「中古マンションは買うな」は運次第!?後悔を避けるために特徴を再確認

「中古マンションは買うな」は運次第!?後悔を避けるために特徴を再確認

都市部で住宅を購入する場合、様々な選択肢がありますが中でも比較的安く取得できるのは「中古マンション」です。
駅や商業施設近くの便利な環境を割安に手に入れられるのは嬉しいもの。しかし一方で中古マンションを購入して後悔を感じる人がいることも確かです。後悔した人は「中古マンションは買うな」と声を上げ、購入希望者の不安をあおります。

では、どうして中古マンションの購入で後悔を感じてしまうのでしょうか。本記事ではその原因を最初に紹介しつつ、改めて中古マンションの特徴を解説。中古マンションの購入で後悔しないようお手伝いします。事前に情報を仕入れることで、後悔のない住まい探しにしましょう。


- point -

  • 「中古マンションは買うな」こう言われる原因を解説します。
  • 改めて中古マンション購入の特徴や、購入をおすすめできる人について解説します。
  • 中古マンション以外にもおすすめできる、都市部に居住するための方法を紹介します。

 

「中古マンションは買うな」と言われる理由

最初に「中古マンションは買うな」と後悔の意見が聞かれる理由を紹介します。株式会社groove agentは1,000人を対象に「中古マンション購入における不満に関するアンケート調査(出典:ゼロリノベ調べ)」を実施しています。

中古マンション購入における不満に関するアンケート調査

参考記事:株式会社groove agent「中古マンション購入における不満に関するアンケート調査」

調査の中で、購入後に抱いた中古マンションの不満について聞くと、「間取り・立地・広さ・周辺環境・寒暑・支払い」など、およそ半数の不満は、事前に調べたり想定することができた不満であることが分かります。

一方で、「住人のマナー・隣接住戸の騒音・管理状態」など、もう半分の不満は住み始めてからでないと気づくのが難しい不満であることが分かります。

調査から、事前に中古マンションを購入する際には、対象とするマンションの特徴を把握しながら、万が一住人や管理状態といった点が原因で不満を抱えてしまう場合に備えて、再転居の可能性も考えておく必要がありそうです。

中古マンション購入のメリット・デメリット

後悔を防ぐためにも、中古マンションのメリット・デメリットを把握するのは不可欠です。どんな特徴があるのでしょうか。

メリット(1)比較的安価に都市部に住める

メリット(1)比較的安価に都市部に住める

最大のメリットは「安価に都市部に住める」ことです。

マンションは土地を複数人で購入、共同で保有するため、1人あたりの土地代金の負担が小さくなります。本来購入できない価格の土地でも安価に取得でき、都市部に住めるのは嬉しい点です。

メリット(2)売却時の値下がりが少ない

「売却時の値下がりが少ない」こともメリットです。

マンションが建てられる土地は、駅や商業施設の近くなど利便性の高い土地であるケースが多いもの。需要がある土地・建物の価格は下がりにくいことから、将来的に売却することになったときも、値下がり幅が少なく比較的高い値段で売却できるでしょう。

メリット(3)環境を事前に確認できる

新築のマンションなどと比べて、中古マンションの場合すでに建築工事が終わっているので「住環境を事前に確認」できます。

購入予定の部屋の隣家は常に玄関まわりを綺麗にしているか。付近に子どもが遊べる公園があるか。買い物に出るとき、スーパーまでどのくらいの距離か、ある程度は事前に確認できます。

デメリット(1)耐震性・老朽化の度合いが見えにくい

デメリット(1)耐震性・老朽化の度合いが見えにくい

一方でデメリットは「耐震性・老朽化」など、目に見えない場所や素人目で良し悪しが分からない点への不安です。新築の場合は、建築途中の現場見学会が開催されたり、建物の壁内についての紹介が行われるため確認できますが、中古マンションの場合は確認できない、または状態の善し悪しが分からないことがデメリットです。

デメリット(2)管理規約によってはリフォームしづらい

また、「管理規約によってはリフォームしづらい」点も大きなデメリットです。

「立地はいい。予算もちょうどいい。間取りが気に入らないけどリフォームすればいいや。」こう思って購入したあと、管理規約上水回りの位置を変えられない。こういった、細かなルールがあることで思い通りにリフォームできず後悔するケースも多いものです。

中古マンションがおすすめな人

中古マンションがおすすめな人

こうした特徴を把握したうえで、どんな人に中古マンションの購入が勧められるのでしょうか。

マンション購入の費用を抑えたい人

もっとも勧められるのは「住居の購入費用を抑えたい人」です。

中古マンションの最大のメリットは、広告宣伝費などの余分な費用が計上されておらず、割安に購入できることです。予算に余裕がない人や、リフォームに予算を割きたい人、引越し後の生活にお金を使いたい人は、中古マンションの購入を検討する余地があります。

