不燃化特区プロジェクトをわかりやすく解説│解体工事の費用目安まとめ

不燃化特区プロジェクトをわかりやすく解説

東京都は木造住宅が密集している地域に向けて「木密地域不燃化10年プロジェクト」を2012年から10年間実施。

その後、具体策の中から「不燃化特区プロジェクト」が5年間延長になり、令和7年度まで取り組みが続けられています。

国が推進する事業への取り組みとしてだけでなく、家族の命や地域の安全を守るためにも、重要な計画といえるでしょう。

 

指定の地域にお住まいで、建物の老朽化が気になっている方は、この機会に家の立て直しを検討してみてはいかがでしょうか。

今回は「不燃化特区プロジェクト」の概要と、家を建て直す際に必要な解体工事についてお伝えしていきます。

 


- point -

  • 不燃化特区プロジェクトには、どのような目的や取り組みがあるのかわかりやすくご説明します。
  • プロジェクトの支援として助成金をうけられる解体工事について、費用や作業の流れをおつたえします。

 

− contents −
◼ 不燃化特区プロジェクトとは
◼ 解体工事の費用の目安
◼ まとめ

 

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不燃化特区プロジェクトとは

住宅密集地

不燃化特区プロジェクトを簡単にご説明すると、木造住宅が密集する地域を「燃え広がらない・燃えないまち」にする東京都の取り組みです。

木造住宅が立ち並ぶ昔ながらの地域で大規模地震起こった場合、次の様な危険が想定されます。

  • 老朽化した建物は倒壊しやすいので、住人に被害が及ぶ恐れがある
  • 倒壊した建物がただでさえ細い道を塞ぐと、緊急車両が侵入できない
  • 火災になった場合、耐火性能の低い住宅は燃えやすい
  • 火災になった場合、建物が密集している地域は燃え広がりやすい

 

このようなリスクを下げるために、地域の設備促進はもちろんのこと、住宅の建て直しによる耐震化・不燃化が促進されています。

参考資料:東京都都市整備局 「木密地域不燃化10年プロジェクト」実施方針

 

不燃化特区プロジェクトの対象地域

不燃化特区プロジェクトの対象になる地域は次の通りです。

不燃化特区プロジェクトの対象地区一覧

引用元:東京都都市整備局  不燃化特区制度パンフレット

 

不燃化特区内の支援内容

住宅地

プロジェクトの期間中に不燃特区地域において、老朽化した住宅・建物の解体(撤去)や建て替えを実施する場合、3つの支援を受けることができます。

助成金に関しては条件や保証内容が異なるので、専門業者や地区の担当者に確認しましょう。

 

支援① 専門家に相談できる

いざ家を解体したり立て替えたりすると決めても、何から始めればいいのか分からないものです。

そこで東京都では弁護士や税理士、不動産鑑定士や建築士などの専門家を派遣する支援がおこなわれています。

 

  • 借地を返す場合に円滑に進む交渉方法
  • 空き家になっている木造住宅を解体した後の資産運用
  • 借地内の建物を主有している場合の建て替え方法
  • 老朽化したアパートの対処法

このように複雑な内容も、専門家に相談しながらプロジェクトに取り組むことができます。

関連記事:土地活用のアイデア3選│住居と収益を兼ねた家づくりをご紹介

 

支援② 建築費用の助成をうけられる

住宅や建物を建て替える際、必要な費用に対する助成をうけることができます。

さらに条件を満たす場合は、建て替えた後の固定資産税や都市計画税の免除を最長5年間受けられます。

 

【助成をうけるための条件例】

  • 建物の主要構造部が木造か軽量鉄骨でできている
  • 建物の耐用年数を前段階で2/3経過している
  • 耐火建築物か準耐火建築物に建て替える

前述したように、この様な条件や保証内容は地区によって異なるので、専門業者や地区の担当者に問い合わせてみましょう。

関連記事:防火地域にも木造三階建ては造れるの?家づくりのポイント

 

