【事例あり】店舗併用住宅の間取り│暮らしやすく整えるポイントをご紹介
店舗併用住宅の間取り計画を失敗してしまうと、住居としての住みにくさや店舗経営の伸び悩みなど不具合が生じるかもしれません。
店舗併用住宅を新築した目的を叶えることができないと後悔することになるでしょう。
そうならないためには、店舗併用住宅の間取り計画に必要なポイントを抑えることが大切です。
こちらの記事では間取りのポイントと、店舗併用住宅の事例をご紹介します。
快適な店舗併用住宅の新築計画に、ぜひお役立て下さい。
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- 店舗併用住宅とはどのようなものなのかご紹介します。
- 店舗併用住宅の間取り計画に必要なポイントを、まとめてお伝えします。
- 店舗併用住宅の事例から、生活をイメージしていきましょう。
− contents −
◼ 店舗併用住宅とは
◼ 店舗併用住宅の間取りを整えるポイント
◼ 店舗併用住宅の事例をご紹介
◼ まとめ
店舗併用住宅とは
店舗併用住宅とは、店舗と住宅を併用している建物のことです。
美容室やクリニック、カフェやエステサロンなどの店舗を1階に設けて、2階以上を住居とした間取りが一般的です。
店舗と住宅を別で建てるとなると、土地の費用や建築費用が2倍にかかりますが、店舗併用住宅であればコストを抑えながら両方の目的を叶えられます。
また家を新築する際は周辺の環境について、治安や学校までの距離、買い物しやすいスーパーがあるかなどを見ていきますが、店舗としての用途が加わるので、業種の需要や地域の年齢層、お客様の駐車場を確保できるかなども慎重に検討しましょう。
店舗併用住宅の間取りを整えるポイント
店舗併用住宅の間取りをどのように整えれば、快適な暮らしと、店舗としての経営が成り立つのでしょうか。
- 玄関を別にして入り口をできる限り離す
- 家族のプライバシー確保を大切にする
- 音問題が起こらない構造を整える
それぞれのポイントを見ていきましょう。
玄関を別にして入り口をできる限り離す
店舗併用住宅は基本的に建物の中で、住居と店舗を行き来できないつくりになっています。
そのため玄関を別に作る必要がありますが、玄関の入り口はできるだけ離すことをおすすめします。
もし玄関が横並びにあると、店舗を利用するお客様と建物に住んでいる家族が頻繁に顔を合わせることになるでしょう。
お客様としては生活感を得てしまうので、サービスを受けるのに気を使ったり、高まっていた気持ちがフラットになったりとその場を楽しむことができないかもしれません。
また住んでいる家族にとっては、店舗の営業の負担にならないように出入りを控えたり、外出するときの服装に気を配ったりと、いつも緊張した状態で出入りすることになります。
そうならないために店舗の玄関は建物の正面に、住居の玄関は建物の側面か裏手につくって出入りしやすいように整えましょう。
家族のプライバシー確保を大切にする
店舗にはお客様をはじめ、業者や働くスタッフなど大勢が出入りします。
家族の生活が表にさらされていては、プライバシーを守ることが難しいでしょう。
- 干している洗濯物が、店舗の入り口付近から見える
- 店舗の窓から、庭で遊ぶ子どもの姿が見える
- 家族の話し声や生活音が店舗まで届く
このような間取りにしてしまうと、家族の生活が多くの人の目に触れるので危険が及びかねません。
基本的には建物内に住居があることが、分からない程の計画が必要です。
家族のプライバシーを保護して安全に生活できる間取りを整えていきましょう。
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音問題が起こらない構造を整える
先程お伝えしたように、住居での話し声や生活音が店舗に届いては、家族のプライバシーを確保することができません。
店舗側としても、くつろいでもらいたいお客様に、十分なサービスができないと後悔することになるでしょう。
1階に店舗、2階以上に住居をつくる間取りが多いので、縦の音漏れを防ぐ方法を見ていきましょう。
- 1階の天井、2階の床に防音材や防音シートなどを施す
- 2階の床が振動しないようにモルタルなどを塗って重さを加える
- 2階の床に吸音性の高いマットやカーペットを敷く
- 排水の音が響かないように、防音カバーのついた配管を利用する
- 静かな環境にしたい間取りの真上にリビングなどを配置しない
音は生活の仕方などで見直すとストレスになりがちなので、新築時に家の構造で対策することをおすすめします。
とくに小さなお子さんが居るご家庭であれば、音問題への対策を手厚くして、のびのびと暮らせる環境をつくっていきましょう。
店舗併用住宅の事例をご紹介
店舗併用住宅の事例を3つご紹介します。
こだわりの創作料理店を併用している二世帯住宅
江東区H様邸
敷地面積:42.80㎡(12.95坪)
延べ床面積:142.69㎡(43.16坪)
1階が創作料理の店舗、2階が子世帯の住居、3階が親世帯の住居の、店舗を併用した二世帯住宅になります。
庭は設けていませんが屋上バルコニーを設置しているので、開放的な外スペースを楽しむことができます。
店舗併用住宅はお客様の目につきやすいよう、また出入りがしやすいように1階を店舗にする間取りが基本です。
しかし二世帯住宅と併用するとなると、1階に親世帯の住居を整えて足腰の負担を和らげたいと思うことでしょう。
こちらの事例は1階から屋上まで、エレベーターを設置することで親世帯に階段の負担がなく、快適な生活空間を作ることができています。
エレベーターは屋上まで続くので、屋上の利用もしやすいと感じられるでしょう。
店舗は1階のみなので、エレベータの利用は家族せんようとなりプライバシーが守られやすく安心です。
関連記事:自宅にエレベーターを設置するメリット・デメリット│費用まとめ
1階がお蕎麦屋さんの店舗併用住宅
江戸川区 N様邸
敷地面積:140.30㎡(42.44 坪)
延床面積:174.08㎡(32.43 坪)
地元に愛され続けるお蕎麦屋さんが、自宅を併用して建てられた住宅です。
店舗と住居のエントランスをしっかりと分けることで、家族のプライバシーを守りながら、お客様がお店を利用しやすい間取りに整っています。
また店舗部分を外壁タイルで囲むことで、お客様に入り口が分かりやすい配慮もされています。
1階と2階が動物病院の店舗併用住宅
川口市T様邸
敷地面積:478.55㎡ (144.76坪)
延べ床面積:475.59㎡ (143.86坪)
大きな動物病院を営む店舗併用住宅は、エレベーター付きの3階建てです。
動物病院の正面から見えない位置に住居の玄関入り口が設置されているので、プライバシーの確保がしやすくなっています。
住居には大きなルーフバルコニーが設置してあるので、洗濯物などを干していても外から見えにくくなっています。
住居部分の生活感を出さないことも、店舗併用住宅の間取りをつくるポイントといえるでしょう。
関連記事:インナーバルコニーに後悔しがちなポイントとは?デメリットと対策まとめ
まとめ
店舗併用住宅の間取りを快適に整えるポイントをご紹介してきました。
- 出入りがしやすいように、玄関をできるだけ離して設置する
- 家族の生活が店舗側から目に触れないよう、間取りを整える
- 上下の音問題は家の構造や施工方法で対策する
家族が暮らしやすく、店舗の営業がしやすい間取りを整えていきましょう。