【災害に強い家を実現する3つの工夫】立地・構造や間取り・設備の工夫で対策

【災害に強い家を実現する3つの工夫】備えるべき災害も解説

台風や梅雨による大雨や地震のニュースが続くなかで、注文住宅を建てるなら、自然災害に強い家をどう実現するかは避けて通れないテーマです。

押さえたいのは「立地(土地選び)・構造や間取り・設備」という3つの工夫です。

東京で予想されている災害の規模と、過去に起きた災害から、備えるべき災害を確認しておきましょう。

このコラムで分かること

  • 災害に強い家は「立地・構造や間取り・設備」の3つの工夫でつくる
  • 土地は地盤とハザードマップで確かめ、低地でも基礎の高さや上階の使い方で備えられる
  • 停電への備えは太陽光発電と蓄電池・V2Hの組み合わせで、給電する回路は設計の段階で決める

 

備えるべき災害とは?

東京都で備えるべき地震・大雨・台風・洪水・土砂災害などの自然災害

東京で想定される災害は、地震のほか、洪水・内水氾濫・高潮・土砂災害と幅があります。

地震と、大雨・台風による水害の順に確認します。

地震への備え

東京都心で地震が発生した場合の被害予想

引用:東京都「首都直下地震等による東京の被害想定」

備えるべき災害のひとつは、地震です。

東京都の被害想定では、都心南部直下地震が冬の夕方(風速8m/s)に発生した場合、194,431棟が全壊・焼失し、6,148人の死者が出ると想定されています。

地震後の火災による被害も大きく、住宅が密集する地域では延焼を抑える家づくりも大切です。

南関東でマグニチュード7程度の地震が今後30年以内に発生する確率は70%程度とされており(地震調査研究推進本部、2026年1月1日時点)、これから建てる家にも地震への備えを組み込んでおくことが欠かせません。

自宅が倒壊しなくても大きな地震を受ければ、水道やトイレが使用できなくなる、片付けや修復作業が必要になる、地震後の自宅の修理費用が必要になるなど、様々な手間・費用が生じます。

参考:政府広報オンライン「住まいが被害を受けたとき最初にすること」

大雨・台風・洪水・土砂災害への備え

平成5年に発生した台風11号による被害状況

引用:東京都防災ホームページ「過去に東京で起こった風水害から学ぶ」

地震と並んで警戒が必要なのは、河川の氾濫による洪水や内水氾濫(下水道や水路で雨水を流しきれずに起こる浸水)、高潮、土砂災害といった、大雨や台風を主な要因とする災害です。

平成5年には台風11号によって大雨が発生し都内各地で浸水被害が発生しました。

この台風で浸水した建物は、床上・床下を合わせて7,533棟に及びます。

住宅が浸水した場合も、濡れた断熱材やベニヤ板など建材の交換に費用がかかり、清掃や消毒に手間がかかります。

自宅が被災したときの修理の手間・費用を減らし、家族の命を守るためにも、災害への備えを反映した災害に強い家づくりが大切です。

参考:葛飾区「床上浸水した時の衛生対策と消毒方法」

災害に強い家を建てる3つの工夫

2階リビング・屋上がある長方形のシンプルな形状の住まい

長方形のシンプルな形にまとめた木造3階建て(江東区・敷地17.9坪/延床34坪)>>>

災害に強い家を建てる場合は、立地・構造や間取り・設備という3つの視点で考えることをおすすめします。

土地選びの工夫

土地を選ぶ段階でできる工夫です。立地は建てたあとに変えられないため、最初に確かめます。

地震に強い立地

地震に強い地盤を探す際に知っておきたい地盤の特徴

引用:クレバリーホーム「地盤の強さ・弱さとは?」

地震に強い立地の土地を探すなら、地盤が強固な土地を探すことが大切です。

地盤が弱い土地に家を建てると、地震が起きたときに家が沈下することがあります。

特に建物が斜めに沈下する不等沈下が起きると、建物に亀裂が入ったり、ドアや窓が開閉できなくなったりする場合もあります。

建物の構造や老朽化の具合によっては、地震で建物が倒壊する危険性もあるので、土地の候補が決まったら地盤の状態を確かめ、建築前の地盤調査の結果に応じて地盤改良や基礎の設計で対応できるか、費用も含めて確認しておきましょう。

軟弱地盤の確かめ方と対策は「軟弱地盤に家を建てる7つの地震対策」、東京23区のエリアごとの地震の危険度は「23区地震危険度ランキング」の記事で紹介しています。

 

台風・大雨による水害に強い立地

台風や大雨、高潮に対しても、海や川に近い低地、昔の川の跡(旧河道)や谷間など、水が集まりやすい土地かどうかを確認しましょう。

東京23区ではこうした土地を完全に避けるのは難しいため、候補の土地が当てはまる場合も、後述のハザードマップで想定される浸水の深さを確かめ、基礎を高くする、居室を2階以上に設けるといった設計で備える方法があります。

