがあるため、非常に悩ましい選択肢です。

どちらを選択すればよいか迷ったら、次の2つの視点から考えてみましょう。

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(1)家に対するこだわりを再確認する

外観・内装のほか音響設備にまでこだわった住まい

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1つ目は、家に対するこだわりを再確認することです。

自宅はあくまでお風呂と寝るために帰る場所と捉えると、賃貸住宅でも戸建て住宅でも、どちらでも違いは生じません。

コンパクトで賃料の安い賃貸住宅に住み続ける選択肢も生まれます。

 

一方で「東京でも広々とした間取りの家に住みたい」「屋上や地下室を利用した趣味性のある家を建てたい」

こうした”こだわり”があるなら、細部までこだわった注文住宅を建てることをおすすめします。

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(2)現在~将来のライフスタイルを再確認する

注文住宅で実現した二世帯住宅の住まい

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2つ目は、将来的なライフスタイルの変化を予測することです。

現在夫婦2人の家庭でも、将来子どもが生まれる可能性があり、趣味や仕事を自宅で行うようになるかもしれません。

こうしたライフスタイルの変化を見据えて、フットワークの軽い賃貸住宅にするか、活動の拠点となる自宅を建てるか決めましょう。

 

ライフスタイルの変化に対応できる住まいを建てるのは難しいものです。

目指す住まい像がありながら、土地選びや住まいの間取り作りなどでつまずいているなら、早めに専門家に相談するのがおすすめです。

クレバリーホーム東京では、気軽に相談できるオンライン相談窓口を設けています。
ご自宅からお気軽に、家づくりへの不安・疑問をご相談ください。

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「一生賃貸」に関連する疑問

記事の終わりに、一生賃貸住宅を選択する場合に聞かれる疑問と回答を紹介します。

 Q1.一生賃貸は、貯金がたくさん必要になる?

A.2,000万円~の貯金が必要と考えられます

一戸建て住宅は、住宅ローンの返済が完了した段階で、住居費の負担が大きく減ります(メンテナンス費用の確保は必要です)。

一方で賃貸住宅は継続して賃料を支払い続ける必要がありますが、どれくらいの金額を準備する必要があるのでしょうか。

 

老後の無職夫婦世帯における消費支出+非消費支出の額から住居費を差し引いた金額に、仮に賃料10万円の賃貸住宅に入居する場合の支出を加えると、毎月の支出額は35万円ほどになります。

平均的な実収入を約25万円とすると、毎月10万円が不足するため、65歳から85歳まで住み続けた場合に2,400万円が不足することになります。

家庭によって収支は異なりますが、おおまかに2,000万円を超える預貯金を確保する必要がありそうです。

参考:生命保険文化センター「老後の生活費はどれくらい?」

 Q2.税金・修繕費を考えると賃貸の方がお得?

A.実は賃貸住宅と持ち家は変わりません

賃貸住宅のメリットのひとつに挙げられるのは、固定資産税や修繕にかかる費用を支払わなくてよいことです。

しかし固定資産税や修繕費用は賃料の中に含まれていると考えられるため、実は賃貸住宅にこうした費用を支払わなくてよいメリットは存在しません。

 

賃貸住宅と持ち家、経済的にどちらが得かは前提条件によって異なります。

経済的な優位性を求めるよりも、どんな暮らし方・生活を送りたいのかライフスタイルの視点で住まいを検討することをおすすめします。

まとめ│一生賃貸?持ち家?迷ったら専門家に相談を

一生賃貸・持ち家。選択次第で広々としたおしゃれな住まいに居住することも可能

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「一生賃貸が賢い」という意見について、意見の中身を確認するとともに、賃貸か持ち家か迷う人に選択の方法を紹介しました。

結婚や出産といったライフステージの変化に際して、今まで住んでいた賃貸住宅が手狭になり、ファミリー向けの賃貸住宅に移るか一戸建てを建てるか、という選択肢に迷う人は多いものです。

迷ってしまう原因は、どちらにもメリットとデメリットがあることです。
それぞれの特徴を理解したうえで、満足できる住まいを求められるよう考えて選択しましょう。

 

賃貸住宅か持ち家かで迷ったときには、住まいの専門家に相談してみましょう。

快適な住まいに住むための方法や賃貸・戸建ての費用シミュレーションなど、様々な相談が可能です。

家づくりを計画する中で迷いが生じたら、住まいづくりについて総合的に相談できる、クレバリーホーム東京まで、お気軽にご相談ください。

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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