「ビルトインガレージに固定資産税はかからない」は間違い?1/5の緩和や10坪の敷地に建つ事例

「ビルトインガレージに固定資産税はかからない」は間違い?1/5の緩和や10坪の敷地に建つ事例

「ビルトインガレージに固定資産税はかからない」という記事を見かけた人も、多いかと思います。

「床面積を1/5にすれば大丈夫」なども聞きますが、実際はどうなんでしょうか?

そこで本記事では「ビルトインガレージの固定資産税はいくらなのか」「減額できる条件や期間」「10坪~40坪の敷地に建つビルトインガレージの事例」をご紹介します。

 

「ビルトインガレージに固定資産税はかからない」は間違い

ビルトインガレージ付き狭小住宅

ビルトインガレージとは、建物の中に駐車場が設けられたガレージのことをさします。

「インナーガレージ」とも呼ばれていますが、意味は同じです。

土地を有効活用できるため、東京都内など土地代が高く、広い敷地を確保しにくいエリアで人気があります。

そんな中で、ビルトインガレージは固定資産税がかからないからお得!というのは、本当なのでしょうか?

結論から言いますと、ビルトインガレージの固定資産税は安くなりません。

では、どうしてそのような誤解が生じているのでしょうか?

1/5の容積率の緩和特例

ビルトインガレージは、「延床面積の1/5を限度として、容積率の計算から除外できる」という緩和特例があります。

容積率とは、敷地に対して建てられる建物全体の床面積の割合です。

例えば、土地100㎡、容積率150%の場合「100㎡×150%=150㎡」になり、150㎡までの建物が可能です。

この際に、ビルトインガレージが30㎡であれば、延床面積1/5以内になるため、容積率に含めずに計算できます。

つまり、「延床面積150㎡+ビルトインガレージ30㎡=180㎡」になり、ビルトインガレージのない住宅より広い住宅を建てられます。

参照サイト:建築基準法施行令 【第二条1項四号 イ、3項一号】

1/5の緩和と固定資産税は関係ない

容積率に関する床面積1/5の緩和特例と固定資産税は関係ありません。

容積率の緩和特例は、建築基準法上の規定です。

一方で固定資産税の計算は、地方税法によって定められています。

そのため、建築基準法上でビルトインガレージの面積を延床面積に算入しなくてOKの場合でも、固定資産税の計算には関係ありません。

「ビルトインガレージに固定資産税はかからない」という情報は間違いですので、注意しましょう。

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ビルトインガレージの固定資産税はいくら?安くなる?

車 お金

「ビルトインガレージの固定資産税がかからない」という情報が間違いだとわかりましたが、では固定資産税はいくらぐらいかかるのでしょうか?

ビルトインガレージ単体の税金を計算するのは難しいのですが、一般的に固定資産税は「家屋」「土地」にわけて計算します。

固定資産税の計算方法や減額の特例について解説します。

ビルトインガレージはいくら?固定資産税の計算方法

固定資産税とは、毎年1月1日の時点で土地や家屋の所有者になっている人が、納める税金です。

固定資産を所有している限り毎年かかるため、いくらになるのか気になりますよね?

 

【固定資産税の計算方法】

課税標準額×1.4%=固定資産税

課税標準額は、お住まいの市町村から送付される「納税通知書」で確認できます。

 

【例】

  • 土地1000万円×1.4%=14万円
  • 家屋1500万円×1.4%=21万円

※一般的に税率は1.4%ですが、自治体によって異なる場合があります。

 

例の場合、土地と家屋を合わせて毎年35万円もかかります。

しかし、住宅用地や新築住宅の場合は固定資産税が軽減される特例があるため、次でご確認ください。

固定資産税が減額される特例

固定資産税は、面積に応じて税額が「家屋:1/2」「土地:1/3または1/6」に軽減されます。

 

【家屋】

適用外1500万円×1.4%=21万円
特例適用1500万円×1.4%×1/2=10.5万円

 

【土地】

適用外1000万円×1.4%=14万円
特例適用1000万円×1/6×1.4%=約23,330円

 

固定資産税が軽減される「期間」「条件」について、表にまとめてご紹介します。

関連記事:1階駐車場・2階以上が住居の家|間取りと外観画像、費用

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家屋

令和6年3月31日までに新築した住宅は、床面積120㎡分まで固定資産税が減額されます。

 

【一般住宅】

種類期間減額割合
一般住宅3年度分1/2
一般住宅の

3階建て以上

耐火構造住宅

5年度分1/2

 

【長期優良住宅】

種類期間減額割合
長期優良住宅5年度分1/2
長期優良の

3階建て以上

耐火構造住宅

7年度分1/2

参照サイト:固定資産税 総務省

土地

住宅が建っている土地は、「住宅用地の特例」の適用を受けられます。

 

