狭小住宅が東京に最適な理由とは│おすすめの間取りを10個ご紹介
狭小住宅とは建築面積が狭い建物のことで、とくに広さの定義などはありません。
生活スペースを確保するために3階建てや4階建てにすることがほとんどで、建物は敷地いっぱいに建てられます。
今回はそんな狭小住宅が東京に最適な理由と、狭小住宅におすすめの間取りを10個ご紹介します。
狭いスペースが開放的な空間に仕上がるので、狭小住宅の間取り計画にぜひお役立てください。
- point -
- 狭小住宅が東京などの都心部に多くみられる理由をご紹介します。
- 狭小住宅に最適な間取りとは、床面積を少しも無駄にしない工夫です。
− contents −
◼ 狭小住宅が東京に最適な理由
◼ 狭小住宅におすすめの間取り10選
◼ まとめ
狭小住宅が東京に最適な理由
狭小住宅が東京に最適な理由は、東京の地価が高いからです。
狭い土地に家を建てることができる狭小住宅であれば地価の高い東京であっても、狭い土地や変形地などを利用することで土地の購入額を抑えた新築計画が立てられます。
広い土地に家を建てるには東京を離れるという選択もありますが、通勤の関係や東京での暮らしやすさ、また親から受け継いで土地を所有しているという理由から狭小住宅を建てるケースもあります。
狭い土地に建てる住宅での生活は窮屈と思われがちですが、間取りの工夫や内装のデザインによって開放的で快適な家づくりは十分に可能です。
狭小住宅におすすめの間取り10選
狭小住宅におすすめの間取りは次の通りです。
- 小上がりで空間を仕切る
- ロフトで生活スペースを増やす
- リビング階段で生活スペースを広げる
- デッドスッペースを活用する
- 地下室をつくる
- ファミリークローゼットをつくる
- ランドリールームをつくる
- 床面積を利用しない収納をつくる
- 屋上やルーフバルコニーなど外スペースをつくる
- ビルトインガレージをつくる
それぞれおすすめの理由や、間取りのポイントを詳しくご紹介していきます。
①小上がりで空間を仕切る
小上がりとは床を一段高くつくって、空間を仕切る間取りのことです。
狭小住宅はワンフロアがコンパクトなので、間取りごとに壁で仕切ってしまうと窮屈な印象になり兼ねません。
例えばリビング横に和室をつくると、リビングのスペースがかなり狭くなるでしょう。
リビング横に小上がりをつくって小上がり部分を畳みにすると、コンパクトな畳スペースをつくることがでいます。
個室であれば狭くても4畳半ほど必要になりますが、小上がりであれば広さを選びません。
お子さんのプレイスペース、お昼寝やお客様の寝室として利用することも可能です。
小上がりの段差を利用して大型の収納スペースを確保することもできるので、狭小住宅には魅力の高い間取りと言えるでしょう。
関連記事:小上がりをリビングにつくるメリットとは?快適な小上がりの整え方
②ロフトで生活スペースを増やす
狭小住宅は3階建てや4階建てにして生活スペースを増やすと先述しましたが、一つのフロアを横に仕切るロフトをつくると、さらに床面積を広げることができます。
建物には土地の広さによって家の床面積に制限(容積率)がありますが、規制を守ってつくられたロフトはこの制限にカウントされません。
本来天井裏を利用した物置として考えられたものだからです。
しかしロフト内の床面積は十分な広さ(ロフトのある階の1/2)にできるので、生活のスペースとして利用することもできます。
自治体によっては固定階段の設置ができない場合もあるので、事前に確認をしておきましょう。
ロフトはリビングなどと空間を共有しますが、高さがあるのでロフト内がリビング側から見えることはありません。
そのためコミュニケーションが取りやすく、ある程度のプライバシーが守れるスペースに整えることができます。
子ども部屋や書斎などに利用するのがおすすめです。
関連記事:ロフトを子ども部屋にする方法│デメリットへの対策とメリットをご紹介
③リビング階段で生活スペースを広げる
リビング階段にすると、階段に必要なスペース(2畳程度)とリビングの空間を共有できるので、開放的な間取りに仕上がります。
階段もステップの間(蹴上げ)を作らないスケルトン階段にして、視線が通るようにしましょう。
リビング階段は階を移動するたびに、リビングを通ることになるので、家族が顔を合わせる機会を自然に増やすことができます。
コミュニケーションが取りやすいので、挨拶や会話の行きかう楽しい生活を送ることができるでしょう。
関連記事:リビング階段の間取りポイント|メリットデメリットと注意点
④デッドスッペースを活用する
デッドスペースも大切な面積なので、有効に利用できる間取りに仕上げましょう。
例えば階段下のスペースや、階段の踊り場、屋根裏など、ただの空間や通路として利用するのはもったいないです。
