【新築・耐火木造】耐火建築物とはどんな建物なの?|一般住宅との違いを比較してみよう
憧れの我が家を東京で建てるためには、さまざまな規制というハードルを越える必要があります。
そのひとつが「耐火構造」や「耐火建築物」など、建てる建物に対しての規制です。
特に都心部などの人口密集地では、「防火地域」「新防火区域」「準防火地域」「法22条区域」など建てるエリアによってもクリアしなければならない基準が変化するのです。
今回は、東京で新築の木造住宅を建てるための基礎知識「耐火建築物」にクローズアップしてみましょう。
耐火建築物とはどんな建物なのか。
そして一般住宅とはどんな違いがあるのかなど、知っておきたい情報を集めました。
- point -
- 東京で木造住宅の住まいを建てるためには、「耐火建築物」について知っておく必要があります。
- 耐火建築物の特徴やメリットなど、建てる上で必要な知識を頭の中に入れておきましょう。
- 情報を集めることは、建ててよかった!と感じる家づくりへの近道になります。
− contents −
◼ 耐火建築物とは?どんな建物
◼ 一般の住宅と耐火建築物「仕様の違い」を見てみよう
◼ 木造住宅を耐火建築物で建てよう!
◼ まとめ:構造にとらわれない家づくりなら、お任せください
耐火建築物とは?どんな建物
私たちが生活している街は、ひとつひとつの建物が集合体となり、都市を形成しています。
その都市を形成し、維持していくためには、都市の安全を守ることは重要な役目のひとつです。
そのため都市全体の取り組みはもちろんですが、私たちの暮らす住宅ひとつひとつが安全を高めていくことが必要なのです。
安全面を高めるキーワードでは、「耐火」「防火」のふたつがあります。
似ているようで違うこの2つのキーワードから、解説していきましょう。
防火とは
住宅において防火の目的は、「建物の周辺で発生した火災の延焼を抑える」ことです。
効果的に防火を行うためには、建物の延焼を抑制するための防火性能を持たせることが必要です。
外壁や軒裏などを建物の外側に燃えにくい材質を施す構造を「防火構造」といいます。
耐火とは
一方耐火の目的は、火災が起こった際に「火災が終わるまで倒壊せず、周辺への延焼を防止する」ことになります。
耐火では、建物自体で火災が発生しても燃えにくくなるよう工夫されています。
ひとことで表せば、「防火」は「建物の周囲」を、「耐火」は「建物自体」のことを指していることが一般的です。
都市形成を行う上で、防火はもちろんのこと、自分たちが建てる住宅を火災に負けないよう強くつくることはとても大切なのです。
木造住宅における耐火建築物とは
私たちが住む住宅では、
- 耐火建築物
- 準耐火建築物
- その他建築物(一般木造)
と上のような3つの種類に分けることができます。
その中でも耐火建築物とは、建築物の主要構造部を耐火構造でつくられています。
耐火構造物にするためには、階数や構造の種類によって異なりますが、主要構造部が最長3時間は火災に耐える性能が求められます。
(外壁の開口部からの延焼を防ぐために、防火設備にする規制あります)
火災後も倒壊などの損傷が起こらない構造となるため、避難に対する時間も確保することができるのです。
関連記事:【耐火構造】木造の耐火住宅にする5つのメリット│準耐火構造と防火構造の違いも解説
一般の住宅と耐火建築物「仕様の違い」を見てみよう
火災に強い建物である耐火建築物にするためには、建築基準法で定められた基準を満たす必要があります。
では一般の住宅とは、どのような部分が違うのでしょうか。
ここでは「耐火建築物にするための仕様」を見ていきましょう。
耐火建築物「主要構造部※に関する仕様基準」一覧
※ 主要構造部とは、建物の構造で重要な部分のことを指しています。
耐火建築物では一般住宅よりも、「外壁」「間仕切り壁」「柱」「床」「梁」「屋根」「階段」などの部分を「耐火構造」にする必要があります。
