【水害に強い家】実現する6つの方法│水害が起こりやすい場所と対策を解説

【水害に強い家】実現する6つの方法│水害が起こりやすい場所と対策を解説

梅雨前線やゲリラ豪雨、線状降水帯や台風など、大雨を降らせる原因になる自然現象は数多く存在します。

注文住宅を建てようとしている方は水害に強い家を建築したいと願うことでしょう。

水害に強い家を実現するためには、水害が起こりやすい場所を知った上で具体的な対策を施すことが必要です。

そこで本記事では「水害に強い家を建てるための6つの方法」を紹介します。

水害でこだわりの自宅が大きな被害を受けないよう、しっかり対策を考えましょう。

 

 

そもそも「水害」はどんな災害なの?

国土地理院によると、水害とは大雨や台風などの多量の降雨によって引き起こされる災害とあります。

具体的な例として、土砂災害・洪水・浸水の3つを挙げています。

水害に強い家にするために知っておきたい、水害とはどんな災害か

引用:国土地理院「水害について」

こうした水害が発生することで、人命のほか、思い出の詰まった自宅が被災し生活に大きな支障をきたします。

水害は誰もが避けたいと思いますが、どのような対策を行えば避けられるのでしょうか。

具体的な対策を紹介する前に、まずは水害が起こりやすい場所・条件を確認しましょう。

水害が起こりやすい場所はどこ?

水害が発生しやすいのは、主に以下の3つの場所です。

  • 海・川が近くにある土地
  • 周囲より低く水が流れ込みやすい土地
  • 大雨が起こりやすい気象条件の土地

海・川が近くにある土地

水害が発生しやすいのは海・川の近くや低地

引用:国土交通省東北地方整備局「洪水被害写真集」

海、川といった水が近くにある土地は災害が発生しやすい地域といえます。

家と川が近くであれば、大雨が降り川の水かさが増して越水した場合など、浸水する可能性が高まります。

また、海が近くにあれば、高潮や波浪による浸水被害を受ける可能性があります。

周囲より低く水が流れ込みやすい土地

海や川から一定程度離れた土地であっても、周囲よりも低い土地は水が流れ込みやすく、浸水リスクが高いエリアといえるでしょう。

具体的には、周囲を高台で囲まれた谷地や埋立地、水田がある場所などが水が流れ込みやすい土地といえます。

大雨が起こりやすい気象条件の土地

もっと広域的な視点で、市区町村・県単位で見た場合に降水量が多いエリアも水害が起こりやすい地域といえるでしょう。

気象庁のホームページから、どの地点で降水量が多いか確認できる

引用:気象庁「過去の気象データ検索」

気象庁のホームページでは、アメダスを設置している場所での降水量を確認できます。

同じ東京都内でも、青梅や八王子といった内陸性気候のエリアと、東京や江戸川などの海洋性気候の影響を受けるエリアとでは雨の降り方に違いが出ます。

このように大雨が発生しやすい気象条件の土地があるので、地域ごとの気候の特徴を把握することも大切です。

ハザードマップの確認が大切

水害の範囲を確認するために不可欠なハザードマップについて

引用:東京都防災ホームページ「ハザードマップを確認する」

土地・気候の面から水害が起こりやすい地域はあります。
一方で、過去の気象データや地形から水害の起こりやすさを把握するのは至難の業です。

そこで利用を検討したいのが「ハザードマップ」です。

災害ごとにどの程度の範囲が被災する可能性があるのか、地図に重ね合わせる形で確認できます。

関連記事:水害対策に活用できるハザードマップについて

 

ハザードマップを確認したうえで、水害が発生する可能性があるエリアに家を建てるなら、建築時に水害を避けるための対策を施す必要があります。

水害に強い家を作る対策6選

具体的に、水害に強い家を作るために、次の6つの方法を取り入れてみましょう。

  • 標高の高い場所に土地を求める
  • 1階部分を駐車場にする
  • 主要な間取りを2・3階に配置する
  • 避難用に屋上スペースを設ける
  • 高い位置に電気設備を設置する
  • 塀を設けるなど外構で対策する

関連記事:台風に強い家にする10の方法

 

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標高の高い場所に土地を求める

水害を避ける最も簡単な方法は標高の高い土地を購入することです。

標高が高く谷地でもない土地は水が集まりにくく、他の対策を施さなくても水害に遭う可能性は低いといえます。

ただし、崖地であれば土砂災害のリスクを抱えることになるので、標高は高く落差のない土地を取得することが理想的です。

1階部分を駐車場にする

水害の被害を最小限にする「ビルトインガレージ」

こちらの事例をもっと見てみる>>>

標高が低く、ハザードマップで浸水の危険性があるとされるエリアでも「1階部分を駐車場にする」ことで被害を抑えられます。

一般的には地面から1階の天井までの高低差が3mとされているので、浸水深の予想が3mまでのエリアであれば、主要な家具・家電が水に浸かることを避けられるでしょう。

主要な間取りを2・3階に配置する

2階リビングの住まい。ホームエレベーターで快適な暮らしに

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間取りの関係で1階部分を駐車場にできないケースもあるでしょう。

