木造3階・4階建戸建ての階段の位置はどこが良い?|新築住宅の階段スタイルによるメリット・デメリット
東京の一軒家のネックに、土地の購入の難しさがあります。
「希望のエリアで土地が手に入らない」「希望の広さに届かない」など、そのハードルの高さに家づくりを諦めてしまう方もいらっしゃるかも知れません。
今は木造住宅であっても、3階建て・4階建てと高層化も進み、一般の住居として選択肢に入れる方も多くなってきています。
東京で建てる4階建ての魅力は、狭い土地を有効利用し「広い住居スペースを確保できる」部分でしょう。
希望のエリアでの土地購入のチャンスも広がり、土地の購入費を抑えられることも大きなメリットです。
しかしその一方、上下階の移動の負担はデメリットとしてあげられています。
そのデメリットの負担を軽減する「階段」についてクローズアップしてみましょう。
- point -
- 階段の種類や位置により、身体に対する負担も大きく変化します。
- 有効的な階段の選び方や間取りへの影響などを知り、失敗したと感じない家づくりを目指しましょう。
− contents −
◼ 新築一軒家に必要な階段の広さとは
◼ 木造3階建て・4階建ての暮らし方が変わる「階段の種類」
◼ 木造3階・4階建戸建ての階段の位置はどこが良い?
◼ まとめ:ライフタイルを考えた階段を私たちとつくりましょう
新築一軒家に必要な階段の広さとは
何気なく上り下りに使っている階段も、住宅の中では大切な居住スペースに含まれます。
そのため例えば「20坪」使えるはずの広さも、居住スペースから見れば階段分だけ減ってしまうのです。
階段に使われている広さは、一般的に「1坪分の畳2枚(平面)が最低必要」です。
また階段の種類や階段の傾斜などにより、変化します。
階段のサイズと規定
木造3階建て・4階建てにかかわらず、住宅を建てるためにはさまざまな規定を守らなければいけません。
それは階段も同じで、建物の用途や面積により階段の寸法なども細かく決められています。
住宅の基礎となる建築基準法施行令の中で階段は、
- 階段および踊り場の幅
- 蹴上(けあげ)※1
- 踏面(ふみづら)※2
- 踊り場位置
この4つについて基準を設けています。
この基準を元にどんな階段を、家のどの場所につくるのかが決められているのです。
※1 蹴上(けあげ):階段の高さのことを指します。階段の踏面(ふみづら)から踏面までを測った高さが蹴上となります。
※2 踏面(ふみづら):階段において足をのせる段板(踏み板)の上面。 また、その面の奥行き長さのことを指しています。
住宅において「踏面は15cm以上、蹴上は23cm以下」にしなければいけません。
階段の幅や段から段への高さは使いやすさや安全面、そして身体への負担の有無にもかかわってきます。
例えば安全面を考え踏面を広く取った場合、安全面は高まりますが階段のスペースは広くなります。
そして蹴上の高さを低くすればするほど、なだらかにはなりますが、同じ高さに到達するまでには段数が多くなるでしょう。
建築基準法で定められている「踏面は15cm以上、蹴上は23cm以下」「階段と踊り場の幅75cm以上」などは、階段の最低ルールとなります。
そのため実際にその寸法でつくった場合、昇りにくく降りづらいと感じるでしょう。
家族構成やライフスタイルに合わせ、使いやすい階段を設定することがとても重要です。
関連記事:狭小住宅で、まずこだわるなら階段
木造3階建て・4階建ての暮らし方が変わる「階段の種類」
階段とひとことで表しても、いろいろなスタイルがあります。
階段は、昇降スタイルごとに大きく分けて4つの種類に分かれます。
- 直階段
- かね折れ階段
- 折り返し階段
- らせん階段
それぞれのメリット・デメリットを把握し、自分たちの暮らし方に合った形を選びましょう。
直階段
階段の種類の中で、最もシンプルで多くのご家庭で使用されているのがこの「直階段」です。
上り下りの途中で曲がったりすることもなく、縦に長いスペースを登り切ります。
一直線のスタイルのため、間取りの中に「縦に長いスペースが必要」となります。
注意点としてあげられる部分は、無理に配置してしまうと階段の傾斜が急勾配になりやすくなってしまいます。
- 危険防止のために、つかみやすい位置に手すりを配置する。
- 体に負担のかからない勾配を設計の中に取り入れる。
など、安全面に配慮をくわえておくひつようがあります。
かね折れ階段(急折階段)
かね折れ階段は、階段が途中で90度に折れ曲り上下階をL字に繋ぐスタイルになります。