支援③ 解体費用の助成をうけられる

不燃化特区プロジェクトは老朽化した建物の解体工事に対しても、助成金を受け取ることができます。

さらに一定の条件を満たすことで、解体後の更地に対する固定資産税の免除も受けられます。

条件の一部は令和3年より緩和されている部分もあるので、手続き方法と合わせて問い合わせてみましょう。

 

では次に、建物を解体する際の費用や工事の流れなどを確認していきましょう。

関連記事:『密集市街地』とは?基準や課題、対策について解説│耐火住宅で不燃化防災対策

解体工事の費用の目安

解体

木造住宅の解体工事費は一坪あたり3万円~5万円程度です。

解体業者よって費用設定は異なるので、あくまでも目安としてご理解ください。

 

さらに解体工事費用が高くなる場合や、見積りに影響する環境などもまとめてお伝えします。

解体したい住宅と比較しながら、ぜひ参考にしてください。

 

解体工事費用が高くなる場合

家の構造や状況、住宅解体以外にも作業が必要な場合には費用が高くなります。

  • 鉄骨・鉄筋造の住宅・・・鉄骨や鉄筋を切断の手間と廃材の処理費用が高いため
  • 平屋住宅・・・同じ延床面積の二階建て住宅と比較すると、基礎や屋根部分が広いため
  • 地中に撤去する物がある・・・井戸や浄化槽など、地中から撤去する手間がかかるため
  • 断熱材に有害物質が使用されている・・・解体時に飛散しないよう特殊な処理が行われるため

 

また先にお伝えした費用の目安(一坪あたり3万円~5万円)は住宅のみの解体費用なので、敷地全体を更地にするには門塀やフェンス、ブロック塀や駐車場のコンクリート土間なども解体・処分する必要があります。

庭の使い方はそれぞれなので、必要な費用に大きな差が出てくるでしょう。

 

敷地環境や周辺状況によっても費用が異なる

敷地内の環境や周辺の状況によっては、解体作業を進めにくい場合があります。

  • 敷地に十分なスペースがなく、重機や車両、作業スペースの確保が難しい
  • 前面の道路が狭く、大型トラックの侵入が不可能
  • 前面の道路と住宅の敷地に段差や高低差がある

 

作業が進みにくいと手間がかかるだけでなく、工期も長くなる可能性があります。

人件費や重機のリース代などに関係するので、工期が長くなるほど費用は高くなるでしょう。

 

解体工事費用を抑えるコツ

解体工事費用を抑えるには、まず数社から見積もりをとって比較検討することをおすすめします。

見積りの項目内容と費用を照らし合わせて、安いだけではなく内訳が明確かも重要視しましょう。

 

項目の内容が不明瞭だと、含まれていると思っていた費用を追加で徴収されたり、残された作業を別の業者に依頼することになり兼ねません。

解体作業を終えて敷地を更地にするまでの工程を理解して、全ての作業が見積りに反映されているか確認しましょう。

 

解体作業の流れ

住宅を解体する際の手順は次の通りです。

①足場を設置して養生する・・・解体する際の風じんや騒音を周囲に飛ばさないよう敷地内を囲む

②住居の解体をする・・・重機が運びこまれて、屋根から内装、外装と解体が進められる

③廃材の運び出し処分を行う・・・廃材を規制にそって分別し処理場に搬入する

④更地になった土地を整地する・・・地中に埋まっている物がないか確認して、地面を平らにする

 

このような作業に必要な費用が、全て見積りに含まれているか確認しましょう。

 

まとめ

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今回は東京都が実施している「不燃化特区プロジェクト」について分かりやすくお伝えしてきました。

不燃化特区プロジェクトとは、地震による倒壊や火災が起きた場合の被害を最小限に抑えることを目的としたものです。

そのために燃え広がらない家、燃えない家、さらには倒壊しない家への建て替えが促進されています。

 

住宅を建て替えるには費用がかかりますが、プロジェクトの支援として費用の助成があります。

建築費用はもちろん、住宅を解体して更地にするだけでも助成の対象となります。

 

不燃化特区プロジェクトの対象地域にお住まいで、住宅の老朽化が気になっている方は、ぜひ専門業者に相談されることをおすすめします。

大切な家族や住み慣れた街を守るために、プロジェクトへの参加を検討してみましょう。

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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