この場合も、LDKなど主要な設備がある間取りを2・3階に配置することで浸水の被害を抑えられます。

玄関や寝室など設備のない部屋であれば、浸水しても生活の再興にかかる費用を抑えられるでしょう。

避難用に屋上スペースを設ける

水害発生時に逃げ場のひとつとなる屋上のある住まい

こちらの事例をもっと見てみる>>>

浸水深が3mを超える場合など、2階以上まで浸水する可能性がある場合は「屋上を避難用のスペースとして利用」することも考えられます。

水害で命を守るためには、垂直避難の考え方が大切です。
洪水・浸水が発生したとき短時間で迅速に高さを稼げる屋上は、命を守るツールになります。

高い位置に電気設備を設置する

エコキュートやエアコンの室外機、分電盤といった設備機器を高い位置に設置して、浸水しても故障しないようにすることも対策として考えられます。

外置きの室外機は雨風には耐えられますが水没には耐えられません。

コンクリートの基礎を高めに作る、鋼製の台を設けて室外機を持ち上げる、といった対策が有効です。

塀を設けるなど外構で対策する

自宅の周囲に塀を設ければ、水害が発生しても塀の開口部に土のうを敷くことで浸水を避けられる可能性があります。

土地探しや設計の段階で、外構で浸水を防ぐことができないか検討しましょう。

塀を設ける・土のうを積み上げるなど外部で水を止める施策も有効

引用:国土交通省「簡易水防工法の紹介」

止水板を導入するなど、ほかにも浸水への対策は複数考えられるので、水を敷地との境界で食い止めることも考えましょう。

 

こうした水害対策を行うことで、台風やゲリラ豪雨が発生しても浸水しない「水害に強い家」が実現します。

ただし、水害に強い家はどのハウスメーカーに依頼してもできる訳ではありません。

水害に対してどのような不安があるのか伝えること、そして何より水害に強い家を作ることができるハウスメーカー・担当者を探すことが大切です。

気になるハウスメーカーがあったら、施工事例や住まいづくりのコンセプトを調べて水害に強い家を建てられる会社なのか判断しましょう。

水害が起きると家はどうなるの?

記事の終わりに、もしも水害が発生してしまい床上浸水・床下浸水が発生するとどうなるのか、解説します。

床上浸水した場合

水害を受けた家にとってダメージが大きい床上浸水

床上浸水は、消防庁の資料によると次のように定義されています。

「住家の床より上に浸水したもの及び全壊・半壊に該当しないが、土砂竹木のたい積により一時的に居住することができないもの」

参考:総務省消防庁「災害報告取扱要領」

床上浸水という文字どおり、住家の床より上に水が到達する状態を指します。

床上浸水すると、建物の壁に使用されている建材や断熱材が水を吸い、壁内でカビが発生します。

壁や断熱材を全て撤去・更新するなど大規模な工事を要することになるでしょう。

床下浸水した場合

床下浸水が起きると水害のあと床下がプールのようになる

一方で床下浸水は、床上浸水に至らなかった浸水状態を指します。

床上に至らなくても、床下に水が流入すると床下がプールのような状態になり、土砂が流れ込む場合もあります。

ポンプなどを利用して排水したうえで土砂を撤去、扇風機などを利用して乾燥させる作業が必要です。

 

浸水被害を受けるとこうした作業が必要で、多額の費用も必要になります。

宅内に浸水しないように、本記事で紹介した対策を実施しましょう。

注意:床下浸水は保険の対象外となることも

気をつけておきたいのは床下浸水は多くのケースで火災保険の水災補償で補償されないということです。

一般的に、火災保険の水災補償の支払い要件では「床上浸水」のみ記載されており「床下浸水」は記載がありません

先述した床下の土砂・水の排除にかかった費用は全額自己負担になる可能性もあるので、注意が必要です。

※特約をつけている場合など、補償を受けられるケースもあるので火災保険の内容を確認する必要があります。

一度被災した家にもう住めないの?

「水害に遭った家に、もう住むことができないの?」と聞かれることがあります。

床上まで浸水すると、壁の中の断熱材や下地などの建材も交換する必要があるので、住み続けられないと思われがちです。

しかし濡れてカビが生えた箇所を交換するとともに、床下の土砂や水気を排除すれば、水害に遭った家でも住み続けることはできます。

 

床上・床下浸水が起きても住み続けることはできますが、事前に対策を施す場合と施さない場合とで、元の生活に戻る労力は大きく変わります。

東京23区に家を建てるなら、1階を駐車場にして水害の被害を最小限に抑えるなど事前の対策をとることや、万一の際も保険を活用してスピーディな復旧・再建ができるようアフターメンテナンスが充実した、地域のハウスメーカーに依頼することをおすすめします。

まとめ│設計段階で水害に強い家を実現

1箇所の破堤で広がる水害の恐ろしさ

引用:内閣府「過去の水害からの教訓と、その後の取り組み」

水害は発生すると大きな被害を及ぼすため、自治体も十分な対策を施していますが完璧ではなく、毎年水害が発生しています。

行政が講じる対策だけでなく、地域住民と連携しながら水害から家族を守る家づくりを行うことが、確かな水害への備えになります。

 

一方で、水害に強い家づくりをするには、防災・減災に関する最新技術に基づく建築的な知見が欠かせません。

自分で考えると同時に、二人三脚で一緒に水害対策を考えてくれる専門家を探しましょう

 

クレバリーホーム東京は、東京23区を対象に家づくりを行なっています。

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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