一度折れ曲がることで間取りにも収めやすく、踊り場などを設けることで安全面を高める効果が高まります。
特に、東京など敷地面積がハードルとなる住まいや床面積が狭い場合に有効です。
吹き抜けに設置することで視線の変化も楽しめ、空間演出効果も期待できます。
さりげなく階段を配置したいなど階段の存在感をあまり出したくないとお考えの方には、おすすめのスタイルです。
折り返し階段
折り返し階段は、Uの字を書きながら上り下りするスタイルの階段です。
先ほどのかね折れ階段よりもさらにコンパクトに階段を収めることができるのは魅力のひとつ。
踊り場に十分な広さが生まれるので、スキップフロアなどのフリースペースとして活用の幅も広がります。
折り返すことで段数が増えるデメリットはありますが、勾配が緩やかにできるなど「上り下りの安全性が高められる」などのメリットが実感できます。
らせん階段
らせん階段は、文字通りらせんを描きながら上り下りをする階段です。
円を描きつつ上り下りができるため、見た目の印象よりもコンパクトに収めることができます。
デザイン性にも優れ、階段をインテリアのひとつとして活用したい!と考えている方には、おすすめのスタイルです。
どのような階段を選ぶのかにより、デザイン面や快適性。
そして安全面にも変化が現れます。
関連記事:【おしゃれな階段】手すりや照明などのポイントをご紹介│事例あり
木造3階・4階建戸建ての階段の位置はどこが良い?
どんな階段をセレクトするのかによっても違いが生まれますが、では一体どの位置に配置したらいいのでしょうか。
階段の位置による暮らし方の違いを見ていきましょう。
リビング階段
現在人気の高い配置は、リビング内に設置する「リビング階段」です。
リビングに階段を設置することで、外出時や帰宅時は必ずリビングを通ることになります。
そのため、自然と家族間のコミュニケーションが増えるのです。
また階段下はデッドスペースも生まれやすいのですが、リビングという空間を活用し、
- 空いたスペースを収納として活用する。
- 家族誰でも使えるワークスペースにする。
- 段差を活用した見える収納としてインテリアに活用する。
など、たくさんのアイデアを取り入れることができます。
リビング階段の注意点
メリットの多いリビング階段ですが、上下階がつながる構造となるため
- 熱伝導率が低下しやすい。
- 音とニオイが上階へ伝わりやすい。
- プライバシー面の保護がしづらい。
などのデメリットがあります。
熱が逃げないようロールスクリーンなどを活用する、寝室などをリビングからなるべく離すなどの工夫を取り入れておきましょう。
玄関近くに階段をつくる
以前の住宅では、「居間」「キッチン」など空間を区切る間取りが一般的でした。
そのため玄関近くに階段を設けるケースが一般的でした。
玄関の近くにあることから、上階にスムーズに移動しやすく、プライバシーが保護しやすいのが最大の魅力です。
基本的にはリビング階段のメリットがデメリットに。
デメリットがメリットになるように、感じられるポイントが反転する形になります。
リビング階段のように空間と一体化したスタイルではないため、玄関近くにスペースを設ける必要があります。
木造3階・4階建戸建てだからこそ、将来的な部分を視野に入れる必要性も
住宅を建築した場面では苦ではなかった階段の上り下りも、暮らしていく中できつくなるケースも考えられます。
特に木造3階・4階建戸建ての場合、上下階への移動がどうしても多くなるため、将来的な部分を建てる時から検討しておくことをおすすめします。
例えばエレベーターを後から設置する場合、各階にエレベーターを設置するためのスペースが必要になります。
設置するためには「縦に繋がったスペースを確保」しなければならないため、住宅建築時に他の間取りを踏まえて、エレベーターの設置スペースの確保を進めておくことも方法のひとつです。
関連記事:自宅にエレベーターを設置するメリット・デメリット│費用まとめ
まとめ:3階建て・4階建ての階段の位置はライフスタイルに応じて考えよう
今回は、3階建て・4階建ての住宅でネックとなる「階段」にクローズアップしてきました。
階段はどんなスタイルを選ぶのか。
そしてどこに設置するのかにより、身体への負担や使い勝手のみならず、快適性にも違いが生まれます。
3階建て・4階建ての住宅で後悔のない間取りにするためには、実績の多い会社を選ぶことが重要です。
東京で3階建て・4階建てを建てるならクレバリーホーム東京にお気軽にご相談ください。