関連記事:台風に強い家にする10の方法
関連記事:水害に強い家を実現する6つの方法

 

水害の範囲を確認するために不可欠なハザードマップについて

引用:東京都防災ホームページ「ハザードマップを確認する」

より具体的に水害を避けるためには、ハザードマップの活用が欠かせません。

ハザードマップとは、自然災害による被害の軽減や防災対策に使うために、被害が想定される区域や避難場所などを示した地図で、区市町村が作成・公表しています。

また、国土交通省と国土地理院が運営する「ハザードマップポータルサイト」の「重ねるハザードマップ」では、洪水・土砂災害・高潮・津波などの情報を地図に重ねて表示できるので、購入を検討している土地の水害の状況を一目で確認できます。

ただし、東京23区の内水氾濫(下水道などから水があふれる浸水)の想定は掲載されていないため(2026年9月時点)、区が公表している水害ハザードマップもあわせて確認しましょう。

参考:国土交通省・国土地理院「ハザードマップポータルサイト」

関連記事:ハザードマップが気になってしまう方へ

構造・素材・間取りの工夫

間取りや構造を決める段階の工夫でも、災害に強い家に近づきます。

地震や台風に耐えられる形状に

台風の風を受けてもバランスよく耐える四角形の外観

四角形に近い形でまとめた店舗併用住宅(墨田区・敷地20.49坪/延床35.33坪)>>>

災害に耐えられる家を建てるためには、四角形・長方形などシンプルな形状の住まいがおすすめです。

シンプルな形の家は、地震や強風を受けた際に壁・柱に均一に力が加わり、建物全体で地震・風の力に抵抗します。

一方で複雑な形をした住まいの場合は、地震・風の力が加わったときに一部の壁・柱に荷重がかかり、破損しやすい傾向があります。

地震や台風に強い工法を利用

地震や台風などの力への抵抗力が高い工法を利用することも効果的です。

自由度が高く地震にも強い「木造軸組+モノコック」

従来の軸組工法は間取りの自由度が高い反面、地震や台風などの横からの力には、筋かいや耐力壁をバランスよく配置して備える必要がありました。

そこで、壁・床・天井を構造用の建材で支えるモノコック構造を利用し、柱・梁・面構造を組み合わせて地震・台風に耐える構造が開発されています。

関連記事:住宅建築の「モノコック構造」とは?5つのメリットを紹介

従来の工法より接合部の強度が高く、長く強度を保ちやすい工法

柱や梁の接合部についても、木材の欠損を抑えた金物の工法が開発されています。

クレバリーホームが採用する工法では、接合部の強度は一般的な在来工法の1.5〜3倍とされています。

こうした新たな工法で、地震・台風の力を受け止める構造になります。

 

