隣の家との距離が近い|1mなど法律上の制限と理想の距離、日当たり確保方法、トラブル回避法など
住宅密集地では、隣の家との距離が近いことは、珍しくありません。
しかし、隣地との距離が1mなどの場合、日当たりや近隣トラブルなど、不安に思う方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、隣の家との距離に関する「法律上の制限」や隣の家との「理想の距離」、隣の家との距離が近いことが原因での「トラブル&回避法」などについてご紹介します。
住宅密集地に、快適に安心して暮らせる家づくりをするために、ぜひ記事を参考にしてくださいね。
隣の家との距離に関する法律上の制限
隣の家との距離は、法律上で最低基準が決まっています。
そのため、距離が近いといっても、基準値より近くに家を建築することは、違法になるためできません。
では、最低基準の距離は何mになるのでしょうか?
「建築基準法」「都市計画法」「民法」によって、それぞれ異なる基準があるため、わかりやすく順番に解説します。
建築基準法|1mまたは1.5m
建築基準法では、下記のエリアは、建物の外壁から敷地境界線までの距離を「1mまたは1.5m」以上にしなくてはいけません。
こちらは「外壁後退の制限」というきまりです。
参照サイト:建築基準法(五十四条)
用途地域 | 内容 |
第一種低層住居専用地域 | 「1階~3階建て」「高さが10mまたは12m以下」「住居に適したエリア」 |
第二種低層住居専用地域 | 「第一種低層住居専用地域と同様の制限」 +「床面積150㎡以下のコンビニなども建築できる」 |
田園住居地域 | 農業を営む人が、近隣に住居を構える際に適したエリア |
1階~3階建てが多い住宅街は上記エリアに該当する可能性が高いですが、詳しくは各自治体の「都市計画図」をご確認ください。
また、「1mまたは1.5m」どちらが適用されるかは、マイホームを建築する市の都市計画情報などで調べる必要があります。
都市計画法の地区計画
隣の家との距離の法律上の制限は、建築基準法とは別に「都市計画法の地区計画」で定められている場合があります。
こちらの距離は、各自治体によって異なるため、例として江東区有明北エリアの制限をご紹介します。
- 建築物の高さが50m未満は、隣地境界線まで「2m以上」
- 建築物の高さが50m以上100m未満は、隣地境界線まで「8m以上」
参照サイト:江東区地区計画(第9条 別表第2・キ・有明北2区域)
先ほどご紹介した「1mまたは1.5m」の制限より、さらに距離を離すことが定められていますね。
隣の家との距離の制限については、マイホーム建築地の施工業者に確認する方法があります。
地域に特化している施工業者であれば、法律上の制限について、確かな知識が期待できます。
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民法|50cm
次に確認したいのが「民法」です。
「民法」では、隣の家との距離を境界線から「50cm以上」離さなくてはいけないと定められています。
参照サイト:民法 (第二百三十四条・第二百三十五条・第二百三十六条)
しかし、50cm以上離されていない建築物を、見かけたことがある方もいるのではないでしょうか?
実は「民法」では、その地域で「隣の家との距離が50cm以下」などの慣習がある場合、そちらに従って建築することが認められています。
関連記事:【新築住宅】木造4階建て・3階建て・2階建て|木造は何階まで建てられる?
建築基準法・民法どちらが優先か
建築基準法と民法では、隣の家との距離の制限が異なりますが、どちらを優先させるかは、専門家の中でも意見が分かれています。
そのため、これからマイホームを建築する方は、周辺環境や土地の状況に合わせて施工業者と相談しながら、最適な距離を判断する必要があります。
仮に境界線ギリギリに家を建てるかどうかを検討する場合には、以下のような問題が起きることを念頭に置いておきましょう。
- 建物の修繕時に、敷地内に足場を組み立てたり、作業をしたりするスペースを確保できない
- 火事発生時に延焼や避難しにくいなどの危険
ほかにも、隣の家との距離が近いことで、さまざまなトラブル発生が予測できるので、のちほど「隣の家との距離が近いことが原因のトラブル」でご紹介します。
隣の家との理想の距離
次に、隣の家との理想の距離についてご紹介します。
理想の距離は、建物の高さ、土地の状況(高低差、方角)などによって異なるため、一概には言えませんが、いくつか例を挙げますので参考にしてくださいね。
【日当たり】
日当たりに関係する法律には「日影規制」があり、第一種低層住居専用地域では、高さが7mを越える建築物(一般的な2階建ての高さ)は、5mの範囲の日照を3時間~5時間以上確保する規定があります。
そのため、隣の家から最低でも5m以上の距離を保つことで、日照を確保しやすくなるといえます。
【安全面】
火災時の安全面の観点では、隣地境界線から3m未満が延焼のおそれのある部分に該当します。
そのため、3m以上距離を保つことが理想です。
しかし、これらの距離はあくまで参考の一例であり、ご自身の生活スタイルや建築予定地の具体的な状況によって、最適な距離は変わってきます。
どういった点を重視するかによりますので、プロである施工業者と一緒に考えていくことが大切です。
隣の家との距離が近いことが原因のトラブル
隣の家との距離が近いことで、1章でご紹介した問題以外に、トラブルの原因になる可能性がある項目をご紹介します。
採光・通風
日当たりや通風は快適な暮らしに大きく影響する部分なため、多くのご家庭が重要視する項目です。
隣の家との距離が近いことで採光や通風が遮られると、近隣トラブルに発展しやすくなります。
音
隣の家との距離が近いと、話し声や生活音が聞こえやすく、不快に感じる可能性があります。
生活スタイルは各家庭で異なるため、就寝時間に隣家の音が気になるなど、日常生活で不満が溜まることが予測されます。
視線
隣の家との距離が近い家づくりでは、曇りガラスを採用し、隣家から簡単に室内が覗けないように設計するのが基本です。
しかし、窓を開けた際に視線が気になってしまう、逆に覗かれたと勘違いされてしまう、などのリスクがあります。
屋外設備
エコキュートの音や振動、エアコン室外機の熱、ガス給湯器から出る湯気などによって、トラブルの原因になる可能性があります。
雨はねなど
屋根から隣地に雨・雪が落ちて水たまりになる、隣家の駐車場と距離が近く、車を傷つけてしまうなどのトラブルが予測されます。
ご紹介したようなトラブルが考えられますが、住宅密集地では隣家との距離が、ある程度近くなるのは避けられないことです。
リスクを軽減するために、次章でトラブル回避方法を一緒に確認しましょう。
関連記事:【3階建ての狭小住宅】約15坪でも快適な間取り5選│事例をご紹介
住宅密集地のトラブル回避方法
隣の家との距離が近い住宅密集地での、トラブル回避方法をご紹介します。
- 採光・風通しを確保できる間取りにする。(吹き抜け・窓の配置場所など)
- 隣地との境界線を土地家屋調査士に明確に測量してもらう。(建築制限を明確に確認するため)
- 防音性の高い構造の家を選ぶ。
マイホーム新築時には、土地の特徴に合わせて、事前に予測できるトラブルへの対策が可能です。
住宅密集地での実績が豊富な施工業者を選ぶことで、最適なトラブル回避アイデアの提案が期待できます。
まとめ
隣の家との距離が近い際の、法律上の距離の制限や理想の距離、近隣トラブルや回避方法についてご紹介しました。
住宅密集地では、隣との距離はどうしても近くなりがちです。
しかし、間取りやアイデア次第で、ご家族が近隣を気にせず、のびのびと暮らせるお住まいにすることが可能です。
クレバリーホーム東京は、お客様のご希望やライフスタイルに合わせた住まいづくりを提供しています。
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