【住宅用地の特例】

住宅用地の区分固定資産税の計算式
小規模住宅用地(200㎡以下の部分)課税標準額×1/6×1.4%
一般住宅用地(200㎡を超える部分)課税標準額×1/3×1.4%

 

家屋に対しても、土地に対しても減額の特例が適用されれば、固定資産税が大幅に安くなるため安心ですね。

では、次にビルトインガレージがご家庭にとって必要なのか判断するために、押さえておきたいビルトインガレージのメリット・デメリットをご紹介します。

ビルトインガレージのメリット・デメリット

ビルトインガレージは、限られた土地を有効活用できる魅力的な間取りです。

縦に階層を増やせるエリアなら、土地代を安く抑えつつ、駐車スペースと必要な居住スペースどちらも確保できます。

しかし、デメリットもあるため、後悔しない家づくりのために、メリット・デメリットを一緒に確認しましょう。

ビルトインガレージのメリット

車 親子

【メリット】

  • 荷物を家まで運ぶのがラク
  • 車を利用したお出かけがしやすい
  • 車を紫外線や雨などによる劣化から防げる
  • 月極駐車料金がかからない
  • 狭小地でも駐車場を持てる

 

都市部など土地代が高いエリアでは、駐車スペースも含めた庭を確保することは、予算的に難しいと感じるご家庭も多いかと思います。

建築費用はかかっても、「土地購入費用を安く抑えられる」「駐車料金が必要ない」など、費用面と上記の利便性とを合わせて、ビルトインガレージを選ばれる方も少なくありません。

ビルトインガレージのデメリット

【デメリット】

  • 騒音・換気対策が必要
  • 建築費用が高くなる
  • 間取り強度に配慮

 

車のエンジン音やシャッターの開閉の音が、室内まで伝わることがあります。

そのため、防音対策や静かに過ごしたい部屋は、ガレージの真上に配置しないなど、間取りを工夫することが大切です。

関連記事:車2台分のビルトインガレージがある間取り|40坪台の家を建てるのに必要な幅・土地面積・費用

 

【10坪~40坪の敷地】ビルトインガレージの事例

10坪~40坪程度の敷地に建つ、ビルトインガレージ付きのおしゃれな住宅の事例をご紹介します。

具体的にビルトインガレージのある暮らしをイメージするために、ぜひ参考にしてくださいね。

【敷地10.59坪】クールで機能的なガレージ

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10坪程度の敷地でも、3階建てにすることで、1階をガレージにしてもご家族が必要な居住スペースを確保できています。

趣味の車とバイクどちらも駐車でき、整備スペースも確保したことで、自宅で愛車をメンテナンスすることも可能です。

 

【敷地16.15坪】半地下のビルトインガレージ

【地下室と半地下でビルトインガレージ】敷地16.15坪|延床37.25坪!部屋の高さ、建具・家具配置までギリギリを極めた家

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高さ制限があるエリアでも、ガレージを半地下にしたことで、3階建ての暮らしやすいお住まいを実現しています。

ガレージの中は、外観と合わせたクールでかっこいいデザインに仕上がっていますね。

ビルトインガレージ内

 

【敷地36.25坪】車3台駐車できるビルトインガレージ

ビルトインガレージ

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車3台の駐車スペースを確保するためには、それだけ構造上難しくなりますが、こちらはクレバリーホーム独自の工法によって、実現できた事例です。

広い間口と2台を並列して駐車できる設計にしたことで、出し入れがしやすく、車のある生活を十分に満喫できるお住まいです。

外観

 

【敷地42.08坪】高級感のあるビルトインガレージ

ビルトインガレージ付き住宅

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デザイン性の高い外構と合わせたおしゃれなガレージは、高級感や圧倒的な存在感を感じさせてくれますね。

ガレージ内の間接照明など、照明の配置にもこだわっており、全体的にまとまりのあるおしゃれなデザインに仕上がっています。

まとめ

ビルトインガレージには固定資産税がかかりますが、延べ床面積の1/5の面積であれば、容積率の緩和を受けられます。

ビルトインガレージは暮らしの利便性を高めてくれる魅力がありますが、1階につくることで、必要な居室スペースが足りなくなる恐れがあります。

そのため、縦に階層を増やすことを、検討してはいかがでしょうか?

3階建て・4階建ての住宅を検討することで、ご家族がのびのびと快適に暮らせるお住まいを可能にします。

クレバリーホーム東京は、お客様のご希望やライフスタイルに合わせた住まいづくりを提供しています。

  • 3階建て住宅・4階建て住宅
  • 木造耐火住宅
  • 狭小住宅
  • 地下室付き住宅・屋上付き住宅
  • 二世帯住宅

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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