コンパクトハウスとは?気になるメリット・デメリットや事例を紹介!
都内を中心に都市部で注文住宅を建築したいと考えている人の中には「コンパクトハウス」という言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。
コンパクトハウスは、予算が限られていても都市部で戸建住宅を建てられる可能性を秘めているので、多くの人にとって一度は検討するべき住まい方です。
そこで本記事では、メリット・デメリットを含めたコンパクトハウスの特徴を解説し、事例も紹介します。駅の近くや大型商業施設の近くに住みたいと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
- point -
- 「コンパクトハウス」の特徴を解説します。
- 「コンパクトハウス」がどんな人におすすめできるのかが分かります。
- 「コンパクトハウス」3つの施工事例を確認できます。
− table of contents −
◼ コンパクトハウスとは?
◼ コンパクトハウスのメリット
◼ コンパクトハウスのデメリット
◼ コンパクトハウスが安い理由
◼ コンパクトハウスがおすすめな場合
◼ コンパクトハウスの事例
◼ まとめ│コンパクトハウスでも工夫で広く暮らす
コンパクトハウスとは?
初めにコンパクトハウスとはどんな家を指すのか、定義を調べてみましょう。
30坪未満の住宅を指すことが多い
実はコンパクトハウスという名称の言葉には「明確な定義がありません」。
このため、会社によってコンパクトハウスが指し示す言葉の意味や、コンパクトハウスに含まれる建物の規模は異なるといえるでしょう。ただし、大手不動産業者を中心に「総床面積が30坪未満の住宅」をコンパクトハウスとして定めているようです。
コンパクトハウスのメリット
▶10坪の敷地にガレージ付きコンパクトハウス(24.49坪)
30坪に満たない比較的コンパクトな家であるコンパクトハウス、建てることでどんなメリットがあるのでしょうか。
小さな土地でも建てられるので、土地代金が安くなる
1つ目のメリットは「土地取得代金が安くなる」ことです。
都市部では土地の単価が高いことから、注文住宅を建てる平均的な広さの土地を取得すると、予算をオーバーすることがあります。コンパクトハウスを選択して、コンパクトな土地を探すことで、少ない予算でも便利なエリアの土地を手に入れられるでしょう。
▶関連コラム:注文住宅の初期費用はいくら?土地・建物・ローンの諸費用まとめ
土地・建物の維持管理費が安価になる
土地も建物も、購入して全ての支払いが終わる訳ではありません。固定資産税や都市計画税を始めとする税金や、外壁や屋根の塗装費用といった支払いは定期的に発生します。
コンパクトハウスを選択することで「税金もメンテナンスに要する費用も安価に抑えられる」点はメリットといえるでしょう。
日々の家事負担が楽になる
家も土地もコンパクトに収められているなら「日々の家事負担も楽になる」でしょう。
一般的な広さの土地・建物を購入すると、庭や駐車場、室内の掃除範囲が広くなり家事に忙殺されてしまいます。コンパクトな土地・家にすることで、家事負担を減らせるので、自分の時間に充てたり、家族と過ごす時間を増やしたりできるでしょう。
▶関連コラム:家事楽できる間取りの整え方│共働きのご家庭におすすめの新築計画
コンパクトハウスのデメリット
続いてコンパクトハウスのデメリットを考えてみましょう。コンパクトハウスに住んで不便に思うのはどんなところでしょうか。
床面積に対する建築コストは割高
1つ目は見積もりや建設途中に考えてしまう「坪単価」のことです。
仮設のトイレや上棟時のクレーン費用など、床面積に関わらず同程度の費用を要する作業はあるものです。こうした費用を勘案すると、床面積は大きいほど坪単価は下がります。
ただし、坪単価が割安でも床面積を増やしたほうが総額は高くなるので、全体の費用を抑えたいなら家はコンパクトにまとめることをおすすめします。
上下方向の移動が多くなりがち
2つ目は「上下方向の移動が多くなりがち」なこと。
土地の面積に上限のあるコンパクトハウスでは、3階建て、4階建てで必要な広さを確保するのが一般的です。しかし建物を縦に伸ばすほど、階段を利用した上下動が多くなるので、普段の移動に疲れてしまうかもしれません。
必要があれば、ホームエレベーターの利用を検討してもよいでしょう。
▶自宅にホームエレベーターがあるコンパクトハウス(23.54坪)
収納が不足するケースがある
3つ目は、床面積が限られるために「収納が不足すること」です。
建物の面積が限られる場合、先に削られるのはリビングやキッチンといった居室ではなく、削っても普段の生活に影響を及ぼす訳ではない収納です。
しかし引っ越してきてしばらくして、あるいは子どもが育って物が増えてから「あのとき収納を削らなければ…」思うときが来るかもしれません。
▶関連コラム:【狭い家におすすめの収納】リビングに適したおしゃれな収納5選
