【軽量鉄骨造と木造住宅の違い】メリット・デメリットや価格、音漏れや選ぶ際の注意点

【軽量鉄骨造と木造住宅の違い一覧】メリット・デメリットや価格、音漏れや選ぶ際の注意点

注文住宅を建てる際に「木造」と「軽量鉄骨造」のどちらが良いのでしょうか?

価格や防音性、耐久性の違いなど、メリット・デメリットを確認することで、判断しやすくなります。

そこで本記事では、軽量鉄骨造と木造の違いメリット・デメリット、構造を選ぶ際の注意点をご紹介します。

 

 

軽量鉄骨造の住宅とは?

軽量鉄骨造

鉄骨造とは、建物の骨組み部分に「鋼材」を使用しており、「S造」とも呼ばれます。(S造:Steelの頭文字)

鉄骨造には「軽量鉄骨造」と「重量鉄骨造」があり、特徴は以下のとおりです。

鉄骨造特徴
軽量鉄骨造鋼材の厚さが6㎜未満。住宅が一般的
重量鉄骨造鋼材の厚さが6㎜以上。大型マンション・ビルがメイン

 

どちらもあらかじめ部材をカットし、現地で組み立てるプレハブ工法が主流です。

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軽量鉄骨造と木造の違いは?どちらが良い?

軽量鉄骨造と木造の違いについて、項目ごとにご紹介します。

【比較する項目】

  • 耐震性
  • 断熱性
  • 価格
  • 防音性
  • 間取りの自由度
  • 耐用年数
  • 耐火性
  • 品質の安定性

耐震性

耐震性は軽量鉄骨造のほうが頑丈なため、木造住宅より耐震性が高いイメージがありますよね。

しかし、軽量鉄骨造は建物重量が重いため、揺れを感じやすくなります。

耐震性を比較する際は、軽量鉄骨造や木造での違いではなく、耐震等級で確認することが重要です。

最高等級を獲得できる施工会社は多く、縦に階層が高い住宅でも、耐震等級3は可能です。

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断熱性

断熱性は、木のほうが鉄と比べて、熱伝導率が低く、外気の影響を受けにくい特徴があります。

木の温もりを感じられる、居心地の良い住空間を実現しやすくなります。

しかし、木造住宅だから暖かい家というわけではなく、「断熱材」や「窓の断熱性」など、家の断熱に大きく影響する住宅性能を確認することが大切です。

価格

価格面では、木造住宅のほうが「建築費用」や「地盤改良費」など、総合的に住宅にかかるコストが安い傾向です。

鉄は材料費と合わせて、防錆処理や耐火処理をおこなうため、建築コストが高くなります。

また、木造は建物重要が軽いため、地盤改良や基礎工事の費用を抑えられるメリットがあります。

坪単価の違いは、施工会社によって異なるため、見積もりをとって確認しましょう。

クレバリーホームの木造4階建て

防音性

防音性の違いは、木造と軽量鉄骨造ではあまり変わりません。

鉄のほうが防音性が高いイメージですが、防音性に関係する部分は、骨組みなどの構造ではありません。

防音性に重要な点は「気密性」「壁の厚さ」です。

壁と壁のすき間が少なく、家がより密閉されている住宅を選ぶことで、音漏れを防止しやすくなります。

間取りの自由度

間取りの自由度は、木造のほうがやや高い傾向です。

軽量鉄骨造は、工場で部材を事前にカットして、現地で組み立てる工法が一般的なため、ある程度、住宅の枠組みに制限があるケースが多くなります。

また、鉄骨が中に入っていることから、将来の間取り変更など、リフォームしにくいデメリットがあります。

耐用年数

住宅の法定耐用年数は、構造によって異なります。

また、軽量鉄骨造でも「鋼材」の厚さによって違いがあります。

構造

法定耐用年数

木造22年
軽量鉄骨造(厚さ3㎜以下)19年
軽量鉄骨造(厚さ3㎜超え~4㎜以下)27年
鉄筋コンクリート造47年

 

法定耐用年数とは、建物の寿命というわけではなく、税制上の基準になります。

そのため、法定耐用年数を超えても住み続けられる可能性は高く、メンテナンスすることで、100年住み続けられる家も存在します。

参考サイト:国税庁 法定耐用年数

耐火性

鉄は木より高温に弱い特徴があり、火事になった際に、鉄が溶けて変形する恐れがあります。

木造住宅は、表面が燃えても炭として残るため倒壊しない可能性あり、避難する時間を確保できます。

木造耐火住宅

品質の安定性

品質の安定性は、軽量鉄骨造のほうが高くなります。

木造は、「現場での木材カット」など職人の技術力が影響する部分が多く、技術力が低いと品質にばらつきが出る可能性があります。

 

