木造住宅は地震に弱い?地震に強い工法や耐震性の基準、木造の特徴について
木造住宅は鉄骨造や鉄筋コンクリート造と比べて、地震に弱いのでしょうか?
本記事では、木造住宅の耐震性や地震に強い工法、耐火・防音などの住宅性能についてご紹介します。
地震に強い木造住宅の特徴を確認し、安心して暮らせる家づくりを目指しましょう。
木造住宅は地震に弱い?耐震性を鉄骨造などと比較
木造住宅は、鉄骨造(S造)や鉄筋コンクリート造(RC造)と比べて、地震に弱いイメージをお持ちの方も多いかと思います。
しかし、木は下記のような特性があることで、決して地震に弱い構造ではありません。
【木の特性】
- しなやかさがあり、揺れを逃がしやすい
- 建物重量が軽いため、揺れが少ない
鉄骨造や鉄筋コンクリート造と比べて、木造は曲げる力に強いため、地震によって建物が揺れても、揺れを逃がしつつ、もとの状態に戻りやすい特徴があります。
また、建物重量が重いほど、地震による揺れは大きくなりますが、木造はほかの構造と比べて軽いため、揺れを最小限に抑えやすいメリットがあります。
そのため、木造住宅の特性を活かしつつ、耐震性を高める構造にすることで、地震に強い家をつくることができます。
関連記事:【軽量鉄骨造と木造住宅の違い】メリット・デメリットや価格、音漏れや選ぶ際の注意点
地震に強い家は「耐震等級1~3」で判断
地震に強い家なのかを判断するためには、木造や鉄骨造などの構造を比べるのではなく、耐震等級を確認することが大切です。
耐震等級とは、地震に対する建物の強度を示した数値です。
耐震等級は1~3まであり、地震に一番強いのは耐震等級3になります。
耐震等級1の家
耐震等級1は、建築基準法で定められた最低限の耐震性能を満たしています。
震度6強から7に相当する、数百年に1度起こる大地震で、倒壊・崩壊しないと考えられる強度レベルです。
大地震によって倒壊はしなくとも、住宅の損傷はまぬがれず、そのまま住み続けることが困難になる可能性が高くなります。
耐震等級2の家
耐震等級2は、耐震等級1の1.25倍の地震に耐えられる耐震強度を持っています。
長く良好な状態で住み続けられる「長期優良住宅」に認定されるためには、耐震等級2からになります。
耐震等級3の家
耐震等級3は、耐震等級1の1.5倍の地震に耐えられる耐震強度を持っています。
地震に一番強い耐震等級3は、一度大きな地震を受けても、その後、住み続けられる可能性を持っているレベルです。
地震の多い日本では、耐震等級3の木造2階建てをつくれる施工会社は珍しくありません。
しかし、3階建て・4階建てなど縦に長い木造住宅の場合、耐震性を高めるための高度な技術力が必要になるため、対応できる施工会社の数も限られます。
地震に強い住宅を建てるためには、多層階住宅でも耐震等級3を獲得できる施工会社を選ぶことがポイントです。
「耐震・免震・制震」の違いや特徴
地震に強い木造住宅を検討した際に、「耐震」のほかに「免震」と「制震」という言葉を耳にした方もいるでしょう。
それぞれの特徴をご紹介しますので、ご家庭にあった地震対策を判断する参考にしてくださいね。
耐震
耐震とは、建物の強度によって地震に耐える基本的な構造です。
地震よって建物の倒壊を防ぐために、壁の中に筋交いなど耐震構造を取り入れ、建物を強くします。
3つの中で、一番コストを抑えて施工できます。
免震
免震とは、地震による揺れを受けないように、建物と地盤の間に免震装置を設置する構造です。
地震によるダメージを最小限にできますが、一番コストが高くなります。
大型マンションなどで採用されることが多い構造です。
制震
制震とは、地震の力を吸収して抑える構造です。
基礎や壁に制震装置を設置し、2階以上の揺れを大幅に抑えることができます。
コストを抑えつつ、地震に強い木造住宅を建てられるのは「耐震」構造です。
耐震の中にも、耐震性能を高めた独自のハイブリッド工法を採用している施工会社もあります。
より高い安心を得るためにも、施工会社ごとの強みを確認し、判断することが大切です。
地震に強い木造の工法は?
木造住宅の工法には、おもに「木造軸組工法」と「2×4(ツーバイフォー)工法」があります。
どちらの工法が耐震性に優れているのでしょうか?