コンパクトハウスが安い理由
▶余すところなく使った3階建て小屋裏収納付き住宅(23.42坪)
こうしたデメリットのあるコンパクトハウスですが、やはり建築費用が安価に済むのは非常に魅力的です。では、改めてコンパクトハウスが安価に建築できるのはどうしてでしょうか。
土地代金が安価だから
コンパクトハウスが安価に建てられる最大の理由は「土地代金が安価だから」です。
たとえば都内で土地を探していて、坪単価が100万円のエリアで検討しているとしましょう。単純に10坪土地を削れば土地取得代金は1,000万円浮くことになります。坪単価が上がれば更に節約できる金額は増えます。
都市部で戸建てを建てる場合は、土地代金を安くすることが全体の費用を下げることにつながると認識しましょう。
建物の規模が小さくなりがちだから
都市部では土地の取得にお金がかかることを述べましたが、土地に予算が振り分けられることで「建物にかけられる費用が少なくなり、建物の規模が小さく安価に」なります。
ただし、建物の床面積を減らすよりも、土地面積を減らす方が節約効果は高くなるので、土地代金の節約に力を入れましょう。
外構に費用をかけずに済むから
取得する土地をコンパクトにできる場合は「外構にかかる費用も小さく」なります。
外構業者が行ったアンケート調査によると、外構費用の総額は「100~200万円」が最も多く、「50~100万円」「200~300万円」と続きます。中には400万円を超える人もいて、外構範囲が広くなりこだわる程に費用が嵩むことが示唆されます。
▶関連リンク:新築の外構エクステリア工事でかかった費用の総額はいくら?
土地面積を限ることで、本来外構工事で必要だった費用を節約できるのは大きなメリットです。
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コンパクトハウスがおすすめな場合
では、具体的にどんな人に対してコンパクトハウスを勧められるのでしょうか。主には2つの状況下にある人におすすめできます。
予算が限られる中で都市部に住みたい場合
1つ目は「予算が限られる中でも都市部に住みたい人」です。
会社や学校の関係や利便性を求めて、都市部に住みたい人は多いもの。しかし多くの人は予算に上限があり、求める広さの土地・建物を手に入れられません。
こうした状況下にある人は、土地や建物の広さを制限することで都市部に居住できる場合があるので、コンパクトハウスを検討しましょう。
▶関連コラム:都内に狭小住宅を建てるために知っておきたい予算と間取り
家族構成が確定して変化しない場合
2つ目は「家族構成が変わらないと確信したとき」です。
子どもが巣立ったあとや子を持たない選択をしたとき、子ども室や子ども用の収納は不要になり、居室や収納を含めた建物の大きさをコンパクトにまとめる検討を始められます。
生活するのに必要十分な広さの土地・建物の面積も計算できるので、過度な大きさの土地・建物を建てずに済むでしょう。
コンパクトハウスの事例
ここからは都内に建築されたコンパクトハウスの実例を紹介します。どんな家が建てられるのか、どんな生活が送れるのか、想像しながら見てみてください。
窓から光が差し込む明るいコンパクトハウス(28.13坪・江東区)
初めに紹介するのは江東区に位置する、床面積28.13坪のコンパクトハウスです。前面道路側から光がたくさん差し込むため、明るい生活空間を確保できるのが特徴です。
寝室には屋上に向けた天窓も設置されていて、一日中安定して優しい光が降り注ぎます。コンパクトハウスを選択する場合は、土地選びが大事であることを再認識させてくれる住宅です。
地下と地上にも空間が広がる木造4階建て(29.56坪・墨田区)
次に紹介するのは、墨田区に建てられた延床面積29.56坪のコンパクトハウス。木造4階建てに加えて、地下と地上にも空間を作っているので、敷地面積10.12坪とは思えない広々とした空間が広がります。
コンパクトハウスでも外観に気を使うのは大事なこと。ポーチ最上部まで届くようデザインされた玄関や、穏やかな色合いのタイルを利用することで、高級感あふれる外観が完成しました。
吹き抜けのある3階建て住宅(25.69坪・新宿区)
最後に紹介するのは新宿区に位置する、25.69坪のコンパクトハウスです。ダイニング直上から勾配天井が始まり、そのまま吹き抜けているのが特徴的。
スケルトン階段や大きめの窓から光が差し込み、LDKは非常に明るく開放的な空間になっています。渋めの色合いの床とも相まって、高級感ある仕上がりができています。
まとめ│コンパクトハウスでも工夫で広く暮らす
都内を中心に人気を博するコンパクトハウスについて、特徴や事例を解説しました。
コンパクトハウスは土地や建物の大きさを制限することで、便利なエリアに居住できたり手元に資産を残したりできます。予算が限られている一方で、都市部に居住したいと考えている人は、コンパクトハウスを住む場所の選択肢に入れてみましょう。