注文住宅として、どちらが良いかは一概に言えませんが、価格や住宅性能など、それぞれの特徴を確認し、ご家族にとってベストな構造を選択することが大切です。

そこで次章では、希望の住宅を建てやすい構造はどちらか判断するために、軽量鉄骨造と木造のメリット・デメリットを順番にご紹介します。

軽量鉄骨造のメリット・デメリット

軽量鉄骨造の外観模型

メリット|品質の安定・耐久性が高い

軽量鉄骨造の住宅のメリットは、「品質の安定」「耐久性の高さ」です。

部材を工場でまとめてつくるため、職人の技術力によってばらつきが起きにくく、安定した品質の住宅を供給できます。

また、鋼材の厚さにもよりますが、木造より耐久性の高い住宅にできます。

木材をまったく使用しないわけではないため、シロアリによる被害が0ではありませんが、木造より被害を抑えやすく、長持ちさせやすいメリットがあります。

住宅の当たり外れのリスクを最小限にし、頑丈な住宅を建てたい方に向いています。

デメリット|価格が高い・自由度が低い

軽量鉄骨造は、本来なら現場での作業を最小限にし、建築コストを抑えることができます。

しかし、一般的な坪単価の相場を確認すると、木造住宅より価格が割高な傾向です。

また、設計の自由度が木造と比べて低く、こだわりを追求することで、特殊な部材を発注しなくてはいけない場合があります。

その場合、追加費用が高額になる可能性があるため、軽量鉄骨造では、「どこまで標準仕様で設計が可能なのか」を事前に確認しておくと安心です。

関連記事:軽量鉄骨の家づくりに後悔しがちなポイントとは?特徴や魅力もご紹介

木造のメリット・デメリット

木造住宅 外観

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木造のメリット|価格が安く・デザインの自由度が高い

木造住宅のメリットは、コストパフォーマンスに優れている点です。

住宅にかかる総合的なコストを抑えやすい特徴があります。

また、設計の自由度が高く、ご家族の希望に沿うこだわりの注文住宅を実現しやすいメリットがあります。

価格をなるべく抑えつつ、こだわりの注文住宅を建てたい方は、木造住宅がおすすめです。

木造のデメリット|シロアリ対策が必須

木造のデメリットは、シロアリ被害にあいやすい点です。

シロアリによって主要構造躯体が被害にあうと、地震によって倒壊や傾きの恐れがあります。

安全性や資産価値が低くなり、売却しにくくなる可能性も。

そのため木造住宅では、シロアリ対策が必須であり、定期的なメンテナンスも重要になります。

軽量鉄骨造と木造を選ぶ際の注意点

耐火木造のリビング

軽量鉄骨造の住宅を検討している人の中には、下記のような理由をお持ちの方も多いのではないでしょうか?

  • 住みたいエリアが防火地域
  • 3階建て・4階建て住宅にしたい
  • 店舗兼用住宅にしたい

 

しかし、木造住宅でも、上記の条件をすべてクリアすることは可能です。

防火地域内の建築物は、耐火建築物にする必要がありますが、耐火構造の木造住宅にすることで、防火地域内でも木造住宅を建てられます。

また、近年では技術が進歩したことにより、3階建て・4階建てのマンションのように縦に長い木造住宅でも、耐震等級3の最高等級を取得できます。

ただし、木造の耐火建築物の建築には手間と技術力が必要なので、施工会社によっては建築を引き受けていないケースがあります

そのため、木造・軽量鉄骨造のどちらの施工実績も豊富な会社を選ぶことが大切です。

ご家族の条件にあったプランや構造の提案が期待できます。

まとめ

軽量鉄骨造と木造の違いやそれぞれのメリット・デメリットをご紹介しました。

どちらか一方が、注文住宅の構造に優れているわけではありませんが、技術力や住宅性能が向上したことによって、防火地域内などエリアを問わず選ぶことができます。

クレバリーホーム東京は、東京都内で軽量鉄骨造や木造などの構造に捕らわれずに、多層階住宅の施工実績が豊富な施工会社です。

木造4階建てや木造の耐火建築物の実績も豊富なため、ぜひご家族にあった、こだわりの注文住宅をご希望の方は、お気軽にご相談ください。

クレバリーホーム東京は、お客様のご希望やライフスタイルに合わせた住まいづくりを提供しています。

  • 3階建て住宅・4階建て住宅
  • 木造耐火住宅
  • 狭小住宅
  • 地下室付き住宅・屋上付き住宅
  • 二世帯住宅

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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