転居の可能性がある人

仕事の関係上「転勤がある人」にも中古マンションは勧められます。

先述したとおり、中古マンションの多くは利便性の高い場所に建てられていることから、大幅に売り値が下がることが少なく、売却することになっても比較的高額で売れるケースが多いでしょう。

また、万が一隣人トラブルに巻き込まれた場合など、仕事外の理由で転居を迫られた場合も、売り値が高いことで損することなく引っ越せるでしょう。

中古マンションを買う流れ

中古マンションを買う流れ

実際に中古マンションを購入する際の流れを、以下の通りおさらいしておきましょう。

  • 購入するエリアを確定させる
  • 対象エリアに強い不動産業者を選定する
  • 複数の物件を見学して、1つに絞り込む
  • 売買契約と住宅ローンの申込み
  • 決済と物件の引き渡し

こうした流れで中古マンションの購入は進んで行きます。中でも大事なのは「不動産業者の選定」です。誠実な不動産業者を選べば、物件の利点だけでなく、欠点も紹介してくれて、購入後に感じる後悔を少なくできます。

中古マンションを買うときの注意点

中古マンションを買うときの注意点

ここまで紹介した特徴以外にも、中古マンション購入には注意するべき点が存在します。

修繕積立金が適切に管理されているか

1つ目は「修繕積立金の管理状態」です。

修繕積立金とは、マンションを維持管理するための費用を毎月住人全員で積み立てていくものです。適切に積み立てていれば、将来大規模な修繕が必要になった場合も、問題なく支払えます。

一方で修繕積立金が積み立てられていない場合や、大規模修繕への積み立ての見通しが甘く不足している場合には、5年後10年後、後悔することになるかもしれません。可能であれば、積立金の状況や、大規模修繕の見積もりの正確さを検証させてもらいましょう。

管理規約上、望むリフォームができるか

2つ目は「管理規約上、望むリフォームができるか」という点です。

先述した通り、管理規約が原因でリフォームに制限が生じる可能性があります。細かな文字の羅列で読むのが大変かもしれませんが、望むレベルのリフォームができるか管理規約を細かくチェックするようにしましょう。

中古マンション購入以外の家購入の選択肢

中古マンションの購入について全般的に解説しましたが、実はあなたに合った住まいは中古マンションではないかもしれません。都市部に居住するための他の選択肢には、どのようなものがあるのでしょうか。

都市部での新築戸建て

▶敷地面積17.96坪の土地で実現したアーバンライフ​

▶敷地面積17.96坪の土地で実現したアーバンライフ

まず挙げられるのは「新築戸建て」です。土地を購入して注文住宅を建築する場合、住宅の間取りや設備など全てを自分の思い通りに設計できます。一方で都市部で注文住宅を建築する場合、土地取得にかかる費用が高額になりがちです。費用を抑えるためには、土地の面積を抑えることが効果的です。

事例の注文住宅は、敷地面積17.96坪とコンパクトな土地に建築されていますが、設計の工夫で日差しを取り込んだ明るいリビングを実現できています。

土地の単価が高いからと敬遠せず、土地探しと設計力で新築戸建て住宅を建築するのはひとつの手です。

収益を得られる物件の併設

▶ 賃貸物件併設で収入も得られる注文住宅​

▶ 賃貸物件併設で収入も得られる注文住宅

「収益が得られる併用住宅を建築する」のも効果的です。単価が高い土地は市場価値が高い土地です。欲しい人や利用したい人も多いもので、賃貸物件や店舗用物件を建築すれば借り手はたくさん現れます。

そこで提案するのは「併用住宅」です。建物の一部を自宅として、一部を賃貸や店舗用物件として貸し出すことで収入アップが期待できます。建築後のキャッシュフローに不安を感じている人は検討してみてもよいでしょう。

まとめ│様々な選択肢を検討しよう

よく聞かれる「中古マンションは買うな」という意見について検証しました。実は中古マンションへの警鐘の半分ほどは、購入前の調査で取り除くことができるものでした。一方でもう半分の「住人のマナー・隣接住戸の騒音・管理状態」といった問題は入居後でないと気づくのが難しい問題で、対処が難しいことも分かりました。

都市部での住まいを考える上で、選択肢は中古マンションだけではありません。最後に紹介した注文住宅や賃貸併用住宅も選択肢に含まれます。どの選択肢があなたにとってふさわしいのか、よく検討して方向を定めましょう。

▶関連コラム:【賃貸併用住宅の成功例】間取りを成功させる3つのポイントをご紹介

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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