技術的基準(建基政令第107条)として下の表に掲げる建築物の部分にあっては、当該部分に通常の火災による火熱がそれぞれ表に掲げる時間加えられた場合に、構造耐力上支障のある変形、溶融、破壊その他の損傷を生じないもの。
その他にも、壁及び床にあっては、これらに通常の火災による火熱が1時間(非耐力 壁である外壁の延焼のおそれのある部分以外の部分にあっては、30分間) 加えられた場合に、当該加熱面以外の面(屋内に面するものに限る。)の温度が当該面に接する可燃物が燃焼するおそれのある温度として国土交通大 臣が定める温度(以下「可燃物燃焼温度」という。)以上に上昇しないもの。
など、ここであげる以外にも細かな規定があります。
文章や表などを見ているだけでは、「難しいなぁ・・・」「何だかよく分からない」と感じている方も多いでしょう。
しかし都心部など利便性の高いエリアの場合、避けて通れないのが「耐火建築物の建築」です。
しっかりと施工が任せられる会社を選ぶことはもちろんですが、エリアの特徴を知り尽くした会社を選ぶことも大切なのです。
分からない部分はしっかりと建てる前に質問し、不安を解消して家づくりを進めていきましょう。
木造住宅を耐火建築物で建てよう!
耐火建築物としてはこれまで鉄筋コンクリート造や鉄骨造がメインでしたが、2000年に改正された建築基準法により耐火住宅が木造で建てられるようになりました。
防火地域における木造戸建て住宅のニーズ調査によると、木造耐火住宅へのニーズの高さが伺える結果が出ています。
建て替えの際、希望する構造では木造がダントツの1位に。
そしてなぜ木造で建て替えたいのか?という質問では、木の持つ調湿機能やアレルギーに対する安心感など、特徴を活かした家づくりがしたい!という理由が見えてきます。
自然素材のひとつである無垢材は、丸太を切り出し、自然の風合いをそのままに感じられる木材です。
- 切り出しされる木材によっても、風合いや色味、肌触りなど違いを感じられる。
- 年月の経過とともに新たな表情を見せてくれる。
- 内部に中空を多く含む木材は、火がついて真っ黒になっていても、内部までは火が通りづらい。
など、木造住宅だからこそ感じられる魅力がたくさんあります。
また耐火建築物の代表でもある鉄筋コンクリート造や鉄骨造に比べ建築コストが抑えられる部分は、とても大きなメリットです。
木造耐火住宅でその基準をクリアした家の場合、建物の坪単価で平均約20万円。
さらに地盤の補強工事についても相当の金額差が出るため、一般的には鉄筋・RCより20%以上お安いコストで勝るとも劣らない性能の家を手にすることができます。
ぜひ住まいの選択肢に「耐火木造」を加えてみることをおすすめします。
関連記事:防火地域にも木造三階建ては造れるの?家づくりのポイント
まとめ:構造にとらわれない家づくりなら、お任せください
東京の都心部でも、エリアに適した構造を用いることで「防火地域でも木造住宅」を建てることができます。
- 工期が短い
- 建築費用を抑えられる
- 狭小地に建てやすい
- 火災保険が安い
- 気密性と防音性が高まる
などのメリットを感じつつ木造の家だからこそ感じられる温かみや雰囲気を味わうことができるのです。
クレバリーホーム東京では、狭小住宅から、3階建て住宅、4階建て住宅、二世帯住宅、地下室付き住宅、屋上付き住宅、木造耐火住宅など、お客様のご希望やライフスタイルに合わせた住まいづくりをご提供しています。
「こんな暮らしがしてみたい」「このエリアで暮らしたい」「相談したけれど、断られてしまった」など、不安や疑問、そしてあなたの思いを声にしてみてください。
お客様との何気ない会話からご要望を見つけ出し、アドバイスやご提案をさせていただいております。
ぜひお気軽にお声がけください。私たちと一緒に理想の住まいを建ててみませんか。