木造軸組工法
木造軸組工法は、日本の伝統的な建築工法で「在来(ざいらい)工法」とも呼ばれており、柱や梁で骨組みをつくります。
間取りの自由度が高く、増築や減築などリフォームしやすい特徴がありますが、「2×4工法」と比べて耐震性が低い傾向です。
2×4工法(ツーバイフォー工法)
2×4工法は、パネルを箱状に組み立てて、床や壁を面で支えます。
地震の揺れを1点に集中させずに、面にエネルギーが分散されるため、耐震性が高くなります。
しかし、パネルを工場で生産するため、ある程度、間取りに制限がかかり、設計の自由度が低くなるデメリットがあります。
木造住宅は2×4工法のほうが、耐震性を高くしやすいですが、基本は耐震等級を確認して判断することが大切です。
木造住宅のよくある疑問
耐震性と同様に、木造住宅のよくある下記項目ついてご紹介します。
- 耐火性
- 防音性
- 断熱性
- 耐用年数
木造住宅は長く快適に暮らすことができる構造なのか、一緒に確認してみましょう。
火災時に燃えやすい?
木造住宅は、火に弱く、燃えやすいイメージがありますよね?
しかし、木造住宅は火災時に表面は燃えても、柱は炭化して残るため、すぐに倒壊するリスクを軽減できます。
避難する時間を確保しやすい特徴があります。
また、火に強い耐火構造にすることで、都市部や住宅密集地などの防火地域内でも、木造住宅を建てることが可能です。
音漏れしやすい?
防音性や遮音性に関して、木造や鉄骨造では、あまり差がありません。
音漏れしにくい家の特徴は「断熱性」と「気密性」の高さです。
壁を断熱材や石膏ボード、外壁材などで多重構造にすることで、遮音性を高めてくれます。
また、窓ガラスに層をつくる「ペアガラス」にすることで、断熱性を高めると当時に、音漏れ対策にもなります。
断熱性は低い?
木は鉄と比較して、熱伝導率が低く、外気の影響を受けにくい特性を持っています。
そのため、木造住宅だから断熱性が低いということはありません。
壁の断熱材や窓の断熱性能を高めることで、適温を保ちやすい快適な木造住宅をつくることが可能です。
木造の寿命は短い?
木造住宅の寿命は何年なのか気になりますよね。
構造別の法定耐用年数を下記で確認しましょう。
構造 | 法定耐用年数 |
木造 | 22年 |
軽量鉄骨造(厚さ3㎜以下) | 19年 |
軽量鉄骨造(厚さ3㎜超え~4㎜以下) | 27年 |
鉄筋コンクリート造 | 47年 |
木造住宅はほかの構造と比べて、法定耐用年数が低くなります。
しかし、法定耐用年数は税制上の数値なため、実際の寿命ではないので安心してくださいね。
法定耐用年数を超えても住み続けられる可能性は十分あり、築40年の中古住宅が売り出されていることも珍しくありません。
建物の寿命は定期的なメンテナンスをすることで、延ばすことができ、3世代に渡って100年住める家も存在します。
参照サイト:国税庁 法定耐用年数
木造住宅のメリット・デメリット
木造住宅の耐震性とあわせて、メリット・デメリットについても確認してみましょう。
木造住宅のメリット
木造住宅のメリットは「建築コストが安い」「間取りの自由度が高い」点です。
木造はほかの構造と比べて、建物の坪単価の相場が低い傾向があります。
材料費や地盤改良費を安く抑えやすいため、同じ広さの家でも建築コストを抑えることが可能です。
また、木材は自由な設計がしやすいため、こだわりのマイホームを建てやすいメリットがあります。
関連記事:【新築はなぜ木造が多い?】みんなが選ぶ理由やメリット・デメリット、鉄骨造との違いや寿命
木造住宅のデメリット
木造住宅のデメリットは「シロアリの被害に遭いやすい」点です。
建物を支える重要な構造躯体が、シロアリ被害に遭うと、地震によって傾きや倒壊の恐れが発生します。
木造住宅で安心して長く暮らすためには、シロアリ対策が必須です。
建築時のほかに、住んでからも定期的なメンテナンス費用がかかります。
まとめ
地震に強い木造住宅を判断するために、耐震性の基準や地震に強い工法についてご紹介しました。
木造住宅は建築コストを抑えつつ、耐震性の高い住宅にすることが可能です。
クレバリーホーム東京は、耐震等級3を取得できる確かな技術力のある施工会社です。
3階建て・4階建ての木造住宅を安心の耐震等級3で施工することが可能です。
- 3階建て住宅・4階建て住宅
- 木造耐火住宅
- 狭小住宅
- 地下室付き住宅・屋上付き住宅
- 二世帯住宅
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