トイレや洗面所などのコンパクトな間取りであれば、十分に利用することができます。
またテレビ台などを設置してテレビを埋め込むと、その分リビングの空間が広がります。
階段の踊り場にテーブルをつけると、お子さんのスタディスペースにもなりますし、廊下の両ワキに収納棚を設置することも可能です。
10センチのスペースも無駄にしない間取りで、快適な暮らしを整えましょう。
関連記事:階段下のスペースを有効活用する方法│利用しやすいポイントをご紹介します
⑤地下室をつくる
生活スペースを地下に伸ばすことも可能です。
地下室は延べ床面積の1/3を上限に容積率の緩和を受けられるので、地上部分では不足する面積を補うことができます。
地下室は生活スペースを増やすだけでなく、特徴を活かすと生活がさらに豊かになります。
- 温室が保たれやすいので、ワインセラーや楽器の収納に適している
- 防音性が高いので、楽器の練習やダンススタジオとして利用できる
- 外からの音が入りにくいので、寝室や書斎としての利用も最適
また地下に家の基礎が埋まることになるので、耐震性能を高めることが可能です。
地下室の一部を地上に出せば入サイドライトを設置することができますし、壁と土地の間を掘って空間を作れば(ドライエリア)明るい空間に仕上げることができます。
関連記事:地下室の失敗しない作り方│利用目的に合ったスペースにしよう
⑥ファミリークローゼットをつくる
ファミリークローゼットをつくると、家事動線と生活動線が整うので家の中の動きを効率化することができます。
- 家族の洗濯物を一度に収納できる
- ちょっと羽織り物が欲しいと思った時に部屋に取りに行かなくて済む
- お風呂に入る準備がしやすい
- お子さんのお世話がしやすい
お子さんは成長と共に自分の洋服は自分の部屋で管理したくなりがちなので、子ども部屋のクローゼットは必要かもしれません。
可動式の収納を後付けしてもいいですね。
関連記事:ファミリークローゼットの後悔しないつくり方│4つのポイントをご紹介
⑦ランドリールームをつくる
ランドリールームをつくると洗濯を効率的に行うことができます。
洗濯は、洗濯物の回収・洗濯をする・洗濯物を干す・洗濯物を畳むなど、それぞれの作業をするために、家の中を移動する必要があります。
狭小住宅の場合は、階段での移動が必要になるかもしれないので、毎日の洗濯作業が重労働に感じられるでしょう。
狭小住宅にランドリールームをつくるのは、他の間取りに負担をかけると思われがちですが、脱衣所や家事室、洗面室などと空間を共有すれば2畳程度で済みます。
脱衣室やファミリークローゼットと動線を繋げて、さらに家事の効率を上げていきましょう。
関連記事:【新築】ランドリールームに最適な広さとは│用途を制限すれば狭くても快適!!
⑧床面積を利用しない収納をつくる
収納は床面積を消費しなくても作れるので、床面積がとくに貴重な狭小住宅の間取りには積極的に取り入れていきましょう。
- 小上がりの段差を引き出し収納にする
- 壁の厚みを利用したニッチで本棚をつくる
- リビング収納に吊戸棚を利用する
- 洗面室の点検口に床下収納を設置する
- 対面キッチンの腰壁に収納棚をつくる
収納が必要な位置や収納品の出し入れ頻度なども含めて、利用しやすい収納を整えていきましょう。
⑨屋上やルーフバルコニーなど外スペースをつくる
狭小住宅は庭を設けることが難しいですが、屋上やルーフバルコニーをつくると外スペースを楽しむことができます。
ガーデニングやバーベキュー、体操や家庭菜園など、庭と同じ様に利用することが可能です。
1階のテラスにはない開放感と、外部からの侵入がない安心感で、家族だけの快適な空間となるでしょう。
関連記事:屋上をおしゃれな空間にしたい│もう一つのリビングという考え方
⑩ビルトインガレージをつくる
東京で車を所有するなら、1階を駐車場にするビルトインガレージがおすすめです。
狭小住宅は敷地いっぱいに建物をつくるので、駐車場分の敷地を確保できません。
しかし近隣に駐車場を借りようとすると、高額な費用が毎月かかるので家計の負担になってしまいます。
また家からの距離もありますし、雨の日などの利便性や防犯性にも不安を感じるかもしれません。
ビルトインガレージなら建物内に直接アクセスできるので、小さいお子さんとのお出かけも楽にできます。
防犯面だけでなく、雨風や紫外線からも愛車を守ることができるでしょう。
関連記事:東京でビルトインガレージをつくるメリット|3階建てビルトインガレージの間取り実例
まとめ
狭小住宅が東京に最適な理由は、東京の地価が高いからです。
狭い敷地や変形した敷地でないと購入するのが難しいので、狭小住宅を利用することになります。
建築面積がコンパクトな住宅ですが間取りや内装の工夫しだいで、開放的な空間にすることは可能です。
今回ご紹介した間取りを取り入れて、暮らしやすい家づくりをしていきましょう。