注文住宅の間取りの決め方|基本になる8つの考え方のコツと失敗例

注文住宅の間取りの決め方|基本になる8つの考え方のコツと失敗例

自由な間取り設計ができるのが注文住宅のメリットですが、自由度が高いからこそなにから決めていいのか迷ってしまう人も多いです。

そこで今回は「間取りの決め方のコツ」や「よくある失敗例」についてご紹介します。

ご家族の理想の間取りをイメージするための参考にして頂ければと思います。


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  • 注文住宅の間取りの決め方のコツをご紹介しています。
  • よくある間取りの失敗例をご紹介しています。

− contents −
◼ 注文住宅の間取りの決め方と8つの考え方のコツ
◼ 注文住宅のよくある失敗例
◼ まとめ

 

【注文住宅の間取りの決め方①】使い方にあった部屋数を決める

まずは、ご家族に必要な部屋数をイメージしてみましょう。

「3人家族なら3LDK」「4人家族なら4LDK」と単純に考えると失敗する恐れがあります。

必要な部屋数は家族の人数ではなく使い方を考えて決めるとよいでしょう。

【考え方のコツ】部屋の配置によって必要な部屋数に変化

家族の人数分の完全個室が必要な場合には部屋の配置を考慮することがポイントです。

  • 1階:リビング 2階:3部屋
  • 1階:リビング+1部屋 2階:2部屋

上記の例はどちらも3LDKですが、リビングと個室を一体化できる間取りでは2LDKのような使い方をメインとしてしまうことが多いです。

リビング横の個室は「広々リビングにできる」「子育てしやすい」「使い勝手がよい」とメリットが多く人気の間取りです。

ですが、プライバシーを重視する個室を希望する場合には注意しましょう。

【考え方のコツ】個室以外の部屋数

「趣味部屋」「書斎」「スタディースペース」など暮らしが快適になる部屋をイメージしてみましょう。

また「もう1部屋欲しいけれど個室を増やすと窮屈な間取りになる」というケースもあります。

その場合の解決策の案に下記があります。

  • スキップフロア
  • 半個室
  • 階層を増やす

面積が足りないからと最初から諦める必要はありません。

自由設計の注文住宅であればアイディア次第で希望の1部屋が叶いやすくなります。

【注文住宅の間取りの決め方②】間取りに影響する家族のこだわりを決める

施工実例>>>吹抜けなど光を多く取り入れた素敵なお住まい

間取りに大きく影響する家族のこだわりを話し合いましょう。

  • 吹き抜け
  • リビング階段
  • シューズクローク
  • ランドリールーム
  • ビルトインガレージ

間取りに影響するこだわりを最初に家族で話し合っておくことでイメージをつくりやすくなります。

【考え方のコツ】メリットデメリットどちらも確認

間取りは住んでからイメージと違ったと言っても簡単に変更することができません。

そのため、メリットだけではなくデメリットも必ず確認するようにしましょう。

例えば、吹き抜けは1階2階の一部を繋げることで1つの大空間を創り出します。

おしゃれで高級感のある住宅にすることが可能です。

ですが、贅沢に空間を使うからこそ2階部分の居室スペースが狭くなるデメリットがあります。

間取りで後悔しないためにもデメリットも含めて考慮するとよいでしょう。

【注文住宅の間取りの決め方③】カタログを見て間取りをイメージ

施工実例>>> 3角形の敷地に建つデザインが印象的な家 

ハウスメーカーや工務店のカタログや写真を見てイメージを固めていきましょう。

実際の間取りを参考にすることで具体的なイメージをしやすくなります。

【考え方のコツ】人気の間取りを参考にしてみよう

注文住宅で人気の間取りがそのままご家族にとって最適な間取りになるというわけではありません。

ですが、人気の間取りから取り入れたいアイディアが見つかるかもしれません。

【人気の間取り】

  • 玄関収納(シューズクローク)
  • 対面キッチン(アイランドキッチン・ペニンシュラキッチン)
  • ウォークインクローゼット
  • ランドリールーム
  • パントリー
  • ロフトや小屋裏収納
  • スキップフロア
  • リビングと一体化できる個室
  • 吹き抜け
  • スタディースペース
  • 屋上バルコニー