なお、クレバリーホーム(本部)の「台風対策パッケージ」は、2022年の第8回「ジャパン・レジリエンス・アワード(強靭化大賞)」で最優秀賞を受賞しています。

災害への備えを高める特徴を持つ家が気になる方は、台風対策パッケージの内容もご確認ください。

台風に強い家として、クレバリーホームの台風対策パッケージがジャパン・レジリエンス・アワード2022(強靭化大賞)最優秀賞を受賞しました

参考:クレバリーホーム「ジャパン・レジリエンス・アワード2022(強靭化大賞)最優秀賞受賞!」

災害にも耐えられる素材に

住まいに使用する素材を意識することでも、災害に強い家は実現できます。

汚れ・傷がつきにくく台風にも強いタイル外壁

関連記事:メンテナンスの負担を軽減させる高耐久住宅

釘で引っ掻いてもほとんど傷がつかないタイル外壁は、台風時の飛来物などによる外壁の傷みを抑え、住まいを守ります。

汚れが付きにくく、長い年月でも劣化しにくいため、外壁の傷みから雨水が入り込むリスクを抑えることにもつながります。

一般的に用いられる無垢材の1.5倍の強度を持つエンジニアリングウッド

住まいを支える木材も、強度の確かなものを選びたいところです。

木材を選別・乾燥させてから接着して1本に仕上げたエンジニアリングウッド(構造用集成材)は、自然の無垢材と比べて強度がおよそ1.5倍とされています。

こうした、強度が確認できる素材を利用することで、地震や台風の影響を受けても倒壊・破損しにくい家に近づきます。

災害に備える間取りの工夫

間取りでは、飲料水や食料などの備蓄をまとめて置ける収納を、使う場所の近くに計画しておくと、被災後も自宅で過ごしやすくなります。

特に浸水が想定される土地では、上の階に生活できる部屋を確保しておくと、浸水したときに上階へ移ってとどまる選択(屋内安全確保)をとりやすくなります。

ただし、家屋の倒壊が想定される区域では、避難所などへの立退きが原則です。

停電したときに過ごす部屋を決めておくと、給電するコンセントの位置も設計の段階で決められます。

ここまで紹介した技術や素材を、クレバリーホーム城東店・新宿店の「SKYSHARE G2」では採用しています。

どういった住まいになるのか気になる方は、お気軽にご連絡ください。

地震や台風などの災害にも強い高性能木造2・3階建て住宅

設備の工夫

災害に備えるためには、住宅に設置する設備もポイントです。

制震・免震設備の導入

耐震に加えて制震を導入することで揺れを制御する

地震の強い揺れに対しては、制震装置や免震装置を導入すると、建物に伝わる揺れや構造への負担を減らせます。

制震装置は内部のダンパー(オイル・粘弾性ゴム・鋼材など、製品によって異なります)が揺れのエネルギーを吸収し、免震装置は積層ゴムなどで建物を地面の揺れから切り離し、揺れを伝わりにくくする仕組みです。

関連記事:耐震を超えた、地震多発国の大発明!「制震王」

停電時も電気を作り出す太陽光発電

太陽光発電システムを導入することで得られる様々なメリット

災害が発生したとき、問題になる事柄のひとつは停電です。

太陽光発電システムを搭載することで、停電への対策になります。

システムによって異なりますが、停電時はパワーコンディショナー(太陽光で発電した電気を家庭で使える電気に変える機器)を自立運転に切り替えると、専用のコンセントから、発電している日中に一部の電化製品を使えます。

使える電力には上限があり、夜間は発電できず、雨の日など日射量が少ないときは発電量が下がる点も知っておきましょう。

関連記事:「太陽光発電は災害時に使えない」は誤解?「役に立たない」を防ぐ対策
関連記事:東京都の太陽光発電の補助金を解説

太陽光発電の効果を高める蓄電池・V2H

太陽光発電システムに加えて、蓄電池やV2Hシステムを導入すると、夜間や雨の日など太陽光だけでまかなえないときにも、蓄えた電気を使えるようになり、停電への備えが厚くなります。

V2Hシステムとは、電気自動車への充電と、電気自動車に蓄えた電気を住宅へ送る給電の両方ができる設備です。

普段は太陽光発電から蓄電池・電気自動車に電気を送り、災害が発生した際に蓄電池・電気自動車から給電すれば、電池の容量や使う家電、日中の発電量によっては、停電が2~3日続いても電気を使い続けられる場合があります。

災害に強い家を実現するためには、倒壊・損傷しない家を目指すことと同時に、停電したあとの暮らしを支える設備まで含めて考えます。

関連記事:東京都の蓄電池の補助金を解説
関連記事:東京都のV2Hの補助金を解説
関連記事:V2Hとは?メリット・デメリットなどわかりやすく解説

クレバリーホーム城東店・新宿店は、太陽光パネルと蓄電池をセットにしたシステム「SKYSHARE OG(スカイシェア・オフグリッド)」を開発しました。

太陽光で作った電力を電気自動車や蓄電池に貯めて、停電したときに使う仕組みです。太陽光・蓄電池・V2Hのどこまでを入れるかは敷地の条件と予算で変わるため、組み合わせからご相談いただけます。

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まとめ

注文住宅の計画を立てる中で災害への不安を感じる方に向けて、災害に強い家を実現するための方法を紹介しました。

万が一、地震や台風、大雨による浸水といった災害に見舞われると、住まいが損傷し、修理や片付けに手間と費用がかかることもあります。

こうした事態を避けるために、災害に強い家の特徴に応じて、土地や住まいの構造・設備をしっかり選びましょう。

東京23区では、低地の浸水や地盤、住宅が密集する地域の火災など、土地によって備え方が異なるのが特徴です。

ou2(オーツー)株式会社が運営するクレバリーホーム城東店・新宿店は、都内23区の注文住宅の実績をもとに、計画地のハザードマップや地盤の確認から、制震装置を組み合わせた構造、浸水に備える上階の使い方や停電に備える太陽光発電・蓄電池までをご提案しています。

限られた敷地を最大限に活用し、ご予算に応じてコストを最適化する家づくりを、資金計画から土地探し、間取りのご提案までトータルでサポートします。

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社(オーツー株式会社) 専務取締役 / 一級建築士

早稲田大学商学部卒業後、「完全な文系人間」から建築の世界へ飛び込み、一級建築士として活躍。10年にわたる商業建築で培ったシビアな空間設計ノウハウと、25年の戸建住宅の設計実績を併せ持つ。特に東京都内の木造密集地域や防火地域において、施工性と設計の柔軟性を活かした木造耐火4階建て住宅(もくよん®等)や、天災時には避難場所となる地下室・屋上を備えた災害住宅の提唱・実践を続けている。

プライベートでは子育てを終え、現在は登山やキャンプ、スキーなど活動的な休日を過ごしている。また、「空き家レスキュー」や「こども食堂」、シェアハウスの運営を通じた地域活動の場を提供するなど、地域社会支援にも精力的に取り組んできた。スペックだけでなく、住まう人の「暮らしの温かさ」に深く寄り添う提案を得意としている。

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