【注文住宅の間取りの決め方④】必要な収納スペースと位置を決める

収納力が自慢のリビング

施工実例>>>【収納力が自慢】

家族のライフスタイルにあった収納スペースと位置を決めます。

収納量は3人家族ならこれぐらい必要!という定義はありません。

ご家庭にあった最適な収納量と位置を間取りに取り入れることが大切です。

【考え方のコツ】生活動線に沿った収納位置

収納量が十分でも生活動線上にないことで使い勝手が極端に悪くなってしまいます。

日常的に出し入れする頻度が多いアイテムは「生活動線上にパッと見てなにがあるか判断できる」奥行きが浅い収納がおすすめです。

【収納の例】

  • 壁面収納
  • 階段下収納
  • リビング収納
  • ロフト
  • 小屋裏収納
  • シューズクローク

【注文住宅の間取りの決め方➄】家事動線を考慮した間取りにする

毎日の家事がラクになるように家事動線がスムーズになる間取りを考えてみましょう。

家事動線が良い間取りでは「効率的」に家事がおこなえ「家事の時短」に繋がります。

【考え方のコツ】洗う→干す→収納の移動を短く

家事動線で一番に考えたいのが「洗濯」です。

ポイントは洗濯物を「洗う、干す、収納する」動線を短くすることです。

  • 洗濯機と干すスペースの階を同じにする
  • ファミリークローゼットで家族の衣類をまとめて収納する
  • ランドリールームで洗濯家事を一か所で完結させる

ランドリールームは洗濯家事が格段に効率的になる以外にも天気や時間に左右されずに洗濯できるメリットがあります。

【考え方のコツ】玄関からキッチンまでの距離

食品や飲料など重い荷物をキッチンまで運ぶのも重労働です。

一回で荷物を運べない場合、何往復もすることになります。

そのため「玄関→リビング→キッチン」ではなく「玄関→キッチン」にすぐに移動できる間取りだと便利です。

廊下の壁部分を引き戸にすることでキッチンにそのまま移動することが可能です。

【注文住宅の間取りの決め方⑥】風通しの良い間取り

施工実例>>> 採風採光の工夫を凝らした快適二世帯住宅

風通しが良い間取りは綺麗な空気を室内に取り込みやすくなります。

空気を入れ替えることでカビ発生を防ぐメリットもあります。

ただし、窓を大きく設けることだけが風通しのよい家にするポイントではありません。

【考え方のコツ】風の入口と出口をセットで設ける

風通しを良くするためには風の入口と出口になる窓を対面させてスムーズな風の通り道をつくってあげることです。

対面でなくても吹き抜け上部の窓と床に近い窓など高さの違う窓もおすすめです。

空気の温度差によって自然と風の流れをつくりやすくなります。

注文住宅の間取りでよくある失敗例

収納が足りない

注文住宅の失敗で多いのが「収納不足」です。

もちろん収納量が多ければ多いほど良いというわけではありません。

居室スペースを圧迫しないように「階段下収納」などデットスペースになりそうな部分を有効活用できる間取りを検討してみましょう。

ちょっとしたスペースの収納でも生活動線上にあることで片づけしやすい住宅になります。

採光が不十分

注文住宅では窓の位置や大きさを決める際に、日光の入り方を十分検討しないと失敗する恐れが高くなります。

とくに住宅密集地など近隣の建物が影になりやすい場合には注意が必要です。

1階部分から採光の取り入れが難しい場合には「天窓」や「吹き抜け」など高い位置から日が差し込む間取りがおすすめです。

コンセントの数

「コンセントの数が足りない」「欲しい箇所に付け忘れた」などコンセントの数や位置で後悔する方も意外と多いです。

使用する家電製品と使用する場所を確認して適切な位置に設けましょう。

「洗面化粧台」

ドライヤー・電動カミソリ・電動歯ブラシ・アイロンなど必要な数を確認

「スタディースペースやカウンターテーブル」

勉強用のタブレッド・携帯・在宅ワーク時のパソコンの充電

「ロフト」

お子様の秘密基地や就寝スペースとして使用を予定している場合

まとめ

家族みんなが長く快適に住める間取りを決めるのは難しく悩む場面も多くなりがちです。

今回の記事を参考にご家族の理想の間取りをイメージしてみてくださいね。

また、より間取りを具体化するためにもプロの設計士に相談してみてはいかがでしょうか?

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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